ホーム > インタビュー&レポート > 城田優「全てが自然体でガウディっぽさに満ちていた」 イエスの塔内部に感動! 『サグラダ・ファミリア シンフォニックコンサート』は 「スパニッシュな感じで盛り上がってほしい」
■未完の芸術完成に近づき「複雑な気持ち(笑)」「バルセロナのシンボルに胸躍る瞬間でした」
――今回のコンサート参加への想いをお聞かせください。
城田「とにかく僕自身、幼少期からサグラダ・ファミリアを日常的に目にしていましたし、文字通り本当にサグラダ・ファミリアが生活の一部だったので、イエスの塔が完成して、実際今年の6月に自分自身それを肉眼で確認できる記念式典も観させてもらって、「あ、ついにここまできたんだな」って。バルセロナに住んでいた人間として、サグラダ・ファミリアってやっぱりずっと完成されない、一生未完の芸術だというのが正直売りだったところもあったと思うんですよね。でもテクノロジーの進化なのか、スペイン人が本気を出してきたのかわからないですけど、ここにきて急ピッチで進んで、2026年頃にメインタワーが完成するんじゃないだろうかと。ガウディの没後100年のタイミングという節目のいい年に、自分自身もこのような形で祭典だったり、今回のコンサートに携われるのは、日本人の中では僕以外適任者いないよねとも思いますし、非常に光栄なことです。」
――まさに、ずっと未完の建築の代名詞だったサグラダ・ファミリアもどんどん完成に近づいているんだ、という驚きはありました。
城田「僕も日本で教科書に載っているのを見た気がするんですけど、もう100年は完成しないとされている、みたいな。スペインでもそうやって、一生工事しているし全然完成する兆しがなかった中で、急に2026年にメインタワーのイエスの塔が完成して、本当に驚きは大きいですね。大体の世界遺産って、完成したものを守っている感じがありますけど、こんなに長い間完成していないのに世界遺産って、サグラダ・ファミリアぐらいだよねっていう話ですから。そういう意味でも、やっぱりその"ブランディング"みたいなものがあったと思うんです。でも面白いもので、イエスの塔が完成したら、みんな喜んで大騒ぎしていますよね。」
――以前ドキュンメンタリー番組で、建築作業期間が長すぎて修繕に次ぐ修繕に追われているのを見て、完成の目処も立たないのではないかと思っていました。
城田「古い建物ですからね。修繕の方もずっとやられていて。本当に一生完成しない世界遺産だと思っていたので、複雑な気持ちです(笑)。みんなも一生完成しなきゃいいのに、と思っていたところもあると思います。そこがガウディの未知な感じとも相まって、「やっぱりこれは難しい挑戦なんだ」と。これはすごく異次元の建物であり、他のものとは違うんだという唯一無二の証明にもなっていたと思うんですけど、「あれ?なんか急に大きく動き始めたんじゃない?」っていうのは正直ありますね(笑)。」
――2023年に東京国立近代美術館で開催された『ガウディとサグラダ・ファミリア展』でもナビゲーターを務められていましたよね。
城田「そうです、バルセロナと言えば城田優みたいなところで、日本の芸能界的に多分僕以上にバルセロナっぽい人はいないと思うので。やっぱり自分のホーム感があって、FCバルセロナとか何かバルセロナにまつわるものにはすごく愛を持って見たり聞いたりしているので、今回もまたこのような形で参加できて光栄です。」

――ガウディの作品だと、グエル公園やカサ・バトリョはカラフルでポップなイメージがあったのですが、その展覧会でサグラダ・ファミリアも内部があんなにカラフルなステンドグラスで彩られていることを初めて知りました。
城田「そうですよね。あれはもう中に入らないとわからない。僕も幼少期の頃に初めて入ったときはまだ全然工事中で、ステンドグラスのカラフルな色なんてなかったんですけど、十数年前に行ったときに左右で違う色味の、夕日と朝日や海と山みたいな、全然違う色味のステンドグラスの反射を見たときにめちゃくちゃ感動して。そこからもう必ず、友人やバルセロナに行く人たちには「ぜひ時間がありましたら内部に入ってください!」と勧めています。もちろん外観も素晴らしくカッコいいし、外から見るだけでも価値があるとは思うんですけど、やっぱりあの感動は中に入ってこそだと思うんですよ。ステンドグラスもさることながら、支えている柱たちが木々のように広がっているんですよね。そこがまた美しくて。ガウディが目指した自然をテーマに作った造形や、「巨大な楽器」として響かせるよう設計したと言われてもいますが、楽器でもあり、自然の森でもありという。やはりガウディにしか作れない、ちょっと良い意味でクレイジーな発想だと思います。」
――長年継続して建築作業が続いていることは有名ですが、あそこまで内部など変貌を遂げていることは知らない方も多いのではないかなと思いました。
城田「そうですね、工事をしているイメージが強い方からすると、あんなに内部が繊細に、そして色彩的にもすごく鮮やかに作られているというのは知らない方もいらっしゃると思います。」
――今回のコンサート公演では、NHKが撮影してきた映像と相まっての演出になるので、そういった美しさもきっと高画質で楽しめそうですね。
城田「詳細はまだわかりませんが、確実にここでしか見られない映像の数々があると思いますし、そこは本当にぜひ楽しみにしていただきたいところですね。長い期間丁寧に取材してきたNHKだからいいよって許された映像だったり。6月の記念式典の生中継もそれが結構強くあったと聞いています。情熱を持って通い続け向き合ってきたスタッフの愛をスペイン人はちゃんと感じているんだなと思いましたし、1人1人の愛だったり情熱の掛け算がこのような映像やコンサートに結びついていると思うので、結局最終的には人間の愛や情熱が強いよね、と思わされました。」

■激レア内部潜入に感動「"境界線がない感じ"がガウディらしい」
――6月の式典のために赴いたときに実際に中に入られて、以前と変わっていた部分も多かったのではないでしょうか。
城田「外観で完成したところもそうだし、そもそもこれまでイエスの塔というものがなかった。その中にまで入って内部を見たことで、もう全く印象も違いましたし、普段入れないエリアにたくさん入らせていただいて。バルセロナ中を一望できるエリアやイエスの塔の内部だったり、もう激レア中の激レアの観光気分で。僕の感覚ではバルセロナはホームっぽい感じがあって、今更あまり観光をする気にもならないんですけど、そんな自分がすごく観光客の気持ちになった。それくらい、普段入れない特別な空間に入ってバルセロナを一望し、「わあ!あそこがあれだ!うちどこだろう!?」みたいな。東京タワーの上に登って見るような感覚なんだけど、もっと特別な感じでしたね。」
――その中でガウディらしさを感じた部分は何でしたか?
城田「もうそれは全てですよ。その作りが全て! 特にサグラダ・ファミリアって教会じゃないですか。教会って大体対称的に作られていて、三角形の屋根があって、ミサができてみたいなオーソドックスな作りがありますけど、サグラダ・ファミリアにももちろんそういう空間はあるけれど、全然左右対称じゃなくて、もはやアシンメトリーなのかシンメトリーなのかもわからない、そういう新しい言葉を作った方がいいんじゃない?っていうぐらい、何かガウディらしいというか。植物の描き方や内部の作りも、全てが自然体でガウディっぽさに満ちていて、階段などにまでそれが表れている感じがあって。階段だからここは普通にしましょうとかじゃなくて、うねりとか、その段差の感じとか、これは危ないねみたいなところまで、やっぱり何かガウディ。それをガウディっぽさと呼んでいいのかはちょっとわからないですけど、グラデーション感というか、「はい、ここは階段です。ここは別のエリアです」とハッキリしていない、その"境界線がない感じ"がガウディらしいなと思いました。」
――それが上の方の細部にまで表れていたと。
城田「表れていますね。整っている状態の中にガウディらしさがちゃんとそれぞれあって。モニュメントにおいても独自の個性だったり。でも、大前提にキリスト教のための教会ですから、ちゃんとそのメッセージ性が外壁にもいっぱい詰まっているんですよ、いろんな動物とか。「これは何々を表している」ってガイドと一緒に行って説明を受けないとわからないレベルの細かなものが、びっしりと細部に至るまで詰まっていて。僕らも説明を何度も受けていて、上の方にも内部にもあるんですけど、外から見ていてもそれがいっぱいあるんです。だから、そういう部分においてもこだわりが半端じゃないんです。引きでの外観の印象は「なんか塔みたいなものがいっぱいあるよね」と見えるけれど、近くで見るともうとんでもなく細かい! めちゃくちゃ繊細に作られているので、ぜひ生で見てください。でも、それを生で見ずとも、その臨場感や最新の映像を楽しめるというのがこのコンサートの魅力なので(笑)。
生で見たいけれどちょっとバルセロナまで行けない!という方に、さらに音楽を添えて、飛行機やホテルだったりを取らなくとも、日本でその感動を味わえるのが本公演の売りかなと思うので、サグラダ・ファミリアが気になっている方は、少なくともこのコンサートにはいらしてください(笑)。」

■「オレ!と既に言いたいくらい!」堅苦しくないスパニッシュに染まる唯一無二のコンサートに
――今回は城田さんはストーリーテラーということですが、本公演ではどのような関わり方をされるのでしょうか?
城田「基本的にはMCのような、サグラダ・ファミリアのストーリーを僕の声で紡いでいく役割です。当日は自分の言葉で、サグラダ・ファミリアに対しての想いだったり、ゲストの皆さんとお話をしたり、そのライブ感を楽しみつつ、堅苦しくないスペインらしいコンサートにしたいなと個人的には思っています。構成においても、まだ絶賛協議中のところがあるのですが、その日のケ・セラ・セラ精神で僕自身も楽しみつつやっていきたいなと思っております。」
――『サグラダ・ファミリア シンフォニックコンサート』ならではの、期待したいことは何ですか?
城田「選曲においてもスパニッシュサウンド全開な曲たちが並んでいますが、そこにさらにギターのサウンドが加わると、もう「オレ!」「アレ!」と言いたくなるような感じがスペイン人からするとあるんですけれど(笑)、そういったところも楽しんでいただいて。それこそ僕は「オレ!」と既に言いたいぐらい、会場全体がスパニッシュに染まったらいいなと思っていますし、日本でこの規模で、映像との融合だったり、実際にスペインに縁がある人間も交えてみんなで作るコンサートはなかなかないので、そこは他のコンサートとの違いですね。堅苦しいものにはしたくないとお伝えした通り、城田がそもそもストーリーテラーとして登場している時点で、トークだったり、来ていただいてるお客様にも笑顔やユーモア含め楽しんでいただける時間にしたいと思っていますし、粛々と厳かに......というよりは、もう少し砕けた雰囲気で皆さんにもお話を伺いつつ、バルセロナ、そしてサグラダ・ファミリアの空気を感じてもらえるようなコンサートにしたいと思っております。また、作り手側だけでなく、お客様にもスパニッシュな感じで盛り上がってほしいなという思いもあります。手拍子だったり、「オレ!」「アレ!」みたいな掛け声が思わずお客様もでちゃうぐらいの熱量の音楽やストーリーテラーとしてのガイドができればいいなと思います。」
――では改めて、ガウディ建築やサグラダ・ファミリアの魅力、影響力をどう感じているか教えてください。
城田「やはり唯一無二ですね。世界にはいろんな建物がありますが、ただやっぱりガウディのような、見るだけで「これはガウディだよね」となる建築物ってなかなかないと思うんですよ。その中でもシンボルとして建っているのがサグラダ・ファミリアで、先ほどお伝えした通り、本当に細かく見ていったら1時間、2時間じゃ絶対見切れないものなんですね。よく絵画を眺めて「1時間でも見ていられる」と表現したりしますが、それとは全然意味合いが違って、本当に細部まで緻密で何時間もかけないと見終わらないんです。それくらいの規模のものがサグラダ・ファミリアであって、その唯一無二な建物をフィーチャーしたコンサートであり、ここでしかできない演出に加えて、そこに僕がストーリーテラーとして参加させていただくという、それぞれのコラボレーションがどう調和して、当日お客様の胸を刺激するのかを、ぜひ会場で見ていただきたいと思います。」
――楽しみにしています、ありがとうございました!
「世界遺産とトップアーティストが奏でる名曲のコラボレーションを体験できるプレミアムなコンサート。東京公演は、2026年11月15日東京国際フォーラム ホールA。大阪公演は11月25日フェスティバルホールにて開催する。」
Text by 能一 ナオ
(2026年9月 3日更新)
▼11月15日(日) 東京国際フォーラム ホールA
▼11月25日(水) 18:30
フェスティバルホール
S席-14500円
A席-12000円
B席-9500円
BOX席-30000円
バルコニーBOX席-14500円(1名様分。2枚単位(合計29000円)での販売)
車椅子席-14500円 車椅子1名+介助者1名セット券-29000円(2名様分/1枚で車椅子1名・介助者1名入場可)
[出演]城田優(ストーリーテラー)
[指揮]栗田博文
[演奏]日本センチュリー交響楽団/村治佳織(g)
※未就学児童入場不可。小学生以上はチケットが必要です。車椅子席はチケットご購入後、お問合せ先までご連絡をお願いいたします。ご来場前にはサンライズプロモーションのHP(https://sunrisetokyo.com/)より最新情報のご確認をお願い致します。公演中止の場合を除き、チケットご購入後の払い戻しはいたしかねます。なお出演者変更の場合でも他公演への変更・払い戻しはいたしかねますので予めご了承ください。
[問]サンライズプロモーション■0570-00-3337