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Nagakumo、セルフタイトルを冠した『NGKM』で示す
希望とスタンス
9月にはPangeaで初ワンマン&リリースパーティーを開催

2021年に関西で結成、オオニシレイジ(g)、コモノサヤ(vo)、ホウダソウ(ds)、オオムラテッペイ(b)からなる4ピースバンド・Nagakumoが、待望の1stフルアルバム『NGKM』(読み:エヌ・ジー・ケー・エム)をリリースした。自らを“ネオネオアコバンド”と称し、90’sの渋谷系やネオアコ、ギターポップを系譜に独自の感性や実験性を織り交ぜて、どこか懐かしくも新しいポップミュージックを生み出してきた彼ら。今作には既発シングル6曲とセルフカバー、新曲7曲の全14曲が収録された大ボリュームの意欲作。今回はオオニシとコモノに、バンドの現在地やアルバム制作の裏側、今後についてたっぷり話を訊いた。9月26日(土)には東京・キネマ俱楽部で、9月27日(日)には大阪・心斎橋Pangeaで『Nagakumo 1st Full Album NGKM Release Party「It’s like a supermoon」』を行う。意外にも、大阪でのワンマンライブは初とのこと。長尺で今のNagakumoが届けたい音楽を目撃するチャンスだ。ぜひ足を運んでほしい。

波長の合うスタッフや仲間と、良いチームになれた


――バンド活動6年目で、徐々に全国へと活動の幅が広がっていると思いますが、実感はいかがですか?

オオニシ「前回の東名阪ツアー『この距離を飛び越え』(2026年1~2月に行ったツーマンツアー)もありがたいことにたくさんの方に来ていただいて。東京は渋谷CLUB QUATTROで、過去最大の規模でできたので、成長はしてこれたなと思っています。結成以来、音源制作もコンスタントにしていたんですけど、アルバムを作るのが今回初めてで、それは初挑戦の部分ですし、もう9月なんですけど2026年の今、1番脂が乗っているというか、気合いの入った1年にしていきたいなと思っております」

コモノ「"関西から全国へ"みたいなところで言うと、おっしゃっていただいた通り、フェスに出たり東京にバンド仲間ができたりというのは実感していて。自分たちは戦略的にやるというよりも、ご縁のあるところに運ばれるスタイルで活動してきたので、新しい景色を見せてもらうたびに"ありがたいな"というか、"こんなの見れると思ってなかった"ぐらいの気持ちで、皆と一緒に成長してきた感覚ですね」

――活動はDIYでしょうか?

コモノ「マネジメントや所属事務所はなくて、今作のアルバムは自分たちとSECOND ROYAL RECORDS(京都のインディーズ音楽レーベル)との共同リリースになっています。アルバムの構想は3年前からあって、完成したところでセカロイと一緒にやろうとなったので、制作に関しては自分たちでやっている部分が多いですね。ただ、リリースを迎えるにあたってはいろんな人に頼ってます。セカロイのオーナーの小山内(信介)さん含め、各メディアの皆さんに繋いでもらったり。今作は自分たちだけじゃできなかった広がりを見せられていると思います」

オオニシ「いろんな方と支え合って、横の繋がりでワンチームでやっているのが、Nagakumoの活動の特徴だと思ってます」

――関西のインディーバンド界隈にはチーム感がありますね。

コモノ「自分たちのプライベートな事情も含め、バンドとして上京を考えたことは1回もなくて。関西でやっていくイメージがずっとあったし、私も大学生の頃から関西のインディーズシーンを見てきて、そこに参加したい気持ちがあったし。最初"どこでライブやりたい?"と聞かれて"Pangea"と答えたバンドなので、ずっと関西に根ざしてやってきたなと思います」

オオニシ「そうですね。根ざしていきたいですね」

――今年2月にぴあ関西版WEBで対談されていた(『Hyper Luv Pop 2026』直前対談企画)、Pangeaのブッカー・住田(悠真)さんとも一緒にされているんですよね。

コモノ「住田は、今作リリースの約1年前からNagakumoのマネージャーとして入ってくれています。初代マネージャーもPangeaの元スタッフの方なので、うちに入るスタッフも関西インディーの中の人がちょうどいいんやろうな、と感じてます」

オオニシ「住田はブッカーでマネージャーで、自分でもイベントを企画するエネルギーのある人なので、そういう部分がNagakumoの手作りの活動スタイルとぴったりハマって、すごく良いチームになれて嬉しいですね」

コモノ「今、めちゃくちゃ安定してますね」

オオニシ「広がりは見せてるのに安定感がある。関わってくれる方たちが単純に増えたし、自分たちを面白がってくれる人たちと同じ熱量でやれるからこそ、チームとしての安定感がどんどん増していると思います」



アルバム『NGKM』は、Nagakumoのスタンスを表す1枚


――今作『NGKM』は、現時点のNagakumoの集大成と言えそうですね。

オオニシ「タイトルが『NGKM』で、僕らは頑なにセルフタイトルアルバムだと呼んでるんですけど」

――もちろん、伝わってますよ。

オオニシ「我々、"ネオネオアコ"という冗談みたいなキャッチフレーズを使わせてもらってるんですけど、ただの渋谷系やネオギターポップの焼き回しじゃないことは強調したくて、"ネオ"が2個ついてるんですよね。それで、1個目の"ネオ"に全部の責任を押し付けてるんですけど(笑)」

――そうなんですか(笑)。

オオニシ「Nagakumoの曲は僕が作っていて、僕はオルタナ、ロック、ジャズ、ファンク、いろんな音楽を通ってきて。もともと渋谷系音楽の、洋楽を分解して再解釈したりサンプリングする、"文化"という意味でのニュアンスや精神性もすごく好きなんです。今我々がやってる"ネオネオアコ"は、"当時流行っていたギターポップをそのままやってます"じゃなくて、新しいものをインディペンデントでやってる自分たちだからこそ、皆さんに"こんな曲やる奴おるんや、こんなCD出すバンドいるんや"と面白がってもらえると思っていて。"自己満足じゃない、人を楽しませる"という意味での独自性も含めての"ネオネオアコ"、ひいてはアルバム『NGKM』が、Nagakumoのスタンスを表す1枚になったのかなと思います」

――オオニシさんのリリースコメントに"3年半費やした生バンドによる最高の演奏アルバム"とあって、完成度の高さと自信が伝わってきました。

オオニシ「自信だけはずっとありますね(笑)。バンドのリリースやライブ面ではいろんな方の力をお借りしてるんですけど、音源制作という意味では自らを信じて、4人の身体から出るものだけでやってきているので、自信がないとここまでできなかったと思います」

――制作に3年半を費やしたというのは?
                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                               
コモノ「2023年8月に『JUNE e.p.』を出して、今回はその後3年半の間に作った曲を全部詰め込みました。『JUNE e.p.』の後、"新曲を出すぞ"という時点で、レイジの中にはアルバムに入れる曲を作ってシングルで出していく構想が既にあったという意味で、3年半かかったアルバムです」

オオニシ「ファンの人がマイペースな僕らの活動を待ってくれてるのが本当にありがたいですね」



3回のアレンジを行う、独自の制作プロセス


――Nagakumoは制作で編曲の工程が多いと他のインタビューで拝見しましたが、今回はどんな感じで作っていかれたんですか?

オオニシ「Nagakumoの音源ができるまでのステップは結構珍しいと思います。編曲のフェーズが2段あって、1段目はメンバーが初めて曲を聴く段階で、既に編曲まで終わっているんですよ。そこからメンバーによって全く別のドラムフレーズやベースラインが入ってきたり、サヤちゃんが歌詞を書く時にメロディが変わったり。そういう2段目のアレンジ作業があるんです。1段目では、"あくまで雰囲気を伝えるための仮編曲"をやっていて。あえて無駄な工程を1回挟む面白さというか。全曲その作り方ですね」

コモノ「1段目で"これはこういう曲です"と完全にイメージできるし、なんならどこかで流れててもおかしくないぐらいのデモが来てるのに、ベースラインを変えて、ドラムも変えて、BPMも構成も変わって、みたいなことが起きて、それをレイジがもう1回集約して、"じゃあこの曲はこれで編曲完成とします"という最後の取捨選択を、多分3回目の編曲と呼んでる」

オオニシ「じゃあ3段ありますね(笑)。だから3年半もかかるんですよね」

――1番スムーズにいったとして、1曲作るのにどれぐらいかかるんですか?

オオニシ「まず1曲バンドメンバーに送るまでに3ヶ月ぐらいかかって、そこからレコーディングまでにいろいろ変わるので、全部で半年ぐらいですかね」

コモノ「曲が何曲か揃ったらレコーディングの日程を決めて、最後の仕上げがスタジオなどでも行われていく形ですね」

オオニシ「特に『NGKM』の収録曲は、音源になる前に長くライブでやってきた曲もあって、それは初期と完全に違うポイントだなと思ってます。ライブをする中で、各々の癖で、曲がどんどんバンドに馴染んでくる。そうしたプロセスを踏んだ後にレコーディングをするのは今作特有というか、最近のNagakumoっぽいかもしれないです」

――コモノさんはオオニシさんからデモがきて、どんなふうに歌詞をつけられるんですか?

コモノ「テーマと一緒にデモがくる時も、タイトルだけ決まってる時もあるし、ほんとに白紙のままデモだけいただくこともあります。その場合は自分でテーマを決める形になりますね」

――歌詞がついて、また曲が変わることもあるとか。

オオニシ「そうなんすよ。特に季節を意識しないデモを送ったら冬の歌詞があてられて、"うわ、めっちゃ良いやん"となって、"じゃあもうちょっとゆっくり演奏したいな"みたいなことがありますね」

――メンバーさんからのアイデアでどんどん広がっていくんですね。

オオニシ「まさにそうです」



アルバムの冒頭を彩る、あいまいな希望ときらめき


――1曲目の「NGKM」はプロローグ的なポエトリーリーディングですね。歌詞の<100年先まで 瑞々しい稀有>が<ngkm>にかかるとしたらすごく素敵だなと思いまして。アルバムの希望とスタンスが閉じ込められているというか。

コモノ「かなり大きなことを言ってますけど、そう感じていただけたら嬉しいです」

――歌詞はどのように書かれたんですか?

コモノ「レコーディング当日までかなり悩んで、自分として"めっちゃ良いものができた"というよりかは、"もうこれでいきます!"みたいな感じではあったんです。正直、"これから始まっていくアルバムに対して何が言えるんだろう"というところがあまりイメージできていなかったんですよね。だから、"希望"としてもかなりふんわりしているというか。"どういうものかわからないけど、何かキラキラしてる"みたいな状態を目指して書きました」

――<水面><プリズム><ガラス>、全て輝くものですね。

コモノ「短尺の曲だったので、光を見つけていく景色をどうするかなと考えて、かなり悩む中で、自分の部屋に貼っている、谷川俊太郎さんの"真っ白なまぶしい世界の中で、私は突然「始まったと」思った。何が始まったのかはわからない。でも終わったのはなく、始まったんだと思ったんだ。 "という言葉のポストカードからインスピレーションを受けました。その詩で表現されているのは"終わったんじゃなく始まった"ということなので、"きっと始まりなんだろうけど、それが何で、なぜ綺麗なのかわからない"という空気感を描きました」

オオニシ「僕、この歌詞を見たのはレコーディング当日なんですけど、見た瞬間にガッツポーズしました」

――そこからの「Supermoon」(M-2)は、爽やかで幕開けにふさわしい曲です。

コモノ「レイジと共作で歌詞を書いたのは、『EXPO』(2022年3月)に収録の「Awayokuba」以来2曲目。最初からアルバムの表題曲にすること、2人で歌詞を書くことを決めた上で作った曲ですね」

オオニシ「「Supermoon」は、"『NGKM』というアルバムをスタートダッシュさせる曲を作ろう!"と思って作りました。メンバー全員めっちゃ気合い入ってたし、レコーディングも他の曲より時間をかけて、何テイクも録りました」

コモノ「エンジニアさんもミックスの段階で、"この曲がベースになるぐらい、時間と手間をかけて詰めた"と言ってくださって。万場一致で表題曲やから、皆とにかくコミットしましたね」

オオニシ「「Supermoon」は歌モノで、"Nagakumoの魅力120%"みたいな曲になったと思います。歌の魅力、アグレッシブなバンドサウンド、プレイヤーの個としての魅力もあるし、編曲の緻密さもすごくバランスが取れている。そのバランスの五角形全部がグラフからはみ出してる曲にしたかった。なので"ネオネオアコって何?"という人は"「Supermoon」を聴け"と思います」

――"ネオネオアコの真意はオルタナであること"、ともコメントされていましたね。

オオニシ「今"オルタナ"というとオルタナギターロックのことを指すけど、そうじゃなくて、"新しいものとして置き換えて作り替える、再解釈する"という本来の意味の"オルタナティブ"であるということですね」

――この曲を聴けば、Nagakumoのこともオルタナの感覚もわかると。

オオニシ「ネオネオアコの"ネオ"と"ネオアコ"の部分が、両方良い感じで詰まっています」

――歌詞が共作の時はどのように書かれるんですか?

オオニシ「僕が先に書きますね。で、一部"ここ書けてないんだよな"というところを、サヤちゃんに穴埋めで助けてもらいます」

――コモノさんの歌詞は抽象的なので、どこまでも飛んでいけそうな感じがします。

コモノ「嬉しいです」

――対してオオニシさん作詞の、例えば「ストライプ・ストライプ」(M-4)は日常生活に即していて、とても共感しました。

オオニシ「歌詞は僕の方が具体ですね」

――そしてやはり、「ストライプ・ストライプ」のイントロ30秒の長尺ドラムは新鮮でした。

コモノ「あれは私もびっくりしました」

オオニシ「"歌から入れ"みたいな時代に、16小節のドラムソロがアルバムの前半に出てくるという。これは最終レコーディングの直前にスタジオで編曲を詰めていた中で出てきたアイデアなんですけど、実際に演奏してみたらすごくハマって。"自分たちが今面白いと思っているものを記録する"という意味でレコーディングした結果、自分たちのマインドも乗っかる形になりました。この曲は僕がアルバムの中で唯一メインボーカルの曲なので、編曲者目線でのチャレンジもやりやすかったです」



完成した時に魔法がかかった「Christmas Card」


――お2人が今作で特に聴いてほしい楽曲はありますか?

オオニシ「全部聴いてほしいんですけど、11曲目の「Christmas Card」というアルバム初出しの曲。アルバム前半が結構濃い味のアグレッシブなサウンドなんですけど、後半にかけてどんどんエモーショナルで、メロウに展開していく構成になってるんです。「Christmas Card」はメンバーも"めっちゃ良い音源になったな"と言っていて。シンプルなデモから始まったけど、完成した時に魔法がかかった。「Supermoon」と比べると時間をかけずにレコーディングも終わったんですけど、Nagakumoのリラックスした普段の良さがすごく表れていると思います。レコーディング翌日に録音した音を聴きながら電車に乗ってたんですけど、泣きましたね」

コモノ「(笑)」

オオニシ「作詞はサヤちゃんなんですけど、"なんて素晴らしい歌詞を素晴らしい音で録れたんだ"と思って。そんな曲がアルバム後半で出てくるので、曲順通りに聴いてほしいです」

――一言で言えばクリスマスソングですが、世間一般が想像するだろうクリスマスソングとは全く違いました。

コモノ「それは嬉しいですね」

――カッコ良いし、ギターソロで始まって歪むし、クリスマスのキラキラした夢心地のような1番から、2番では現実感が押し寄せてくる感じが良いですね。

コモノ「これは冬の曲を作ろうと思ったんですよ。これまで冬の曲がなかったのと、ちょうど11~12月にかけてこの歌詞を書いていたので、その時期を投影しやすかったのもあり。クリスマスのキラキラした感じは大好きなんですけど、そこと見せかけて、結局光っているのは"冬"だという。ふわっと浮かれてキラキラしてるけど、もっと自分の中や身近なところにきらめきが見出せたらいいのにな、みたいな想いを込めました。クリスマスソングにしては退屈そうな部分もあると思うんですけど、クリスマスの空気に馴染みきれない部分も、表現したかったかな」



アルバムだからできる構成、表現、聴かせ方


――コモノさんの聴いてほしい曲は?

コモノ「ライブでお馴染みの「スウィート・スペース」(M-9)は、アルバムでは「帰路」(M-8)という短いトラックがついて、「スウィート・スペース」に帰るまでの「帰路」が足されているんですよ。シングルで聴いた時とアルバムで聴いた時で、気持ち的にも見える世界や音が広がって、かなり贅沢な聴き方をしてもらえるのかなと。それこそ通しで聴いてもらわないと味わえない、アルバムならではのこだわりポイントだと思います」

――「帰路」は生音感がありますね。

コモノ「環境音を皆で録って、歌も本番トラックでは使わない声で歌っているので」

――コーラスの重なり合いのような。

コモノ「そうです。そうです」

オオニシ「家の部屋の中で歌ってる感じ。ステージというよりはセッション的ニュアンスにしたかったんです」

コモノ「アルバムの曲数だからこその余白を大事にできたかなと思ってて。アルバムの中にあるから、今まで見せたことのない表情の豊かさを見せられたのが面白い」

――アルバムならではの構成で言うと、インタールード的な役割を果たしている曲が何曲かありますね。「帰路」は8曲目で、アルバムのA面とB面が切り替わる位置です。

オオニシ「おっしゃる通り」

――そこから後半の12曲目にアコギだけのインスト曲「(afterglow)s」があることで、またアルバムの流れが変わります。

コモノ「嬉しいです。「(afterglow)s」はライブでしかやったことなくて、「ショートバラード」(M-13)の前奏曲なんです。ライブでは2曲セットでやってるので、ライブで観てくれていた人は"あの曲だ"となるんですけど、アルバムでは"「ショートバラード」として捉えてほしかったのはここからなんだ"という作りになっています」

オオニシ「制作があってライブをするところから、ライブがあってインスピレーションを受けて音源制作があるという作り方に変化した。この2曲の並びには、その相乗効果が1番表れたと思います」

――1分半の「ショートバラード」は本当に豊かな楽曲ですね。

コモノ「すごく美しい。短いけど詰め込んでます」

オオニシ「アルバムの先行配信が「ショートバラード」というのも面白いですよね」

コモノ「短すぎて、"これ配信できるんですか?"って聞いたもんね(笑)」

――でも、聴いてほしかったということですか。

オオニシ「いろいろ悩んだ結果「Supermoon」は残しときたくて、「ショートバラード」に先行を任せる形になりました。結果良かったです」

――そして、アルバムは「あるところ」(M-14)で終わっていきます。

オオニシ「曲順は結構悩んでたんですけど、僕の中では「あるところ」が14曲の中で1番異質というか、かなりセッションっぽく作ったんですよ。あまり取捨選択をせず自由にやった結果、ライブでも全然違う雰囲気になって。2024年に東京でやった初ワンマンライブのテーマをこの曲から取っていたという意味でも、Nagakumoにとって大事な曲。アルバムの最後を任せられる大将みたいな曲を、「あるところ」が快く引き受けてくれました」



インディペンデントな自分たちを見て、バンド音楽が盛り上がってほしい


――あと"音楽オタクしかわからない引用やオマージュ"が山ほど入っているそうですが、言える、あるいは言いたいものがあれば教えてください。

オオニシ「ネタバラシするのもあれなので、考察してもらいたいです。なぜかというと、特に正解があるものでもないんですよ。なのでそれぞれの正解を見つけてもらうのが1番いいかなと。僕はHIPHOPでリリックをサンプリングする文化が好きで、アニメや映画でも引用文化があるけど、それが音楽でも活性化したらいいなと思っていて。自分がその一端を担って盛り上げたくて意識的に取り入れているので、"これやりました"と制作側が言うのではなく、皆さんで楽しんでもらえるのが理想ですね」

――"音楽界にポピュラー・ミュージックを再定義するための合言葉を伝える"とコメントされていましたが、シーンに一石を投じる気持ちもおありですか?

オオニシ「大きいことを言うと、バンド音楽自体を盛り上げたいです。インディペンデントに活動する人たちがもっと増えてほしいし、音楽業界でパイを取り合うんじゃなくて、皆で盛り上がっていけたらなとずっと思っていて。そこで"Nagakumoができることは何だろう"と思った時、言い方が難しいんですけど、大きい動きで活動するバンドだったらやりにくいことも、Nagakumoなら挑戦的にできると思うんです。例えば今作では特装版のアイデアを自分たちで出して発注して、梱包もやった。そういう取り組みを提示して、"こんなんやっていいんや"みたいな動きが、関西を中心に広がっていけばいいなと思います」

――Nagakumoの夢はあるんですか?

オオニシ「これ、いつも迷うんですよね。"武道館に立ちたい"みたいな目標があって始めたバンドでもないので、何となく"もっと大きいフェスに出たいです"と言ってるんですけど、それも"自分たちが楽しみたいし、楽しませたい"ということが活動の指針となっている旨の回答なので。"Nagakumoがめっちゃビッグになるんだ"というより、"Nagakumoが音楽業界の本の1ページに載って、その本が分厚くなっていけばいいな"という気持ちがありますね」

コモノ「本当に良い意味でも悪い意味でも、明確な目標はないんですよ」

オオニシ「悪い意味は困るけど(笑)」

コモノ「頑張り方って2つあると思ってて。目標を決めてそこに向かって頑張るのを良しとされる方ももちろんいらっしゃると思うけど、私たちは目標に向けて逆算で考えていくような動き方ではないので、わかりやすくお答えできることがないのも心苦しいんですけど(笑)」

オオニシ「正直に喋りすぎているかもしれない(笑)」

――いえいえ、ありのままのお答えが嬉しいです。

コモノ「Nagakumoを面白がってくれる人たちが増えていくことが、何よりの目標かもしれないですね。そうすることでフェスや大きなステージに立たせてもらったり。私たちのステップアップは全てそういう形で生まれてきたので、もっと一緒に面白がってもらえるバンドになれたらいいのかなとは思います」

――9月末には、東京と大阪でアルバムのリリースパーティーが行われます!

コモノ「大阪では初めてのワンマンライブなんです。満を持してホームのPangeaでやらせてもらえるので、何も怖いものはない。逆に前日の東京・キネマ倶楽部はかなりチャレンジング」

オオニシ「どう考えてもキネマ倶楽部の方が緊張しますよね。Pangeaはリラックスしてできると思う。全然違う表情を見れて面白いと思います」

コモノ「アーティストとしての成長もお届けしつつ、地元大阪では本当に我が者顔で(笑)、我が家のようなライブをすることになると思うので。シックなパーティーとアットホームなホームパーティー、どっちも来てほしいです」

――ちなみにもう次の制作に入っているんですか?

オオニシ「全く入ってないですね(笑)。リリースしたばかりなので、ひとまずそれを見届ける感じですけど、引き続き、無理せず活動を続けていきたいです。このツアーが次の作品や今後の活動のインスピレーションになれば1番良い形かなと思います」

コモノ「他力本願ですけど、すごくそれを願ってます。スタッフさん含め、皆さんからもらうパワーや見せてもらう景色があってこそ続けてこられたので、今回もそうなるんだろうなって期待してます」

オオニシ「Nagakumoはプロジェクトじゃないので、本当に応援と協力で成り立っていることを皆さんに知ってほしいです。これを読んでる人には、"マジでこれからも応援よろしくお願いします!"と、心からお伝えしたいです」

Text by 久保田瑛理




(2026年9月16日更新)


Movie

Release

Album『NGKM』
発売中

【特装盤】 (CD + NGKM BOOK)
5500円(税込) SRCD-077

【通常盤】 (CD only)
3300円(税込) SRCD-078

《収録曲》
01. NGKM
02. Supermoon
03. コートを着て
04. ストライプ・ストライプ
05. 贅沢な週末を
06. Question
07. 悠久の星
08. 帰路
09. スウィート・スペース
10. White Dish, Blue Spoon
11. Christmas Card
12. (afterglow)s
13. ショートバラード
14. あるところ

Profile

2021年1月1日活動開始のネオネオアコ・バンド。1999年~2001年生まれの4人のメンバーが独自の感性で鳴らす渋谷系・ネオアコギターポップサウンドを「ネオネオアコ」と名づける。2021年2月17日に『PLAN e.p.』をリリース。初作品のハンドメイドCDでありながら、 オンラインショップを中心に話題を呼び、売り切れの店舗が続出した(現在は廃盤)。2022年3月9日には2作目となるミニアルバム『EXPO』をリリース。東京、大阪で行われたリリースパーティーはコロナ禍の中、共にソールドアウト公演となった。2023年8月9日、待望のサードワーク『JUNE e.p.』をリリース。前作同様、リリースパーティーは東京大阪共にソールドアウト。2024年にはCIRCLE’24 / ONE MUSIC CAMP / YATSUI FESTIVALなど各地のフェスに出演。2026年1月2月には京都、名古屋、東京にて幽体コミュニケーションズ / スーパー登山部/ Laura day romanceを迎えたツアーも敢行。東京はバンド史上最大キャパとなる渋谷CLUB QUATTROにて行われた。8月26日には1st Full Album『NGKM』をリリース。リリースに伴い東京・ キネマ倶楽部 / 大阪・心斎橋Pangeaでのワンマンライブが開催される。結成以来、関西を中心にマイペースに活動中。

Nagakumo オフィシャルサイト
https://nagakumo.jimdosite.com/


Live

Nagakumo 1st Full Album NGKM Release Party
「It's like a supermoon」

【東京公演】
▼9月26日(土) 東京キネマ倶楽部

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード:328-554
▼9月27日(日) 17:00
LIVE HOUSE Pangea
スタンディング一般-4800円(整理番号付、ドリンク代別途要)
スタンディング学割-3800円(整理番号付、ドリンク代別途要)
※6歳以上有料、5歳以下入場不可。
※学割:入場時に身分証の提示必須。忘れた場合差額を支払って入場可。
※販売期間中はインターネット販売のみ。1人4枚まで。チケットの発券は9/13(日)朝10:00以降となります。
[問]サウンドクリエーター■06-6357-4400

『ボロフェスタ2026
 ~25th anniversary~』

チケット発売中 Pコード:334-947
▼11月1日(日) 11:25
KBSホール

KBSホール1日券(一般)-7600円(整理番号付、ドリンク代別途要)
KBSホール1日券(学生割引)-6600円(整理番号付、ドリンク代別途要、要学生証)
KBSホール1日券(小中学生)-3800円(整理番号付、ドリンク代別途要)

[出演]おとぼけビ~バ~/奇妙礼太郎BAND/TENDOUJI/Trooper Salute/171/コロブチカ/kurayamisaka/雪国/グソクムズ/SYAYOS/踊る!ディスコ室町/YOGEE NEW WAVES/Nagakumo/クリトリック・リス/さらば帝国/zoo/Blume popo/他
※小中学生チケットでご入場の際、小学生は保護者(ご家族)同伴に限り有効。中学生は保護者(ご家族)の同伴がない場合、学生証、保険証等提示必要。学割チケットの方は、受付時に学生証・生徒手帳の提示必要。10/31(土)METRO公演、11/2(月)公演はオールナイト公演となり、18歳未満及び高校在学中の方は入場不可。来場の際、年齢確認ができる身分証必要。チケット購入後の変更・払戻不可。また、出演者変更・キャンセルに伴う払戻無し。その他の注意事項は公式サイト(https://borofesta.jp/)でご確認ください。 全通し券あり。全通し券の詳細はPコード:782-429。
※販売期間中は1人1公演につき8枚まで。オールナイト公演の小中学生チケットは販売なし。
[問]にしき屋■075-254-1930

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Present

《応募方法》
・ぴあ関西版WEB(@pia_kansai)アカウントをフォロー
・応募規約をご確認の上、下記ポストを応募締切までにリポスト
・〆切:2026年9月27日(日) 23:59まで

https://x.com/pia_kansai/status/2100153753886458052