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「間」に生まれる音を求めて
Hedigan'sとNOT WONKが交わった夜

人と人、時間と時間、その「あいだ」に生まれるものをテーマに、Hedigan'sが敬愛するアーティストを迎えて開催する自主企画「AWAI」。第3回となる今回は、9月3日に大阪・梅田クラブクアトロでNOT WONKと対バンを果たした。Suchmosのボーカル・YONCEこと河西“YONCE”洋介を擁するHedigan'sと、北海道・苫小牧を拠点に活動するNOT WONK。Hedigan'sのベーシスト本村拓磨は、この日はNOT WONKのメンバーとしてもステージに立った。異なる場所で音楽を追求してきた2組の「あいだ」にはどんな景色が生まれたのか。

●NOT WONK

静かにステージへスタンバイした加藤修平(Vo&Gt)、本村拓磨(Ba)、高橋尭睦(Dr)の3人。シンプルな3ピースのセットが、余計なものを削ぎ落としたような佇まいを見せる。ぬーっと現れた本村に、加藤が「今、すげぇ気になったんだけど。本村くんてHedigan'sのときもそんな感じで入ってくんの?」とぼそり。「うん。一緒だよ」と返す本村に、客席からも笑いが起こる。そんなゆるやかなやりとりから始まった。

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照明を落とした静寂のなか、「Some of You」へ。ぽろり、ぽろりと鳴るギターに繊細な歌声が重なり、徐々に音の層が厚みを増していく。やがてノイジーなギターが空間をかき乱し、逆光のシルエットに浮かび上がる3人。8分を超える長尺曲のなかで静と動を行き来し、ピタリと音が止まる瞬間まで緊張感が途切れない。信頼し合う者同士だからこそ成立する、研ぎ澄まされたアンサンブルだ。

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続く「Down the Valley」では青い照明のもと、軽快なビートが立ち上がる。アキムの温度を感じさせるドラミングが全体を牽引し、加藤の歌声が鋭く響く。轟音と閃光に包まれる場面では、加藤と本村が向かい合いながら音を交わし、本村は身体を揺らしながらベースを躍動させる。3人の音がぶつかりながらひとつのグルーヴへ収束していくさまが心地いい。

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「About Foreverness」では、土の匂いを感じさせるような親しみやすい旋律を響かせたところで、加藤が「どうさ! 対バン。本村くんがNOT WONKで弾いてるの知らなかった人いるでしょ? (呼ぶバンド)間違ってんのかなって? 間違ってないんだよ~」と客席に語りかける場面も。「俺たちは北海道に住んでて。ベースいなくなっちゃって。俺、本村くんのことずっと好きで」と、加入の経緯を説明する加藤。「みんなで応援してあげてください!」とこの日のハードな本村を労うMCにほっこり。

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「Same Corner」では細かなフレーズが絡み合いながら演奏がじわじわと熱を帯び、「楽しいね!」という加藤のひと言に客席からも大きな反応が返る。「Embrace Me」では一転、なめらかなギターと柔らかなベースが心地よく響いた。

「ずっと変な気持ちが続いてて。浮気現場に鉢合わせた照れくささがある(笑)」と加藤。「どうぞ!」と本村にコメントをふると、「自分が目立つ日になってるんですけど、わざとじゃないんです」と笑わせる。さらに本村が「対バンを考えてたとき、自分以外のメンバーが即答でNOT WONKとやりたいって言ってくれて」と明かすと、大きな拍手が起こった。今日の対バンを待ち望んでいた客席の反応も感じられる場面だった。

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その流れから「Grape」へ。2026年5月にリリースされた本村加入後初の音源で、遠く離れた誰かや場所を思わせる歌詞と、疾走感のあるバンドサウンドが交差する。フィードバックを絡めながら、ベースとドラムが強く前へ押し出していく。その後は「the place where nothing's ever born」で空間そのものを揺らすような音像を作り、「dimensions」ではバンドから放出されるエネルギーを受け止め続けるフロア。静けさから轟音までをひとつの流れとして描き出し、美しいクライマックスの高揚へと誘った圧巻のラストだった。

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●Hedigan's

河西"YONCE"洋介(Vo&Gt)、栗田将治(Gt)、栗田祐輔(Key)、本村拓磨(Ba)、大内岳(Dr)がスタンバイを終えると、YONCEが「どうも」と水をひと口。大内のドラムアタックから、地を這うような本村のベースラインを軸に、5人のグルーヴが瞬く間に立ち上がる。くねくねと身体を揺らし、まるで波に乗るように歌うYONCE。ボイスパーカッションやコーラス、シャウトまでが音の境界を越えて交わり、フロアを一気に引き込んでいく。

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本村のソリッドなベースイントロから「グレー」へ。強いビートに身体を揺らす観客が増えていき、「But It Goes On」では栗田兄弟のツインギターがロックの色を濃くする。本村もギターに近づいたり、身体を大きく動かしたりと自由自在。そのまま未発表の新曲をさらりと差し込むところも彼ららしい。「地球(仮)」では重厚なグルーヴでじわじわと熱を帯びさせた。

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5曲を終えたところでYONCEが「NOT WONKかっこよかったな!」としみじみ。今回が「AWAI」初の大阪開催であることに触れ、「そこには何をかくそうこの男がいるじゃねえか!」と本村へ。NOT WONKとHedigan's、両方のステージに立つ本村を「クレイジーホース状態」と笑わせると、本村は「とっても楽しいです」と飄々。さらに「どっちのバンドもとても大事にやってるから、一晩でいろんな人に観てもらえるのはなんて幸せなことなんだろうって。ありがとうございます!」と語り、大きな拍手を浴びた。

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「お客さんがいて、好きなバンドとライブができて。いいもんだな。バンドって超いいよなあ!」と噛みしめるYONCE。「今日は帰ってバンドを組んでみてください(笑)」と勧め、「一箇所だけ自由な場所があるのが心強いんです」とバンドへの想いを語った姿が印象的だった。

そんなMCのあとに鳴らされた「再生」は特別な意味を持つ。フォーキーなギターとYONCEの温かな歌声に心が動かされた尊い時間。将治がたっぷり聴かせるギターソロからも音楽愛があふれていた。

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「LOVE (XL)」ではソウルフルな歌声で日常の愛を歌い、"多摩川の夕陽"を"大阪の夜"へ。続く新曲「ハリネズミ」ではファルセットを交えたYONCEの歌声と、気怠さを帯びたミドルテンポのグルーヴが新たな表情を見せる。シンセ、骨太なベース、芯のあるビートが絡み合い、じわじわと身体を揺らす中毒性のあるサウンドだ。

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終盤の「説教くさいおっさんのルンバ」は、音源から大きく姿を変えたブルース色の濃いアレンジへ。将治のギターが唸り、怒りや生きにくさを吐き出すようなYONCEの歌に、フロアからジャンプが起こる。続く「敗北の作法」では、本村のシャウト&スクリーム!将治のブルースハープも飛び出し、祐輔がYONCEの背中に覆いかぶさり、ステージはカオス状態に。YONCEが「HEY! 脇の下しめてるかい!」と叫び、「ハイボールの作法!」と遊び心を炸裂させる。

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「BtbB」まで駆け抜けたあと、本編最後は「論理はロンリー」。YONCEを中心に4人のハーモニーが重なり、美しい歌声が静かに染み込んでくる。激しく音をぶつけ合った直後だからこそ、その穏やかな余韻が深く残る。アンコールでは客席から「おつかれー!」と声が飛び、本村が「本当に幸せです」と笑顔を見せた。

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「バンドのことしか話すことがないぜ! ありがとうバンドでした!」締めくくったYONCE。この言葉が、この夜のすべてを物語っていた。最後は「O'share」のめくるめくビートに乗せ、5人と観客がもう一度、音楽の楽しさを分かち合った。

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音楽をともにするメンバーへの信頼と、そこで音を鳴らすことの楽しさ。ステージ上の彼らがあまりに楽しそうだから、少しうらやましくなった夜。でも、その気持ちを置き去りにしないのが、この夜のよさだった。「一箇所だけ自由な場所があるのが心強いんです」というYONCEの言葉には、音楽に限らず、自分にとってのそんな場所を見つけてほしいという思いが滲んでいるようで。ステージと客席、その「あいだ」にも、そんな自由な場所を思わせる時間が流れていた。

Hedigan'sの「AWAI vol.3」は、9月10日(木)に東京・恵比寿LIQUIDROOMでも開催。ゲストにはTexas 3000を迎える。

Text by 岡田あさみ




(2026年9月 8日更新)


Live

「AWAI vol.3」

【東京公演】
▼9月10日(木) 19:00
LIQUIDROOM
STANDING 一般-5500円
STANDING U-18-3500円
[ゲスト]Texas 3000
※未就学児童入場不可。ドリンク代別途必要。入場時に生年月日の確認を実施いたしますので必ず身分証をご持参下さいませ。身分証を忘れた場合、チケット代の差額\2,000をその場にていただきます。

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Link

Hedigan's 公式X
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Hedigan's 公式Instagram
https://www.instagram.com/hedigans/

NOT WONK 公式サイト
https://notwonk.jimdofree.com/