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“ライブハウスのルールはひとつだけ!
気持ちが昂ったら拳を上げろ!”
osage、Cloudy、ミルミールズが熱演
新イベント『BANQUET!!』が大阪で初開催

5月12日(火)、大阪・Yogibo HOLY MOUNTAINにて対バンライブ『BANQUET!!』が行われた。本イベントは、“若手アーティストをフックアップしたい、そのアーティストを若者にも知ってもらいたい”という想いで、キョードー大阪とぴあがタッグを組んで新しく始動したもの。記念すべき第一回目は、osage、Cloudy、オープニングアクトにミルミールズが出演した。しかもチケット代はなんと破格の1,000円! 今大注目の新進気鋭アーティストが揃ってこの値段とあれば当然と言うべきか、平日ながらチケットは完売。学校帰りや仕事帰りとおぼしき人たちが続々と会場に集まった。今回はそんな熱き夜の模様をレポートする。

定刻の5分前になると、MCでFM802 DJのハタノユウスケがステージに登場。「『BANQUET!!』始まりました~! 初開催にしてソールドアウト! 疲れをふっとばしてくれる3組が出演してくれます!」とフロアを盛り上げて出演者を紹介し、オープニングアクトのミルミールズにバトンをつなぐ。


【ミルミールズ】

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ミルミールズは2024年に東京で結成された、龍之介(vo&g)、宗一郎(g)、風人(b)、聖貴(ds)からなる現役大学生ロックバンド。バンド名には"食べきれないほどの音楽で、聴く人の心の空腹を満たしたい"という想いが込められている。この日のMCでも明かされたが、彼らはメンバー全員が2004年生まれ。コロナ禍で高校生活の3年間を過ごさなければならず、大事な青春の時間や思い出を奪われてしまった世代だ。龍之介は「ぽっかりと心に穴が空いたような感覚」と形容していたが、自分たちが満たされない想いを抱えているからこそ音楽では満腹にさせたいという、メンバーの誠実で切実な気持ちが伝わってくる気がした。そんな彼らの楽曲、サウンドはキャッチーでポップながら、歌詞には嫉妬や独占欲が渦巻いている。

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大阪でのライブは『MINAMI WHEEL 2024』以来1年半ぶり2度目だ。「1曲目からしっかり盛り上げてCloudyとosageにバトンを渡したいと思ってます! 最後まで一緒に自由に楽しんでいきましょう!」(龍之介)と気合い十分に挨拶し、「憂鬱日和」「思わせ振り」と軽快でキャッチーなアンサンブルを響かせる。初見の人も多いであろうフロアからは早速クラップが発生し、力強く手が上がった。

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メンバーは「関西はほんとにノリが良くてめちゃくちゃ楽しい」と口を揃える。龍之介は1年半前の来阪の際、「大阪でのライブが楽しすぎて、翌日アメ村でギターを買って帰った。"次に大阪に来る時は、満パンのライブハウスでライブができたらな"と思っていました。今日はオープニングアクトかもしれないけど、皆さんのおかげで僕の夢がひとつ叶いました」と喜びを滲ませた。

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後半は、一度聴くと耳から離れないメロディーやギターリフが印象的な「未練」、メンバーの生まれ年をタイトルに冠した「2004」を投下。内側に秘めた感情を吐露するように激しくサウンドをぶつけていく。今年3月にリリースされたミニアルバム『I SAVE ME』でサブスクを解禁した彼ら。この作品には"自分で自分を救う"という意味があると龍之介は語る。どうにもならない空虚な気持ちを抱える中でも「曲を書いて、みんなが共感してくれて、その共感に僕たちは救われます。そうやって自分で自分のことを救っていきたい」と想いを伝え、最後に「みんながいなきゃダメだよってことを歌います」と、光を感じる「君が居ないと」で締め括った。全5曲25分、堂々たるステージで存在感を示したミルミールズだった。


【Cloudy】

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続いて登場したCloudyは、2023年7月結成、東京発の4ピースバンド。2025年には株式会社ロッキング・オン・ジャパンのオーディションプロジェクトで優勝を果たし、『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2025』にオープニングアクトで出演した実力者。先だって『JAPAN JAM 2026』で彼らのライブを観たというハタノは「MCなし、曲だけをやるストロングスタイル。"自分の考えややりたいことは全部曲に書いてるし、それを表現するのがライブやで"と言われてるようでめちゃめちゃカッコ良かった」と実感を込めた。

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リハから爆音を解き放ち、会場を圧倒していた小柴タケト(vo&g)、キノシタハルト(g)、守屋浩次(b)、おおつかつばさ(ds)の4人は、ブリンク 182の「Dumpweed」をSEにステージに現れると、いきなり爆裂ロックに「優しさを失くした」を投下。続く「命を燃やしている」では、"俺たちを見ろ!"と言わんばかりに、瞬間のエネルギーと感情、矜持を激しく輝かせる。骨太でキレキレ、安定感抜群の守屋・おおつかのリズムと、時に攻め、時にボーカルに寄り添うキノシタのギター、突き刺すように声を振り絞る小柴のボーカル。4人が繰り出すアンサンブルはとにかく直球。いなたくプレイしているように見えるが、構成や1つひとつのフレーズに至るまでのサウンドメイクは、しっかりと練り込まれている印象があった。

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ずっと耳と目が離せなかったのは、ボーカル・小柴の存在感だ。彼の佇まい、目線、色気、歌唱スタイルは唯一無二。気だるげな空気を纏って歌い始め、アウトロでエモーショナルにロングトーンを響かせた「サミダレ」、過ぎ去った過去と<あなた>との思い出を独り言のように歌うロックバラード「おぼろげ」、曲繋ぎで下を向いた姿勢からゆっくりと身体を起こし、ハスキーな声色で紡いだ「少年の疑念」と、心の内側に入り込む楽曲の連投で、どっぷりとCloudyの世界へいざなってゆく。

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そしていよいよラストスパート。ポップなサウンドと熱を前面に押し出した「曇り空の下より」でギアをアップすると、小柴が「愛してるぜ。1人でも戦う人に向けて捧げます」と言葉を添えた「孤軍奮闘歌」へ。時折声を掠れさせ、激しいサウンドに乗せて<頑張って生きろよ>と目の前のオーディエンスにエールを贈る。「絶望通り」では強い眼差しで歌っていた小柴が「おれ、別に旅行とか趣味じゃないからさ、大阪に来る理由は君らに会いに来るためだけなんだよ。また会いに来てくれよ」と微笑み優しく述べて、ロックを通して出会った同志へのラブソングとも言える「無責任な肯定を」を叩き込んだ。ストイックなロックスピリットと大衆性のどちらも兼ね備えたスタイルを大迫力で提示した3人は、充実の表情で「ありがとう!」とライブを終了した。


【osage】

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トリは、2017年下北沢発のosage。ハタノが言った「(osage)はストーリーテラーや俳優のような側面を持っていると思う。曲ごとに全然違うテイスト、それに憑依するようなパフォーマンスを見せてくれる」という言葉は、早々に確信へ変化した。

ウィーザーの「Run Away」をSEにステージに走り込んだ山口ケンタ(vo&g)、金廣洸輝(g&cho)、ヒロクサマ(b&cho)、田中優希(ds)は、勢いよく「最終兵器」でライブをスタート。山口は少ししゃがれた声で歌ったり、ハイトーンを思い切り伸ばしたりと、1曲の中でも豊かな声色と表情で魅せていく。続く「セトモノ」では金廣とクサマが前へ出て煽り、山口も大きく動いて熱を上昇させる。 <ミルミールズ、Cloudy、osage、そして俺たちが好きなあなたの音楽がどうか 誰にも邪魔されぬように>と歌詞を替えて歌う場面もあり、観客の心を鷲掴みにした。

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しっかり手が上がるフロアを見て嬉しそうに破顔した山口は「誰もひとりにしないための歌を歌いたい。乗り遅れんなよ!」と叫び、90秒のショートチューン「夜明けの唄」をとびきりロックに伸びやかに飛ばし、会場を巻き込んだ。

中盤はアニメ『ポンコツ風紀委員とスカート丈が不適切なJKの話』OPテーマで5月リリースの最新シングル「ヒトリゴト」、最新EP『歌えもしない恋ばっかだ』に収録の「悪い人」を連投。さらに歌うようなギターリフが小気味良い「残り香」、失恋した男性の心情をストレートに描いた「あの頃の君によろしく」を、切なさを宿して披露する。山口は感傷的なムードになったのか、「大阪に来て久々の友達に会えて、俺はそれが何よりも嬉しかった。あなたともまたこうして出会えたらいいなって、心から思った!」と感情を爆発させ、エモーショナルな余韻を作り上げた。

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山口は『BANQUET!!』について「めちゃめちゃ良いじゃん。平日がほんの少しだけ良い思い出になるような、すげえ素敵な企画。ただ"嬉しい、楽しかったね"で終わるんじゃなくて、"ここでミルミールズ観たぞ、Cloudy観たぞ、osage観たぞ"ってまた自慢しに来てほしいわけ。俺たちはあなたの自慢になりに来ました! 1番大切な歌を」と叫び「ウーロンハイと春に」を真っ直ぐにぶつけていく。高まる熱を受けて山口が「ライブハウスのルールはひとつだけ! 気持ちが昂ったら拳を上げろ!」と叫ぶと、呼応したオーディエンスは前のめりに拳を突き上げる。ラストはosageの新境地とも言える、男女の恋愛を赤裸々に描いたラブソング「ごめんね」で思い切り疾走。山口のギターの弦が切れるほどのパワーを爆発させ、ステージを後にした。

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アンコールに応えて再登場した4人は、とても清々しい表情を見せた。そして「今日出会えたのは偶然じゃない、運命的な出会いの歌!」と「マイダイアリー」を全力プレイ。溢れ出す衝動の潔さ、気持ち良さはとても爽快で、なんだか心が軽くなった。山口は最後に「この場を作り上げた全ての人たちに拍手を!」と感謝を伝え、情熱の40分を終えたのだった。

こうして初回の『BANQUET!!』は、最高にロックでハピネスな空気で終了した。それぞれの音楽表現、感情表現で会場を揺らした3組は、これからますます活躍の幅を広げていくだろう。さらに嬉しいことに、3回目の『BANQUET!!』の開催も決定! 詳細は『BANQUET!!』の公式SNSをチェックしよう。

Text by 久保田瑛理
Photo by ヤナギ




(2026年9月 9日更新)


Set List

【ミルミールズ】
01. 憂鬱日和
02. 思わせ振り
03. 未練
04. 2004
05. 君が居ないと

【Cloudy】
01. 優しさを失くした
02. 命を燃やしている
03. サミダレ
04. おぼろげ
05. 少年の疑念
06. 曇り空の下より
07. 孤軍奮闘歌
08. 絶望通り
09. 無責任な肯定を

【osage】
01. 最終兵器
02. セトモノ
03. 夜明けの唄
04. ヒトリゴト
05. 悪い人
06. 残り香
07. あの頃の君によろしく
08. ウーロンハイと春に
09. ごめんね
EN.マイダイアリー

Live

関西で開催されるライブをピックアップ!

Cloudy 2nd Album「できるだけ感動の方へ」release tour

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード:324-909
▼10月17日(土) 17:00
Shangri-La
スタンディング-3900円(ドリンク代別途要)
※未就学児童は入場不可。
※販売期間中はインターネット販売のみ。1人4枚まで。チケットの発券は、10/10(土)朝10:00以降となります。
[問]キョードーインフォメーション■0570-200-888

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『BANQUET!!』公式X