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「中間地点に立ってつなぎ役になることこそ、
これからのNELKEのあり方のヒントになる」
メジャーシーンで歩き出したNELKE・RIRIKOが導いた答え

2023年にRIRIKO(Vo&Gt)のバンドプロジェクト・RIRIKO BANDとして始動し、翌年の春に名前を一新し歩みを進めた5人組バンド・NELKE(ネルケ)。バンド名が変わるや否やZeppクラスのワンマン公演をソールドアウトさせ、さらに日本を代表する大型音楽フェスへ次々と出演を果たすなど、快進撃と表現するにふさわしい進み方をしてきた。そんな彼らは今年4月、活動開始から実質3年弱でメジャーデビューを果たした。そんなNELKEのカギを握るのは、もちろんセンターに立つRIRIKO。RIRIKO BAND以前〜以後の音楽活動についてはもちろん、NELKEとしての活動開始以降の変化や、7月にリリースしたEP『In Liminal』の制作に至るまで、NELKEにまつわるありとあらゆることについて話を聞いた。印象に残ったのは自分の中にある答えについてキッパリと潔く答えていくその口調と、ケタケタと楽しそうに笑うその表情。自分の中にある言葉と音に、真摯に向き合うRIRIKOのインタビューをお届けしたい。

NELKEならば、自分のことも
赤裸々に歌えそうだなと思った



――NELKEは2023年にRIRIKOさんのバンドプロジェクト・RIRIKO BANDとして活動を始めたことが起点ですが、それ以前にRIRIKOさんが音楽を始めたきっかけをうかがえますか。

「小5の頃、夏休みで親戚が集まった時に年上の従兄弟たちがギターを始めていたんです。弾かせてと頼んだけど貸してもらえなくて、代わりにウクレレを渡されたんです。親戚の家には夏中滞在していたんですけど、その間に何曲か弾けるようになりました。そして東京に帰ったら親がその気になって、ギターレッスンにまで行かせてもらうようになって。それがきっかけです。レッスンも楽しかったから、今まで続けてこられたんだろうなと思います」

――楽しく続けられた習い事だったと。

「本当にそうです。しかも当時はYUIさんが弾き語り女子の神的存在で私も憧れて。初めて買ったのはYUIさんのCDだったし、純粋にYUIさんをかっこいいと思ってずっと続けてきました。その後中学に入って曲を書きだして将来の夢もシンガーソングライターって言うようにもなって。元々は自分で書いて自分で歌うのがスタンダードとしてあったんです」

――バンドプロジェクトとしてスタートするまでは、ギターの弾き語りをやられていたんですね。

「はい。10年くらい...つい4年前まではそのスタイルでした」

――それがバンドプロジェクトになったのは...?

「私自身10年ほどシンガーソングライターとして活動してきてメジャーデビューを経験してバズった曲もあったので、それを一新する勇気もなかったというか。NELKEのドラムのKeiとの出会いも、シンガーソングライター時代にサポートで叩いてもらったことなんです。サポートとして出会ったので、いきなり新バンドという形を取るのではなくあくまでボーカルがRIRIKO、バンドはサポートのようなイメージのバンドプロジェクトとしてスタートさせようとなりました」

――ソロからRIRIKO BANDになって気づきや発見も多かったのでは? と思います。

「Keiくんがサポートになった時、"RIRIKOの曲は弾き語りじゃなく、絶対にバンドとライブで演奏するのがいい"って言われたんです。ひとりで活動を続けてきて、見ている景色も含めてこのままでいいのかな...と思っているところもあったので、アドバイスをくれる人が現れたのが大きくて。彼はサポートメンバーではあったけど、プロデューサー的に動いてくれました」

――RIRIKOの曲はバンドでやった方がいいという言葉はすぐ納得できました?

「そうなんだ、くらいの感じでした。でも当時は迷いの中にいたので、バシッと言ってくれるこの人の手を掴んでみてもいいのかなと思ったんです。シンガーソングライターのシーンではなくライブシーンというか、ライブハウスでたくさんのバンドと一緒に対バンできるアーティストを目指そうと環境を変えるところから始めていきました」

――その後RIRIKO BANDという名前も、2024年にNELKEへと一新されました。

「いろいろとリセットされた気がしました。名義もNELKEとしてのリリースになるし、SNSのアカウントもNELKEになってRIRIKOからは完全に切り離されて。だからこそバンド名は迷ったところでもあって、RIRIKOの名前をバンド名に残さないのは勇気ある決断でもありました。フォロワーが少ないのにライブ力があるバンドが現れた! 自分が見つけた! みたいに言ってもらえることも増えたんで(笑)。名前を変えたことでフレッシュ感のあるバンドとして捉えてもらえたので、結果論になるけどそれがラッキーでした」

――伺っていると、楽曲制作の面でも変化が起こりそうですね。

「実はNELKEになるまでの間にも作家として楽曲提供をしてきたんです。その時に薄々感じていたのが、人のために書いた方がいい曲がかけるのかも...ということで」

――おぉ。

「人に歌ってもらうからこそ、自分の生々しいことが曲にできてしまうというか。自分で歌わないから私のことってバレないし(笑)。あと、私の曲ができるのを待っている人がいる方が頑張れることにも気づいて。だからNELKEとして活動するならば曲を待ってくれているメンバーがいて、守らなきゃいけないバンドがあって...NELKEならば自分のことも赤裸々に歌えそうだなと思いました」

――バンド名からRIRIKOという名前が外れたのは大きかったですね。

「本当にそうですね。今は曲を待ってくれている人がいて、チームがいて、守るべき場所がある。それが頑張れる理由になっているなと思います」



切なさや儚さを含んだものに
NELKEらしさがあると思う



――NELKEが2024年にスタートして早々にさまざまな大型フェスへの出演も経験して、2026年4月にはメジャーデビュー...って、かなりハイスピードで物事が進んでいっていますね。自分たちを俯瞰して見ることはできていますか?

「もう、俯瞰しまくりですよ」

――それはすごいですね。

「私はメンバー内で唯一メジャーデビュー経験もあるので、嫌われ役になってもいいから立ち止まって考える役になるべきだと思っているんです。地に足をつけた動きをする役というか。猛スピードで進んでいることに振り落とされそうにもなるんですけど、ここまできた自分たちを信じて浮き足立たないように進めているので、ちゃんと俯瞰できているのかなと思います」

――光の速さで進んでいることに対しては、どんな感想を持っていますか?

「メジャーデビューできるとは想像もしていませんでした。私が新宿出身なんですけど、地元にZepp Shinjukuが完成したので、そこを目指そうと始まったのがRIRIKO BANDなんです。それが活動開始から3年くらいで叶ったらいいなと思っていたら、1年半で叶って。今は自分が想像するより早くあれもこれも決めないと...となっていっている感じなんです。でもとにかく今できることを今やろうとずっと続けてきて、こんな状況は想像していなかったけどたくさんの経験があったからこその説得力があるなと思っています」

――そしてこの7月初旬にはデジタルEP『In Liminal』をリリースされました。この作品の制作の出発点からお話を聞きたいです。

「先行して「Bouquet」と「Chapter」の2曲をシングルでリリースしていたので、その延長線上にある作品にしようというのが始まりです。本当はEPとしてもう少し曲数があってもいいのかなと思ったけど、それこそ私たちの活動のスピード感やNELKEがメジャーでもコンスタントに曲を書いてリリースができるバンドだと提示したかったので、できた曲を時系列順に収録していきました」

――なるほど。メジャーデビュー曲でもあるEP1曲目の「Bouquet」ですが、この曲に担わせたかったRIRIKOさんの制作のムードはどんなものだったのでしょうか。

「メジャーデビューヅラができるというか、歌詞もサウンドも誰が聴いても"これがNELKEの表題曲だ"ってわかる曲を! と思いました。イントロのストリングスのメロディーが思いついた時に、すごく安心したんです。いけそうだって。このメロディーがすごくフックになるなと思って」

――「Bouquet」はまるでアニメのオープニングテーマのようなドラマチックさがありますよね。

「そうそう、NELKEのオープニングテーマを作ろう! という想いもありました。ただNELKEらしさとは? というのを突き詰めてみたら、コード進行を含めてちょっと儚さや切なさが含まれたものだという答えに辿り着いて。メジャーだから明るい、広がっていくようなコード進行になってしまうと、これまで応援してきてくれた人たちを置いていってしまう。私たちがここまで大きくなるために見つけてくれた人たちを大事にしたかったので、何よりNELKEらしい曲で始めたいというのはありました」

――じゃあNEKLEらしさとは何かという問いの答えがある状態で、メジャーデビューを迎えられたんですね。

「そうですね。Keiくんにデモを送った段階で"めちゃくちゃNELKEっぽいね、これでメジャーデビューできたらかっこいいね"って言ってくれたので、これでいいんだと思えました。まだNELKEらしさを言葉にするのは難しいんですけど...やっぱり儚さなのかな。あと私、すごく日本語が好きで、日本語の美しさもNELKEらしさかもしれません」

――日本語は確かにすごく美しいけど、使い方の難しい言葉ではないですか? たくさんの受け取られ方をする言葉でもあるというか。

「そのいろんな捉え方をされる点がいいなと思っているんです。それこそ2曲目の「Chapter」は人間の取捨選択をテーマにしていて、ラブソングとして書いてはいるんですけど、選ぶ/選ばれないというシチュエーションは就職活動だったり、私のことで言うと音楽をやっていく中でもたくさんあったことです。人間の取捨選択に対する可能性を、日本語で伝えたいと思いました。英語だとバシッと結論が出てしまうというか。あえての日本語でのまわりくどさも結構好きですね。「Chapter」は「Bouquet」を作っていく中で浮かんでいたフレーズを冒頭に使っていて、いいフレーズだけどちょっと華々しさに欠けたので「Bouquet」に使わずに取っておいたんです。でも忘れられないフレーズだったので次の曲に使おうと。だから「Chapter」はめちゃくちゃ人気のあるカップリング曲みたいなイメージで」

――あ、それすごくわかりやすいですね。

「あとベースのタケダトシフミがすごくローファイな音が好きなので、彼が好きそうな音のアプローチも取り入れてみようという実験もありました。ライブもイメージできる曲かなと思います」

――そして3曲目が「Greedy!!」です。

「これはCMのタイアップソングなのでテーマがあって書き下ろした曲なのですが、メジャーシーンらしさのある明るい曲調になりました」

――先ほども人のために書く方が書けるというお話もありましたね。

「そうなんですよ、だからこそ今まで作ってこなかった明るい曲調にチャレンジできた気はします。ただ明るいコード進行やメロディーに馴染みがない分、浮かばなくて大変でした。でもキーボードのちゃんしおが、こういうのが使えるんじゃない? ってヒントになるフレーズをたくさん作って渡してくれて。その中のひとつにピンときて、そこから広げていきました」

――そういうの、バンドになった意味がめちゃくちゃありますね。

「ありましたありました」

――最後が「Echo」です。ここまでの3曲があった上で制作された曲だったわけですよね。

「はい。そこまでの3曲はシングルで出してきていて、どれも表題曲になりうる華やかな曲揃い&味が濃い感じもしたので、ラストはメンバーの生音だけで作ろうということは考えていました。イメージはすっきり爽やかに。そして地に足がついた感じを、生バンドだけで表現できたらなと。それをEPの最後に差し込んだことで、締まりがある感じにできました」

――EP全体を通してどの曲にも疾走感がありますね。バラード不在、というか。

「それこそEPのために曲を作ったのではなくて、1曲1曲にフォーカスして作ったからこそそうなったのかなと思うのと...すごく必死だったのもあると思います。NELKEとして進む上での心の移り変わりがリアルタイムで反映されている曲たちだからこそ疾走感が印象的な楽曲が固まってできたのかな」

――そんなふうに制作が進んだ4曲を収録したEPに『In Liminal』というタイトルをつけた経緯が気になります。それこそ名刺的EPだし、バンド名がタイトルになってもいいのでは...? というか。

「今年はメジャーデビューの年でもあるのでこうやってインタビューに答えさせてもらったりラジオに出させていただいたり、バンドを見つめる時間がすごくたくさんあるんです。その中でNELKEの楽曲に懐かしさを感じたり、アニメのオープニング曲っぽさがあると言っていただいたりすることもたくさんあって、それは私自身平成のロックやポップスをルーツに育ってきたから、美しいと思うのがそういう音楽なんだよなという気づきがありました。ただ育ってきたのは平成のJ-ROCKでありつつ、今私たちは令和の、SNSが使われてバズという現象がある時代を生きる人々に音楽を届けないといけないと感じていたんです。「Bouquet」を作る前は、NELKEの楽曲に対して"平成っぽいね"とか言われることにコンプレックスも感じていたんです」

――それはなぜ?

「令和の今は受け入れてもらえないのかなとか、今後私たちの曲はバズらないかもしれないとか考えて。でもNELKEはSNSを通して見つけてくださる方も多いし、そこからライブに足を運んでくださる方もたくさんいるんです。そしてちゃんとその結果としてメジャーデビューをすることができた。NELKEにはライブ感やアナログっぽさに代表されるような平成感もあるけど、SNSなどの令和感もある。しかも昭和世代の親に育てられて(笑)。そしてやっぱり私たちはライブを大事にしているので、SNSから入った人たちがライブに足を運んでくれるのは、すごくつながりを感じられることでもあって...。なんかそういう中間地点や境目をいろいろなところに見出して、つなげていけるんじゃないかと思ったんです。時代をつなぐだけでなくジャンルを超えてもいいと思うし、ライブに来たことがない人がライブに来るようになるとか、音楽の架け橋になってもいい。NELKEがそういう立ち位置になるきっかけになるかもと思えたのが今回の4曲でした。それで『In Liminal』という境界・あいだ・曖昧な状態を意味する言葉をタイトルにしたんです」

――NELKEが境目に立って音楽活動をしていることって...今、利点しかなくないですか? いいとこ取りで進めているというか。

「そうなんですよ! でも前はどっちつかずなんじゃないかとか中途半端だなと思っていたんです。でもバンドとしていろいろと結果が出るようになって、自信を持って中間地点にいられるようになったと思います。中間地点に立ちながらいろんなことのつなぎ役になることこそ、これからのNELKEのあり方のヒントになるのかなと思っています。うん、まずは今、つなぎ役であることがNELKEの現在地かな」

取材・文/桃井麻依子




(2026年8月 3日更新)


Movie

Release

Digital EP『In Liminal』

配信中

《収録曲》
01. Bouquet
02. Chapter
03. Greedy!!
04. Echo

Profile

ネルケ=RIRIKO (Vo&Gt)、Kei (Dr)、タケダトシフミ(Ba)、ちゃんしお(Key)、伊藤雅景(Gt)による5人組ロックバンド。NELKEとはドイツ語で「カーネーション」という意味。花びらが集まって一つの花として強く咲くようにRIRIKO一人で作ってきた音楽が、一つのバンドとして力強く生まれ変わる(incarnation)という意味を込めている。2023年、RIRIKOのバンドプロジェクト「RIRIKO BAND」として始動。2024年春、NELKEに改名し新しい一歩を踏み出す。ライブを中心に活動し、恵比寿LIQUIDROOM、Zepp Shinjuku、Zepp Diver Cityなどをワンマンライブでソールドアウトする。さらに『JAPAN JAM 2025』や『MERRY ROCK PARADE』『COUNTDOWN JAPAN 25/26』などの大型フェスにも出演。2026年4月1日、配信シングル「Bouquet」でメジャーデビュー。RIRIKOが生み出す色彩豊かな楽曲の数々とその圧倒的な歌唱力、観客を魅了する熱量の高いライブパフォーマンスは同世代を中心に支持を集めている。

Live

NELKE 2MAN TOUR 2026『MERGE』

PICK UP!!

【大阪公演】

▼10月14日(水) 19:00
BIGCAT
スタンディング-5000円(整理番号付、ドリンク代別途要)
[共演]NEE
※未就学児童は入場不可。
[問]キョードーインフォメーション■0570-200-888

【愛知公演】※SOLD OUT
▼10月27日(火) ダイアモンドホール
[共演]NOMELON NOLEMON
【神奈川公演】
▼11月18日(水) KT Zepp Yokohama
[ゲスト]フレデリック

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『OSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVAL 2026-THANKS 10TH GIGA-』

▼7月25日(土)・26日(日)・8月1日(土)・2日(日)
舞洲スポーツアイランド
※NELKEの出演は8月2日(日)13:50~SUN STAGE

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『Maxell presents FM802 MINAMI WHEEL 2026』

【大阪公演】
▼10月10日(土)~12日(月・祝)
ANIMA/AtlantiQs/BEYOND/BIGCAT/BRONZE/CLAPPER/club JOULE/club vijon/CONPASS/DROP/FANJ twice/FootRock&BEERS/hills パン工場/JANUS/OSAKA MUSE/OSAKA RUIDO/Pangea/soma/SUNHALL/VARON/なんばHatch(10日のみ)
※NELKEの出演は10月12日(月・祝)

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