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時代を乗りこなす4人組・kohamo。
音楽愛と切実さが交錯したTOKIO TOKYOの夜

“コンテンポラリーなバンド”を標榜する大阪北摂発バンドkohamoが3rd EP『On my mind』リリースツアー「Teal」の初日公演を東京・TOKIO TOKYOで開催した。ところでコンテンポラリーなバンド=同時代的なバンドってなんだろう?という疑問に彼らは「ユーモアと品性を持った現代的なJ-POPを表現するバンド」という概要を回答している。これがどういうことなのか?はライブを体験するのが早い、それがこのツアー初日を体験した実感だ。改めてkohamoのプロフィールを紹介すると、メンバーは三浦海輝(Vo)、木ノ瀬大葵(Gt)、中森颯(Ba)、森本奏音(Gt)の4人組。2024年の結成以降、翌年には早くもSpotifyの人気プレイリスト「キラキラポップ:ジャパン」に選出されたり、今年は「MUSIC AWARD JAPAN 2026」の学生クリエーター奨励賞にノミネートされたほか、すでに韓国・KBSアリーナで開催された「CONCRETE JAM 2025」への出演を果たすなど、アジアでも存在感を示している。メンバーの共通体験として2022年の「SUMMER SONIC」の大トリでThe1975のライブに感銘したこと、広く90年代〜現在までのJ-POPのメガスターの影響を受けていること。王道ポップスから海外R&Bやオルタナティヴロック/ポップなど、曲ごとにジャンルの振り幅を持ち、それはおそらく表現したい心情に沿った多彩さであることが、音源はもちろん、ライブではより立体的に理解できるバンドだ。曲作りや制作が好きでたまらないバンドであり、音楽愛が前面に溢れるkohamoがリリースを重ねるごとにメッセージのオリジナリティも際立ってきたタイミングがまさに今回のツアーなんじゃないだろうか。

今回のツアー、東京の対バンはPanorama Panama Townとwapiti。ボーカルの三浦海輝のリクエストで叶った顔合わせだと、彼自身のMCで判明したが、対バンの音楽的バラエティもいかにもkohamoらしい。

20代と思しき女性ファンがボリュームゾーンだが、男性も上の世代も混在する音楽好きが集まったフロアに、トッパーのwapitiが登場。ジャンルを跨ぐ音楽性、メンバーにバイオリンが在籍するバンドサウンドには珍しいシンフォニックな広がりと、バラードから洒脱なダンスチューンまで歌えるスケール感のあるボーカルで、ライブが進むごとにさまざまな表情を見せてくれるバンドだ。朗々と歌い上げる織田龍紀(Vo)のスタイルや、歌を軸にした端正な演奏で寄り添うバンドのスタイルはなるほど中華圏での人気もうなづける。ラストはメジャーデビュー曲「ロックスター」で、ストレートな力強さを印象づけた。

続くPanorama Panama Townはkohamoにとっては関西の先輩バンドに当たる存在。ちなみに2バンドとも初共演だそうだが、三浦がなぜこの2バンドとの対バンを希望したのかはおそらくkohamo同様、ジャンルに拘泥せずそのバンドらしいスタンスで洋楽邦楽の壁を越えて行こうとしているからなのでは?と想像した。そもそもUKのポストパンクやダンスロックに通じるセンスを持つバンドだが、最近はよりアンサンブルが磨かれ、いい意味で淡々と演奏自体の凄みで迫ってくる印象がある。ボーカル&ギターの岩渕想太は「平日のライブハウスに音楽を楽しみに来てくれること自体が嬉しい。最後まで楽しんでいってください」と彼ららしいMC。6月にリリースしたニューEP『puls∈』収録曲を軸にタイトな演奏でフロアを別世界に没入させた。

そしてホストバンドであり本日の主役kohamo。なんでも昼間に行われた限定の公開リハーサルには東京を中心に関東圏のファンが多かった様子で、すでに関西以外のコアファンがついていることが判明したらしい。ここでは本番の様子を紹介するが、ファイナルの大阪公演が控えているのでセットリストは割愛することをご容赦いただきたい。当然、3rd EP『On my mind』リリースツアーなので、本作が軸になっている。EP収録曲は彼らの同時代の洋楽、つまり洗練されたR&Bもインディポップ、踊れるファンク要素を含んだものもあれば、現行の複雑かつ展開の多いJ-POPのメインストリームを意識したものもある。だが、一貫しているのは不安や悩みを抱えたまま、それでも生きて行こうとするリアリティだったりする。この三浦が書く切実さをユーモアにくるんだリリックや、ジェットコースターのように展開する歌メロのスリルが、鬱屈しそうな心情をダイナミックに解き放つのだ。また、メンバーそれぞれが自分の演奏のオリジナリティを曲げずに、でも全員が曲を好きでたまらないステージングが気持ちを温める。

例えばうねる16ビートナンバーの「微睡のような」の単なるファンクナンバーと言えない超スリリングな展開に一緒に乗っかっていく醍醐味。しっかりボトムを支える中森のベースのタイトさと腰の太さがありつつ、ギターヒーロー的な木ノ瀬とかっちりカッティングでグルーヴを作る森本のツインギターの対比も気持ちがいいし、そこに乗っかっていく三浦の弾むフロウとカオスを内包したままの独特なリリック、その総量の情報量が凄まじい。特に三浦の"自分語"をエンタメの領域に昇華する開かれたパフォーマンスからは目が離せない。自分の内側に爆発しそうなアイデアを持った人ならではの読めないアクションが痛快なのだ。

また、シンセポップなどグローバルポップの潮流にあるサウンド感の「School bag」の爽快なダンステイスト。体は16ビートに乗りながら、スクールバッグに象徴されるティーンエイジャーの悩ましさやみずみずしい恋愛感情が解像度高く歌われる新しさはちょっと他のバンドで体験できないものだろう。どんどん新しい掛け合わせで曲を作りたい彼らの前のめりなモチベーションが、1曲1曲に2026年の夏として生きている。それをどう受け止めるのかはオーディエンス1人ひとりの感性に任されている感じもいい。同じアクションやノリ方で応える必要なんてなく、それはライブが進むにつれてその場にいる人を自由にするのだった。メンバーもバンドアンサンブルの心地良さだけじゃなく、心底自分たちの曲を愛しているのだろう。オフマイクでも歌を口ずさみ、笑顔になっていく三浦以外の3人の表情が素晴らしかった。

本編に加え、アンコールにも応えてくれたのだが、そもそもなぜこのツアータイトルが"Teal"なのか?疑問に思っているリスナーもいるだろう。この日、三浦は説明してくれたのだが、kohamoがどんなところにいて、『On my mind』がバンドにとってどんなEPなのかも理解できるMCは大阪でもきっとしてくれるだろうし、なんならその先の展望も聞かせてくれるかもしれない。大風呂敷を広げるつもりはないけれど、例えばOfficial髭男dismが、例えばレトロリロンが、抑えきれない楽曲至上主義とそれが爆発するライブを活動初期から見せてきたのと同質のものをkohamoにも感じてしまう。そのプレ期の熱を感じるなら、きっと今だ。カラノアとTiDEを迎える8月21日の大阪 LIVE SQUARE 2nd LINEは地元でもあり、加えてSNSでは「何か発表があるかも?」とメンバーの匂わせ(!?)もあるだけに、ライブを体験してこそ意味がありそうだ。

Text by 石角友香




(2026年8月20日更新)


Release

3rd EP 『On my mind』

配信中

[Track List]
01. School bag
02. Humor
03. Broken Heart
04. 微睡のような
05. Crush

配信リンクはこちら

Live

kohamo Presents. 3rd EP Release Tour “Teal”

PICK UP!!

【大阪公演】

▼8月21日(金) 18:30
LIVE SQUARE 2nd LINE
一般スタンディング-2500円(ドリンク代別途要)
[共演]TiDE/カラノア
※未就学児入場不可。未成年の方は保護者の同意を得てご来場ください。出演者のキャンセルに伴うチケットの払い戻しは致しかねます。あらかじめご了承の上、チケットをご購入ください。チケットの転売、譲渡は一切禁止。車椅子等でご来場される場合は、チケットご当選・ご入金後、事前にお問い合わせ先までご連絡ください。
[問]kohamo.band@gmail.com

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