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“今作は始まりにすぎない”
多次元制御機構よだか・林直大が
アルバム『LAPLACEL』に込めた矜持。
9月からは東名阪クアトロツアーがスタート!

2018年に解散した3人組ロックバンド・フィッシュライフの元ギターボーカルで、現在はソングライターとしても活躍する林直大のソロプロジェクト・多次元制御機構よだかが、1stフルアルバム『LAPLACEL』(ラプラセル)をリリースした。本作には、TVアニメ『また殺されてしまったのですね、探偵様』のOPテーマ「スターダスト・エウレカ」や、メジャーデビューEPの表題曲「オデッセイ」、インディーズ時代の人気曲「夜間飛行」「飛鯨五十二号」などの再録音源を含む全12曲を収録。SFや宇宙をモチーフに描かれる幻想的な世界観、どこを切り取ってもメロディアスな旋律、文学的でギミックがきいた歌詞は、一度聴けば忘れられない魅力がある。サウンドプロデュースをつとめるのは、田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN、THE KEBABS、Q-MHz)。田淵(ba, cho)と鈴木浩之(ds/THE KEBABS)をレギュラーサポートに迎えた、ロックでフィジカルなライブも必見。今回はアルバム『LAPLACEL』を通して、林の飽くなきクリエイティビティに迫った。ぜひとも、歌詞カードを突き合わせながら本インタビューを読んでほしい。

"本当に"素敵なことをするためのプロジェクト



――多次元制御機構よだかとしてはぴあ関西版WEB初登場なので、どんなプロジェクトなのかを掘り下げていきたいと思います。よろしくお願いします!

「よろしくお願いします!」

――"多次元制御機構よだか"の由来については、"日本語で1番カッコ良い文字列を探したところタイムマシンにたどり着き、もしもJAXAがタイムマシンを作るならと考えて架空のタイムマシンの名前をつけた"と各媒体さんでお話されていますが、"よだか"にされたのはなぜですか?

「プロジェクト名を考える段階で、よだかという単語がふわっと頭の中にあったというか。宮沢賢治の短編小説『よだかの星』(1934年発表)がキッカケで、日本中に既に"よだか"というワード自体はある、という事実を頭のどこかで拾っていたのかもしれないです。それで、宇宙開発的な文脈の漢字がばーっと並んで、最後にひらがながちょこっとある、例えば"小惑星探査機はやぶさ"的な感じで、"よだかっていいんじゃない?"と。それは本当に勘でした。その後、"よだかと言っちゃうからには『よだかの星』を読んでおかないと"と思って読んだらドンピシャだったので」

――よだかは夜行性で、わずかな光の中で大きい口を開けて虫を捕まえる鳥だそうですね。

「そうなんですね。実際の鳥のよだかには疎くて」

――言葉の響きでつけられたんですか?

「なんかポップだなと。字面もですけど、"口に出して読みたい日本語"の感じでつけました。あとは無意識に正解を探していて。たまにあるじゃないですか。適当に言ったことがめちゃめちゃ正解だったみたいな。それでしたね」

――ある意味予言ですよね。あと、プロフィールにある"原動力はLOVE"についてもお聞きしたいなと思いまして。

「多次元制御機構よだかの由来もそうなんですけど、自分は常々"日本で1番カッコ良い文字列は何か"みたいな思考回路をしていて。言ってしまえば、"日本で1番カッコ良い音楽とは?"みたいなことも常々考えているんです。ソロプロジェクトをやるにあたり、昔バンド活動の中で思っていたことを整理した時、"このプロジェクトは独立したものでありたい"という意識が強まっていって。音楽活動の中で......卑しいエネルギーを用いないじゃないですけど」

――卑しいエネルギー?

「何というか、"本当に"素敵なことをするためのプロジェクトで、何かを取り戻すための活動ではないのだという、矜持みたいなものがあって」

――林さんの中で何かを取り戻したいという感覚ですか?

「"何かを取り戻したいみたいな感覚でやらないぞ"というか、"何かに勝つためにやらないぞ"というか。バンドを組んでいた時に思ったのが、若い時にはやっぱり"負けへんで的エネルギー"があって、それは良し悪しじゃなくて爆発力みたいなもので。でも最終的に自分では扱いきれなかった感じがしていて。で、ソロプロジェクト名を決める前に「夜間飛行」(2020年8月)ができて、うっすら考えていたことが確信に変わったというか。ある意味ちょっとドライなんですけど、作るものに他人を介在させないというか。他人や誰かに言われたことをものすごく精査する。むしろ"自分の深いところまで潜っていくことを軸にしたい"という想いがあってからの、架空のタイムマシンなんだというところで、コンセプトに合致するところが"原動力はLOVE"の一言かな、という感じです」

――林さんの中にある"純度の高いアウトプットをしたい"という想いの表れですか?

「"自分の中のものを大事にするぞ"という、宣言のつもりでした」

――自己愛的な意味合いもあるんですかね?

「そうですね」

――今作に収録されている「デスクトップ」(M-5)に、<"誰かの時間を奪うために 何かを作ってるわけじゃない" そんな誰かの指切りで 僕の指が動かせない>というリリックがあります。これは誰かの言葉に影響を受けて無意識のうちに自分を縛り、同調圧力を感じてしまっている状況をイメージしたのですが、例えばそういう他人からの影響は歌詞に書くけれども、創作の軸は揺らいでいないということですか。

「"原動力はLOVE"と言ってしまう点で、"LOVEじゃない原動力"も想定しうるというか。"自分にはそういう一面もあると自覚しているんだけど、こっちを選ぶんだ"という感覚です。「デスクトップ」のその一節にしても、作詞した時はそう書いているんですけど、曲を書くことで解消されて、自分に戻れるところもある。だから"原動力はLOVE"というのも、"そうしたい、そうある"という部分と、"そうしたいと掲げることでそこに向かっていける"部分があるという意味ですね」

――バンド時代はそういうものを掲げてはいなかったんですか。

「フィッシュライフは友達と始めたバンドで、曲を作る時も3人で"どうしよう、こうしよう"と考えていたので。でもそれゆえのライブ感やバンド感があった。"やることはやったぞ"というのでバンドを解散した後、"でも音楽をやめたい感じはしないんだよな"という自分の気持ちを深掘っていくと、だんだん"自分が表現したいテーマがあるのではないか"というところに考えが進んでいった。それで、"これだ"というので「夜間飛行」ができました」

――自分がテーマを持っていると気づいてからの曲作りに変化はありましたか?

「結構変わったと思います。変わったから始められたのかもしれない気はしています」

――今はどんな感じで曲を作っておられますか?楽しいですか?

「楽しいですね。楽しくない場合は"何かがおかしい"みたいな気持ちになる」

――楽しい方向に進んでいく感じなんですか。

「だと思います」

――お話をうかがっていると、"いい波乗ってやるぞ!"みたいな野心はあまりないですか?

「"いい波乗ってやろう"という気持ちはあるにはあるんですけど、いい波に乗るにしても、"俺はフォームにもこだわる"みたいな(笑)」

――カッコ良いフォームですね。

「そうです、そうです。"芸術点高くいい波に乗ってやろう"みたいなところです(笑)」




"LAPLACELな瞬間"を求めて。フルスイングで作った全12曲



――林さんの造語である『LAPLACEL』の意味合いは"全知全能感"ということで、"音楽活動において、全部わかった! となる瞬間があり、それを大事にしている"とラジオでも説明されていましたが、今作にそういう瞬間がたくさんあったということですか?

「そうですね」

――おお!

「基本的に僕が曲を作る時、歌詞の"これでキマった!"という1行ができた瞬間にそれが来る感覚があって。その感覚があるからこそ"よっしゃ!"となるのと、"あの感覚に向かって頑張るぞ!"というので日々やっていけるところがあって。なので、なんとなく"LAPLACEL"は概念というか、ヒッグス粒子みたいな......量子物理学の原子よりもさらに小さい、宇宙空間に満ちていて原子をすり抜ける、幽霊みたいな素粒子。"音楽の元素記号"という捉え方もできるかなという」

――林さんは物理学など専攻されていたんですか?

「いや、全然なんですけど、そういうのが好きなんですよね」

――"LAPLACELな瞬間"が全曲にあって......逆に言うと、それがないと曲としては出さない?

「そうだと思います」

――では今作は、1stアルバムにして自信作というか、渾身の1枚というか。

「そうですね」

――タイトルをつけたのは最後ですか?

「途中でついた気がします。アルバムの制作が半分ぐらい進んだ時に、"こういうことではないか"と。1stアルバムのタイトルってやっぱり大事だなというか。ある意味で多次元制御機構よだかというワードを考えた時ぐらい大事かもなと。でも、セルフタイトルにはしたくなくて。セルフタイトルをつけてもいいぐらいの集大成感はあるんですけど、"でもそれは違うよな"と。"多次元制御機構よだかという存在しないタイムマシンのガソリンが何でできているか?"、"LAPLACELでできてます"みたいな感じです」

――いわば自己紹介ですね。たっぷり12曲、トータルで47分ですがサラッと聴けました。なんせ全曲メロディーが良くて。

「ありがとうございます」

――既存曲と新曲が6曲ずつ収録されていますが、収録曲はどのように決まったんですか。

「割とすんなり決まっていきましたね。既存曲も"これはやるけど、あれはやらないんだよな"というのは、なんとなくの温度感として僕もサポートメンバーもスタッフ的にも、あったので、迷わなかったです」

――田淵さんからのアドバイスはありました?

「田淵さんは基本的に"頑張れー"と見守ってくれる感じでしたね。優しいです」

――今作は、よだかの王道の楽曲「オデッセイ」(M-1)から<さあ、旅を続けよう>とスタートして、シンセが煌めく「サイダー・アンドロメダ」(M-2)と続きます。次曲の「スターダスト・エウレカ」(M-3)は音数と言葉数の多さに圧倒されました。

「ありがとうございます。初めてのアニメタイアップなので、障子を"ガラガラガラ!"って開けて、"おーいみんなー! アニメタイアップやぞー!"みたいな(笑)」

――めちゃくちゃ届いてきました(笑)。

「やった!」

――冒頭の3曲からは特に"宇宙に飛び立っていくぞ"という勢いを感じますね。

「自分でも"12曲並んだらこんな感じになるのか"と思いました。散々自分が表現したいものに自覚的であると思っていながら、かなり常にフルスイングしたなと(笑)。本当に冒頭3曲は"フルスイング オブ フルスイング"という感じがします」

――続く「夜間飛行」(M-4)は2020年の完成から6年経っていますが、改めてどんな楽曲だと捉えていますか?始まりの曲でしょうか。

「始まりというか、やっぱり多次元制御機構よだかが行く世界の扉をガッと開けた曲だなという感じがします」



歌詞を書く時に大事なのは、"枠を繋ぎきること"



――前述した「デスクトップ」は個人的に好きな曲です。SF要素が多いよだかの楽曲の中では"現実に即した1曲"だということですが、やはりメロが良く、歌詞では夕方、夜中、朝方と移り変わる情景が浮かび、希望があって共感性も高いですよね。この曲はいつぐらいのタイミングでできたんですか。

「アルバムの新曲の中で「スターダスト・エウレカ」が1番最初にできて、その次に「サイダー・アンドロメダ」、その次にできたのが「デスクトップ」でしたね。その辺りから、だんだんアルバムのタイトルを考え始めて。自分のアルバムのフェチズムみたいなところで、よだかの曲はフィクション的な題材をすごく扱うので、たまにめっちゃ現実があることで、どっちも引き立つなと」

――なるほど。

「前半の3曲や「夜間飛行」が、『LAPLACEL』の中でも"めっちゃLAPLACELなもの"を体現している中で、「デスクトップ」が1番"LAPLACELじゃないこと"を歌っている。「デスクトップ」は、このアルバムの素敵な部分を宙に浮かせるために地面を書いてるという気持ちで作りました」

――なるほど。最後の<実は...!→>というのは?

「結局「デスクトップ」の曲自体が、"広告のバツ印が小さいな"というところから始まって、そういう話をうだうだした後で、その上で<実は...!→>というX(旧Twitter)のインプレッション稼ぎのための"続きはリプ欄で"の感じにしたくて」

――ああ、ありますね!

「なので、散々インターネットやパソコンで感じる苛立ちを"どうしようもないな"と言いつつも、"本当はこの曲の歌詞が丸ごと気を引くための文言である"というオチのつもりです。<誰かの時間を奪うために 何かを作ってるわけじゃない>と言いながらも、"でも誰かにとってはそうなんだよ"って。で、最後の最後に"その時間奪いにきてるだけかい! テテレレッテレッテ、バン!"みたいな(笑)」

――(笑)。後半では<画面>を<そら>と読ませたり、練り込み方がすごいですね。

「ありがとうございます。好きで練り込んじゃうんですよね」

――歌詞はスラスラ出てくるんですか?最初に曲名を決めてから作られるんですよね。

「そうですね、大体曲名を決めて。スラスラということではなくて、僕の中では枠を繋ぎきるのが結構大事かもしれないです。それこそパソコンにデフォルトで入ってるペイントソフトに、図形を塗るペンキのマークがあるじゃないですか。結構ちゃんと図形を書いたつもりでも、線が繋がっていなかったらびしゃーっと全部1色になっちゃう。そんなニュアンスで、"ちゃんと枠を繋ぎきる"。歌詞を書く時に枠を繋ぎきると、ちゃんと塗れるんです。それで、"この曲の歌詞はこうでこうで、こうしよう"とばっちり決め込んでやっていくうちに、自分が想像してなかった方向に偶然的に良くなるところが出てきたり、という作り方をしてますね」

――なるほど。それで言うと、「OXIDE」(M-8)も1番と2番の伏線回収が綺麗で、比喩表現が本当に素敵でした。

「嬉しいです」

――「OXIDE」も比較的現実の情景が描かれていると思いましたが、この曲についてはいかがですか。

「「OXIDE」は、発想的には「デスクトップ」とちょっと近いです。この曲も"LAPLACEL"というか、僕の曲の中で常々象容されているものの副作用のつもりで書いているというか、"そういう曲がまだないな"と思って。「デスクトップ」は"フィクションとノンフィクション"という意味での"ぶっちゃけ枠"なんですけど、「OXIDE」はそうじゃない軸の、"パーティーのことを言うんであれば、パーティーが終わった後の寂しさのことも言わなきゃダメじゃない?こういう嫌なことや、影もあるよね"みたいな意味で曲を作ろうと思いました」

――<わざわざこの身を錆び付かすものを 摂取してる間は生きられる>という表現は衝撃でした。

「不思議だなと思うんですよね。オキシドは酸化物(酸素と他の元素が結びついた化合物)、錆びたもの。もう錆びている状態になると生きてる感じはしないですけど、人間も酸素を摂らなければ、息を止めたら死んじゃうわけじゃないですか。"これだけ息を止めたらもうヤバいですよ"という時間のことを、息基準じゃなくて時間基準で考えると、常に吸ってないといけない。酸素を吸わないと生きられないのに、吸うのをやめたらより錆びない方向にいかないのが不思議ということを書きたかったですね」

――アルバム曲だから書けた、みたいなところはありますか?

「あります、あります」



弱さがないと、強さが成立しない



――「スピン」(M-9)と「あらすじ」(M-10)の歌詞を読んでいると、偶然かもしれないですが、リンクする部分があるなと思って。例えば「スピン」の<永遠はいつだって 瞬間と見分けがつかない>と、「あらすじ」の<奇跡だったもの 後から気づいたろ? もしかしたら 今だってそうかも>や、<後ろ姿に手を振りながら>というところ。

「確かにそうなんですよね。「OXIDE」を作り始める前に、既に「スピン」はシングルで出していて(2025年2月)。「あらすじ」は音源化するのは初めてなんですけど、ちょいちょいワンマンライブでやったりしてたんです。というので、より一層「OXIDE」の方にピントを深く潜り込めた感じがあって。だから「スピン」や「あらすじ」は「OXIDE」に対する言い返しをしている感じはします」

――面白いですね。過去から未来へ、まさにタイムマシン的なアプローチといいますか。"この曲があるから次はこう返そう"と、意識的に書いていくんですか?無意識に書いていたら実は繋がっていた?

「その順番でいくと、このアルバムは"意識的に書く"ことを1歩目のとっかかりにしている場面が多かった気がします。歌詞の枠の話もそうなんですけど、まず意識できるところを塗りつぶして、埋めていったら最後にちょっとだけ良い偶然が起こるというか」

――それは"LAPLACEL"ですか。

「ああ、でもそういうことかもしれないですね」

――作っている最中の"きた! ピコン!"と、完成後の"ピコン!"とはまた違うと思いますが、どちらもある感じですか。

「それで言うと、作曲している最中に"もうこれ、間違いない!"みたいな感覚になることが多いですね」

――結果的にミラクルが起きて、すごく意味のあるものになっているということですよね。

「そうですね」

――あと今作では、全体的に"弱さが強さである"という視点を感じました。それは林さんの中でひとつ持っているものですか。

「実感としてはありますね。弱さがないと強さが成立しない。僕は弱さという言葉そのものに対しても、あまりネガティブな印象を持っていなくて。自分はそんなに"強いぜ"という人間でもなかったので、弱さよりももっと弱いものがあるというのは、なんとなく感覚で思ってますね」

――弱い自分を認めていくじゃないですけど。

「まさにそうだと思います」



9月のツアータイトルは『LAPLACEL』のアナグラム。随所に詰め込まれた仕掛けと遊び心



――歌詞の話をたくさんお聞きしましたが、サウンド的に今回1番"LAPLACELだった"ところを挙げるとしたら?

「「コズミック・キャデラック」(M-12)のラスサビに入る瞬間に、ティンパニーとウインドチャイムがど派手に入ってるんですけど、それを入れた時に"うわー!"となりました」

――それは打ち込みですか?

「打ち込みです」

――アイデアが浮かんできたんですか?

「最後のレコーディングが終わって、マスタリングに持っていくためのトラックダウンの作業の日に、ティンパニーは「曲名」(2023年 EP『PILOT』に収録)という曲の中にも出てくるんですけど、田淵さんが"ラスサビにあのティンパニー入れよう"と。で、入れてみたら"これだ!"って。さすがですよね」

――それで、アルバムの最後を締め括る楽曲が完成したと。

「その時には曲順もほぼ決まっていたので、この曲でアルバムが終わると実感して......ほんとに夜8時半頃のユニバにいる気持ちでした(笑)」

――閉園間際のユニバ(笑)。

「"これだわ"みたいになったのを覚えてます」

――ラストに相応しい楽曲ですね。

「嬉しい。ありがとうございます」

――改めて1stアルバム『LAPLACEL』は、多次元制御機構よだかにとってどんな1枚になりましたか?

「"アルバムを作りましょうよ"という話の段階では"大変そうだな"と思ってたんですけど、作り終えた今思うのが、本当にカッコつけるニュアンスじゃなく、"始まりにすぎないな"というか。すごく良いものを作れた達成感もありつつ、ここからまだまだ発展できるだろうなという予感もあって。ほんとに良い蹴り出しができている気がします」

――7〜8月はたくさん夏フェスに出られて、9月にはアルバムを提げた東名阪クアトロツアー『LAPLACEL: ALL PLACE.』が行われます。『ALL PLACE.』というタイトルに意味はありますか?

「実はこれ、『LAPLACEL』のアナグラムになっていまして」

――なんと!? ......ほんとですね! アイデアは林さんが?

「僕のアイデアです。なんとなく裏ボケみたいな感じで、フランス語で"ラプラス=広場"みたいな意味があって。日本語だと"ラプラせる、ラプラせない"みたいな活用というか(笑)。ワンマンツアーとしても、やっぱり全箇所クアトロというのは、バンドマンの肌感的にはすごい挑戦だなと思うので、"全箇所を広場にして最高のワンマンにしてやるぜ"みたいな意気込みもあります」

――なんという説得力。次もいろんな羽ばたきが見れそうですね。

「いやあ、ほんとに羽搏きですね」

――「あらすじ」でも<羽搏こう>と歌っていますよね。

「そうなんですよ、そこも仕掛けがあって。2番のBメロの<羽搏こう、羽根と己の繋ぎ目を記した弱さで>の"弱さ"の漢字は、"己と羽を繋いで"書くんですよね」

――え!?あ、ほんとですね!

「ちょっとした言葉遊びです。弱さという漢字自体、飾りつけた弓が語源らしいので、歌詞が漢字の歴史に沿ってるわけではないんですけど、"そう言いきっちゃってもいいじゃない?素敵やん?"という(笑)。"弱さって書いてみ?己と羽って書くやんか。己と羽の繋ぎ目を弱さが記してくれてるねん"という、僕の中のリトル名司会者が肘をつきながら言ってる感じです。いつもそういうことばかり考えてます(笑)」

スタッフ「ここもギリギリまで歌詞悩みましたよね」

「レコーディングの前日に変えましたね」

スタッフ「スタジオに来て、ドヤ顔で"ここ変えます。どういう意味かわかりますか?書いてみてください"って(笑)」

――これも"LAPLACEL"のひとつだと。

「本当にそうですね」

――深掘りしがいがありますね。現場でもざわつきませんでしたか?

スタッフ「みんな"天才だ!"って言ってました」

「ありがとうございます(笑)」

――面白すぎます。ぜひ、しっかり歌詞を読んでほしいですね。

「そうですね」

――ツアーも楽しみにしております!

Text by 久保田 瑛理




(2026年7月14日更新)


Movie

Release

多次元制御機構よだかの始まり 1stフルアルバム『LAPLACEL』発売中!

初回生産限定盤[3CD]
TFCC-81194~81196 / 5500円(税込)
通常盤[CD]
TFCC-81197 / 3300円(税込)

【収録曲】
01. オデッセイ
02. サイダー・アンドロメダ
03. スターダスト・エウレカ
04. 夜間飛行
05. デスクトップ
06. DRAGON STOMACH
07. ヒーロー
08. OXIDE
09. スピン
10. あらすじ
11. 飛鯨五十二号
12. コズミック・キャデラック

初回生産限定盤付属ライブCD
多次元制御機構よだか単独公演「RADIATE」at LIQUIDROOM 2026.03.16

・ハイウェイ・ラピスラズリ
・システムオールグリーン
・ヒーロー
・飛鯨五十二号
・INTERNET LIVING DEAD
・蛞蝓
・スターダスト・エウレカ
・時空怪盗
・稲の妻
・スピン
・あらすじ
・ミルキーウェイ・トラフィック
・夜間飛行
・天國
・曲名
・オデッセイ
・或星
・夜間飛行

Profile

「閃光ライオット2013」グランプリ獲得バンド・フィッシュライフのフロントマ ン、林直大によるソロプロジェクト。2018年10月、OSAKA MUSEでのラストワンマンをもってフィッシュライフが解散。 その後、新たな名義「多次元制御機構よだか」として2020年に初配信作品「夜間飛行」 をリリースし、ソロ活動をスタートさせる。2023年、活動拠点を大阪から東京へ移し、田淵智也(Ba. / UNISON SQUARE GARDEN、THE KEBABS、Q-MHz)、鈴木浩之(Dr. / THE KEBABS)をレギュラーサポート に迎えライブ活動を本格化。同年秋に公開した「夜間飛行」フルアニメーションMVは、 その圧倒的な完成度で音楽業界をはじめ各方面から高い評価を得た。2024年3月に東京での初ワンマンを開催、2025年には東名阪ツアーを開催し、大成功を収める。2025年12月に2nd EP「ODYSSEY」でTOY’S FACTORYよりメジャーデビューを果たし、2026年3月に東京LIQUID ROOMでのワンマンライブもソールドアウトとなった。2026年4月には初のアニメタイアップ曲となる「スターダスト・エウレカ」をリリース。ソングライターとしても多岐にわたり活躍。アイドルグループ・airatticのメインソングライターを務めるほか、声優アーティストユニット・DIALOGUE+やアニメ楽曲など、ジャンルを超えてその才能を発揮し続けている。2026年7月1日、待望の1stアルバム『LAPLACEL』をリリース。

Live

多次元制御機構よだかTOUR 2026 “LAPLACEL: ALL PLACE.”

【愛知公演】
▼9月26日(土) 名古屋クラブクアトロ
【大阪公演】
▼9月27日(日) 梅田クラブクアトロ
【東京公演】
▼10月9日(金) 渋谷クラブクアトロ

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