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静寂と轟音、そして自然音が織り成す奇跡
恵みの雨となった“Midsummer”
大阪城音楽堂での初単独ライブをレポート

リーガルリリーにとって大阪では初となる野外単独ライブが、7月5日(日)に大阪城音楽堂で開催された。事前に行ったぴあ関西版WEBのインタビューで、「野外の空気感込みで楽しんでくれたらいいな」(たかはしほのか)、「その日が特別になるような演出がたくさんある」(海)と話してくれていた今回のライブ。コンセプトは北欧の夏至祭に着想を得た“Midsummer”。静寂と轟音、自然音や光が織りなす圧倒的なサウンドスケープで、リーガルリリーにしか生み出せない特別な音楽空間となった。開演と同時に雨が止み、この日の天候さえ演出の一部だったかのような奇跡のライブをレポートする。

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最寄り駅を出ると、大阪城公園の緑は白くけぶっているように見えた。雨がより一層強くなる中、大阪城音楽堂に到着すると、客席は雨具を着た観客で満杯に。ステージは白を基調にしたドレープが掛かり、草花をあしらった銀色の円形飾りが吊るされている。そんな景色を降り続く雨粒越しに見つめていると、聞こえてきたのは虫の鳴き声。開演時間になるとサポートドラマーのDesire Nealyが姿を現し、続いて海(Ba)とたかはしほのか(Vo&Gt)の2人がステージに揃うと客席から温かい拍手と歓声が上がる。

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ライブはDesire Nealyのカウントを合図に『うつくしいひと』から静かに動きだした。どこか懐かしさを帯びたメロディー。心の奥に刻まれていた感情に触れてくる歌声に忘れていた記憶を呼び覚まされるようだ。会場を覆ってゆくミニマムでゆったりとした音の波。その芯で鳴っているギターの音は空を貫いていくほど強い。雨は開演に合わせたように止んでいた。まさに奇跡。ホーリーな声が響き渡る『ぶらんこ』ではステージが白と青のライトで幻想的に浮き上がる。ギターとベースが掛け合うように唸りをあげ、しなやかに絡み合う。疾走感とダイナミクスが増して『GOLD TRAIN』『若者たち』と続き、美しくも凄まじいほどのパフォーマンスに大喝采が湧き上がった。

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野外ステージの特性なのか、あらゆる音がより増幅されて迫ってくるように思えた。繊細な呼吸と荒々しい轟音が合わさるリーガルリリー。その洗礼を浴びるような序盤4曲を終えたところで、たかはしほのかが「リーガルリリー、Midsummer」と改めて幕開け宣言して『1997』へ。海の歪んだベースラインに導かれて観客の手も次々に挙がってゆく。たかはしほのかのギター音はまるで生き物の咆哮のようだ。クラップが広がり軽快さがアップした『夏のエディ』、独特のメロディにのせて早口で歌う『地球でつかまえて』と2曲続ける。一呼吸置いてからの『ニコの涙』は切実さを伴う歌声と弦を弾く鋭い音が痛いほど胸に刺さった。音源のストリングスパートに替えて重ねていたのは海のコーラス。それが同曲のメッセージ性を体現しているように聞こえてとても印象的だった。

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中盤、たかはしほのかが一旦ステージからはけると、また虫の声と遠くの方から狼の遠吠えが。これは現実なのか幻想なのか...。そこに聞き慣れないエレクトロなサウンドが流れ出し、海が精霊のようにヴォカリーズを響かせる。まるでリーガルリリーのアナザーサイドを見るような1シーンに引き込まれていく。その後の『me mori』ではステージに戻ってきたたかはしほのかがアコギを、海が鉄琴を演奏して素朴な音色で包み込んだ。

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『スターノイズ』からの後半戦は再び激しさを増したロックモードに突入。またもや落ちてきた雨粒を吹き飛ばすようにギアを上げて疾走する『60W』。海は災いを振り払うように勇ましくベースの弦を弾き、観客も拳をあげて応える。次に、この日一番の大クラップが発生した『danceasphalt』『キラキラの灰』と続けて一体感が高まり、大喝采となった。

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その後、「明るい夜、眠れない夜、"Midsummer"。森や空や雨や雲やいろんなものが自分に話しかけるようで、それに耳を傾けてきた」と言って、たかはしほのかが歌ったのは『ムーンライトリバース』だ。ミディアムスローで浸らせてアウトロまで丁寧に奏でた『教室のしかく』。ダンサブルなブロックとのコントラストを際立たせ、ただの夏祭りには終わらせないリーガルリリーの鋭い感性が刺さってきた。そこから「雲を突き破って」と発し、『天きりん』から視界を一変させる。眩しいライトが照射され、赤いライトを受けて勢いよくかき鳴らされた『リッケンバッカー』。原点ともいえるロック的衝動を体現する圧巻の一曲に拍手喝采となり、やさしい願いを込めた『ますように』で本編はフィニッシュした。

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雨はすでに止み、時間は19時過ぎ。アンコールを求める熱いクラップに答えて、メンバーがステージに戻ってくる。海はここに集まってくれたみんなへの感謝を述べて、「今日の夜が、夜明けにまたつながっている」と秋に控えるアジアツアー『Dawn』をアピール。「森や雨や自然の音を聴いて、それが音楽になる」と話してたかはしのほのかは、「ここに集まっている人の心の中の音がすごく聞こえてきて。また新しい音楽が生まれるんだなって。今日、そんなものをみなさんからもらえることができて本当によかったです」と感謝する。さらに、"Midsummer"のコンセプトを振り返り、「夜が来ない場所で、どんな影が蠢いていて、どんな光が照らしているのか...」と遠い国に思いを馳せて、「ここから新しくリーガルリリーが出発できたらいいなって、すごく思います」「私は一生忘れないと思います」と込み上げる思いを伝え、観客並びにステージに携わってくれたスタッフにも謝辞を送った。

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この後、サプライズ的にTVアニメ『これ描いて死ね』のエンディングテーマとして書き下ろされた新曲『コニファー』がいち早く披露された。初めて聴いても親近感を覚えるキャッチーで軽快なギターロックチューンだ。そして、大阪城音楽堂を異世界に変えたリーガルリリー夏至祭のフィナーレを飾ったのは『蛍狩り』。儚い生と再生への祈りを込めて、「輝きを、放て、放て」と叫んだたかはしほのか。残響音と鮮烈な光に飲み込まれた観客は熱い拍手と喝采を送り続けた。

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終わってみれば、それは恵みの雨だった。そこで観た光景や耳にした音、それらすべて、リーガルリリーが呼び込んだのではと思うほど。この奇跡の一夜を経て、秋のアジアツアー『Dawn』で迎える夜明けの向こうにはどんな景色が広がっているのだろう。高い創造性と力強さを宿したリーガルリリーが開拓していく新たなステージを楽しみにしていたい。

Text by エイミー野中
Photo by 藤井拓




(2026年7月14日更新)


Set List

01. うつくしいひと
02. ぶらんこ
03. GOLD TRAIN
04. 若者たち
05. 1997
06. 夏のエディ
07. 地球でつかまえて
08. ニコの涙
09. (未発表曲)
10. me mori
11. スターノイズ
12. 60W
13. danceasphalt
14. キラキラの灰
15. ムーンライトリバース
16. 教室のしかく
17. 天きりん
18. リッケンバッカー
19. ますように

En1. コニファー (新曲)
En2. 蛍狩り

Release

New Single「コニファー」

先行配信中
CD:2026年8月26日(水) 発売

初回生産限定盤 (CD+Blu-ray)
4730円(税込) / KSCL-3665~6 / デジパック仕様

[CD]
01. コニファー
02. サマーライズ
Bonus Track:星めぐりの歌

[Blu-ray]
「夏の大三角形」Live at LINE CUBE SHIBUYA 2025.7.4
01. 星めぐりの歌
02. ぶらんこ
03. 60W
04. いるかホテル
05. 夏のエディ
06. 海月星
07. ムーンライトリバース
08. danceasphalt
09. ぼくのベガ
10. 天きりん
11. キラキラの灰
12. ますように

期間生産限定盤 (CD)

1650円(税込) / KSCL-3667 / デジパック仕様

[CD]
01. コニファー
02. サマーライズ
03. コニファー (Anime Size)
04. コニファー (Instrumental)

CDのご購入はこちら

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Profile

リーガルリリー…たかはしほのか(Vo.Gt.)、海(Ba.)からなるバンド。無垢な歌声と独創的な歌詞、オルタナティヴなロックサウンドを武器に、邦ロックシーンでひときわ異彩を放つ。これまでに映画/ドラマ/アニメなど数々のタイアップも担当し、2024年にリリースした「キラキラの灰」がスマッシュヒットを記録。同年リリースのフルアルバム「kirin」が各所から高い評価を得る。その世界観を伸長し開催したコンセプトツアー「夏の大三角形」「冬の大三角形」は全公演完売。2026年7月5日に大阪城野音でのワンマンライブ「Midsummer」を開催し、9月からは国内9都市と台北/ソウルを巡る初のアジアツアー「Dawn」を開催予定。

Live

リーガルリリー “Dawn”

【東京公演】
▼9月30日(水) LIQUIDROOM
【台北公演】
▼10月3日(土) 台北THE WALL
【北海道公演】
▼10月18日(日) cube garden
【宮城公演】
▼10月24日(土) 仙台Rensa
【広島公演】
▼10月31日(土) 広島クラブクアトロ
【福岡公演】
▼11月1日(日) DRUM LOGOS
【韓国公演】
▼11月7日(土) 韓国KT&G Sangsangmadang
【石川公演】
▼11月14日(土) 金沢EIGHT HALL
【愛知公演】
▼11月15日(日) ボトムライン
【香川公演】
▼11月29日(日) DIME

PICK UP!!

【大阪公演】

▼12月17日(木) 19:00
なんばHatch
スタンディング-6000円(整理番号付、ドリンク代別途要)
2F指定席-6600円(ドリンク代別途要)
※未就学児童は入場不可。小学生以上は有料。
※公演中の撮影・録音・録画は一切禁止となっております。一般的な禁止行為と同様、係員の指示に従わない場合退場願うことがあります。会場スタッフの指示には必ず従ってください。以上の事を守っていただけない場合、入場をお断りいたします。皆様のご理解とご協力の程、何卒宜しくお願い申し上げます。
[問]GREENS■06-6882-1224

【東京公演】
▼12月26日(土) 昭和女子大学 人見記念講堂

7月26日(日)23:59まで、
オフィシャル2次先行受付中!

チケット情報はこちら


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