ホーム > インタビュー&レポート > タイトル未定が北海道から届けるアイドルとしての矜持 「日常の中でみんなの背中を“ちょっと押す”」

――5月に配信リリースされた「戴冠」は、聴くと気持ちが昂る一曲になっていますね。
阿部「タイトル未定には、日常の中でみんなの背中を"ちょっと押す"ような楽曲が多いのですが、「戴冠」はまた違った方向性の応援ソングになりました。歌っていても楽しいですし、聴いてくださるみなさんも「やるぞ」という気持ちになるはず。ライブで歌うときはファンのみんなと一つになれる感覚が強くあります。」
谷「北海道コンサドーレ札幌さんの冠マッチ「TSUIMA presents FOR TITLE マッチ」で初披露した楽曲で、歌詞にもサッカーに関連した言葉がたくさん出てきますが、聴いてくださるみなさんの気持ちにも当てはめることができて、共感できたり、背中を押したりできるような応援ソングになりました。私も「がんばろう!」「落ち込んでいる場合じゃないぞ」というとき、「戴冠」を聴くと元気が出ます。」
阿部「いろんな人を応援する歌を届ける、ということはアイドルグループとしてすごく意味がある気がします。私個人としてもそれは一つのポリシーのようなところがあって、アイドルとしていろんな人を引っ張っていきたいと思っていて。ですので、「戴冠」のような応援ソングでは「よし、引っ張っていくぞ」という気持ちのスイッチが入ります。みなさんに元気を与えることができるアイドルでいたいんです。」
谷「あとタイトル未定の楽曲は、言葉の一つ一つに説得力を感じます。歌割りも、メンバーの気持ちや個性に合ったパートを担当しています。等身大な感じが表れているので、歌っている私たちも、聴いてくださるみなさんも、背中を押されるのかなって。」
――谷さんが先ほどおっしゃったように、北海道コンサドーレ札幌の冠マッチで初披露されましたが、サッカースタジアムでパフォーマンスした感想はいかがでしたか。
阿部「「戴冠」は試合後のアフターマッチライブで披露したのですが、ピッチの上でのパフォーマンスは、普段のステージとは全然違いました。選手のみなさんは普段からこの規模でプレーをしていらっしゃるんだなと考えると、驚きや新鮮さがありました。音の反響の仕方も今まで経験したことがない感じで、楽しかったです!」
谷「しかも北海道コンサドーレ札幌が勝利した試合の後だったので、スタジアム全体の熱気もすごくて、メンバーの気持ちも高まっていました。あと私は視力がすごくいいので、お客さんの顔を確認できたんです。普段のライブではお会いしたことがない方もたくさんいらっしゃいました。サッカーファンのみなさんが一緒に手を上げて、盛り上がってくださったのがすごく嬉しかったです。北海道コンサドーレ札幌の勝利を一緒に分かち合えた気がしました。」
――ちなみにお二人にとって、「自分のこういうところは"ナンバーワン=戴冠"」と思える部分はどこですか。
阿部「お金の使いどころのうまさです(笑)。たとえば美容グッズでも、お試しで買ってみるものがどれも良くって。なにか食べに行ったときも、ご飯屋さん選びで失敗したことが一度もありません。」
谷「そうそう。私が「ここはどう?」って聞いたら、「いや、違う。こっち!」って。そこに入ったら絶対においしいものが出てくるんです。失敗したところを見たことがありません。」

――谷さんは?
谷「私は"自分ワード"です。ミラクル語をたくさん作っちゃうんです。」
阿部「通訳させていただきますね、つまり造語ということです!」
谷「自分で言うのはなんですが、でもちょっと独特の感性があるのかなって。意識はしていないのですが、口からつい出てしまう言葉が、みんなが聞いたことがないものや表現だったり。」
阿部「でも本人は意識をしていないから、忘れちゃうんです。だから「その言葉、おもしろい」と思ったら私がメモをしています。いつかSNSで独特なミラクル語を発表したいです。」
――一方で"戴冠"を得るには、苦しいことや厳しい状況も乗り越えないといけませんよね。タイトル未定も「北海道の顔になる」という"戴冠"を目指していらっしゃいますが、その分、いろんな壁を乗り越えてきたのではないですか。
阿部「私はグループの立ち上げから在籍していますが、その当時、札幌では王道系のかわいさとポップさを持っていらっしゃるアイドルグループさんが多かったんです。でもタイトル未定はちょっと異色な感じがあって、浸透するまで時間がかかりました。単独公演をやってもお客さんが6人くらいのときもあって。私の場合は埼玉から出てきたこともあり、「このままで大丈夫なのかな」と思うこともありました。今だから言えるのですが、「タイトル未定の曲は好きだけど、お客さんが居なきゃ意味が無い、、」と不安を覚えたこともありました。でも私は北海道まで来たし、後戻りはできなかった。とにかくグループのことを信じて続けた結果、いろんな方に知っていただけるようになって。不安もあったけど、自分の行動や決断を信じていれば"戴冠"に近づけると思えました。」
谷「私は、落ち込むことがあってもすぐ忘れちゃう性格なんです。悩みがあったらお母さんに相談して気持ちを発散させたり、あと猫の存在が大きくて。なにかあったら猫に話しかけて、聞いてもらって。そうすると心が癒されて、嫌なことも忘れちゃいます。「あ、どうでもいいや!」ってなれるんです。性格的に、マイナスなことがあっても「じゃあ、どう頑張るか」の方に気持ちを切り替えることができます。」

――2025年より新千歳空港公式TikTokアンバサダーも担当され、2025年リリース「翼」が同空港の公式ソングにもなりました。グループの存在が着々と北海道に根付きつつあります。
阿部「大きな出来事が続いていて、ちょっとふわふわしています。そうやって大きい企画に携わらせていただいているからこそ、改めて自分たちの原点を見つめ直すこともできてきました。ゴールデンウィークにはデビューライブの会場・cube gardenさんで単独公演をやらせていただいた時も更に気持ちが引き締まりました。「この場所に来てもらうために、私たちは日々、いろんなことをがんばっているんだな」って。」
谷「私は北海道で10年間アイドルをしていて、北海道を拠点に活動する難しさも実感していて。今、こうやってたくさんのメディアに出させていただいたり、新千歳空港や北海道コンサドーレ札幌さんとお仕事をさせていただいたりすることは、嬉しさがある反面、常に緊張感も忘れないようにしたいです。そんな中で「北海道の顔になる」という私たちの夢も、ちゃんと近づいてきているように感じます。」
――9月には新曲がリリースされると聞きました。これからも精力的な活動が期待できそうですね。
阿部「タイトル未定の魅力が一番伝わる場所は、ライブだと思います。一人でも多くの方に足を運んでいただけるよう、日々、どれだけ根っこを広げられるか。ライブに来てもらえたら、タイトル未定のことをもっと好きにさせる自信があります。これからも私たちの活動に期待してもらいたいです。」
谷「北海道の顔になること、そして初心を忘れず活動すること。その"ハート"はずっと変わりません。その中でいろんな幅を持った曲を歌い、そして新しいことにも挑戦していきます。私はこれからもタイトル未定のことが一番好きで、みなさんにもそう思ってもらえるようにがんばります。」

Text by 田辺ユウキ
Photo by 桃子
(2026年7月 9日更新)
配信中
2020年5月16日、ネットデビューライブを開催、5人組女性アイドルグループ。“何者かになろうとしなくていい。何者でもない今を大切に。”をコンセプトに北海道札幌市を拠点に活動している。グループ名の「タイトル未定」は、まだ定まっていない、足りない、未完成であることを表現。20歳前後の将来に対しての、何者かにならなくてはいけないという不安になる気持ちの葛藤、また何者にでもなれるという希望を込めてこのグループ名が付けられた。2023年4月18日に初の全国リリースCDとなるシングル「花」「栞」を二作同時発売し、オリコンデイリーランキング3、4位にランクイン。2024年の2月には活動拠点の札幌にあるZepp Sapporoで、同年5月には東京のZepp Diver Cityにてワンマンライブを行い、大成功を収める。さらに同年12月には、フジテレビ「FNS歌謡祭第2夜」に出演。その他、「新千歳空港公式TikTokアンバサダー」「北海道電力採用プロモーションアンバサダー」就任など、北海道を中心に、活動の幅を広げている。2026年現在、初の全国ホールツアーとなる、タイトル未定 Hall Tour 2026 「KAKAR」を全国5都市にて開催中。