ホーム > インタビュー&レポート > 「アレンジも素晴らしくて、歌ってるだけで涙が出そうでした」 初の全編フルオーケストラ録音による ニューアルバム『my Orchestra!』が9月9日発売 オーケストラ編成でのコンサートツアーも決定!
ずっと音源化を希望されていた楽曲を収録
そのひとつが『ふたたび』
――平原さんは今年2026年でデビュー23年目を迎えます。
「なんかきっといっぱい色々やってきたはずなんですけど、もう本当に今が必死というか、振り返る余裕がないっていうのも事実なんですけどね(笑)。今年は23年目にして初めてフルオーケストラのアルバムを制作できて、ツアーもできるということでまたひとつ夢が叶いました」
――その注目のニューアルバム『my Orchestra!』が9月9日にリリースされます。意外ですが、アルバムとして全編フルオーケストラで録音されたのは今回が初めてなんですね?
「そうなんです。フルオーケストラのような編成での録音は何曲かあるんですけど。自分の楽曲をフルオケで初音源化するっていうこと自体が初めてなので」
――レコーディングはいつ行われたのですか?
「5月の15、16日に、私の母校である洗足学園の前田ホールで東フィル(東京フィルハーモニー交響楽団)の方々と収録させてもらいました。(デビュー曲の)『Jupiter』のミュージックビデオを撮ったホールでレコーディングしたんです。N H Kトリノオリンピック放送テーマソング『誓い』もそうです。母校なのですごく安心して録れました。もう勝手知ったる場所なので楽しかったですね。とはいえ、2日間で11曲という...ありえないスピードで(苦笑)。その上、レコーディングの最終日にミュージックビデオも撮ったんです」
――全11曲を2日間で録音されたというのは驚きです!
「それは東フィルのみなさんや凄腕のミュージシャンたちだからできることで、すごい集中力で妥協せずに全11曲を録り終えました。アレンジも素晴らしくて、もう歌ってるだけで涙が出そうでした」
――残念ながら、まだ音源を聴かせていただけなくて...(*本取材は5月末に実施)
「エンジニアさんがいろいろこだわってやってくれていて、未だ私も聴けてないんです。ミックスもこれからですけど、本当に良い音源を録り終えたなって実感してます」
――今回のアルバムに収録された曲(*全11曲+ボーナストラック)はどのように選曲されましたか?
「オーケストラの譜面があるものを中心に選んでいきましたけど、やっぱり昔からずっと音源化を希望されていた楽曲も入れました。そのひとつが『ふたたび』という曲で、『千と千尋の神隠し』のハクという龍の男の子と千尋が空を飛ぶシーンで流れる楽曲です。久石譲さんと『いのちの名前』をテレビ番組でコラボレーションする機会があり、後に『久石譲 in 武道館 ~宮崎アニメと共に歩んだ25年間~』で、『ふたたび』も歌って欲しいとオファーがありました。『ふたたび』に関しては歌詞がついてなかったので、鈴木敏夫プロデューサーの娘さんが私のために歌詞を書いてくださいました。武道館で初披露して以来、オーケストラでは歌っていなかったので、今回のアルバムにぜひ収録したいと思っていました
――このアルバムには、プロ転向20年の節目となる荒川静香さんのために書き下ろされた新曲『Friends on Ice』も収録されていますね。
「そうなんです。彼女が20年間ずっとやってる『Friends on Ice』というショーがあって。"そのための音楽を探してる..."という話を前から聞いていたので。"私にその曲を作らせて"って言って作ったのがこの曲です。できたのが4月28日くらいだったので、もう本当にギリギリでした」
――その『Friends on Ice』はどのような曲に仕上がっていますか?
「バラードとアップテンポの中間というか。すごく爽やかで切なくて。荒川静香さんにぴったりの曲が出来上がったと思っています。
元々は彼女のために作った楽曲なんですけれども、芸術を追い求める人たちは常に不安定なところに立たされていて、いつ何があるかわからないという状況の中で、確実に歩んでいると思うんですね。応援してる人も、どうか夢の続きを叶えてほしいっていう願いと共に見守っていると思うので。私が2019年からそのアイスショーに携わってきた中で感動をくれた人たち、しーちゃん(荒川静香)だけじゃなくて、夢を届けてくれた人へのエールも込めて作りました」
ツアーでは各地のオーケストラとコラボ
兵庫、大阪公演は大阪交響楽団と初共演
――10月3日(土)からスタートする今回のツアーでは、各公演地のオーケストラと共演されるのですね。
「はい。ツアーでは各地のオーケストラの方々とのコラボレーションなので、それがまた楽しみです。神戸、大阪の関西方面は、大阪交響楽団の方々とのコラボレーションです。今までいろんなオーケストラとやってきたのですが、大フィルとは初共演になります。私の両親も関西出身で、毎年のように里帰りのような気持ちで大阪に来てたのに、今までなぜ(大阪交響楽団と)コラボするきっかけがなかったんだろう?って、不思議に思ってます(笑)。そのほかの各地のオーケストラとは何回か共演させてもらっています」
――オーケストラと共演をされる上では、どういうところに神経を使われますか?
「もしかしたら通常やってるバンド編成よりも、気を遣わないかもしれないですね。オーケストラの方が音質的に歌いやすいのかもしれません。バンドではドラムもガーンと強くきますし、ギターもピアノも入ってきて、声の隙間がなくなってしまうこともあるので。もちろん、(バンドも)すごく上手なメンバーなので、その隙間を作ってくれるんですけどね」
――平原さんの歌唱においても、バンドの時とはまた異なる歌い方になりますか?
「やはりオケは重厚感があって立体的なので。普通の歌い方をしてると埋もれてしまうところは、ちょっとだけクラシカルな、オペラ風の声で歌うこともありますけど。それは意識してというよりも、そうなってしまうみたいなところがあって」
今年も松任谷正隆氏との共同演出プロデュースで
面白くて感動する演出
考えさせてくれる余地があり、余韻が長い
――今回はどのような演出のステージになりますか?
「今年のコンサートも松任谷正隆さんに共同演出プロデュースをお願いしています。マエストロもオーケストラも巻き込んだ、ちょっと面白くて感動する演出がなされる予定です」
――昨年まで開催されていた『The Swinging Classics!』から引き続き、松任谷正隆さんとの共同演出プロデュースなんですね。
「そうですね。正隆さんは私の発想を超えた演出をなさるので、びっくりします。2023年が正隆さんとの初めての共同演出で、"あーやは頑固だろ、俺も頑固なんだよ。だから喧嘩することがあるかもしれないけど、よろしくな"...って言われて、覚悟してたんですけど。一回も喧嘩したことなくて、すごく円満です」
――基本的に、平原さんの思いを尊重されながら演出されるんですよね?
「そうですね。"あーやの歌詞だったり、楽曲に入ってるメッセージを基に作ってる"って、いつもおっしゃってますけど、正隆さんは、"解決しないまま終わりたい"とも。たしかに『The Swinging Classics!』ツアーの時も、心の中に解決しない想いが残りました。でもそれは、嫌なモヤモヤではなくて。コンサートを観終わった後、これから私たちが生きてゆく先の未来や、どんなふうに生きていくかを考えさせられるような、残り香のような余韻がありました」
――このツアーに向けて、平原さん自身どういう思いで臨まれますか?
「たぶん、普通のコンサートではない演出になると思います。オーケストラのコンサートは多々ありますが、一味違ったステージになるのは間違いないです。また、良い音をお客様に届けるために、命がけで研究している人たちに音作りをお願いしているので、来てよかったなって思ってもらえるようなサウンドにもぜひ期待していてください」
――オーケストラのコンサートに行くこと自体、ちょっと贅沢で特別な気持ちになります。
「そうですね。オペラなんかもそうですけど、着物を着てご来場なさる方もいらっしゃいますし、ヨーロッパではドレスアップしてこられる方も多いですね。ポップスのコンサートではあまり見かけませんがドレスアップしたくなるような、とても特別な公演になるはずなので。そんな非日常体験というのを皆様にお届けしたいです」
――オーケストレーションによる素晴らしい音響もぜひ生で体感してみたいです。
「今はSNS上で音楽を聴いたり、スマートフォンで聴いたりしていて、CDプレイヤーも持ってない方が多いようですが。それは音楽の危機ですよね。それが通常になっていくと、別にCDの音源を聴かなくても良い耳になっちゃうので。それを引き戻すような気持ちで、やっぱり生の素晴らしい演奏を聴いてほしい、そして歌声を聴いてほしいです。たぶん当日は、私もオーケストラに感動しながら歌ってると思います。これは毎年あるコンサートではないので、後悔しないように是非来てほしい!忘れかけていた生の音の良さを体感していただきたいですね」
――ちなみに、4月にリリースされました二胡奏者のウェイウェイ・ウーさんとのコラボ曲『祈りにみちて』もぜひ生で聴いてみたい一曲です。
「二胡の音って、聴いているとタイムスリップするような感覚になるんです。大自然を感じる響きにとても感動しました。この楽曲に歌詞をつけるには、普段使う日本語では太刀打ちできないと思って」
――それで古風な言葉で綴られているんですね。
「万葉集や古今和歌集を研究して書きました。とても気に入ってる作品です」
――『祈りにみちて』は荘厳な雰囲気で、平原さんの歌唱もとても迫力がありますし、最後のロングトーンを歌い終えた時に観客のスタンディングオベーションが見えるような曲です。
「この曲をワシントンの桜祭りで、外国の人の前で歌った時、大歓声をいただいたんです。楽曲のパワーがとても強いのだと思います。日本でもたくさん歌いたいです」
――楽しみにしております。ありがとうございました。
Text by エイミー野中
(2026年7月29日更新)
2026年9月9日(水)発売
3850円(税込)/VICL-66160
《収録曲》
01. Jupiter
02. 明日
03. おひさま〜大切なあなたへ
04. いのちの名前
05. ふたたび
06. アランフェス協奏曲〜Spain
07. 虹の向こうへ
08. キミへ
09. からっぽのハート
10. Friends On Ice
11. 虹の予感
12. 夢のあとに(Bonus Track)
2003年に「Jupiter」でデビュー。日本レコード大賞新人賞や日本ゴールドディスク大賞等、歌手として様々な賞を受賞し高い評価を受ける他、ミュージカル、声優、ドラマ、映画の吹き替えなど多方面で活動。 2015年音楽を通じて社会貢献、様々な支援のために『平原綾香 Jupiter 基金』を設立。ラグビーW杯 2019開幕戦では国歌斉唱を務めた。ミュージカルは『ラブ・ネバー・ダイ』『ビューティフル』『メリー・ポピンズ』『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』に出演。「平原綾香 Concert Tour 2024-2025~The Swinging Classics! ~」は松任谷正隆氏との共同演出プロデュースにて開催。2026年4月24日、ウェイウェイ・ウーとの共作で『祈りにみちて』をデジタル配信。9月9日、フルオーケストラアルバム『my Orchestra!』をリリース。その後に開催されるオーケストラとのコンサートツアーも決定している。
【埼玉公演】
▼10月3日(土) 所沢市民文化センターミューズ アークホール
【東京公演】
▼10月11日(日)・12日(月・祝) オーチャードホール
【愛知公演】
▼10月24日(土) 愛知県芸術劇場 コンサートホール
【宮城公演】
▼11月8日(日) 東京エレクトロンホール宮城
【兵庫公演】
▼11月14日(土) 16:00
神戸国際会館こくさいホール
全席指定-13000円
※未就学児は入場不可。
[問]神戸国際会館■078-231-8162
【大阪公演】
▼11月15日(日) 17:00
フェスティバルホール
全席指定-13000円
※未就学児童は入場不可。
[問]キョードーインフォメーション■0570-200-888
公式サイト
https://www.camp-a-ya.com/
公式X
https://x.com/AyakaHirahara1
公式Instagram
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