ホーム > インタビュー&レポート > 「すべてはオンステージのため」 ……全身全霊で挑む豪華ツアーが幕を開ける
――そもそもなぜSLENDERIE RECORDを立ち上げることになったんですか?
「2000年に『ナンダカンダ』という曲でデビューして、しばらくアルバムを作ったりコンサートをしたりしてたんですけど、活動が止まるんですね。当時は弊社(吉本興業)によしもとアール・アンド・シーっていうレコード会社がありまして、(デビュー時の所属レーベルの次は)当然そこの所属になるんですけど、途中からリリースをしないままフェードアウトしそうになっていて、ある時に桂三度さんが......そのころは(名前が)渡辺あつむさんだったんですけど......新宿のNaked Loftでやった、サックス練習会っていうオールナイトイベントに行ったんです。僕、オールナイトイベントをちゃんと見るのも初めてで。で、サックス演奏会じゃなく練習会!」
――不思議(笑)。
「最初は演奏を間違えたら、みんな笑ってたんですけど、1時間経たんくらいのうちに間違えても、"大丈夫!"とか"がんばれ!"とか、身内の気持ちになって応援してるんですよ。吹けても吹けなくても、よかった!(拍手)みたいな。それがすっごい衝撃で僕も「イベントをしてみたい!」って思って。なにも内容は決まってないけど、自分もそういうイベントをやってみたいって言い出したんです」
――衝動ですね。
「改めて考えると自分は他の芸人さんがやられてるように「単独ライブ」をやったことがなくて、で、その単独に当たるものがコンサートしかないんですよね。自分にはネタがないっていうか、新喜劇以外でお客様にステージで見てもらうものがないんだってことに気づいて。で、調子に乗ってたとは思うんですけど、サックス練習会の時に(Naked Loftの)店長の鈴木さんに"やらしてください!"って言って。たぶん三度さんがすごかったから、ポッポしちゃったんだと思います。熱を持っちゃったっていうか......でも高温のものじゃないと思うんですよ。煮えたぎってるようなもんじゃないんです。とろ火でグツグツしたままのイベント。ワーッ!っておもしろくて、どんどん出てくる吉本の劇場みたいなのじゃなく、コトコト煮て火を消してもずっと沸いてるみたいな。もう朝やのにどうしよう?みたいな。陶器を買った時にする......目止めでしたっけ?」
――米のとぎ汁などで煮沸してひび割れしにくくするやつですね。
「そう。冷めるまで待ってるけど、なかなか冷めへんみたいな。そういう経験がなかったんですよ。だから絶対にこういうことやりたい!って自分の意思も固くなったと思うんです。で、日程は決めたもののネタがないからどうしたものか?って考えてて、その時にそばにいてくれたのが椿鬼奴さんとレイザーラモンRGくんだったんですよね。2人はもちろん仕事場でご一緒するんですけど、それよりもカラオケで遊んでて......」
――楽しそうなカラオケ(笑)!
「楽しかったんですよ。で、それがイベントにならないものかと思って。たまたま洋楽好きが集まったから洋楽ばかり歌ってたんで、そういうイベントにしてみたんです。3人のグループ名もイベント名もLike a Record round! round! round!というのにして、オープニング映像も作ったり。あと、弊社の営業に第一興商さんのDAM(通信カラオケ)を借りれないかアタックしてもらったら貸してくださったんです。DAMの最新機器を貸していただけることになり、DAMをステージに置いて"僕たちのもう一人のメンバー、DAMです。このDAMがいてくれたら星の数ほどの歌が僕たちの歌になります。MUSIC POWERです!"って好き勝手やったんです。それを鈴木さんが認めてくださって、また来月、また来月って、月1回で3、4年。それがずっと楽しかったんですよ」
――だから「SLENDERIE RECORD ファミリーコンサート2026 MUSIC POWER」のサブタイトルもMUSIC POWER。そんな思い出が込められていたとは。
「でも歌でデビューしますって決まった時は、やりたいです!って自分が手を挙げたわけではないし、音楽を聴くのは好きだけど、やるのは別だし、周りの人が、できる、歌える、とノセてくださっても自分は人さまの前で歌える自信も無いですし、困った顔をしていたらスタッフのみなさんが"じゃあできるようにするには?"って聞いてくれて、"じゃあ踊ります""踊るにはどうしたらいいの?""ダンサーさんがいた方がいいです"とかってコンサートにまで仕上げてくださったんです」
――当初は乗りきではなかったんですね。
「ただ本当のことを言うとコンサートの段階では、たぶんやりがいとか、希望が見えてたんです。いろんなお仕事をさせていただきますけど、そのなかでコンサートや歌の仕事は、なんて力があることなんだろうって」
――おっと。
「当時、僕がもじもじリハーサルをしてたら、現場の方が(恥ずかしいなら)鏡で姿が見えんかったらできるんじゃないかって鏡を隠してくれたり、やさしくしてもらってたんです。それが当時のレコード会社の社長さんの耳に届いて、やさしい社長さんが来てくださって。で、"初めて行ったコンサートはなんですか?"って聞かれて"大貫妙子さんです"って答えたらどんな内容でした?って質問をされて、‟ここでこんなんで、セットがこんなんで......"って話したら、‟藤井くんはタレントですから、藤井くんの音楽を聴いてなくても、藤井くんが街に来る!っていうのでコンサートに来る人がいるかもしれませんが、あなたが大貫さんのコンサートをはっきり覚えてるように、あなたのコンサートが記憶に残るかもしれません。しかも、ちびっ子が来てくれる可能性もあります。初めてのコンサートがあなたになるかもしれませんよ。そういう覚悟と責任を持ってやってください"って言われたんです。すごく重い言葉で。そんなん聞くと怖くてできません!ともなったんですけど、でもどっかまじめなところがあるので、本当そうだなと思って、もじもじしてても意味がないって」
――すごい思い出ですね。
「当時は色んな方に色んなことを教えていただきました。取材で写真を撮っていただく時にポーズひとつとれなくて、笑顔もぎこちなかったんですね。そんな時、あるカメラマンさんに言われたのが"君がどういう思いでやってるのかは知らないけど、ここ全員(スタッフ)、時間で(ギャランティをもらって)仕事してる人が集まってるんですね。スタジオも1時間、いくら。君がもじもじしてることはなににもならないんだ"って。"だから笑え。笑えないなら飛べ。ジャンプしろ。で、手をグーにし突き出せ"って。あとは耳をかきなさいとか。で、そのポーズを撮ったら、はい、終わり!って。でもあとで見たら、結局、ジャンプした写真は、がんばります!みたいなのが撮れてて、グーはやる気!って感じで、耳をポリポリしたのは、ちょっと恥ずかしい......みたいな。その3パターンがちゃんと撮れてるんですよ。もう本当にそう(言われたとおり)だな、仕事をする人としてダメだったなって」
――またまたすごい話。
「音楽の現場で教えてもらえたことはもっとあって......。いつも吉本新喜劇では前振りが大事って言われてたんです。最初に幕が開いて、うどん屋さんで食べて‟おいしかったわ~。おばちゃん、これなんぼ?"‟600万円!"みたいなとこからスタートするんですけど、"藤井くん、前振り大事だからね。絶対このセリフ間違ったらあかん。前振り間違ったらあかんよ"ってずっと育ってきて。それはテレビでもそうで、ずっとそう(前振りを大事に)やってきたんですけど、でもコンサートは......(違う)。(前出の)社長さんに"藤井くん、最初からバン!って出ていかなきゃダメだよ。コンサートの前振りは、お客様がもうお家で(音楽を)聴いてやってくれてますから"って言われて、なるほど、まったく違うことを今からするんだなと思ったら、もうコンサートの初日は怖くて。白い幕に自分のシルエットが投影されてるんですよ。バンバン、ワンツー‼ってクリックで始まって自分の姿がホワッって映った時はすっごい怖かったです。でも、階段のすぐ下にメイクさんが......今もお世話になってる人なんですけど......おって、とにかく行け!って(笑)。それで一気に盛り上がっていただけたんです。それはタレント業だけじゃわからなかったことっていうか。ロケバスを降りてワー!って言ってもらうとかはあるけど、カン、カン、カンってイントロが始まってシルエットが出て、ギャーッ!ってなって幕がブワッと上がって......みたいな。前振りがいらないっていうことを体感しましたね」
――強烈な体験でしたね。
「一流の方に集まっていただいたし、やっぱりいい経験だったから、本当のことを言うと、最初のレコード会社との契約が終わって弊社のレーベルに入ったけど、リリースがないのはどこか寂しいなと思ってて。キリンジの堀込高樹さんに曲を作っていただいたりとか、Tommy heavenly⁶さんにお声がけいただいたりとか、ものすごく良いものをいただけて嬉しかったんですが、なにかこう、覚悟ができてなかったと思うんです。原因は自分にあって、いつまでもなんか恥ずかしがってるっていう。で、さっきの話に戻るんですけど、そのころに椿さんとRGさんとイベントをやってると、2人が歌うのすごく好きです!って言うんですよ。椿さんは(椿のモノマネで)"歌で給料もらえたらいいですけどね~"って言ってて、本当はすごく歌が好きなくせに、上手じゃないからっていう(受け身の)自分が恥ずかしくなって。歌手じゃないからうまさは求められてないっていうのも、そういうことじゃないところに価値を置かなあかんってことも、今はわかってるんですけど、その時はバカでわかってなくて。芸人さんには歌が上手な人がいっぱいいるのに、自分はそうじゃないっていう思いも何年間かあって。そんななかで椿さんとRGさんを見て、自分はこんな近くに歌の力を信じてる人がいて、で、実際にイベントにまた来月も来るって言ってくれるお客様がいて、なんで自意識過剰な考えでいるんだろうと思ったら、よくないってなって。もう全部自分で考えて自分でケツを拭くっていうのでレーベルを立ち上げるしかない!ってなったんです。で、弊社にはレコード会社があって、そこともちゃんと向き合ってなかったから、それもいちから勉強しようと思って、会社の偉いさん......っていうか昔からお世話になってる方に、‟自分でお金を出して原盤権を持ってやりたいんです!"って言ったら、それはダメと。今所属しているアール・アンド・シーでやればいいと言われたんですけど、アール・アンド・シーのスケジュールと自分のスケジュールがなかなか合わなくて、自分でレーベルを立ち上げてみたいってお願いしたら"やってもいいけど。赤字は絶対許さへん!"って」
――すごいプレッシャー。
「はい。最初のアーティスト写真は会社の裏の雑木林みたいな所で三脚を立てて、ホームセンターで買った照明を置いて、マネージャーに手伝ってもらって自分のカメラで撮って。ほんまにお金かけちゃいけないと思って、衣装も自分の私服を用意して。そんなやりくりからスタートしたんです。でも、それが実は自分の性格に合ってたってことを1年後ぐらいに気づくんです」
――裏方の作業が合っていたと......。
「たとえば、会社から言われた条件に対して、こっちの出した条件っていうのが、お金(周りのこと)も全部教えてくださいっていうことで、タクシー代とかどんだけ経費がかかって、どんだけもうかってとか。僕はもともと経理やってたから、貸借対照表(会社の財産状況を示す表)を見せてくださいって。で、僕が稼働すると収益はこんだけです。で、マネージメントがいるならばホテル代はこれくらいかかるから、じゃ、ここはマネージャーさんいなくていいですとか。その頃に『申し訳ないと』っていうDJイベントをやってるミシェル・ソーリーさんと出会えて、で、僕が1枚目のアルバムを自分で作った時に"これまでのプロモーションとか、コンサートとかやっていたものを一回忘れてください。これから巡業します! 僕を信じてやってください"って言われて、‟はいっ!"って。マネージャーさんがいない時は自分で服持ってドライヤー持って、CDは送ってもらって手売りして。そういうのを30か所ぐらいやるって決めたのが、期間が延長して結局60なんか所かやって(笑)。それも性に合ってたんですよね。あと、デザインというかアートディレクションみたいなことも。ジャケット写真をこうするってデッサンしてロケハンに行ってとか、グッズのデザインを描いてグッズを作るとか、ポスターはこのカメラマンさんに撮ってもらってとか。そういうことがすっごく好きってことがわかったんで、レーベルを立ち上げて本当によかったと思ってます。」
――芸人としてもプラスだったんですね。
「本業では無いのになぜ歌うのか?と言われることもありましたが僕の活動に関してはプラスになりました。作詞や作曲をして「自分」を歌で伝えていく、ということができる人が歌手だと思いますし、「歌わせたい!」とまわりがほっとかない魅力を持った人も歌手だと思います。僕はそういう意味では歌手ではないなぁ〜と自分で思ってて、勿論歌は好きですが、それと同じぐらいジャケット写真を考えてデッサンしたり、コンサートグッズをデザインしたり、好きな人に歌ってもらうことをずっと考えていたりするのが好きなんです。それをこの1、2年全力でやってて、それが『ファミリーコンサート』って形に......自分が一番好きなオンステージに。お客様がいてくださる所に行くっていう形。レコーディングも楽しいけど、じゃ何のためのレコーディングですか?っつったらステージのため。僕の場合は自分の内なる思いを表現したいんだ!ってことじゃないから、やっぱりすべてはオンステージのためですね」
――もし「SLENDERIE RECORD」がなかったら......。
「なんか今の仕事とはまた違うことやってんのかなと思います」
――大納得のレーベル誕生ヒストリーでした。きっと藤井さんはすべてに気を配って丁寧に筋を通して土台から作り上げていくのが好きなんですね。マネージャーとかもできそう。
「マネージャーって仕事はすごい大変やし、本当に尊敬してます。メイクさんとかスタイリストさんとか、自分の体に近い部分を担当してくれてる人も。タレントって自分をどんどん出さなきゃいけない仕事でしょ。それなのに、自分を出したくないです!とかいうところもあったりするし、本当に変わってるから、自分がマネージメントしにくいってことはもうよくわかってるんですよ。何で喜ぶか、何をやりがいにするかがわかんないっていうか。僕がもし自分のマネージャーやったら、どうやって売ったらええんやろ?って思う。しかも20代なんて生意気でしたし、よくあの時一生懸命育ててくださったなって思う。喜ぶと思って、歌手デビュー決まったぞ!って持ってきてくれたものを、戸惑って本当に申し訳なかった。でも結局、その人がやれ!って言ってくれて......。その人は、映画や舞台もやれ!って言ってくれてた人なんですけどね」
――背中を押されてたんですね。
「僕、最初、新喜劇がすごく好きで。今も好きなんですけど...本当にスケジュールが新喜劇だけがいい!って思ってた時期があったんです。でも、ありがたいことに東京のお仕事が始まってからは、大阪で朝から午後の2時、3時ぐらいまで新喜劇をやらしてもらって、すぐ飛行機に乗って夜は東京で仕事して、で、朝いちまでに大阪に戻って、また朝から新喜劇っていうのを2年ぐらいやらせてもらったんです」
――激務!
「でも、それがすっごい楽しかったんですよ。東京所属に変わるタイミングでMCの仕事にチャレンジさせてもらえたり、ドラマに出させてもらえたりしていくんですが、新喜劇の出番はいただけなくなって、寂しくなって「嫌です...」と言って困らせてました。こうなってほしい、というタレントイメージがある人に担当してもらえたおかげで最初から色々道を用意してもらえました。その中に歌があって、自分自身は戸惑って始まった歌の活動でしたが、今も残って自分の中で大切なアイテムになっているのでとても不思議ですし、最初にやらせよう!と思って話を進めてかれたその人に感謝してます。
――藤井さんには、○○をさせてみたい!と人に思わせるなにかがあるのではないか?という気が......。そして人にプロデュースされた経験があるから、自分もプロデュース業をすることにつながったとか?
「でも、音楽に関しては本当に子どものころから聴くのは大好きなんですよ」
――おしゃれな音楽をたくさん聴いてらっしゃいますよね。
「おしゃれだったと思います。本当に恵まれてました。来日公演とかもなかなかいいのをいっぱい見たし。でも音楽は好きだけど、いまだに(音楽を)やるのは別っていうのがどこかにあって。ただ、わかってるのは(音楽に対する)ハートはあるっていうこと。でもそのハートはたぶん歌とかそっちに向かっていくハートではないんです。コンサートっていう空間や時間、グッズとかに対してのハート。そっちを見つけたから、歌は二の次......つったら言い方が変ですけど、でもコンサートというものに対しての尊敬や思いはすごくあると思います」
――愛があるということが大事ですよね。だから藤井さんは自分が愛を感じる方だけをプロデュースしているんですよね。
「プロデューサーって、プロデュースすることが決まった人をプロデュースするっていう仕事やと思うので、そういう意味では僕は許されたところでのプロデューサーだと思ってるんです」
――一般的には、そのアーティストが好きという点から始まるのではなく、依頼を受けて仕事をするという流れが多そうですよね。
「きっとそうだと思います。僕は地に足がついてるっていうか、身の丈にあったことがすごく好きで、好きな人を大切にして、大切に思ってもらい、その関係の中で自分に出来る事に対してベストを尽くすプロデューサーになろうと頑張ってます。」
――それが、まさにレーベルの"ファミリー"を大事にしたいということにつながるんですね。ただ、10年以上も続けていると、新人発掘的な欲も生まれたりするのかな?と(笑)。
「スカウトしたくなる時があります!性別や年齢はバラバラですが、好きな佇まいをしてる人や話し声がものすごく好みだったりすると「歌ってもらえませんか?」ってご相談したくなる時があります!!めちゃくちゃ歌えるんですよ!とか、めっちゃ歌うまいんですよ!って方も好きなんですけど、なんかずっと応援しないと辞めてしまいそうな人が好きです。はかなげとか、賢そうとか、いくつか自分の好きなパターンはあるんですけど、そういう子にはなんか歌ってほしいなって思う。モデルになってほしいとかじゃなく、歌ってくれへんかな?っていう目で見てます」
――今の話を聞くと、応援しないと辞めてしまいそうな人というのは、昔の藤井さんに重なるような......(笑)。
「たしかに(笑)。昔、先輩に"なんで藤井くんてオーディションできてるくせにスカウトされたみたいな顔してんの?"って言われたことがあります。僕、吉本新喜劇にはオーディションで入ってるんで。それを聞いてたしかに!と思って」
――雰囲気、伝わります(笑)。でも、そんな時代を経て自分を貫き、レーベルも立ち上げて音楽を続けているのがすばらしいです。
「スレンダリーが好きです」「応援してます」って言葉をかけてもらえたら本当に嬉しくて頑張れます。励みになります。バカにしたような言葉を伝えられて落ち込む事もあります。自分だけなら耐えられるんですが、関わってくださった方を巻き込んで嫌なことを言われると申し訳ない気持ちになります。言葉で傷つけられる事に慣れたくないので落ち込みますが、そんな時は「好きです、応援してます」と言ってくださった言葉を思い出して頑張ります。コンサートや舞台を観に来てくださる方がいることで何度も救われてます。
――「ファミリーコンサート」はそういったファンと藤井さんの思いが交わる場なのかもしれないですね。そんな「SLENDERIE RECORD ファミリーコンサート2026 MUSIC POWER」が7月10日(金)から始まりますが、昨年行われた初回がとてもいい思い出になったとお聞きしました。
「昨年携わってくださったスタッフの方のほとんどが、今年も引き受けてくださったんです。みんなお忙しい方ですから、スケジュールは取り合いなんですけど、空いてるから行くわっていうんじゃなく、"今度はいつ? やるなら早く言ってね!"って前回の打ち上げの段階で言ってくださってて。その言葉が嬉しくて本当に2026年のスケジュールのご相談をしたところほぼほぼ全員がやる!って言ってくださって本当に心強かったです。スタッフの皆さんに自分を沢山受け入れてもらえた実感はあるんですが、自分以上にてるきん(フットボールアワー・後藤輝基)とか、南野(陽子)さんとかにメロメロになってはったんです。ああいう歌を歌うとは思ってへんかったとか、あんな歌が聴けるとは思ってなかったとかって。だからもう一回聴きたいっていうんで来てくださる方もいて、お客様はもちろんですけど、スタッフの方のそういう声にも本当にがんばろうと思います」
――その南野さんは前回の感想として、"この曲を歌うとは思ってなかった"というようなコメントを残していらっしゃいましたね。
「南野さんに関しては、僕がセットリストを決められたんですよ。最初は何を歌われますか?ってご相談からだったんですけど、"藤井さんが決めて"って。で、南野さんのアルバムタイトルって『Gather』とか『GLOBAL』とか濁音が多いんですよ。キラキラしたアイドルの人の作品に濁音ってあまり似合わないといわれてたそうです」
――たしかに。
「明るく弾ける破裂音でもいいところですよね。歌もちょっと悲しいとか、傷ついてるとかの方が多くて、ご本人はめちゃくちゃダイヤモンドなのに、なんかいつも影がある。もちろん『吐息でネット』みたいな(明るい)曲もあるけど、なんかさみしい歌が多いし、そのなかに好きな歌も多いから、せっかくならそれを歌っていただこうと思ったんです」
――なるほど。
「シングル曲やヒット曲はご自身のコンサートで歌われることが多いので、南野さんのファンの方が『ファミリーコンサート』に来てくださった時に感じる「藤井くん、キミもナンノファンなんだよね。数々の名曲の中からどれを選ぶのかい?」という問いに全力でお応えしたいと考えました。
――その人の魅力を濃縮して伝えてもらえるんですね。ただ、出演者も多いですし大変そう。
「いえ、楽しくてしょうがないです。楽しい!」
――やはり人を思う時間が......。
「......一番好きです!」
――では、ここでほかの豪華な出演者の方々についても。今回は先ほど話に出た椿鬼奴さんとレイザーラモンRGさんが登場しますね。
「スレンダリーレコード立ち上げから一番僕のそばにいてくれてる人たちです」
――さらに同じく前出の桂三度さんはfire starterとして、加えて島田珠代さんはパワーフレグラントとして参戦(笑)。
「fire starterは火をつけてくれるし、パワーフレグラントは強く香り立ちます。その(名前の)まま受け取ってください」
――あと後藤さんの姉のYOKOお姉さんも前回に引き続き出演。
「たぶん、こんなつもりはなかったと思うんですよ、YOKOお姉さん。僕のお願いにこたえてくださって本当に感謝してます。歌もお人柄も本当に素敵な方なんです。YOKOお姉さんは、8月2日(日)の仙台と9月18日(金)の福岡の公演に出てくださるんですけど、その日は弟がいないんです。YOKOお姉さん初のソロ出演になります。忙しくお仕事もされているんですけど、この2日だけは弟のいないところで歌手になります。しかも弟がツアーに登場するよりも先にお姉さんがファミリーコンサートに参戦。てるきんには、申し訳ないけど、そうさせてもらいます!って最初に言いましたから」
――YOKOお姉さん、注目ですね。ほかには早見優さんの名前もあります。
「早見優さんは自分に力をいつも与えてくださる方のお一人。香川と東京の公演に出演していただくんですけど、香川は早見さんとKOJI 1200(今田耕司)さんという、僕のなかのダブルシャイニングスターが来てくれます。早見さんのステージって本当にすごいんです。オレンジとか黄色とかのハッピーなオーラが出まくるんですよ。だから元気になりますし、明るい気持ちになります。実は今田さんと早見さんは今年、還暦なんです。そんなお二人が香川でそろいますので、ぜひ」
――香川公演、おめでたいですね。そしてバンドも豪華で冨田謙さん(Key)、奥田健介さん(G)、南條レオさん(B)、小松シゲルさん(D)、宮川剛さん(D)という強者ぞろいのamenity EX。そこには藤井さんとココリコの田中直樹さんもコーラスで加わります。
「自分が前回のコンサート楽しめた理由の一つが、冨田さんたちのバンドの演奏で、本当にリッチな気分でした。いい演奏をしていただいてステージの質をあげてもらえました。愛情を持って演奏してもらうと自分の歌い方って変わるんだなってことを教わりました。今回、より一つになりたいと思ってamenity EXって名前をつけて活動するんですけど、ちょっと僕が欲張りなところがあって、せっかくのコンサートだからご褒美みたいなのが欲しいなと思って」
――ご褒美?
「たとえばNONA REEVES(西寺郷太・奥田・小松から成るバンド)だったら、3人は大学から一緒で......とか、昔からの友だち!みたいな、そういうのってあるじゃないですか。で、昔からの友だちに入ってもらいたいなって」
――そこで同期の田中さん。
「田中くんに相談したら、田中くんは、お歌自体はそんな得意じゃないって言うんですけど、カラオケでは若い時からめっちゃかわいいんですよ。応援したくなる歌なんです。人が聴きたくなる歌というか。全然下手じゃないし、お人柄なんですよね。誠実というか」
――人間性を感じる歌なんですね。
「田中くんの温かいものがコーラスやハーモニーに出るんじゃないかなと思って。田中くんに引っ張ってもらいたいっていうか。そこに期待してるっていう相談をしたら、頑張って練習するって言ってくれて、今もずっと練習してくれてるから、本当にいい人だなって思ってます」
――そして今回は全11公演ですが、すべて内容が違うとか。
「そうです。こんな大変なことないと思うんですよ。スタッフのみなさんにはもちろん、バンドメンバーには一番迷惑をかけてます。70曲とか演奏していただかなきゃいけないので。だから最初にバンドマスターの冨田さんに相談しました。自分のやりたいことはこういうことで、結局一公演ずつ違うものになってしまうから、ミュージシャンのみなさんにとってあまりに負担が大きいんですが、できるものなんでしょうか?って。で、冨田さんからメンバーに聞いていただいたら、みなさんがOKって。心強かったですしめちゃくちゃうれしかったです」
――70曲ってすごい。
「2025年に成功したこと、お客様に認めてもらったこと、笑っていただいたこと、それはもう漏らさずやりたいです。場所と演者がシャッフルするんですけど、培った空気はバンドメンバーとスタッフのみなさんと共有できてるし、出演者も前回共演があった時に作り上げたものは今回もやっていこうと思ってますので、昨年お越しいただいた方で、よかったわって思っていただけたならば、今年もぜひお越しいただきたいです」
――では最後に関西の方にメッセージを。関西での公演は初日となる7月10日(金)の大阪 と、9月4日(金)の神戸です。
「コンサートの初日を大阪で迎えることができて本当に感謝してます。大阪でスタートするのは僕のなかでは意味がありますし、まずは大阪で成功体験をしたいと思ってます。9月の神戸は、珠代姉さんとRGさんというすごい2人が歌のステージでどうなるのか?という。テレビとかコメディでは(2人の共演は)あるんですけど、歌のステージでは初めてですので、これは目撃していただきたいです。あと神戸では地元(兵庫県出身)の南野さんの胸をお借りして大暴れしようと思ってますので、ぜひ」
Text by 服田昌子
(2026年6月29日更新)
1972年生まれ、大阪府出身。1992年5月吉本新喜劇入団。同年7月心斎橋筋2丁目劇場で行われた吉本新喜劇若手公演で初舞台。90年代中ごろに東京での活動を開始、コメディアンとしてマルチな才能を発揮、全国の注目の的となる。2000年3月8日に「ナンダカンダ」(Antinos Records)で歌手デビューし、同年の「NHK紅白歌合戦」に初出場。現在も舞台、ドラマ、音楽など、多岐にわたる活動を行っている。
▼7月10日(金) 19:00
NHK大阪ホール
S席-9300円
A席-8300円
[出演]藤井隆/椿鬼奴/レイザーラモンRG/博多大吉
[スペシャルゲスト]和久井映見
[バンド]amenity EX《冨田謙(key)/奥田健介(g)/南條レオ(b)/小松シゲル(ds)/藤井隆(cho)/田中直樹(cho)》
※未就学児童は入場不可。小学生以上は有料。
[問]GREENS■06-6882-1224
【福井公演】
▼7月12日(日) 敦賀市民文化センター 大ホール
[出演]藤井隆/KOJI1200(今田耕司)
[スペシャルゲスト]和久井映見
[バンド]amenity EX《冨田謙(key)/奥田健介(g)/南條レオ(b)/小松シゲル(ds)/藤井隆(cho)/田中直樹(cho)》
【香川公演】
▼7月26日(日) サンポートホール高松 大ホール
[出演]藤井隆/KOJI1200(今田耕司)
[スペシャルゲスト]早見優
[バンド]amenity EX《冨田謙(key)/奥田健介(g)/南條レオ(b)/小松シゲル(ds)/藤井隆(cho)/田中直樹(cho)》
【宮城公演】
▼8月2日(日) 電力ホール
[出演]藤井隆/椿鬼奴
[シークレットゲスト]YOKOお姉さん
[fire starter]桂三度
[スペシャルゲスト]南野陽子
[バンド]amenity EX《冨田謙(key)/奥田健介(g)/南條レオ(b)/小松シゲル(ds)/藤井隆(cho)/田中直樹(cho)》
【長野公演】
▼8月22日(土) レザンホール 大ホール
[出演]藤井隆/桂三度
[スペシャルゲスト]はいだしょうこ
[バンド]amenity EX《冨田謙(key)/奥田健介(g)/南條レオ(b)/小松シゲル(ds)/藤井隆(cho)/田中直樹(cho)》
【北海道公演】
▼8月28日(金) Zepp Sapporo
[出演]藤井隆/後藤輝基
[スペシャルゲスト]南野陽子
[バンド]amenity EX《冨田謙(key)/奥田健介(g)/南條レオ(b)/小松シゲル(ds)/藤井隆(cho)/田中直樹(cho)》
▼9月4日(金) 19:00
神戸文化ホール 中ホール
S席-9300円
A席-8300円
[出演]藤井隆/レイザーラモンRG
[パワーフレグラント]島田珠代
[スペシャルゲスト]南野陽子
[バンド]amenity EX《冨田謙(key)/奥田健介(g)/南條レオ(b)/小松シゲル(ds)/藤井隆(cho)》
※未就学児童は入場不可。小学生以上は有料。
[問]GREENS■06-6882-1224
【山口公演】
▼9月6日(日) スターピアくだまつ Kビジョンホール
[出演]藤井隆/後藤輝基
[スペシャルゲスト]南野陽子
[バンド]amenity EX《冨田謙(key)/奥田健介(g)/南條レオ(b)/小松シゲル(ds)/藤井隆(cho)/田中直樹(cho)》
【愛知公演】
▼9月12日(土) COMTEC PORTBASE
[出演]藤井隆/椿鬼奴
[パワーフレグランド]島田珠代
[スペシャルゲスト]はいだしょうこ
[バンド]amenity EX《冨田謙(key)/奥田健介(g)/南條レオ(b)/小松シゲル(ds)/藤井隆(cho)/田中直樹(cho)》
【福岡公演】
▼9月18日(金) 福岡国際会議場 メインホール
[出演]藤井隆/後藤輝基
[シークレットゲスト]YOKOお姉さん
[スペシャルゲスト]はいだしょうこ
[バンド]amenity EX《冨田謙(key)/奥田健介(g)/南條レオ(b)/小松シゲル(ds)/藤井隆(cho)》
【東京公演】
▼9月23日(水・祝) LINE CUBE SHIBUYA
[出演]藤井隆/後藤輝基/椿鬼奴/レイザーラモンRG
[シークレットゲスト]YOKOお姉さん
[スペシャルゲスト]早見優/和久井映見
[バンド]amenity EX《冨田謙(key)/奥田健介(g)/南條レオ(b)/小松シゲル(ds)/藤井隆(cho)》
藤井隆公式サイト
https://takashi-fujii.com/
藤井隆公式X
https://x.com/left_fujii
藤井隆公式Instagram
https://www.instagram.com/slenderie_record_fujii_takashi/