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ライブハウスを巡る『STRAIGHT SONGS TOUR』スタート!
再来年に迎える結成30周年へ向けて日々を積み重ねる
ストレイテナーのキーマン・ホリエアツシが今考えていること

現在バンド結成28年、来たる30周年へ向けて着々と歩みを進めているストレイテナー。昨年10月に4曲入りの『Next Chapter EP』をリリースし、年末にはそのEPの曲を含めこれまで発表してきたミドルテンポ曲を中心に演奏するホールワンマンライブ『Sad And Beautiful Symphony』を東京と大阪で開催し、年明け〜春先は対バンやイベントに出演しつつ5月から始まるライブハウスツアー『STRAIGHT SONGS TOUR』に備えていた。そのツアー開幕数日前、幸運にもバンドのキーマンであるホリエアツシ(Vo& Gt& Key)へのインタビューの好機を得た。いろいろ質問してみると、長くひとつのバンドと向き合ってきたからこその視点で、自分が生み出す音楽とこの先のバンドの形を考える真摯な姿勢が見えてきた。

『Next Chapter EP』というタイトルは
戦後80年の夏に初演奏した事実を残す想いから



――昨年末のミドルテンポの名曲を中心に披露する『Sad And Beautiful Symphony』を終えてからこの5月に始まる『STRAIGHT SONGS TOUR』まではどう過ごされていたのでしょうか。

「年末は東京と大阪の2カ所だけでしたけど、この公演に向けてミドルテンポの曲を主軸にしたEPをリリースしたんですね。内容はもちろん、アートワークやホールでの演出も含めて公演と一体化できるEPを制作して、2公演だけではもったいなかったなと思う内容にできたんです。その後、次のツアーに向けて動いていく中で...これはストレイテナーの特徴でもあるんですけど、ひとつのことをやり終えるとその反動が大きい方なので次はアップテンポでストレートな曲をやりたい気分が盛り上がって。それをイメージしながら新曲を作ったりする日々でした」

――反動...毎回振り幅は大きめですか?

「そうですね。今回はコンパクトにひとつ終えた後の衝動みたいなモードでした。あとは、仲がいいバンドや僕らを支持してくれているバンドから2マンのお誘いをいただいてステージに立つ中で、刺激を受けたりもして。中でもART-SCHOOLのトリビュートアルバムに参加して、その延長で対バンもしたんです。トリビュートアルバムなので彼らもカヴァーされた曲を中心に構成していたんですけど、激しめの初期曲が多かったんですよ。僕らはストレイテナーの今のモードで満遍なく演奏したんですけど、ART-SCHOOLは僕ら的に20年ほど前の感情をえぐられるようなライブをしていて」

――それはくらいますね。

「それを見て呼び覚まされる感覚になったのも大きいです」

――先ほど「ストレイテナーの今のモード」という言葉が出てきましたが、それは...?

「ジャンルというものを飛び越えて制作をするようになっているんですけど、ライブでは聴かせるところは聴かせつつ、ライブならではの緊張感を持って表現しているんです。静かな曲であってもヒリヒリするような緊張感の中で見せたいというか。そういう曲ほどお客さんを感情的に引っ張り込むようなライブを心がけているという感じで」

――昨年10月にリリースされた『Next Chapter EP』は、まさにその想いが垣間見えるEPでしたしね。

「あのEPは世界観重視...映像的というか。「メタセコイアと月」という曲をリードにしつつも、戦争がすごくリアルになった時代にそれについて書いた「Next Chapter」という曲をEPのタイトルにして。そのほかにも自分たちがやってきた得意なことを落とし込んでファンのみなさんに喜んでもらいたいと作った「My Rainy Valentine」という3つの新曲と、あとはインディーズ時代の「走る岩」という曲をセルフカヴァーしているんですけど、これはミドルだけど感情を丸出しにして叫ぶような曲で今回のEPだからこそ入れたいと思った曲でした」

――ミドルテンポというテーマがなければ、「走る岩」をピックアップすることはなかったですか?

「かもしれない...。ただ、その前にライブでふと久しぶりにやりたいなと思ったんです。そもそも「走る岩」は、インディーズの2人時代の音源しかなくて、3人時代にも何度かライブでやっていたけどもしばらく眠っていて。4人になってかなり経った段階で、初めてみんなでアレンジして久々に生き返った曲だったんです。自然とこのEPのテーマに寄り添ってくるところがあったというか」

――「走る岩」が眠っていたのはなぜだったのでしょうか。

「僕が作詞作曲をしているからなんですけど...昔の曲のよさって、自分では気づけないんです。自分としては作る曲のレベルを常に更新しているつもりなので、今は当時の限界を超えたところにいるわけで。だから昔の曲に向き合うタイミングもなかなかなくて」

――今ならこういう作り方はしない、という思いもあったりしますか?

「なんでこうなっているんだろう? という疑問はあったりします。逆に言うとそのよさもあると思うんです。今は自分の経験や伝えたい思いを加味して歌詞を書くんですけど、その頃は理解してもらえなくても書き切ったりして。だから周りから"あの曲が好き"と言われて、と見直せました」

――でもEPに収録された3つの最新曲と、昔の曲を並べるための苦労もありそうです。

「そうですね。なので、最新曲と並べるためにわかりやすく歌詞を書き足しました。当時は1番と2番の歌詞は同じだったんです。今回再録するにあたって2番の歌詞を新しく書いて歌っています。この曲を好きでいてくれるファンのみなさんの気持ちに応えつつ、やはり新しい曲として堂々と出せるように」

――なるほど。今回のEPは本当に1曲1曲がバラエティに富んでいて、全曲シングル曲のような強さがありました。先ほどから出ているミドルテンポナンバーに特化したホールワンマンのためのEPというお話や年末のライブとの親和性というところで言うと「メタセコイアと月」がすごくカギになっているのかなと感じました。

「ホールワンマンに関するアートワークやコンセプトは、「メタセコイアと月」の世界観で作りましたね」

――ところがEPのタイトルに据えられたのは「Next Chapter」なので、そちらにすごく目がいきますね。

「メッセージ性という意味では「Next Chapter」はタイミング的にも強いものを持っていて、自分たちとしてチャレンジングな曲でした。サウンドとしても一歩先に行けたというか」

――一歩先。

「ミドルテンポで抜けや隙があるもの、かつ踊れたり一緒に歌えたりするというところを目指して作りました。その中に一種の共感性や一体感を意識したのはチャレンジでした。今後ライブでどう育つか、楽しみな点でもあります」

――今、本当に世の中にロクなことがなくて暗澹としている中で、「Next Chapter」は音で光を見せてくれたというか...希望の音がするというか。先ほどお話しいただいたミドルテンポだけど踊れたり歌えたりというところを意識した音作りの方法はすごく気になります。

「ロックバンドだけど、そこに囚われずに"音で埋めない"のはひとつの手段かなと思いました」

――これまでアーティストやバンドのみなさんに取材してきた中では、"音で埋めないのは怖い"とおっしゃる方もいました。

「確かに僕もメロディーで埋めがちなんです。でも今回はそこをグッと抑えてメロディーに隙間を作ったことはトライしたことのひとつですね」

――チャレンジングなサウンドに乗せて歌われていることは、昨年迎えた戦後80年をテーマに綴られた言葉たちです。

「戦後80年経った今...世界の現状がかなり危惧されている中で、自分たちの平穏や先の未来の世界に対する想いとして大事なのは、人と人が憎み合わずにお互いを認めること、傷つけ合わないことだと思っていて。どういう道を見出していくかを、日々考えたりもするんです。人それぞれどうするべきか、またその道を選ぶ方法は違うかもしれないですけど、僕の考え方を示すことができたらと思いました」

――ただこうしている間にも世界では戦争が起こっている国もあります。そんな時だからこそ何をどう言うか、どんな言葉を選ぶかは難しかったのでは? と思いました。

「そうですね。だからこそ本当に自分なりの表現をすることをすごく意識しました。誰かに対して攻撃的になったり反対意見を述べるのではなく、自分との向き合いについて書くことこそ自分らしい表現になるのかなと」

――あくまでも自分軸で。

「はい。いろいろ意思表示の仕方はあると思うんですけど僕たちはミュージシャンなので、音楽が壁を越えて気持ちを通じ合わせられる魔法のようなものであるとこの曲で掲げました」

――この曲が持つメッセージの強さがあるからこそEPタイトルにもなったのかなと思うのですが、先ほどのお話だとミドルテンポナンバーを軸にしたホールツアーのためのEPで、そのツアーの演出やアートワークは「メタセコイアと月」が担っているということだったので、そうであれば『メタセコイアと月 EP』でもよかったのでは? と思ったのですが...。

「作品のタイトルは後からつける方なのですが、「メタセコイアと月」をタイトルに持ってくるとダークというか少し重さを感じたんです。EPタイトルにはしないけどもその世界観を重視するために1曲目に置いたのは、すごく意味があります。その文分曲を並べてみた時に、ちょっとシングル曲みたいだなとイメージが湧いた「Next Chapter」をタイトルに持っていきました。あとはその...時勢もありますね」

――時勢ですか?

「「Next Chapter」は去年の夏にまずライブで初披露したんですね。そのほかの曲は時間を重ねていくといつ作ったかは忘れるくらいになっていくかもなと思うんです。でもこの曲は2025年の夏に、戦後80年が経った夏に初めて演奏したことをちゃんと残していきたい。記憶としてちゃんと残しておくことが大事だと思って、EPのタイトルにしました」





ゆっくりな曲はほぼなしで畳み掛けていく
『STRAIGHT SONGS TOUR』、開幕



――そして5月19日からライブハウスツアーが始まりますね。

「今回のツアーではかなり久しぶりにやる曲もあるので、思い出す作業から始まって初日に臨もうというところです」

――昨年末のミドルテンポナンバー中心のライブを終えた後、次のツアーに関して見えていた景色はあったのでしょうか。冒頭でミドルテンポナンバーのライブをやった反動で、攻撃的な感じになっているとおっしゃっていましたが。

「攻撃的という言葉を口に出してはいましたが、今回のツアーに関して具体的に見えてきたいのは最近でしたね」

――ちなみに、ミドルテンポナンバーを中心にしたツアーをやることにどういう意図があったんですか?

「ワンマンライブに何かコンセプトをという想いがあったことと、EPに収録した新しく作った曲と過去の曲を並べて演奏する時に感情の入り具合や引き出し合うものがあると気づいたので、ミドルテンポ縛りはいいなと。あとミドルテンポの曲をなかなかやれていなかったのもあります。僕らのいろいろな時代のミドルテンポの名曲たちを披露する場所が欲しかったというか。そういう曲たちをつなげて並べて、聴く人を深みにはめていく内容にしたいと思っていました。そういう曲たちを"見せたかった"んですよね」

――あぁ、なるほど。

「例えばフェスだと、短い持ち時間の中でバンドのいろんな面を見せはするけど、そこだけで測って欲しくないなあというのがあって。そういう意味で、僕らにある別の面をじっくりと見せつけられたのかなと思います。本当に自分たち的に手応えもあったし評価も高かったので、また同じタイトルでセットリストを見直してまたやるのもいいなとすぐ思えました。ただいかんせん、反動があるバンドなので(笑)」

――ミドルテンポナンバーが軸のホールコンサートから、ライブハウスツアーですからねぇ。

「バンドも歴史を重ねてきたことで、近い未来より少し先のこと...再来年でストレイテナーは30周年になるので、その節目の年にどういうバンドでありたいかを考えたりするんですよ」

――節目への積み重ねの真っ最中ですもんね。

「そう。だから際立った側面をツアーごとに見せていくのもおもしろいかなって」

――際立った側面のヒントというか、今回は『STRAIGHT SONGS TOUR』というタイトルが付いていますね。

「もう本当にそのまま、ストレートな曲ばかりを詰め込もうと。年末のワンマンにコンセプトがあったように、今回は静かな曲がほぼない感じでどんどん畳み掛けていきます」

――ずっとアクセルを踏み続けるようなライブですね。

「そのつもりでこのタイトルをつけてリハーサルに臨んでいるけど、ずっとスパークしていますね。自分が考えるストレートな曲の中にも新旧あって、時代ごとに作った時のクセみたいなものが出ているんですけど、なんか今そのクセを乗り越えられている自分がいて」

――乗り越えるというのはクセをカバーできているみたいな?

「成長したなみたいな感じですかね。そういうクセの部分は嫌だなぁとか、面倒くさいことやってるわーとか、歌詞もよくわかんない言葉を使っていたりもするけど、今そんな過去の自分もおもしろいというか。なんかもう別人格みたいな曲もあることに気づいて。そういう曲は手こずるかなと思っていたけど、ライブでもすごく楽しくやれそうな気がしています」

――ストレートな曲ばかりだというセットリストに関して、もう少しヒントをいただけますか?

「ワンアイデアみたいな曲もあるし、メロディーが小細工なくキャッチーでというのもあるし。ただ若い頃に作った曲であればあるほど、ストレイテナーというバンドがこれまで築いてきた音楽性を自分たちでなぞっている感覚になるんです。自分たちに備わっている体力だけでは作れないものを作ろうとしてもがいた、そのもがきが見られるんですよ」

――30年近くの月日を重ねたからこそ、振り返られるものでもありますよね。

「そうですね。なんかファンや周りのバンドがびっくりするようなことをやりたいっていうのが曲ごとに見えてきて、そこはおもしろいですね」

――少し前にナカヤマ(シンペイ/Dr)さんがXに「セトリが良い。いま飲みながら復習してる。」と投稿していたのもいいなあと思いました。

「あぁ、してましたね。リハーサルが始まる直前にセットリストを作ってみんなに共有したんです。どうなるか半信半疑だったけど、やってみたら楽しい曲がいっぱいあって。当時ギリギリな感じでやっていた曲が今乗り越えられていることはメンバーそれぞれに感じているかなと思います」

――30周年に向けて大事なステップですね。

「僕たちも改めてライブでやってみてそのよさに気づくと思うので、ステージでファンと一緒におもしろがりながらこの先も日々を重ねていきたいですね」

取材・文/桃井麻依子




(2026年6月 1日更新)


Release

『Next Chapter EP』

発売中&配信中
【CD&Blu-ray】7480円(税込)
TYCT-60254
ユニバーサルミュージック

《収録曲》
【CD】
01. メタセコイアと月
02. My Rainy Valentine
03. Next Chapter
04. 走る岩 (EXTENDED ver.)

【Blu-ray】
The Ordinary Road Tour 2025.02.15 at Toyosu PIT

リヒトミューレ
さよならだけがおしえてくれた
Silver Lining
Graffiti
FREEZING
工場夜景
BRILLIANT DREAMER
Zero Generation
KINGMAKER
Super Magical Illusion
Exelion
SAD AND BEAUTIFUL WORLD
インビジブル
パレイドリア
雨の明日
走る岩
COME and GO
シーグラス
Toneless Twilight
Skeletonize!
From Noon Till Dawn
Melodic Storm
TRAIN
TENDER
Uncertain

Profile

ストレイテナー=1998 年ホリエアツシ(Vo&Gt&Key)とナカヤマシンペイ(Dr)の2 人で始動。2003 年メジャーデビューとともに日向秀和(Ba)が加入。2008 年には大山純(Gt)が加わり、鉄壁の4 人編成に。常に新たなる革新性を求め、刺激に満ち溢れた楽曲を生み出し、ファンのみならず多くのアーティストからも支持を受けている。幕張メッセ、日本武道館などでのワンマンライブや数々の大型フェス出演を誇る屈指のライブバンド。

Live

『STRAIGHT SONGS TOUR』

【神奈川公演】
▼5月19日(火) KT Zepp Yokohama
【北海道公演】
▼5月30日(土) ペニーレーン24

PICK UP!!

【大阪公演】

▼6月6日(土) 17:00
Zepp Namba(OSAKA)
1Fスタンディング-6000円(整理番号付、ドリンク代別途要)
2F指定席-6500円(ドリンク代別途要)
※未就学児等は入場不可。小学生以上は有料。
[問]GREENS ■06-6882-1224

【愛知公演】
▼6月7日(日) Zepp Nagoya
【広島公演】
▼6月13日(土) 広島クラブクアトロ
【福岡公演】
▼6月14日(日) DRUM LOGOS
【宮城公演】
▼6月20日(土) SENDAI GIGS
【東京公演】
▼7月12日(日) Zepp DiverCity(TOKYO)

チケット情報はこちら


「ロックロックこんにちは!Ver.28 ~にゃーロック!ホームズ~」

【大阪公演】
▼9月17日(木)・18(金) Zepp Namba(OSAKA)
[17日(木)出演]Gateballers/ストレイテナー/スピッツ/Bray me
[18(金)出演]indigo la End/さとう。/ズーカラデル/スピッツ


Link

ストレイテナー オフィシャルホームページ
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