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GW明けサーズデーナイトの憂鬱を
サウンド&パフォーマンスで吹き飛ばした
『JANUS & GREENS presents 拍謝少年とthe band apart』
ライブレポート

心斎橋JANUSの名物ツーマン企画、『○○と○○シリーズ』が5月7日(木)に開催された。今回は関西のイベントプロモーター・GREENSとの共同企画として、台湾の拍謝少年SORRY YOUTHとthe band apartによる対バンが急遽決定。さらにDJには2組と親交の深い大阪・南堀江のレコードショップ「FLAKE RECORDS」のDAWAも参加し、GW直後の平日の夜を鮮やかに演出した。

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拍謝少年(以下、SORRY YOUTH)とthe band apartの交流の始まりは、コロナ禍に遡る。当時企画&開催された"オンライン対バン"という配信イベントで、顔を揃えたことが初対面(もちろん台湾からと日本から出演したので会わずの初対面)となり、その後2024年に服部緑地野外音楽堂で開催されたhe band apart×ぴあ関西×GREENS主催のライブイベント『SMOOTH LIKE GREENSPIA 2024 with Mellow Fellow』(https://kansai.pia.co.jp/interview/music/2024-11/greenspia.html)でようやくリアルな場で対面を果たした。その服部緑地野外音楽堂で2組は意気投合以降、今年3月に台湾で開催された音楽フェス『大港開唱 MEGAPORT FESTIVAL』や5月に日本で開催された『CRAFTROCK FESTIVAL '26』へ共に出演するなど交流を深めてきた。

その『CRAFTROCK FESTIVAL '26』への出演のため来日が決まっていたSORRY YOUTHへ、そして彼らと縁が深いthe band apartへ、「せっかくだから2組一緒に大阪でもライブして欲しいです!」とこのイベントの企画担当者たちが送った熱烈ラブコールが見事実った(しかもすごいスピード感で)のが、この『JANUS & GREENS presents 拍謝少年とthe band apart』だ。

https://x.com/SorryYouth_Band/status/2051300218763923534

開催された5月7日(木)は前日までGW、翌金曜日を乗り越えればまた週末が来るというまさに超絶憂鬱サーズデーナイト。そんなモヤっとした気持ちも、晴らしてくれる音が心斎橋JANUSに鳴り響いた。



【SORRY YOUTH】

結成から20年以上の月日を重ね、なおライブに凄みが増している台湾発の3ピースオルタナティブロックバンド・SORRY YOUTHのステージからこの夜が始まる。3月にアユニ・Dのソロプロジェクト・PEDROとのコラボレーション楽曲「Outta my way」をリリースし、そのツアーで4月に来日(残念ながら東京と台北でのそれぞれ1公演のみ)したため、約1カ月という超短期スパンでの再来日。彼らが日本で演奏する機会が頻繁にあることは、単純に喜ばしい。

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ステージに現れた維尼(ウェニ/Gt)、薑薑(ジャン・ジャン/Ba)、宗翰(チュンハン/Dr)は「Intro」「噪音公寓」という最新アルバム(といってもリリースは24年)の1〜2曲目をそのまま再現する曲構成でライブを始める。

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彼らのライブの醍醐味は3人が奏でる楽器の圧倒的な音圧と、なんとも言えない男臭さ・土っぽさを感じる湿気を含んだような重厚なサウンドにあるが、冒頭2曲でSORRY YOUTHが持つSORRY YOUTHらしさを存分に浴びせられて心臓がバクバクする。マジで、音がガツンとデカい。そしてバスドラムで始まるイントロが体の芯に響きまくった「出巡」へ。音源では三牲獻藝(サンシェンヘンゲ)という台湾の伝統楽器を用いるアーティストをゲストに迎えているためもう少し民族色の強いサウンドのイメージだったが、この日の「出巡」は恐ろしく太く彼らの音が空間にみちみちに詰まった状態で、息苦しさを感じるほどに自分が彼らの音に支配されている。エグい。

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ジャン・ジャンがスマホのメモを見ながら流暢に「大阪にはただいまと言いたいくらいホームな感じです。日本語もうまくなったやろ? じょうだんです」とMCで笑わせたかと思えば、何のフリもなく「共身軀完全放予去」「踅神夢」と畳み掛ける。彼らの特徴として1曲の中でもコロコロとボーカルを務めるメンバーが変わっていくことがあるが、「踅神夢」でチュンハンが歌うことでドラムがピタッとタイトに聴こえてくるのもまた、音の変化として面白い。そしてここまでとはうって変わってポップな音(けれど途中の変則的なメロディーにバンアパみが感じられるフレーズも...!)に観客が歓喜したり、共に歌声を上げていた「歹勢中年」から「骨力走傱」へ。ウェニ、ジャン・ジャンが向き合って高まっていく演奏とそこに割って入っていくようなチュンハンが生み出すビート、まるで演奏の熱が可視化されるような「骨力走傱」のアウトロは個人的にはこの日の超ハイライトだ。

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ここでチュンハンが日本語で放った「今日は大阪に来れてとてもうれしいです。日本の生ビールが一番大好きです。一緒に飲みましょう!」という言葉がとってもチャーミングで、拍手が湧いていたのは印象的な一幕だった。ライブ終盤は、もわりとした音がやがて壮大なサウンドスケープを描き出す「暗流」を披露。この曲を待ち侘びていた観客たちから歓声が上がり、ジャン・ジャンが拳を振り上げて歌うとフロアからも大合唱が起こる。特に楽器の音を抑え歌声だけが響くラストは見惚れるほど美しく映る。息をつく間もなく最後の曲の「兄弟沒夢不應該」へ。10分を超えるこの曲の中でウェニの歌の力強い叫びや、ここまでのライブの中でもひときわジャン・ジャンとチュンハンが全身を使って音を繰り出すどっしりとしたリズムに、全身を支配されたまま幕を閉じたSORRY YOUTHのステージ。余韻が体に留まりすぎて、呆然...。そんな"強い音の棘"を残すライブを見せてくれた。

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【the band apart】

荒井岳史(Vo&Gt)、川崎亘一(Gt)、原昌和(Ba)、木暮栄一(Dr)ら、the band apartがこの日見せたのは技巧派バンドというイメージを超えて、歌とグルーヴで観客の体を揺らすロックバンドとしての姿だった。対バン相手であるSORRY YOUTHの持つリアルな生々しさとは趣向の異なる、トーキョーっぽさすら感じる都会的な空気感を纏ったライブに惚れ惚れした。

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ライブは「ZION TOWN」でスタート。独特の跳ねるグルーヴがフロアをゆるやかに揺らし、続く「higher」で一気に視界を開いていく。これだけで、憂鬱な木曜の夜のモヤが晴れていくようで気持ちがいい。今晩はいいことがありそう、そんな気にさせてくれる。ふと手前に目線を動かすとthe band apartのファンがタオルを彼らに掲げている様子が見える。どうやらこの気持ちよさを感じ、ステージの彼らへと伝えたい! と盛り上がったのは私だけではなかったらしい。

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「ピルグリム」、続いた「Tuesday Night」ではバンドが持つ都会的な叙情が前面に出る。SORRY YOUTHが表現してみせた、土の匂いが漂うような荒々しく感情を爆発させる音とは対極の、夜の街や日常の温度を静かに滲ませる歌が響く。4人がそれぞれの顔を見合わせて音を奏でるわけでもなく、それぞれ演奏に集中して楽しんでいるのに生み出されるこのグルーヴが、しかもバンドの演奏姿にグルーヴが"見える"気がするこの現象がなんなのか(個人的には特に原の演奏する姿にグルーヴを感じる...!)、本当に謎でしかない。それが"技巧派"たるゆえんなのか。

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MCで木暮が「台湾の人ってどれくらい来てるの?」と投げかけると、パラパラではあったが木暮の想像以上に手が挙がったようだ。おぉ、と感嘆の声を上げつつ知っているという台湾語「ドーシャー(ありがとう)」と「カウヤウ...《哭枵(khàu-iau)》※1」を披露すると、観客たちから歓声が湧く。3月の『大港開唱 MEGAPORT FESTIVAL』出演時にSORRY YOUTHの面々から教わった言葉だそうで、「カウヤウ...《哭枵(khàu-iau)》※1」と放った木暮はかつてないほどウケ、芸人気分を味わったらしい。そしてライブ中盤では新曲をと、変則的な川崎のギターが駆け上がっていくメロディーが印象的だった「やぶ忠」を披露。そしてここからはthe band apartならではの捻れたグルーヴがより発揮されていく。「Free fall」で不思議な浮遊感を生み出したかと思えば、イントロで歓声が湧き手拍子も起こった「The Ninja」では鋭利なカッティングと複雑なリズムが交錯して観客を圧倒する。曲を重ねるごとに気持ちよさが増幅して、とにかく音を浴びて音に支配されたSORRY YOUTHのライブとは異なり、音に体を預けることの楽しさが際立つ。

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そして荒井はこれまでのSORRY YOUTHとの出会いや関係性を語り、この3月の台湾での共演以降「かなり短いスパンで彼らと絡めることをうれしく思います」と述べる。終盤には観客も大声で共に歌う姿にグッと来た「DEKU NO BOY」から、ギアを上げこの夜イチフロアが盛り上がった「Eric.W」へ、そしてバンドが次々と繰り出す変則的なメロディーに喰らいつくように聴き入った「beautiful vanity」まで全10曲。さらに余韻が漂うステージへ即座に戻り、21時を過ぎた東心斎橋にこれ以上ハマる曲はないと思えた「夜の向こうへ」を披露。

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マジで明日も仕事なんか...という気持ちを、見事にブッ飛ばしてくれたサーズデーナイトのSORRY YOUTHとthe band apartの対バン。ここからまた育っていく2組の関係性にも期待を寄せて。

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※1
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《哭枵(khàu-iau)》
1. 人を罵る言葉。空腹で騒ぎ立てる様子になぞらえ、理不尽に騒いだり無茶を言ったりする相手を非難する表現。
2. 口語では、「最悪」「困った」「残念」といった不満や嘆きを表す際にも使われる。
※台湾の教育部(日本の文部科学省と相当)辞典参照

もともとはネガティブな意味を持つ言葉だが、Sorry Youthのメンバーや多くの台湾人の間では、
驚いた時の言い出しや口癖のようにも使われており、サプライズやテンションが上がった場面でも使われることがある。
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Text by 桃井麻依子
Photo by キョートタナカ




(2026年6月 5日更新)


Set List

『JANUS & GREENS presents 拍謝少年とthe band apart』

●SORRY YOUTH
00. Intro
01. 噪音公寓
02. 出巡
03. 共身軀完全放予去
04. 踅神夢
05. 歹勢中年
06. 骨力走傱
07. 暗流
08. 兄弟沒夢不應該

●the band apart
01. ZION TOWN
02. higher
03. ピルグリム
04. Tuesday Night
05. やぶ忠
06. Free fall
07. The Ninja
08. DEKU NO BOY
09. Eric.W
10. beautiful vanity

EN. 夜の向こうへ(the band apart)

今後の関西公演をピックアップ!
その他の公演は「チケット情報はこちら」から!!

●the band apart

「the band apart SMOOTH LIKE GREENSPIA 2026 -10th Special-」

PICK UP!!

【大阪公演】

▼10月10日(土)・11日(日)
服部緑地野外音楽堂

2日通し券(ロンT付/S)-14500円(整理番号付、各日ドリンク代別途要)
2日通し券(ロンT付/M)-14500円(整理番号付、各日ドリンク代別途要)
2日通し券(ロンT付/L)-14500円(整理番号付、各日ドリンク代別途要)
2日通し券(ロンT付/XL)-14500円(整理番号付、各日ドリンク代別途要)
前売(ロングTシャツ付/S)-9500円(整理番号付、ドリンク代別途要)
前売(ロングTシャツ付/M)-9500円(整理番号付、ドリンク代別途要)
前売(ロングTシャツ付/L)-9500円(整理番号付、ドリンク代別途要)
前売(ロングTシャツ付/XL)-9500円(整理番号付、ドリンク代別途要)
一般-6000円(整理番号付、ドリンク代別途要)
学割-2000円(高校生・大学生・専門学校生対象、整理番号付、ドリンク代別途要)

[10日(土)出演]the band apart
[11日(日)出演]the band apart/他

※中学生以下は入場無料です(ドリンク代のみ必要です)。ただし、保護者の管理の元お願い致します。
※雨天決行/荒天中止。
※会場内での傘/日傘の使用は禁止です。
※パラソル/テント類も持ち込み禁止です。
※イベント専用駐車場はございませんので、公共交通機関をご利用下さい。
※客席を含む会場内の映像・写真が公開されますので予めご了承ください。

チケット情報はこちら


Check!!

拍謝少年SORRY YOUTH Web Site
https://www.sorryyouth.com/

the band apart Web Site
https://asiangothic.net/

Music Club JANUS Web Site
https://janusosaka.com/

GREENS Web Site
https://www.greens-corp.co.jp/