ホーム > インタビュー&レポート > 「野外の空気感込みで幻想的なものに」 北欧の夏至のお祭り“Midsummer” をコンセプトに 初の大阪城音楽堂単独ライブを開催 リーガルリリー インタビュー
『ニコの涙』は自分の生活の中で生まれた
――最新シングル『ニコの涙』が胸に刺さりまくりです。この曲自体はいつ頃作られたのですか?
たかはしほのか(Vo & Gt)「2年前ぐらいにはデモの状態であった曲なんですけれど、そこから2年ぐらいかけて、ちょっとずつ肉付けしてやっと形になって、このタイミングで出したという感じです」
――2年というのはけっこう長い時間をかけて完成したのですね。
たかはし「焦らずに丁寧に作ったという感じです。なんか、1回忘れるっていうことも、作曲の中では大事でもあるので、違う人の視点からまた見てみるとか、聴いてみるとか...。そういうのを繰り返して、2年かけたという感じですね」
海(Ba)「この曲はデモができた時から、きっといつか出すだろうって、なんとなく感じていて。ほんとにすごく好きな曲で、メッセージが強くこもってる曲だったので、ジャケットもMVも含めてぜんぶ丁寧に制作しました」
――すごく涙腺のツボにきて、この感情はなんだろう...って思いながら、余韻に浸ってしまいます。
たかはし「ありがとうございます」
――この曲を聴いた人は、みんなそうなんじゃないかなと思うくらいです。
たかはし「自分がふだん音楽を聴いている時に、琴線に触れる感じで、自分の中で震えみたいなものが起こって感動するんですけど...、作曲してる時にもそう感じる時があって。この曲を作ってる時もそういう感じだったので、自分と同じ震える感じが伝わったらいいなとは思います」
――ちなみに、この歌詞はほのかさんの実体験が元になってるんですか?
たかはし「実体験というか、なにか物語を読んで生まれたのではなく、自分の生活の中で生まれたものです。それは昔の記憶もそうだし、今の現実に起きるようなことも含めて。この曲に関しては歌詞が先に出てきました」
――海さんはこの歌詞についてはどのような思いがありますか?
海「この歌詞を聴いた時に、自分が学生の頃にこの曲があったら良かったな...って思いました。でも、こうして曲としてリリースすることで、今の若い人たちのそばにいられる曲になると思うので、当時のことを思い返して、自分が感じていたことを大事にしながら(制作時の)話し合いに参加しました」
――「当時のことを思い返す」というのは、海さん自身の辛い体験ですか ?
海「もちろん辛かったもあるんですけど、多感だったっていうのがすごくしっくりくるというか。とにかく感情の振れ幅がすごく大きい時期っていうのが自分の中ではあって。一概に"生き辛い"っていう言葉ではまとめられないんですけど、当時はなにか思うところがあったんですよね。そういうものをこの曲を聴いて思い出しましたね」
――それは10代の頃のことですか?
海「そうですね。今だったらもうちょっとうまくやれるのにとか、色々考えるきっかけになった曲ですね」
――ほのかさんの昔の記憶というのも10代の頃ですか?
たかはし「うん、そうですね。違和感とかが生まれてきた時期がだいたい14歳から18歳あたりの時ですかね。で、そういう時のことを思い出したりしました」
――確かに中学、高校生の頃って人間関係も変わってくるし、多感な年頃ですよね。それとは別に先ほどお話しされていた、"今の現実に起きるようなこと"、というのはどんな事ですか?
たかはし「具体的に言うと、母親に相談をした時にすごく励まされて、電話を切った後にこういう曲が生まれました」
――歌詞の中に出てくる、<今まで気付かなかった/大きすぎて見えなかった>というラインがそうですか?
たかはし「はい、母親の大きすぎる見えない愛みたいなのをすごく感じたので。でも、そういう解釈もあるし、ひとつだけの意味ではないですね」
――たしかにいろんな受け取り方がありますよね。それが自分の親だったり、友達だったり。たぶん聞き手によって思い浮かべる存在も違いますよね。だから聴いてると、涙腺にくるのかな...この曲自体が寄り添ってくれるようにも感じられて。
たかはし&海「ありがとうございます」
残酷さだけじゃなくて、その先の希望も表現
――ミュージックビデオ(MV)は学校が舞台になっていますが、このストーリーはどのように制作されましたか?
たかはし「監督さんとメンバーとスタッフでミーティングする機会があって、まず最初に監督さんが提案をしてくれたんです。映像には映っていない(物語の)背景とかまで全部。その時、まるで私が考えていたことを監督さんが用意してくれていたように感じて、すごくびっくりしたし、ああ、この監督さんと一緒にMVという形で芸術を作りたいなと思いました」
――学校内のいじめにフォーカスしてる作品のようにも感じましたが...
たかはし「ファーストインプレッションはそういうイメージに置き換えられると思います。日本人はだいたいみんな学校というものを通ると思いますが、小さい教室の中に人が集められて、そこで何かを学んで、その中の人間関係を通して自我とか自意識が芽生えますよね。そこで、"私とあなた"っていう、"個人と他者"に気づくような段階で、いじめというものも起きると思います。教室以外のところでもあるし、昔からあることで、それを私が目にしてきたことで表現したいなと思いました」
海「最初にこの曲のイメージを監督さんにお伝えして、ストーリーに関してやり取りをしながら、みんなで話し合って。俳優さんは誰がいいかなとか、制服のイメージとか。今までは結構余白があるような、(観る人に)解釈を委ねるようなMVも多く撮ってきたんですけど、今回は一旦(メッセージ性があるストーリーを)描ききってみようじゃないかと。監督さんが提案してくれたものに対して細かくミーティングをさせていただいきました」
――曲はもちろん、MVを観終わった後もちょっと辛い気持ちになったりするんですけど、目を逸らしていはいけない作品だなと。
たかはし「リーガルリリーの歌詞には、"戦争"というワードが出てきたりするんですけれど、昔から人間は殺し合いをしていて、そういうイメージを実際に見たことがあるかもな...って思って、それが教室とかのいじめなんじゃないかなって。なので、こういう身近にあることを歌にしました」
――人間って、そういう残酷さを持ってますね。
海「ただ、この曲に関しては残酷さを描くっていうところに止まってない気はしていて。そういうことが実際に起きている中で、涙を流してる人がいて、その人のために自分事のように泣いてくれる人がいたら、どんなに素敵だろうって。でも、それは綺麗事じゃない? って思う人もきっといると思うんですけど、それでも、そこ追いかけていきたいよねっていうところまでちゃんと出したかったので、残酷さだけじゃなくて、その先の希望も入れた曲ですね」
たかはし「生き残るために、みんな頑張っていると思うんですよ、昔から。でも、そんな中で、(MVでは)そこから阻害された2人が手を繋いで、屋上に行ってダンスするみたいな、そういう世界があってもいいなって思いました。"逃げ"ってちょっとマイナスなイメージもあるけど、逃げた場所でああやって2人で踊れたらいいなとも思うし。誰かに手を差し伸べるときの感情が本当に大切だなって思って、そういう曲を作りましたね。『ニコの涙』って2つで流す涙で、1人で流すのと2人で流す涙の種類は違うと思っていて。1人で涙を流して逃げていると、ちょっとマイナス要素が強いイメージが自分の中にあるんですけど、2人で流すとプラスのイメージになるみたいな。逃げじゃなくて、そういう道を進んだんだな、2人で...っていう意味合いも込めています。」
大阪城音楽堂でのワンマンは
その日が特別になるような演出がたくさんある
――この曲は初めて生のストリングスでレコーディングされているんですね。
たかはし「初めてです。ストリングスなどのアレンジを初めてお願いした河野圭さんがストリングスの方たちの前で実際に指揮を振って、レコーディングしていた風景が印象に残っています。私たちも同じブースに入って聴いていました」
――ストリングスが入ることで、より感情を揺さぶるような音の厚みが生まれましたね。
たかはし「本当にそういう音色(ねいろ)になりました。元々めっちゃ歪んだギターにストリングスを入れたいなって思っていて。その歪みと美しさの中で歌詞が出てくるみたいなイメージがあって、そういうアレンジになりました」
海「教室の中で起こっていることが歪んだギターだとしたら、そこにストリングスの光が差し込むみたいな感じで。歪んだギターと生のストリングスとの対比が面白いなって思いましたね」
――この曲を実際にライブで演奏する時はどうなりますか?
たかはし「ライブでは3人でそれを再現しようと思ってます。でも、いつかライブでも生のストリングスでやれたら...」
海「(今回のストリングスは)そのぐらいパワーがあったんですよ。同じブースに入って、2人で後ろから聴いてる時に、ああ、生の音ってこんなにすごいんだっていう体験をしたので。いつかそれがライブでも実現したら面白いなぁって思います」
――『ニコの涙』をライブで聴くのが楽しみです。
海「ライブはライブでいいものになると思います。リーガルリリーのライブでのアレンジって、公演によっても違うし、ノリ方ひとつしてもセトリが違えば変わるし、けっこうフレキシブルなので、その都度表現したいものになっていくと思います」
――では、ここからは7月5日に開催される『リーガルリリー "Midsummer"』と題された大阪城音楽堂でのワンマンライブについてお聞きします。これに向けてはどのような構想を練っていますか?
たかはし「今、どんなライブにするか作っている段階なんですけれど、以前、東京の日比谷野外音楽堂でライブをしたので、ああいう空気感のライブを大阪でもやりたいなっていうのがまず第一にあって。リーガルリリーは今までいろんなコンセプトでライブをしてきましたが、今回は"Midsummer"っていう北欧の夏至に行われるお祭りをコンセプトにしたライブをしたいなと思ってます。白夜で人々が踊るっていうのは、自然光を照明にして踊っているような感覚もあるので、せっかく野外でやるし、その自然光の空気感込みで楽しんでくれたらいいなって思います」
海「今回は"白夜"っていう北欧の陽が沈まない幻想的な夜や、自分たちが住んでる世界ともっと上の世界が混ざり合うような世界観を表現したり、北欧神話とかをリーガルリリーなりに取り入れた公演ができたらいいなと。だんだん構想が出来上がってきていて、その日が特別になるような演出がたくさんあるので、当日を楽しみにしてほしいです」
――屋内の会場とはまた違った雰囲気で、大阪城音楽堂にどんな景色が広がっているのか本当に楽しみです。また、その後は9月末から新たなツアー『リーガルリリー"Dawn"』の開催も控えていますね。このツアーでは海外公演として台北とソウルでの公演も決定しています。
たかはし「ソウルは初めて行きます」
――海外でライブをするのはどんな感じですか?
海「現地のお客さんの反応とか相乗効果ってやっぱりあって。その場の愛を感じて自分たちから出るものがあるから、ライブによって自然と変化していくことがあると思います。それは日本でも海外でも変わらずですけど」
――リーガルリリーは以前から海外でのライブも行なってきているので、そういう経験値を重ねて唯一無二の表現力や凄みを増していってるように感じます。
たかはし「ありがとうございます。頑張っていきます」
海「一歩一歩、楽しいですね。この春からアー写が新しくなったんですけど、ひとつ前のアー写がすごく好きで、もう変えなくてもいいんじゃない?っていうぐらい納得してたんですけど、新しく出来た写真を見たら、その新しい自分たちもいいねっていう気持ちになれました。そこで(無理に)進みたいっていうより、(潜在意識の中で)自分は進もうって思ってたんだ...って気づいたというか。だから、今は代謝が良く、楽しくて新鮮な気持ちです」
――それはとても良い状態ですね。大阪城音楽堂のワンマンライブ、そして夏以降のツアーも含めて、新たなフェーズに入ったリーガルリリーのステージを楽しみにしています。ありがとうございました。
Text by エイミー野中
(2026年6月11日更新)
2026年7月11日(土)配信開始
リーガルリリー…たかはしほのか(Vo&Gt)、海(Ba)…無垢な歌声と独創的な歌詞、オルタナティヴなロックサウンドを武器に、邦ロックシーンでひときわ異彩を放つ。これまでに映画/ドラマ/アニメなど数々のタイアップも担当し、2024年にリリースした「キラキラの灰」がスマッシュヒットを記録。同年リリースのフルアルバム「kirin」が各所から高い評価を得る。その世界観を伸長し開催したコンセプトツアー「夏の大三角形」「冬の大三角形」は全公演完売。2026年7月5日には大阪城音楽堂でのワンマンライブ「Midsummer」を、9月からは国内9都市と台北/ソウルを巡る初のアジアツアー「Dawn」を開催予定。また、7月11日にはTVアニメ「これ描いて死ね」EDテーマとして書き下ろした新曲「コニファー」もリリースする。
▼7月5日(日) 17:30
大阪城音楽堂
全席指定-6600円
後方フリーエリア-6100円(整理番号順入場/後方エリア内にて立見観覧)
※小学生以上は有料。未就学児のご入場は、同行の保護者の方の座席の範囲内で、周りのお客様のご迷惑にならないようにご覧ください。未就学児でもお席が必要な場合は、同行の保護者の方とは別途1席分のチケットをご購入ください。
※公演中の撮影・録音・録画は一切禁止となっております。
※雨天決行(荒天時の開催の可否は主催者判断となります)
※会場内での傘の使用は禁止です。
※パラソル/テント類・瓶類の持ち込みは禁止です。
※イベント専用駐車場はございません。
※一般的な禁止行為と同様、係員の指示に従わない場合退場願うことがあります。以上の事を守っていただけない場合、入場をお断りいたします。
[問]GREENS■06-6882-1224
【東京公演】
▼9月30日(水) LIQUIDROOM
【台北公演】
▼10月3日(土) 台北THE WALL
【北海道公演】
▼10月18日(日) cube garden
【宮城公演】
▼10月24日(土) 仙台Rensa
【広島公演】
▼10月31日(土) 広島クラブクアトロ
【福岡公演】
▼11月1日(日) DRUM LOGOS
【韓国公演】
▼11月7日(土) KT&G Sangsangmadang
【石川公演】
▼11月14日(土) 金沢EIGHT HALL
【愛知公演】
▼11月15日(日) ボトムライン
【香川公演】
▼11月29日(日) DIME
▼12月17日(木) 19:00
なんばHatch
スタンディング-6000円(整理番号付、ドリンク代別途要)
2F指定席-6600円(ドリンク代別途要)
※未就学児童は入場不可。小学生以上は有料。
※公演中の撮影・録音・録画は一切禁止となっております。一般的な禁止行為と同様、係員の指示に従わない場合退場願うことがあります。会場スタッフの指示には必ず従ってください。以上の事を守っていただけない場合、入場をお断りいたします。皆様のご理解とご協力の程、何卒宜しくお願い申し上げます。
[問]GREENS■06-6882-1224
【香川公演】
▼8月22日(土)・23日(日) 11:00
国営讃岐まんのう公園
2日通し券-23000円(入園料込)
1日券-13000円(入園料込)
[22日(土)出演]04 Limited Sazabys/時速36km/Arakezuri/CANDY TUNE/Chevon/超能力戦士ドリアン/クレイジーウォウウォ!!/クリープハイプ/DISH///橋口洋平(wacci)/かりゆし58/コレサワ/kurayamisaka/マカロニえんぴつ/多次元制御機構よだか/NakamuraEmi/ねぐせ。/日食なつこ/岡崎体育/リーガルリリー/セカンドバッカー/湘南乃風/スターダスト☆レビュー/スキマスイッチ/竹原ピストル/Tele/天々高々/東京スカパラダイスオーケストラ/TRACK15/UVERworld/ヤバイTシャツ屋さん/『ユイカ』
[23日(日)出演]10-FEET/ASIAN KUNG-FU GENERATION/バックドロップシンデレラ/Base Ball Bear(ACOUSTIC SET)/ELLEGARDEN/FRUITS ZIPPER/FUNKY MONKEY BΛBY’S/ハルカミライ/古墳シスターズ/黒夢/LiSA/マルシィ/宮本浩次/My Hair is Bad/ねぎ塩豚丼/猫背のネイビーセゾン/OddRe:/PIANO baSH performed by 清塚信也/ROTTENGRAFFTY/シンガーズハイ/ストレイテナー/sumika/Sunny Girl/四星球/卓&拓 SESSION2026(菅原卓郎×村松拓)/TENDOUJI/TenTwenty/TETORA/上江洌.清作&The BK Sounds!!/UNFAIR RULE/八生
※リーガルリリーは22日(土)出演予定。
※雨天決行・荒天中止。未就学児は無料(保護者同伴必須)。小学生1日券5000円(税込)は、当日会場販売のみ(保護者同伴必須・身分証明書持参)。公演中止の場合以外、チケットの払い戻しはいたしません。予めご了承の上、お買い求めください。出演者は変更・キャンセルになる場合がございます。詳細はオフィシャルサイト(https://www.monsterbash.jp/)をご確認ください。
[問]デューク高松■087-822-2520
Web Site
https://www.office-augusta.com/regallily/
Instagram
https://www.instagram.com/regallily_official/