ホーム > インタビュー&レポート > osage、結成10周年を前に新たなフェーズへ 「ヒトリゴト」収録曲とライブで示す“バンドの今” 6月には東名阪2マンライブで対バン相手を迎え撃つ
"もっとシンプルでいいんだ"。原点回帰のツアーで見えたライブのあり方
――2026年は1月にEP『歌えもしない恋ばっかだ』が出て、バンド初の東名阪ツアーと同じライブハウスを回る『from origin』ツアーが行われました。原点を巡るツアーはいかがでしたか?
金廣「原点回帰のツアーだったからこそ、初期の曲と新しい曲を織り交ぜてやって、初心に返る気持ちは感じたんですけど、課題の多いツアーでもあったね」
山口「改めて見つめ直すべきところが色々出てきた感じですね」
――具体的には?
山口「マインド的なものはだいぶ仕上がっていたんですけど、"1番見せたいものは何なのか"にもう一度立ち返るというか。新旧ごちゃ混ぜのセットリストだったので、刺激的で楽しかったんですけど、同時に"今何をしたら我々はカッコ良いのか"、"求められるものとそれが一致するのか"、"改めて何が強みなのか"を考えて。だからライブの作り方をガラリと変えてみた期間でもありましたね。とにかくお客さんと距離が近いし、"こういうのだよね、熱量だよね"と思ったんですけど、ツアーが終わってみて、大げさかもしれないけど"フェーズ2"になったような気がしましたね」
――前回の取材で、2025年は"osageはどういうバンドなのか"をみんなで話し合って、肩の力が抜けた状態だとおっしゃっていましたが、またひとつ話が進んだ感じですか?
金廣「ライブの作り方的なところで、例えば"ここで山口は何を話すか"というのもメンバーで話してたんですけど、そうじゃなくて"もっとシンプルでいいんじゃないか。シンプルに声が良いんだから、曲をやっていこう"みたいなことを話してました」
――先日ぴあ関西版WEBで『BANQUET!!』(5月12日@Yogibo HOLY MOUNTAIN)のレポートに入らせていただいたのですが、その時のosageは本当に熱量が高くて。osageの前に出演したCloudyがMCなしのストロングスタイルだったのと対照的に、想いを曲や言葉で伝えながら、全員楽しそうに演奏する感じがすごく素敵でした。
山口「多分、根底には吹っ切れたところもあるんです。"もっと素直でいいのかもな"とは結構言っていて」
金廣「楽しそうに見えたとおっしゃってくれるのはすごく嬉しくて。今まではミスを気にしてじゃないけど、演奏に気を取られすぎて、自分が楽しんでそれをお客さんに伝えることができてなかったなって。別に演奏を雑にするって意味じゃないんですけど、"もっと自分が楽しそうにしないと、お客さんも楽しんでくれないよな"と話し合って思いました」
――山口さんは最後、弦が切れてましたもんね。
山口「そうなんですよ。もうギター捨ててやろうと思ったんですけど」
金廣「あれも良いなって思った。弦が切れて、多分昔だと俺は不安になっちゃうんですよ。でもあの日は、ケンタが弦を切った後にギターを背中に回してハンドマイクで歌っていて、"うわ、これでいいんだよな。なんかライブだな"と思った」
――メンバーさんの姿を見て"こうでいいんだよな"と思う関係性が良いですね。
金廣「ずっと隣で見てきたので。機材トラブルがあるとケンタは調子が悪くなっちゃうんですよ。焦って"取り返さなきゃ"みたいなのがめっちゃ横で伝わって。MCで"ちょっと空回ってるな"と思うこともあったり。でもこれ(ギターを後ろに回す仕草)がいいなと」
山口「ほんとに吹っ切れるというか、"全部捨ててもいいや"という感じでした。"ライブだな"というのは最近より感じるようになりましたね。osageの楽曲ってちゃんと聴くと結構緻密なことをやってたり、コーラスワークもLとRやギターとベースでそれぞれ入ったり、最大で3声になったりというので、サラッとやるのも難しいんですよ。それに気を取られると、どうしてもステージの見せ方が疎かになってしまって。でも"とにかく俺らが楽しむことを1番に考えた方がいいんじゃないか"という話はしましたね。それが今年に入ってからのライブのあり方です」
金廣「その形がすごくしっくりきているので、これを続けていけばまた見えてくるものもあるなって、ちょうど思ってるところです。ツアーも6月にあるので、そこで見せたいよね」
山口「そうだね」
念願のアニメのOPを担当
――最新曲「ヒトリゴト」はTVアニメ『ポンスカ』のOPテーマですが、OPは初めてだそうですね。
金廣「嬉しかったですね〜。僕元々アニメが大好きで、EDをやらせてもらった時もすごく嬉しかったですけど、やっぱりOPって本当に......だって俺、ソニーに入る時"アニメのOPやるのが夢です"って」
山口「言ってた、言ってた。叶っちゃったね(笑)」
――どんなアニメのOPでも嬉しかったんですか?
金廣「そうですね。でも僕はラブコメがめっちゃ好きだったので、嬉しかったです。「ヒトリゴト」はすごく疾走感のある曲なので、映像と合わさった時"バトル漫画か?!"とびっくりしちゃいました。"めっちゃ合う〜!"と思って」
――まず原作を読んで、アニメの映像ができる前に曲を作られたんですか?
山口「そうです。お話をいただいた時はWEBコミックスが出ていたので、それを読ませてもらって。キャラクターがすごく濃いんですけど、テンポや間が良いんですよ。"これに負けないようにパワーのあるもので、なおかつ展開がコロコロ変わって飽きない楽曲にする必要があるな"と思って。レコーディング当日にBPMを上げたり、転調を増やしたりして、思い描いていたコミカルな映像に合う作品ができました」
――今BPMはどのくらいですか?
山口「206です(笑)。確か5〜6くらい上げました」
金廣「ドラムがやばいんですよ。人間離れしてる」
――冒頭からすさまじい爆発力ですね。編曲の花井諒さんが"人間が演奏できる限界を突破しているBPM。脳限界突破のイメージで編曲してみました"とSNSに書かれていて。
山口「花井さんとは「ジオメトリック」(2024年)でもご一緒させてもらったんですけど、今回はほぼ全投げというか、作り込んだデモで"あとは良い感じにしてください"とオーダーをして。素直に"たなぴー(田中)すごいな"と思いました」
――どのぐらいのテイクで録られたんですか?
山口「2〜3回かな」
金廣「"無理だよ"ってずっと言ってたけど、ライブで"すげえ、叩いてる"って」
山口「最近はシーケンスや同期もあるんですけど、もはや同期よりもちょっとテンポが早くなってる(笑)。どんどん上げていこうかなと思ってます」
――ライブでは前の曲終わりからバンと入る瞬発力も必要ですもんね。
金廣「改めてドラムってすごいな」
山口「確かに、うちのドラム結構すごいな」
――ドラムは1番に耳に入ってくるのでインパクトがありますが、ギターも練り込まれていますよね。先ほどLとRとおっしゃいましたが、1番のサビ前でギターが右、左と振られていて。
金廣「あれはミックスの時に話し合って変えたんですよね。元々片方に寄ってたよね。耳が持っていかれて面白いですよね」
――そうそう。<ひとり言が ふたりの言葉になればいいな>という歌詞や、右と左で同時再生して完成するMVもリンクしているんでしょうか?
山口「ふふ、そうなんですよ。監督の加藤マニさんが曲を聴いてアイデアを出してくださいました」
聴くと脳汁が出まくる、サウンドメイクへのこだわり
――MVのお話は後でお聞きするとして、ギターやボーカルのレコーディングはどうでしたか?
山口「割とすんなり、デモ通りに弾きました。デモのギターはほとんどあってないような感じなんですけど、それをさらいつつ、フレージングがよりドキドキするものになっています。この曲はギターのLとRが、普段のosageと逆転してるんです。普段は左がバッキングで、右がリードギター。これはバンドのフォーマットでよくあるんですけど、「ヒトリゴト」では逆になってて、右がバッキング、左がリード。1個新しい試みというか、定説を破る形になりました。それも相まってなんかドキドキするんですよね。音が動き回って、良い意味でぐちゃぐちゃにされるので、毎回脳汁ポイントだなと思いますね」
――本当に、1音を聴こうと思っても聴けないぐらい音数が多くて。
山口「ライブも特にそうだと思うんですけど、多分osageのライブでボーカルだけをずっと観てるって人、あまりいないと思うんですよ。みんなよく言うのが、"楽器が聴きどころがあるからライブで観たくなる"って。今回は逆転の発想じゃないですけど、それを音源に落とし込めたので、すごく面白いなと思って」
――なるほど。細かいところまで
山口「あとさ、音色とかは金廣さんが考えてるじゃん。オクターブになってるの面白いよね。オクターブで高い音と低い音を重ねて同じ音程で入れていて、大体そういう音を出すエフェクターを使ったりPCで処理したりするんですけど、人力で弾いて音を重ねるという。あれ良いなと思った」
――そのアイデアはどなたが?
金廣「それは僕が。オクターバーを使うよりもあたたかさが出るというか」
山口「テーマも「ヒトリゴト」だし、女性の声と男性の声みたいな」
金廣「うわあ、そこまで考えてなかった」
山口「そうなんだ! 考えてたってことにしてもらってもいいですか(笑)」
金廣「しようかな(笑)」
――金廣さんは、ギタリストの花井さんとのレコーディングはいかがでした?
金廣「花井さんはほんとに引き出しも、足し算と引き算のバランス感もすごい。もちろんフレージングが良いですよね」
――今回のレコーディングで教わったことはありました?
金廣「花井さんからは、僕がサビ中で弾いてたフレーズで、右手のストロークを"もうちょい大胆な弾き方でもいいんだよ。拍を気にしてやるよりも、大雑把にやった方が気持ちいいかも"と言われて、"なるほどな"って気づきもありました」
山口「ギターで思い出したんですけど、大サビ前でフィードバックノイズが、ギター2本それぞれで鳴ってるんですよ。ここは男の子がみんな好きというか」
金廣「確かに(笑)」
山口「そこはこだわって何回も録った記憶がある。ほんと1秒にも満たないんですけど、<ああ「きみが」>の裏でギターの歪みで"キーン!"といってるのがそれぞれカッコ良いので、聴きどころです」
――承知しました、しっかり書いておきます。
山口「ありがとうございます(笑)」
金廣「そういう聴きどころってあるよね」
山口「ある」
――やはり気づいてもらえると嬉しいですか?
山口「嬉しいですね。Twitter(現X)で"この部分好き"というポストを見ると、何回もいいね押しちゃいます」
金廣「ぶっちゃけ気づいてくれなくてもいいとは思ってるんですけど、俺はそういうこだわりを持ってるバンドが好きですね」
――初期から比べると、楽器や音へのこだわりは強くなってきているものですか?
山口「こだわりが強くなってきているメンバーと、色々試した結果"これがいい"というので、その選択も落ち着いているメンバーがいると思います」
――おふたりは?
山口「俺はもう割と固定セッティングみたいになってきちゃった。アンプを選ぶぐらいの感じかな」
金廣「俺はひねくれてるのか、わかりにくいこだわりポイントが好きなのかな。"J-POPをやってるけど、オルタナを感じる瞬間"みたいなところにずっとこだわってます」
――「ヒトリゴト」ではそういうポイントはありました?
山口「バッキングギターは、基本アルペジオとカッティングが多いんですよ。今回はアルペジオに"シマーリバーブ"という、リバーブの中でもちょっと特殊な、ギターにシンセっぽい音が加わるエフェクターを薄くかけっぱなしにしてたり、あとはカッティングにこだわって、チャキチャキした音になるように録り直しましたね」
金廣「俺はそれで言うと、多分ほんとに聴こえないから誰もわからないと思うんですけど、サビの終盤、<こんなんじゃ伝わらない>の裏で入ってるチョーキングの音はこだわってる。でもライブでは弾いてなくて、音源だけ(笑)。そこは元々リードギターが3本ぐらい入ってるので、わかる人がわかればいい。"よーく聴けば聴こえるよ"って(笑)」
山口の学生時代はキラキラだった
――歌詞は片思いのピュアな不器用さが感じられて、<ポエム>と<リリック>というキャラクター姉妹の名前が入っていたりと、山口さんの意図が見えますね。
山口「キャラクターの名前を入れるとかはわかりやすいですよね。前回アニメのEDをやらせていただいた時は新選組の話だったんですけど、辞世の句を引用したり。今回もそこに近いエッセンスを入れたいなと思ってて。今回は、すごく真っ直ぐだから伝わらないし、不器用だから遠回りするし、ラブコメというカテゴリーの中では王道な2人......統悟くんとポエムちゃんだからこそ、素直に伝わったら話が終わっちゃう。それは綺麗かもしれないけど、なんか味気ない。ウジウジしたりすげえ遠回りしたり、困らせたりするからこそ面白いし、人間っぽいんだろうなと思って、できるだけそういう歌詞を入れられないかなという気持ちで書きました。例えば<あんなに嫌いだったわたしを 好きになれたのはきみのせいだ>というのはちょっと強がってる言い方。"きみのおかげ"と言うと丸くて綺麗だけど、実際人間はそんな綺麗なもんじゃないよねというので、随所にそういう表現を入れました」
――「ごめんね。」では、メンバーさんからたくさんの修正が入ったと。
山口「20回ぐらい書き直しました」
――しかも金廣さんが最初に言い出したと。
金廣「そうだっけ?」
山口「忘れもしない。スタジオで"もっといけるっしょ"と言われてね(笑)」
――今回はどうでした?
金廣「今回はなかったよね。ケンタが出した最初の歌詞の時点で"めっちゃドキドキする。良い〜"って」
山口「良かった。先生のOK出ました(笑)」
――片思いのドキドキを思い出しましたか?
金廣「ドキドキを感じましたね。学生時代のあの感じ。良い歌詞だなって」
――山口さんは学生時代を思い出しながら歌詞を書いたんですか?
山口「学生時代はこんなにキラキラ、ピュアピュアした感じではなかったんですけど」
金廣「って言うじゃないですか。俺、同じ高校だったんですよ。めっちゃキラキラしてましたよ。クラスに遊びに行ったら、サッカー部とか野球部のいわゆる1軍の中心にいて。陰の者からしたらもう眩しくて」
山口「いや〜。でもずっと"こういう青春を送りたかったな"はありますけどね」
金廣「こういう青春送ってましたけどね、あなたは(笑)。だって文化祭かなんかで、全校生徒の前でサッカー部のヤツと2人でお笑いライブやってたじゃん。これをキラキラしてると言わないで、何をキラキラしてると言う!(笑)」
――(笑)。
山口「僕はどちらかというと、漫才をすることよりもネタを書くのが好きで、ツッコミだったんですよ。確かクラスの出し物の宣伝で、担任の先生をいじるネタをやって。その頃からものを書くのは好きだったのかもしれないですね」
――当時バンドもされていたんですよね?
山口「やってました。その時は軽音部で」
金廣「でも、軽音部にいながら学校外のお笑いライブとかもさ」
山口「ハイスクール漫才とか出てましたね」
金廣「だから芸人になるか、バンドマンになるかみたいな」
山口「そんな時もありましたけども、今は音楽を選んで良かったなと思います(笑)」
ボーイズサイド(右)とガールズサイド(左)で完成するMV
――先ほど少しお話が出ましたが、右と左を同時再生するMVも新鮮ですね。
山口「初の試みですね。2本同時に見ると噛み合うというか。斬新だし、なかなかやってるアーティストさんはいないと思うので面白いと思います」
――撮影はどんな感じで進んでいったんですか。
金廣「撮影の少し前から"2分割で"というアイデアを聞いていて、"めっちゃ良いですね"と言ってたけど、撮影してる時はどんな映像なのか全くわからなくて」
山口「同じシチュエーションで2本撮ったり、カメラやキャストさんの位置をちょっと変えたり。撮ってる時は仕上がりが全然想像できなかったですね」
――メンバーさんは基本演奏して、周りが動く感じですよね。
山口「撮影の日もさ、ずっと現場キラキラしてたじゃん」
金廣「そうだね(笑)」
山口「土みたいな顔色の4人が、透き通る肌の若い人たちのわちゃわちゃをずっと見て」
金廣「何回も撮るから、こっちはハアハアいってて」
山口「でもいいなと思いましたね。多分僕らの中にはかつてそういう日々もあって、今それが音楽になって、演じてくれる人や受け取ってくれる人がいて。時間の経過をすごく感じましたね。現場も楽しかったです」
金廣「キャストさんもちゃんと練習してきてくれて」
――高校生バンドの演奏シーンですね。
山口「一応事前に当て振り用で、僕らの方で動画を送らせていただいたんですけど、多分数日しかなかったのに練習してくれて。すごいなと思いますね」
――いいですね、ガールズバンド。
山口「いいなあ。"osage"だし、あの世界線もあったのかなあ」
金廣「あの世界線はないだろ」
山口「ないか(笑)」
――転生しないとですね(笑)。女子生徒が教室に男子生徒を連れてきて、ちょっと見つめ合うシーンが良かったです。
金廣「"私、今から演奏するから見ててね"みたいな。あのシーンほんと恥ずかしくて"めっちゃ良い!"となって」
山口「手元のiPadでカメラと同じ画角を見せてもらってたんですけど、途中からいい歳した男たちが"きゃー!"とか言いながら(笑)」
金廣「マニさんもあそこのシーンのこだわりが1番すごかったね。"めっちゃ良い! でもまだいける!"って何回も撮り直してましたね」
――でも何回も撮ったと思えないフレッシュさ。
山口「さすが役者さんでしたね」
――改めて「ヒトリゴト」、バンドとしての発見などはありました?
山口「セットリストの中でも強い曲が増えたイメージです。お客さんも初見でも盛り上がりやすいし、音源を聴いて"楽器すごいな"となるぐらいなので、ライブはめちゃくちゃ具合が増している。そのドタバタ感がありつつ、3分ちょいの曲なのでライブでもやりやすい。ライブ中心ですけど、開けた感じはありましたね」
金廣「どこにも組み込める曲だよね」
山口「序盤に入れてもいいし、終盤にやっても盛り上がるし」
――武器が1個増えた感じですか。
山口「ですね。あと個人的に、書き下ろしのジャケットが嬉しかったですね。僕のギター、ハードレリックモデルです。これをポエムちゃんが持ってるって、一生の宝物が増えました」
歌詞は同じなのに、サウンドで感情が変わる面白さ
――カップリングは「残り香」と「ごめんね。」のアコースティックバージョンです。アコギとピアノで、山口さん1人の環境で、1発録りで録音されたんですか?
山口「基本的にはそうですね。楽しかったです。メンバーは多分何も知らない」
金廣「何も知らずに"いっておいで"みたいな。ミックスができたのを聴いて、"めっちゃ良い!"って」
――やはりバンドサウンドとは全然違うといいますか。
金廣「全然違いますよね。「残り香」はバンドサウンドだと歌詞は儚いけど、サウンドに力強さがある。それがすごく良いんですけど、アコースティックバージョンは歌詞に集中できる。ピアノもすごく良い」
山口「原曲でもピアノとギターがかなり鳴ってるんですけど、同じことを違う楽器でやるだけで、こんなに素朴になって。ギターデュオ・DEPAPEPEさんが好きで聴いていた時期があって、そういうエッセンスをやりたいなというのが発想の元でしたね」
――そもそも、アコースティックバージョンを収録しようとなった理由は?
山口「久々の盤でのリリースで、アニメが入口になってくれる人もいらっしゃる機会なので、osageらしさが詰まった「残り香」と「ごめんね。」を入れたら良いと思ってもらえるんじゃないかなというのと、最近僕の弾き語りでのライブが増えていて。バンドは無敵状態なんですけど、弾き語りは武器が歌とギターしかないので、すごく心細いんですよ。でも心地良い緊張感があって、常に気が張っている、バンドとはまた別のステージ。その空気感もパッケージングしたいなと思って、今回贅沢に2曲やらせてもらいました」
――メロディーと歌詞の良さが際立ちますよね。あと山口さんのボーカリストとしての表現の幅の広さも感じます。ご自身ではどうですか?
山口「改めて、バンドって音デカいんだなと思いました(笑)。みんな音デカいから負けないようにと思うんですけど、同じ声量で歌うのは弾き語りでは正解ではない。ブレスや息遣いも繊細な表現が求められるし、それが面白いところでもある。ピアノのアレンジは自分で考えて打ち込んだんですけど、マジで同じ曲なのかなと思いました」
金廣「俺が思ったのは、「ごめんね。」の感情もなんか変わるなと思って。バンドサウンドの中だと、"ごめんねってほんとに言ってんの?"と思っちゃうんですよ」
山口「悪びれてないよね」
金廣「悪びれてない。でもアコースティックを聴くと、"あ、ちゃんとごめんねって言ってんな"って(笑)」
山口「そうそう、後悔の念が出てるのよ」
金廣「歌詞は同じなのに不思議ですね。サウンドが持ってくる感情も面白いな」
6月は"今ツーマンライブをやりたい3組"との『AGE AGEトゥナイト2026』を開催!
――6月には東名阪ツーマンライブ『AGE AGEトゥナイト2026』が開催です。大阪の対バン相手はthe paddlesですね。
山口「the paddlesは2回くらいツアーに呼んでもらったんですけど、ツーマンでがっつりやるのは初めて。今回はツーマンでロングセットで曲を聴きたいバンドが3つ(名古屋:Half time Old、大阪:the paddles、東京:Broken my toybox)なんですよ。だからお客さんも同じ気持ちで来てくれたら嬉しいし、僕らも普段と違うことをやりたいなと考えてるので、あっと言わせたいですね」
――仕込みも考えておられると。
金廣「がっつりツーマンでぶっ倒したいんで」
山口「わからせたいですね」
――誰に?
山口「皇司(柄須賀/vo.gt)はとにかく喋りすぎだって言いたいですし、名古屋公演に出てくれるHalf time Oldは先輩ですけど、今やる意味があるというか。3組とも"ツーマンじゃないとやんないよ"と言ってくれそうな人たちなんですよね。それがいい。それぐらい開幕前からバチバチを匂わせてるので、多分良い夜になるんだろうな」
金廣「3組ともサウンドはもちろんカッコ良いんですけど、その中でも歌を大事にしてるバンド。俺らもそうなんで、やっぱりぶっ潰したいですね」
山口「来年"結成10年で落ち着いて丸くなったね"と言われないための3公演だと思うので、バチバチでいきます!(笑)」
Text by 久保田 瑛理
(2026年6月25日更新)
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1870円(税込)/SRCL-13692
【収録曲】
01. ヒトリゴト
02. 残り香 -Acoustic Ver-
03. ごめんね。 -Acoustic Ver-
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osage…山口ケンタ(vo.gt)、金廣洸輝(gt)、ヒロクサマ(ba)、田中優希(ds)からなる4ピースバンド。下北沢にて結成。2017年春より精力的に活動を始める。2018年新人オーディション「murffin discs audition」でグランプリを獲得。2024年8月、ソニー・ミュージックレーベルズよりメジャーデビュー。感情を最大限にのせて歌うボーカル・山口ケンタのハイトーンボイスと体感溢れる確かな演奏が織りなす楽曲は、ラブソングからラウドなロックまでをエモーショナルに表現する。
公式サイト
https://osage-official.com/