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「自分に与えられたこの声には絶対に意味があると信じているので」
違和感というアンテナが導く人生の分岐点
注目のシンガーがデビュー以降の濃密な日々と新曲『Alarm』を語る
HIKKAインタビュー&動画コメント

 幼い頃から母の影響でホイットニー・ヒューストン、マライア・キャリー、セリーヌ・ディオン等を聴き始め、学生時代は英語のスピーチコンテストにも出場。日本にいながら歌で英語を習得し、‘17年11月にYouTubeほかSNSで洋楽のカバー動画を投稿し始めたのが、新世代のシンガーHIKKAの物語の幕開けだ。その歌声を認められ、インディーズ時代には5曲のオリジナル曲を配信し、昨年は久保田利伸の『Left & Right』のゲストボーカルに抜擢されたのも話題に。そして、満を持して今年1月にリリースしたメジャーデビュー曲『Change』は全国40局のラジオ局でパワープレイを獲得するなど、その期待値は急上昇! そんな彼女が3年前の上京時から温め続けていたと語る2ndデジタルシングル『Alarm』には、日本屈指の売れっ子プロデューサー/トラックメーカーSunnyらが参加し、HIKKAに新たな輝きと変化をもたらしている。デビュー以降の濃密な日々と新曲に懸ける思い、彼女の内面にディープに迫ったインタビュー。はかなき歌声の引力の秘密がここに――。



自分のマインド一つで、人生はどんな方向にでも変わっていく


――この春には『アコースティックフェスティバル KOBE 2026』に出演して、弾き語りに加えて新曲の『Alarm』も早速披露したそうですが、神戸初ライブを終えてどうでした?

「ステージから見ていて、後ろの方までお客さんの優しさが伝わってくるぐらい歌いやすくて...あと、関西の皆さんは感情が全部顔に出るみたい(笑)。"楽しい"と思ってくれているのを120%感じました。もちろんクールというか、あんまり表情には出さないけど盛り上がってくれているエリアもあるんですけど、関西は"イエー!"みたいな(笑)」

――ライブ中にお客さんのことをよく見ているんですね。

「その方が安心するんです。逆に緊張すると一人の世界に入り込んじゃって周りが見えなくなるので、そういうときは"お客さんの顔を見よう、つながろう"と思うようにしています。むしろ、緊張しないように皆さんのニコニコしてくださっている顔を見る感じですね」

――メジャーデビューから数カ月、そういう経験を全国各地でしてきた中で、何か感じることはありましたか?

「メジャーデビューするまでは、ただただ歌うことが好きで、ある意味、無責任に歌えていたところもあるんです。でも、デビューしてからは、自分の歌を聴いて踏み出す一歩を持ってくれたり、"HIKKAにできるなら私にもできる!"と思ってもらえる存在になりたいなと自覚していったというか...そういう覚悟を持とうと思って。そこが心境としては変わったところかなと思います」

――それって音楽人生における大変化じゃないですか?

「本当に大きいと思います。じゃあそれを毎日実践できているかと言われると、いまだに自分の弱い部分が出たり、そう思えない日もあるんですけど、その意識が根底にあるのとないのとでは全然違って。それこそデビュー曲の『Change』がそうで、自分のマインド一つでその日をどうやって過ごすのか、人生はどんな方向にでも変わっていく。そういう気持ちを忘れそうになったときも、デビュー曲を聴き返すと自分へのリマインドになる。そんな自分を手放したくないと思って歌詞を書いていたので、"ここから変わるんだ!"みたいな決意を思い出せる曲ですね」



――HIKKAさんは洋楽のカバーをSNSに投稿し続けたことが今につながっていますが、自身のオリジナル曲はほぼ日本語詞で。『Change』に関しても、サビ頭の"ガラッと"や"さらっと"のフレーズの乗せ方は、日本語詞だからこそ耳に残ります。ただ、ここまで洋楽をメインに歌ってきたら、日本語詞の歌はかえって歌いにくいんじゃないですか?

「それは正直ありますね。私は昔からずっと洋楽を歌ってきた人間なので、"何で日本語の歌詞ってこんなに難しいんだろう?"と、小さい頃から考えていたんですけど、これが'一つの答えかもしれないと思ったことがあって...! 五十音って全部が母音に基づいてるじゃないですか? ということは一つ一つの歌詞に音が乗っちゃう=音程がついちゃうので、いい加減に歌えないというか...洋楽のように歌おうとすると逆に子音が強くなっちゃったりして、今度は言葉の意味が伝わらない。私は日本語詞のときは特に、言葉を大切にして歌いたいと思っているので、そうなると発声も変わってくる。なので、洋楽を歌っているときと日本語で歌っているときは声も違うんですよね」


自分の中にあるエゴに気付くのは大事なこと


――そして、新曲の『Alarm』については、"実は3年前上京してまだ右も左も分からない時に作って、大事に温めてた曲"とXにもポストしていましたね。



「当時は、"HIKKAには何ができるんだろう、どんな音楽性が合うんだろう?"といろんな曲をいろんなチームで試していた時期で、Sunnyさんが模索しながらトラックを作ってくれたデモの中の一曲という感じですね」

――リリックはコライトではなく、HIKKAさん単独というのにも思い入れを感じます。

「これは私の過去の恋愛ソングで、違和感がありつつもその人が好きな故に、一緒にいる理由を探すんですけど、結局、ここにはもういられないとその場を飛び出すように離れる葛藤とか別れを描きました」

――僕は人生においてはレーダーになり、音楽においてはフックにもなる"違和感"を大事な感覚だと思っていて。HIKKAさんは普段から直感を信じて行動すると明言していますが、そうなったのには何か理由があるんですか?

「小さい頃はみんな直感で生きていたのに、大人になるにつれて他人の正解とか正しさがよろいのようにどんどんそれを曇らせていく。直感がある人/ない人というよりは、みんなに本来あるものだと思っていて、そこが濁らないように意識し続けたいし、違和感を感じたとき、"私は本当はこう思っていたんだ、こういう人間なんだ"って、いつも私は自分を知るんですよね。それはある意味、エゴかもしれない。でも、エゴはダメなものだとずっと思い込んできたけど、エゴがないと何を表現したいのか、何を思って歌っているのか、みたいな部分が出てこないんですよね。人の答えに自分を当てはめる人生だと、"何がやりたいの?"と聞かれても答えがない。だから、エゴの押し付けは良くないけど、自分の中にあるエゴに気付くのは大事なことだなと。私は歌うことが好きだけど、我が道を突き進める性格ではなくて、みんなの目を気にしながら、周りのご機嫌を伺いながらずっと生きてきたから、アーティストとして何かを伝える、自分の弱さを形にするのは難しいし苦しい。でも、やってみたい。自分の本音がどこにあるのか、常にアンテナを張って、人生を懸けて、もっともっと自分を知っていきたい。今はその過程にいる感じですね」

――直感を信じる人がアーティストになったのではなく、アーティストになる過程で直感を信じなければならないと感じたんですね。『Alarm』のサウンド的には80年代のR&Bみたいなノリがあって、ちょっとレトロなフレーバーがHIKKAさんの歌声と相まってより魅力を高めていますね。

「この曲の裏側にどんな思いがあるのかは歌詞を書いた自分が一番分かっているので、ボーカルのレコーディングのときも、"これはただ怒りをぶつけているんじゃなくて、その下には切なさや悲しみが絶対にあるから、そういう気持ちで歌ってみよう"とか、感情のトライアンドエラーをしていました」

――HIKKAさんのキャリアの出自的にも、詞曲は提供してもらって歌に徹するのも一つのやり方だったと思うんですけど、シンガーソングライターを目指したい気持ちがやっぱりあるんですね。

「自分がプロの道に行くと決めた数年前は、ただ歌が好きで、歌しかなくて、それを職業にしたかった。でも、実際に提供していただいた曲に自分で歌詞を乗せる訓練をしていく中で、自分の思いを自分の言葉で伝えたいという欲が出てきたんですよね。いつかは自分自身で曲を完結させたいと思っています」


今は自分の歌を通して、感情を共有できたり、分かり合えたり
一人じゃないと思えたりする


――現在はプロフェッショナルな匠たちと切磋琢磨の日々だと思いますが、何せ事務所のボスが久保田利伸さんということで。昨年、HIKKAさんがゲストボーカルとして参加した久保田さんの『Left & Right』の制作現場は、相当刺激的だったんじゃないですか?



「きっかけは、私が事務所に行ったときに久保田さんがいて、"HIKKA、ちょっと手伝ってくれない?"ぐらいな感じで声を掛けられて、そのままレコーディングブースに移動し、曲を聴いて、その曲がどういう形で世に出ていくのか、そもそも世に出る曲なのかも分からない状態で歌う、みたいな(笑)。でも、そこで久保田さんを見て学んだのは、自分がこの曲を届けようという意識ではなく、音楽はもっと偉大なものだからそこにただ乗っかりなさいということで。結果的にそれが一番届くんだなというのは、久保田さんに会うたびに感じていることですね。音楽に対してものすごく敬意のある方で、一切のおごりがない。そういうアーティストに私もなりたいです」

――今後の具体的な目標としてはまずワンマンライブがあると思いますが、今までに見て感動した思い出のライブや、強烈に印象に残っているライブはあります?

「テイラー・スウィフトのジャパンツアーを見に行ったとき、彼女の人生で起こったネガティブなことを歌にして、何万人という人たちを踊らせていて。元カレに対する憎しみとかも(笑)ポジティブに変えられて、会場全てをダンスフロアにしてしまう。そこでみんなが泣きながら笑い踊っている。あんな高揚感を作ることができて、それを3時間以上もやり続ける彼女のショーには感動しました」

――まさに音楽というエンターテインメントの力ですね。ちなみに日本人アーティストで最近のフェイバリットは?

「最近一番聴いているのはFurui Rihoさんですね。この間、渋谷を歩いているときに彼女の新作『Letters』('26)を何気なく聴いたら号泣してしまって...今の私を全部歌われているようなアルバムでした。歌詞から読み取る彼女は、表に立つ人でありながらいい意味での弱さというか人間味がすごくある方で、私と似ているんじゃないかと思っちゃって勝手に救われています(笑)」

――近いうちに共演が実現したらいいですね。かつて"HIKKAにとって歌うこととは?"と聞かれたとき、"呼吸するのと一緒"だと答えていましたが、今はそれだけではないはずです。いろんな思いも出会いもあった中で、今改めて同じことを問われたら何て答えます?

「歌うことは"ツール"だと思っています。前までは自己満足のために歌っていたのが、今は自分の歌を通して、感情を共有できたり、分かり合えたり、一人じゃないと思えたりする。自分に与えられたこの声には絶対に意味があると信じているので、たくさん音楽を作り出して、自分の声でいろんな人の人生とつながっていきたい。自分が心からやりたいと思うことに一つ一つ挑戦して、失敗して、学んで、ちゃんと積み重ねていけば、自分のなりたい姿に必然的になれると思っているし、そういう姿を見せることこそが、私の使命だと思っているので」


Text by 奥"ボウイ"昌史




(2026年6月11日更新)


Movie

MVに551…話す姿も最高にキュート!
HIKKAからの動画コメント

Release

はかなきリフレインが心地良い
メジャー2ndデジタルシングルが配信

 
Digital Single
『Alarm』
発売中
ソニー・ミュージックレーベルズ

<収録曲>
01. Alarm

Profile

ヒッカ…宮崎県都城市出身。幼い頃から音楽に親しみ、YouTubeをはじめとしたSNSにて洋楽曲のカバー動画の投稿を始める。歌からの学びが高じ、英語力、発音、表現力の全てを自身で昇華させる。その歌声は多くの人を引きつけ、国内外から注目を集めており、洗練さと素朴さを兼ね備えたナチュラルで愛らしいキャラクターも大きな魅力の一つ。’24年に『Drive』『波』『あなたのそばに』を、’25年に『My friend』『Taboo』を発表し、’26年1月に『Change』でメジャーデビュー。4月15日には新曲『Alarm』を配信した、次世代を担う若き麗しい本格派Songbird。

HIKKA オフィシャルサイト
https://www.funkyjam.com/hikka/

Live

ライブも続々決定!
9月には地元宮崎のフェスに出演へ

 
【宮崎公演】
『EBISU SHOJI presents
 UMK SEAGAIA JamNight 2026』
一般発売8月13日(木)
▼9月12日(土)11:30
宮崎・シーガイアスクエア1
一般11000円 
中高生9000円 小学生4500円
[出演]BLUE ENCOUNT/C&K/DISH///岡崎体育/東京スカパラダイスオーケストラ/STARGLOW/ヤバイTシャツ屋さん/HIKKA
[オープニングアクト]SEGA SAMMY LUX
https://www.umk.co.jp/jamnight/
※未就学児については、保護者1名につき1名まで入場無料。未就学児が2名以上の場合は小学生チケットを購入してください。雨天決行/荒天中止(会場内での傘の使用禁止)。チケットは紛失、破損等いかなる場合でも再発行いたしません。入場時にチケットバンドと交換となります。チケットバンドを紛失された際の再発行はいかなる場合でも一切いたしません。注意事項など最新情報はJAMNIGHT公式ホームページ(https://www.umk.co.jp/jamnight/)を必ずご確認の上ご来場ください。


Recommend!!

ライター奥“ボウイ”昌史さんの
オススメコメントはコチラ!

「僕が人生で初めて買ったオリジナルアルバムは、久保田利伸さんのスーパー名盤『Such A Funky Thang!』('88)ということで、その事務所の秘蔵っ子となればインタビューするしかありません。今回の取材では普段は滅多に作らない質問案を事前に送ったんですが、そんなもん必要なかったなと思わせるぐらい、しっかりきっちり自分の言葉で話してくれたHIKKAさん。生粋の日本育ちなのに英語をマスターしちゃったり、洋楽カバーで培った洗練されたボーカルと楽曲なのに話す言葉に故郷・宮崎の名残があったり、本人は自覚があるのかないのか天才肌の努力家というか、ギャップ萌えというか、まっとうに見えて天然というか、新人なのに達人というか…その何もかもを己の魅力にしてしまっている彼女は、シンガーとしての高いポテンシャルとポップスターとしての人柄という求心力を兼ね備えた愛され人間でした。いい意味で現代にアジャストし過ぎない普遍性みたいなものも、彼女の個性で強みだと思う。これからのステップアップを見届けたくなる注目のニューカマーが現れました!」