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“この歌があなたの力になりますように!”
悔しさも希望も抱きしめて歌った人生賛歌
『Bigfumi Concert 2026 「その人生は素晴らしい」』
ファイナル公演ライブレポート

4月に“温故知新”をテーマにした2ndアルバム『Roots』を発表したシンガーソングライター・Bigfumiが、6月7日、大阪・NHK大阪ホールにて『Bigfumi Concert 2026 「その人生は素晴らしい」』を開催した。春から全国を巡ったツアーのファイナルであり、2025年4月以来、2度目となるNHK大阪ホールでのワンマンライブ。チケットは完売には至らず、その悔しさを隠さずに口にする場面もあった。しかし、それさえも包み隠さず共有しながら、目の前のひとりひとりに真っすぐ歌を届けるのがBigfumiというアーティストだ。うれしいことばかりではない人生のなかで、それでも前を向いて歩いていくこと。誰かの明日を照らすような言葉とメロディーを紡ぎ続けてきた彼が、この日届けたのは、ツアータイトルにも掲げられた「その人生は素晴らしい」という力強いメッセージだった。

本人による影アナウンスで「まだまだ足りません!」と拍手を煽り、ツアーファイナルの幕が開く。SEに合わせて山本晃平(G)、森田カズヤ(Key)、ナカムラユウタ(B)、清家トモキ(Ds)、関真哉(Sax)からなるバンド"The Big"がスタンバイすると、ステージ中央にBigfumiの大きなシルエットが浮かび上がった。

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オープニングは「WE RISE UP」。蝶ネクタイ姿のBigfumiがスポットライトを浴びながら、力強い第一声を響かせると、客席からは大きな拍手が沸き起こる。続く「手を上げて」では、関のリードに合わせて観客も振付に参加。世代を問わず楽しめる親しみやすい空気感は、Bigfumiのライブならではだ。「POP NOON」では森田のキーボードが爽やかな彩りを添え、「青春謳歌」までをノンストップで駆け抜けた。

4曲を歌い終えると、「この中で一番厚着をしています。暑いです」と汗をぬぐいながら苦笑い。さらに客席に年齢を尋ねるなど、序盤から会場との距離を縮めていく。「チビっ子から80歳まで老若男女が楽しめるライブです」という言葉通り、この日の客席には幅広い世代が集まっていた。

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「ライブが終わった帰り道、どんな風に響いたか答え合わせしたい」。そう語り、「サチあれ!」へ。この曲を登場曲とする北海道日本ハムファイターズ・山﨑福也投手へ思いを届けるように歌い上げると、会場からは自然と手拍子が広がっていく。「太っててもいいですか?」ではミラーボールが回転し、タオルを掲げる観客の笑顔がフロアいっぱいに広がる。「Don't Stop Music」では関のサックスが心地よく響き渡り、客席から揺れる無数の手が楽曲の高揚感をさらに押し上げた。多幸感あふれる前半戦を経て、ライブはより深い物語へと進んでいく。

「Trust」では〈自分の未来を信じてみましょう!〉と呼びかけながら、観客の背中を押すように歌を届けるBigfumi。サビで掲げられた無数の拳が、そのメッセージへの共感を物語っていた。続くバンド紹介では、"The Big"によるセッションタイムも。ジャズやファンクのエッセンスを織り交ぜた演奏に客席から歓声が上がり、メンバーそれぞれの個性が光る場面となった。

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ライブ中盤の大きな見どころとなったのは「Home」だ。ミニギターを手に再登場したBigfumiは、「僕が大きいんじゃないんですよ。ギターが小さいんですよ。あえてミニギターを使っているんですよ。」と補足することも忘れない(笑)。「人生で初めて作った曲を歌いたい」と語ると、地元・宮崎から音楽の師匠でもある父親が駆けつけていることを明かし、「みなさんの大事な人を思い浮かべて聴いてください」と弾き語りをスタート。父の背中、母の愛への感謝を飾らない言葉で綴った歌に、客席は静かに耳を傾けた。

アルバム『Roots』のテーマでもある"温故知新"を象徴するように、「あいうえお」や新曲「ダンデリオン」では過去と未来をつなぐような時間が流れる。「Tribe」では故郷・宮崎への愛情を込めた歌声と裏打ちのリズムが心地よく響き、客席からは自然と身体を揺らす姿が見られた。

バンドメンバーと語り合うMCは、リラックスムード。「ツアーファイナルですが言いたいことある?」とメンバーに問いかけると、「リハのあと散髪に行ってきた」というキーボードの森田。空き時間や移動日の過ごし方などツアー中の想い出話に華が咲く。そして、「2度目のNHK大阪ホール!ありがとうございます!」と改めて感謝を伝えた。

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ツアーファイナルらしいリラックスしたMCで会場を和ませたあと、ライブは後半戦へ。「後半戦楽しめますか!」という呼びかけに大きなハンドクラップが重なり、「それでも生きていくんだ」がスタートした。コロナ禍の苦しい時期に生まれたというこの曲は、Bigfumiの音楽人生を語るうえで欠かせない1曲だ。「まだまだ声出ますよね!」と客席に呼びかけながら、「大阪から来た人!」「体重100kg以上ある人!」とユーモアたっぷりにコール&レスポンスを展開。笑顔があふれるなか、「それでも生きていくんだ!」という大合唱がホールいっぱいに響き渡った。「あのときのうっぷんを晴らすために、あなたの声を聞かせて!」その言葉に応えるように客席から放たれる声には、楽曲への共感だけでなく、それぞれの人生を背負った力強さが宿っていた。〈死ぬこと以外全部かすり傷〉というフレーズも、この日はひときわ大きな説得力を持って響いていたように感じる

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そして本編最後に届けられたのは、「太陽のような人でありたい」。演奏前、Bigfumiは静かに胸の内を明かした。「人生はうまくいかないことばかり。満員御礼ありがとうと言いたかったけど、満員にはできませんでした」客席は静かに耳を傾ける。

「でも前より強くなったなと思います。動じずに、あなたに思いを届けたいと思ってここに立っています」成功だけではなく悔しさも隠さず伝える。その率直さこそがBigfumiというアーティストの魅力だろう。さらに「どうにか生きて会いに来てくれてありがとう」と感謝を伝え、「Bigfumiの歌を聴いている人は、もれなく頑張っている人、戦っている人。自分自身に拍手しよう」と呼びかけると、客席から大きな拍手が湧き起こった。

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「帰り道、どんな言葉が響いたか答え合わせしましょう」その言葉に続いて始まった「太陽のような人でありたい」は、まさにこの日のライブを象徴するような1曲だった。観客一人ひとりを包み込むような温かな歌声がホール全体を満たしていく。ラストにはマイクを置き、生声だけで歌唱。最後列まで真っすぐ届けようとする姿勢に、客席からは惜しみない拍手が送られた。

アンコールでは、アルバム『Roots』のラストを飾る「キズナ」を披露。出会いと別れを重ねながら歩んできた人生を見つめるように、一つひとつの言葉を丁寧に紡ぐ。ピアノの旋律に寄り添う歌声が、静かな余韻を残した。

記念撮影を挟み、「Life↑」へ。阪神タイガース・梅野隆太郎選手の登場曲としても知られる楽曲だ。客席にはタオルやメッセージボードが掲げられ、大合唱と手拍子がホールを包み込む。「大阪の笑顔に救われているのは僕」歌詞を変えて届けたその一節に、会場からはひときわ大きな歓声が上がった。

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鳴り止まない拍手に応え、再びステージへ現れたBigfumi。「うれしいです!終わってしまうよ!」ツアーの終わりを惜しみながらも、「NHKリベンジさせてください!みんなの力を貸してください!」と次への挑戦を宣言する。悔しさを口にしながらも、決して下を向かない。

「ライブを見て楽しみを増やして、また明日に立ち向かうあなたは、素敵で、美しくて、かっこいい」

そんなメッセージとともに届けられたラストソングは、ツアータイトルにもなった「その人生は素晴らしい」。客席のスマートフォンのライトが一斉に灯り、ホールはまるで星空のような景色に包まれる。「どうかこの歌があなたの力になりますように!」Bigfumiの願いを乗せた歌声が、ゆっくりと会場を満たしていった。

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満員には届かなかったかもしれない。しかし、この日ステージに立っていたBigfumiは、成功も悔しさも含めて自分の人生を肯定し、その姿で観客の背中を押していた。だからこそ「その人生は素晴らしい」という言葉はきれいごとではなく、実感を伴ったメッセージとして響いたのだろう。ツアーファイナルはゴールではなく、新たなスタート地点。誰かの人生に寄り添う歌を届け続けてきたBigfumiは、この夜、改めて"人生の伴走者"としての存在感を刻みつけた。

Text by 岡田あさみ
Photo by マッサン




(2026年6月30日更新)


Set List

01. WE RISE UP
02. 手を上げて
03. POP NOON
04. 青春謳歌
05. サチあれ!
06. 太っててもいいですか?
07. Don't Stop Music
08. Trust
09. The Big インスト
10. Home
11. あいうえお
12. ダンデリオン
13. Tribe
14. それでも生きていくんだ
15. Giant Killing
16. 名もなき愛の唄
17. 太陽のような人でありたい

EN1. キズナ
EN2. Life↑
EN3. その人生は素晴らしい

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