ホーム > インタビュー&レポート > “今ここ”の自分たちが詰め込まれた作品 んoon、2ndアルバム『Zoo』に寄せる楽器隊の想い 6月には東名阪ツアーを開催
『FIRST LOVE』があったからこその『Zoo』
――『FIRST LOVE』から今作までの1年半で、シングル1枚を挟んで2nd アルバム『Zoo』リリースということで、かなりスピーディですね。前回のインタビューで"『FIRST LOVE』は始まりで、まだまだできる。完成したけれども満足はしていない"とおっしゃっていましたが、やはり制作活動への気持ちは高かったんでしょうか?
ウエス「〆切を決めて、お尻を叩きながらやったところが大きいかなと思っていて。私たちほんとに〆切を決めないと何もやらないから、火事場の馬鹿力で全てが回っていった感覚はあったんですけど、その中でいつもとは違う判断基準というか、最後の方は無我夢中すぎて、すごくゾーンに入りながら進んでいってる感じがあって。それは最初想像していなかった仕上がりに繋がっているのかなと思います」
――制作中にゾーンに入る感覚は、これまでもあったんですか?
ウエス「今までもそんな感じでしたけど、今回はよりその感じが強かったかなと個人的に思いますね」
江頭「今回に関してはスケジュール的な部分が大きくて、より追い込まれたんじゃないですかね。ただやっぱりアルバムということで、曲数も"何曲作ろう"みたいなことで制作が始まるから、皆それぞれアイデアを出さなきゃいけない。それには色んなものをインプットしたりというところで、曲数が多いだけによりちょっと視野が広がる感覚はありましたね」
――EPじゃなくアルバムにされた理由はありました?
ウエス「『FIRST LOVE』を出してみて、"アルバムってすごいな"と思ったんですよね。それをもう1回やってみたかったのはあります。あとは『FIRST LOVE』で詰め込みすぎたからこそ、今作の作曲においては力を抜いてできた感じはあって。"もうちょっとシンプルでいいんだ"とか、味付けやメロディの作り方、リフの作り方。『FIRST LOVE』でガチャガチャだったからこそ、肩の力を抜いてレイドバックにできる感じはあったかな。ただ出来上がってみて、やっぱり全然ガチャガチャだった(笑)。"意図しないものになったな"という感覚は、やっぱりありました」
――『FIRST LOVE』で得た感覚を逃さないうちに次の作品に進んでいきたかったりも?
ウエス「そうですね。『FIRST LOVE』で得たものもあったし。"『FIRST LOVE』がこうだったからこんなこともできる、こういうふうに力を抜ける"ということもあった。『FIRST LOVE』があったからこその繋がりはなんとなくありますね」
――積島さんは『FIRST LOVE』から『Zoo』への変化で、何か感じることはありました?
積島「短期間で次の作品にいった理由でいうと、お尻を決めたからどうじゃなくて、普通に制作していく上でライブとかでインプットが増えていってるので、ネタは常にたまっている感じでしたね」
江頭の制作への気持ちの変化
――ライナーノーツで江頭さんが"10年経って今やっとやる気が出てきて楽しいとおっしゃっていた"と書かれていましたが、その真意は?
江頭「今までやる気なかった感じで、あまりよろしくないですよね(笑)。ちょっと前向きに自分のアイデアややりたいこと、バンドに対してのアウトプットを増やしていこうという気持ちになった感じですね。今までは他のメンバーが出してくる色んなアイデアを受け取って楽しんでたけど、僕も色々アウトプットしたくなってきました」
――10年の活動の中で自然にそう思ったのか、『FIRST LOVE』ができて、よりその気持ちが強くなったんですか?
江頭「キッカケが"ここだ"と言うのは難しいですけれど、"もうちょっと前向きに自分の良いと思ってるものを出していこう"という気持ちになってきたのは『FIRST LOVE』を作っていた頃ぐらいからかもしれないですね」
――自分のアイデアをより出そうとすることで、メンバーさん同士のやり取りに変化はありましたか?
江頭「ベース(積島)は特に口数も音数も多いから、そんなに自分が口を出す隙間がなかったんですよね。でも多分、1stと2ndアルバムでベースがだいぶ大人になった。なので口を出せるスペースができてきたみたいなのはあるかもしれないですね」
――積島さんのベースプレイのスタンスが変わってきたんですか?
積島「まさに、今みたいな現象がアルバムにおいても起こったんだと思います。インタビューでは俺とJCが喋っちゃうから、今日ちょっと喋りをおさえてみたら、2人がよく喋るので良いなと。もう既に江頭は過去のインタビューの2倍ぐらい喋ってますよ」
江頭「(笑)」
――3rd EP『Jargon』(2021年8月)の「Sniffin」で、キーボードがベースラインを弾かれて、"こんなこともできるんだ"と自由度が広がったとおっしゃっていましたが、そこもキッカケだったりします?他のパートを担うというか。
江頭「それは単純に、ベースがベースを弾きたくないから"ベース弾いといて"という話なんですよね(笑)。なのでキーボードで穴を埋めてるんですね。ただ、ベースラインを弾くのは楽しいです。だからベースはベースを弾かなくていいんじゃないかなと思いますけどね(笑)」
――今回はベースがベースを弾かないとか、そういうアプローチの曲はあったんですか?
江頭「ベースの帯域じゃない中音域や、ベースが前に出てプレイするところは基本的に、自分がキーボードやシンセベースで担当してます。だから曲のアレンジによって住み分けてる感じですね」
――今回は江頭さん的には楽しくできた感じですか?
江頭「そうですね。今回のアルバムの制作は楽しかったです」
――ご自身で新しいことができたなということはありました?
江頭「新しいことができたという感覚はないですけど、"なんか良いものが作れたな"という感覚はありますね。多分、まだまだできると思ってます」
"響き"を通して視覚的イメージをメンバー間で共有
――今回は"響きへの豊かさが際立つ作品"だとライナーノーツに積島さんが書いておられました。それは『FIRST LOVE』からミックス環境が変わったことも関係していますか?
積島「ライナーで書いた"響き"はいわゆる録音環境というよりは、構成音の部分ですね。だから江頭がコードを持ってきて、そこがより複雑になっていく感覚は面白かったです。今2人の話を聞いてて、聴いたことのないリフや音質、フレーズや構造を発明するんじゃなくて、響き自体を発明するみたいな感覚だなと思ったけど、そこら辺はどうですか?」
江頭「何回聴いても飽きないというか、繰り返し曲を聴ける強度のあるサウンドとコードの響きは、意識して作ったつもりです」
――全9曲で31分の尺ですが、確かにリピートしたくなるというか、1曲目から9曲目までを繰り返すことで、より『Zoo』の世界観に入っていける感じがしました。ハープでは"響き"の点でこだわられたことはありました?
ウエス「個人的には、作曲と弾くことはバラバラに考えてて。曲はまずExpressive Chords(エクスプレッシブコード。感情やニュアンスを強く伝えるための和音)の組み合わせを考えて、"ここにどういうベースやメロディーが乗りそうか"をアプローチするので、江頭さんと似てるんですよね。江頭さんもコードから持ってきて強烈なリフを重ねるので、コードという意味においての響きは江頭さんと同じ。だけど私はコードを言語化できないので、いつも江頭さんに解明してもらって、感覚的に打ち込みながらやってます。もうひとつ、"テクスチャー"という意味での響き。ハープを弾いた時にどれだけシンセが響くか意識します。あと、積島さんは普段から色々エフェクトをかけてるけど、JCの声にも少し歪みをかける実験をしてみるとか。そういった音の粒感やリバーブ感、チューンのズレ、揺らぎの波に80'sのノスタルジックを感じて。手を動かしながら実験をして、コード感とテクスチャー感とで、"なんとなく共通認識のある景色"が見えてくるというか。「HITSUJI」もなんとなく、80'sのアニメのEDテーマ曲のイメージがあって。描いてる景色は各々違うかもしれないけど、音がだんだん視覚的なイメージの方に繋がっていく感覚はありましたね。視覚的なイメージを五感で共有する。それは『FIRST LOVE』よりももっと強くあったかもしれないです」
――『FIRST LOVE』の時は、視覚的なイメージはバラバラではあったと言われていましたが、今回はイメージ自体も共有していったんですか。
ウエス「今回その会話は若干多かったかなと思いますね。例えば"YouTubeで見つけたあの動画が"とか"昔のアニメが"、"デイヴィッド・リンチの映画が"みたいな感じとか。あとは積島さんが持ってきた幻獣辞典の、よくわからないけど愛おしい妖怪のような幻獣たちの話とか。"この音は〇〇を表してるのである"とかではなくて、作りながらイメージが広がってそれを共有して、"それ面白いね、いいやん"となることはありましたね」
積島さんが持ってきた『幻獣辞典』
――アルバムタイトルをつけたのは、曲ができてからですか?
ウエス「そうですね。曲ができってからです」
――『Zoo』というタイトルにしたのは?
ウエス「最初はSFとかホラーの話をしてたんですけど、積島さんが可愛い『幻獣辞典』の本を持ってきて。"これ俺の書斎から持ってきたんだけど面白くない?"、"何これ、可愛い"みたいなノリですね。どうですか積島さん」
積島「そういう感じで持ってきました。制作中の会話の流れで、"空想"とか"妄想"というワードが出たから、"こういう形かな"というので、思いつきで家にあった本を持って行って。正直そこで書かれてる内容や文章そのものというよりは、"構造や描き方のアプローチが面白いと思ってるんだよね"って話を共有すると、それが各々今手を付けてる作業自体に少しずつ反映なり干渉していって、ああいう感じになった感じですね」
――皆さん同じ方向を向いていたと。バラバラぶりが面白いのも、んoonの魅力かなと思いますが。
積島「最終的にコンセンサスを取ってたわけじゃないんです。要は手元にあったものや、たまたまやって来たもの、メンバーに偶然起きたことを喋ってるうちに、だんだん作業自体にも色がつき始める。これはメンバーにそんなに言わなかったけど、『幻獣辞典』って日本訳の翻訳者が途中で翻訳を投げ出してるんですよ。外国の言葉を直訳するなら、例えば"石を見るもの"というふうに翻訳しちゃうわけじゃないですか。だけど、翻訳作業を途中で放棄してるから、外国語の読みのままの幻獣の名前を紹介してるんですよ。例えば"カトブレパス"という幻獣が出てくるんですけど、これも翻訳をしたら本来は"下を向くもの"という意味らしいんですね。例えば1曲目の「CALLING」のタイトルはJCが考えたんですけど、「CALLING」="呼んでいる、呼ぶこと"なんだけど、それもなんとなく幻獣に見えてくる瞬間が自分にはあったんですよね。歌詞の内容もそういうことを書いてるし、<You are the calling>は名詞形というか、ある種のひとつの動物だったりするイメージが重なっていくのはすごく良いなと思ってましたね」
――おもしろい。
積島「別に制作やミックス、タイトルの部分に対して何か影響を受けるわけじゃないんですけど、「CALLING」自体を動物化するか、"呼ぶ声"と呼ぶかでイメージの転換が起きるわけで、そもそもの感じ方の幅が広がっていく感覚はありました。そういう会話を色んな方面でやってた気がします」
他のメンバーとのアイデアの重なりが、良い曲を生む
――今回「HEBITORA」(M-6)以外は新曲ですが、全員で作曲されたんですか?作詞はJCさんと積島さんですかね?
ウエス「今回はバラバラですね。「MAR」(M-2)は私も歌詞を書いたりしました」
――「MAR」はウエスさんなんですね。アウトロのキーボードとハープの余韻が好きです。
ウエス「ありがとうございます。なかなか弾くのが難しくて(笑)」
――この曲はウエスさんが最初から作られたんですか。
ウエス「そうですね。皆で"ボッサ1曲欲しいよね"と話していて。最初はドラムを必ず作りたいと思っていて、「SEE YA」(M-3)の赤ちゃん的なネタとして扱っていたんですけど、途中で「SEE YA」ができちゃったので、"こっちはボッサに戻そう"となって。それで構成が先に決まって、JCが鼻歌を入れつつ、鼻歌の音節に合わせて歌詞を書いていった感じです」
――現代語じゃなく、古語を使われていますね。
ウエス「はい。ポルトガル語と古語って似てるかもと思って。この曲はボーカル録音が同時に走ってて、スタジオで江頭さんと雑談してて、"言語で何が1番好き?"と聞いたら"ポルトガル語かな"という話になって。それでふとポルトガル語の<Saudade(≒あはれ)>と<Tristeza(≒かなしみ)>とかは、日本語は母音が同じだからもしかして感情の捉え方にも共通項があるのかなと思って、色々と単語を調べて作詞しました」
――<さうだで><てりて>のところですね。サウンド面ではどのように着地していったんですか。
ウエス「サウンド面ではボッサプラス、ライブで試していたアレンジバージョンと合体させて1曲に仕立て上げました。ひとつは昔からあったネタ、ひとつは全く別のピース。それをパズルのように合わせたら違和感があるかなと思ったけど、わりかしすんなりハマって。でも、最後のJCのハミングがああいうふうになると思わなかった。最後にすごく華やかみが増したのは、レコーディングの時に初めて出てきた発見で。それまでは前サビくらいが1番華やかに盛り上がって、あとは静かに沈んでいく感じだったけど、その波がJCのレコーディングの時の発明によって変わって。皆口を揃えて"めちゃくちゃ良いじゃん!"となって、スッと変わりましたね。JCはレコーディングに入ると、新しいアイデアを連発しますね」
――江頭さんは「MAR」に関してはどうでしたか?
江頭「「MAR」に限らず、誰かがネタを出してそれを誰かが受け取っていく過程で、多分自分の頭の中で完成系があって、そこに向かって皆にプレイしてもらうのは、そんなに広がりがなくて。自分が出したネタに他のメンバーが思ってるものを重ねていく作業をメンバー間で繰り返して、最終的に自分の頭の中では作れなかった範囲の広がりと音楽の方向性に転がっていくのが面白い。だからいつも最後にJCがボーカルを乗せるし、鳴っているものに対してベースがソロを弾き始めたり、ハープが何かやり始めたり、それぞれが良いと思うものを出し合って重ねてるので、より良いものになってる。それが曲の毛色であったり、初めにネタを出す人の違いであったりで、色んな形で曲が膨らんでいってる感じがありますね」
過去のモチーフから膨らませた「CACTUS」
――個人的に面白いと思ったのは「CACTUS」(M-7)でした。構成がもりもりで。
ウエス「「CACTUS」はミックスの2日前くらいまで構成が決まってなくて、すごいヒヤヒヤしました。あれこそ全員の火事場の馬鹿力で作った感じですね。前半に入ってた積島さんのベースリフがあって、そこから"アップデートするわ"と言ってて、全然ネタが来なくて(笑)。それで江頭さんがそこにキーを重ねて、後半全然違う感じのアレンジにしようかと言って、皆でPC見ながらカットアップして打ち込んで、最終的に積島さんのサンプラーでJCの声を細かく切り刻んで貼って。自分たちもどうなるかわからないけど、カットアップでごちゃごちゃして、"どうしてこうなった?"というものを作ろうと。ほんとにああなるとは、最後の最後までわからなかったですね。でも「CACTUS」は積島さんが1番思い入れが強いんじゃない?」
積島「基本的には僕ら、過去にやってたものも無駄にせずに使うんですけど、「CACTUS」は、初期にあった曲のひとつの主題がほんのちょっと入ってます。前作の「Conversation Piece pt.3」にも「1」と「2」があるんですけど、今回もその感じ。急に昔のものが全然別の文脈で出てくる、あまねく現象をセルフでバンド内でやってる感じですね」
――シンセがわななきながらフェードアウトで終わっていくのが好きでした。
ウエス「あれ、何であんなになったんですかね。江頭さん思い出せない?」
江頭「JCから"最後に何か音3発入れて付け足してほしいな"というリクエストがあって、なんとなくシンセの音を録ってみた感じですね」
ウエス「最初はもっとしっとり、急にR&Bになる展開で終わろうと思って3発を探していて、弾いてみたら"ゲームオーバー"みたいになって、"これはこれでこのまま終わったら面白いかも"みたいな感じで終わることにした経緯だった気がしますね」
「OTODO」を聴き終わって、また「CALLING」に戻る
――「OTODO」(M-9)は華やかでアルバムの締め括りになっている1曲ですが、どういう感じで作られていったんですか。
ウエス「「OTODO」は「CALLING」と似てるんです。最初ネタを上げた時、『FIRST LOVE』は結構ガチャガチャだったから、"深呼吸できるようなゆったりめのバラードを作りたい"と思って。だけど、"シンプルなんだけどちょっと変"とか、"少しホラー味のあるものを作りたいな"というイメージだけがあって。で、もうわけわかんないくらい早いグリッサンド(2つの音の音高を区切ることなく、隙間なく滑らせるように上下させる演奏技法)を入れてみようと思って、それをポチポチ打ち込んで。ハープのリフはめっちゃ早いんだけど、全体的にはすごくゆったり動いていて、だんだんとホワイトノイズみたいのが大きくなって、全世界が真っ白に崩壊していくイメージで作りました。それを聴き終わるとまた「CALLING」に戻るような流れ。曲を作った時、「OTODO」と「CALLING」の流れはそんなに意識しなかったですけど、ミックスの時にどういう並びにしようかと皆で話して決まって。あとは『幻獣辞典』を積島さんが持ってきてから、ちょっとモンスター味があるとか、"当事者のようで当事者じゃないイマジナリーフレンド"みたいなイメージがあって、それも歌詞に反映されたことによってよりイメージが湧いてきたところはありました」
積島「元々のネタは『幻獣辞典』より前で、「OTODO」は画数がめちゃめちゃ多い漢字なんですよ(総画数が84画という最も複雑な和製漢字)。「雲」が3つ、「龍」3つで漢字1文字で、それを「おとど」と読むらしいんですよね」
――面白い。歌詞にも<閃輝暗点>と初めて聞く言葉が入っていて。
積島「それは俺の昔の持病というか。頭痛が起きる前兆にキラキラするものが見えるんですよ。芥川龍之介の「歯車」はそれが見えてたんじゃないかと言われてるらしいんですけど、急にどこかから光の一点から見えてきて、それが広がってホワイトアウトして、その後にゲロ10回ぐらい出るようなひどい頭痛がくるっていう」
――ウエスさんがおっしゃったホワイトノイズのイメージとリンクしてますね。
積島「そういったイメージの交換やモチーフ自体の色んな音節化、あるいは言説化するみたいなところの作業は今回もいっぱいあるかな」
"今好きなもの、今自分たちが良いと思うもの"の詰め合わせ
――今作『Zoo』はんoonにとって、どんな1枚になったと思います?
ウエス「今の俺たち(笑)。何かを宣言しているわけではないし、ほんとに暗闇の中を突っ走ったらできて、"こういうことがやりたかったんだ"って後から気づかされる感じだったので。意図して立てた旗ではない感じがあるので言語化も難しいんですけど、個人的にも好きなアルバムですね」
――江頭さんはいかがですか?
江頭「"今好きなもの、今自分たちが良いと思うもの"の詰め合わせですね。今作に限らず、今後の制作においても、その時その時で自分たちが良いと思っているものを詰め込んだ作品ができるのを繰り返してるだけだと思うので、"今好きなもの、今興味あるものがこれ"ですね」
――積島さんはどうですか。
積島「2人と一緒です。"今ここ"というか、現在性が1番あるアルバムです。単純に〆切やレコーディング日が決まってて、全部自分たちで納得がいって決めるポイント以外の要素で、終わりが決まってたからこうなってるんですけど、それをポジティブに捉えるとすごく良いなと。自分たちで納得がいって"もうこれで終わりにしようね"という行為は減らないから、その時の100%が全部入ってる状態と言えなくないわけですよ。要は、最高速で走ってるところで"はい終了"となるから、時速的には1番MAXのところで切られてる状態。自分たちで落としどころは決めるんだけど、そこがないってことは、パッケージされてるものが1番最新の状態になってるわけで。そのやり方は今後続くかわからないけど、良かったなと思ってます」
――なるほど。
積島「その後ライブで身体に入ってくると、当然"あの時こうすればよかったな"とか"もう1回録り直したいな"というのが出てくるんですけど、そういうのがまた新しい種にもなる。そうやって生産していく感じの、"種でありつつ果実でありつつ"みたいな部分はすごく出てる気もします。今後も一定の感度と目線、素晴らしい良い出会いがあるだろうから、やりたいことは出てくるだろうなと思ってます」
――6月12日(金)には東名阪ツアーが梅田CLUB QUATTROでライブがありますね。
ウエス「絶賛磨き込んでます。東名阪ツアーで皆さんに良いものを見せられたらいいなと思ってますね。初めてこのアルバムを聴いてきてくださる方もいらっしゃると思いますが、音源で聴くよりもライブは熱量の伝わり方が全然違うので、そのヒートアップ感みたいなフレッシュな驚きを感じてもらいたいですし、去年『FIRST LOVE』ツアーに来ていただいた方にも発見があるといいなと思います」
江頭「お客さんも自分たちも含めて、"今まで1番良かったライブだな"を常に重ねていきたいですね。やる気はあります」
積島「こっちは色々と仕上げてくるので、あとはその目で確かめていただければという感じですね」
Text by 久保田 瑛理
(2026年5月11日更新)
【収録曲】
01. CALLING
02. MAR
03. SEE YA
04. IO
05. HITSUJI
06. HEBITORA
07. CACTUS
08. Vapored HITSUJI
09. OTODO
配信リンクはこちら
んoon(フーン)…2014年にハープ、キーボード、ベースのインストゥルメンタル編成でスタートした んoonは、2016年にボーカリストJCの加入を境に、ノイズ、フリージャズ、ヒップホップ、ソウル、パンク、クワイア、エレクトロなど、あらゆる音楽のエッセンスを不気味に散りばめたサウンドを鳴らすバンドへと変化した。現在は、ボーカルのJC、ベースの積島直人、ハープのウエスユウコ、キーボードの江頭健作による編成。バンド名の由来は、感嘆(あるいは無関心)を表す日本語「ふーん」から。(イントネーションは「不運」と同じ。)表記は “hoon” の頭文字をひらがなの「ん」に置き換えたもの。メンバーそれぞれがイニシアチブを取らず、欲望のままに音を持ち寄り共作することで、中心の存在しない周縁的な音像と闘争的な音楽性を揺蕩うように編み上げている。2018年に1st EP『FREEWAY』をリリースすると、早耳の音楽リスナーやミュージシャンの間で瞬く間に広まり、ボーカルJCのポストロックバンド toe への客演参加をきっかけにその名はさらに拡がる。2019年には2nd EP『BODY』、リミックスアルバム『Hoajao』、3rd EP『JARGON』を発表。国内外でライブを重ね、FUJI ROCK FESTIVAL 2019、全感覚祭2019、森、道、市場2021などの大型フェスにも出演。オルタナティブR&B、ネオソウル、ジャズなどの文脈で語られながらも、それらを横断する独自のサウンドで支持を集めてきた。その音楽は国境やジャンルを越えて広がり、ロサンゼルスのビートシーンを代表するアーティスト Daedelus や、長谷川白紙(Brainfeeder)らによるリミックスやカバーを通じて新たな解釈を獲得し続けている。ライブ活動にとどまらず、PARCOのWeb CMやNHK Eテレ「ミミクリーズ」「デザイン あ」などへの楽曲提供も行うほか、各メンバーはGEZAN、TENDRE、鈴木真海子(chelmico)、ASA-CHANG&巡礼、mayuなどとのレコーディング/プロデュース/リミックスワークにも参加し、ジャンルを横断した活動を展開している。MVは一貫してメディアアーティスト谷口暁彦がディレクションを担当。SeMAビエンナーレやICCなどで評価されるその独創的な表現は、楽曲と映像のあえて噛み合わない関係性によって、視覚と聴覚の両方に揺らぎを与え続けている。2023年には台湾のTaichung Jazz Festival(約10万人規模)への出演をはじめ、韓国・日本3都市でのアジアツアーを成功させる。2024年、これまでの活動の集大成となる1stフルアルバム『FIRST LOVE』をリリース。さらに、2025年にはシングル『HEBITORA』を発表し話題を呼び、同年には朝霧Jam 2025にも出演。そして2026年4月1日、2ndフルアルバム『Zoo』をリリース。これまで以上にジャンルを横断しながら、より身体的で拡張されたサウンドを提示している。また、2026年にはFUJI ROCK FESTIVALへの出演も決定している。
【愛知公演】
▼6月11日(木) 名古屋クラブクアトロ
▼6月12日(金) 19:00
梅田クラブクアトロ
スタンディング-4500円(整理番号付、ドリンク代別途要)
※未就学児入場不可、小学生以上チケット必要。
[問]SMASH WEST06-6535-5569
▼9月12日(土)・13日(日) 14:00
大阪城音楽堂
2DAYS 一般(Tシャツ付/S)-17000円(オフィシャル先行限定!LOSTAGE五味岳久 書き下ろし FLAKE RECORDS Tシャツ)
2DAYS 一般(Tシャツ付/M)-17000円(オフィシャル先行限定!LOSTAGE五味岳久 書き下ろし FLAKE RECORDS Tシャツ)
2DAYS 一般(Tシャツ付/L)-17000円(オフィシャル先行限定!LOSTAGE五味岳久 書き下ろし FLAKE RECORDS Tシャツ)
2DAYS 一般(Tシャツ付/XL)-17000円(オフィシャル先行限定!LOSTAGE五味岳久 書き下ろし FLAKE RECORDS Tシャツ)
2DAYS 一般-14000円(整理番号付、ドリンク代別途要)
2DAYS 小中学生-3000円(当日要身分証、整理番号付、ドリンク代別途要)
1DAY 一般(Tシャツ付/S)-10500円(オフィシャル先行限定!LOSTAGE五味岳久 書き下ろし FLAKE RECORDS Tシャツ)
1DAY 一般(Tシャツ付/M)-10500円(オフィシャル先行限定!LOSTAGE五味岳久 書き下ろし FLAKE RECORDS Tシャツ)
1DAY 一般(Tシャツ付/L)-10500円(オフィシャル先行限定!LOSTAGE五味岳久 書き下ろし FLAKE RECORDS Tシャツ)
1DAY 一般(Tシャツ付/XL)-10500円(オフィシャル先行限定!LOSTAGE五味岳久 書き下ろし FLAKE RECORDS Tシャツ)
1DAY 一般-7500円(整理番号付、ドリンク代別途要)
1DAY 小中学生-1500円(当日要身分証、整理番号付、ドリンク代別途要)
[出演]Age Factory/ASIAN KUNG-FU GENERATION/Elephant Gym/group_inou/LOSTAGE/MASS OF THE FERMENTING DREGS/MONO NO AWARE/Riddim Saunter/Tempalay/んoon
※小学生以上は有料。小学生未満は入場無料。
※小学生のみでの入場はできません。
※入場口にて年齢確認を実施する可能性がございますので、年齢のわかる身分証明書を必ずご持参ください。
※雨天決行/荒天中止。
※出演者の変更・キャンセルによる払戻しはいたしません。
※会場内での傘/日傘の使用禁止。
※パラソル/テント類の持ち込み禁止。
※イベント専用駐車場はございませんので、公共交通機関をご利用下さい。
※客席を含む会場内の映像・写真が公開される場合があります。予めご了承ください。
[問]GREENS■06-6882-1224