ホーム > インタビュー&レポート > “今歌いたいことはこれが全部” メジャーという新境地で放つ『泣くな、青春』 Blue Mash・優斗が語る、葛藤と美学 9月にはZeppで自主企画を開催
上京して変化した、音楽への向き合い方
――上京して1年経ち、メジャーバンドになったわけですが、どうですか?
「大阪に帰りたいっすね。僕のこと、もう東京に帰さないでほしいです(笑)」
――"大阪に帰ってくるために東京に上京した"とよくおっしゃっていますよね。故郷に錦を飾る的なことですか?
「そうですね。東京が嫌とかより、この街が好きです。上京して改めて感じました」
――東京に出たことで、"職業ミュージシャン"になったというか。
「BIGCATワンマン(2025年3月27日『この街を出て-革命編-』)の時は、"ロックバンドに就職する"という言い方をしたんですけど、別に仕事と思って音楽をやってる節はなくて。でも趣味でもないという、そこの向き合い方が上京してスッキリしたイメージです。メンバーを食わせなきゃいけない気持ちも芽生えましたし、すごく速いスピードで走ってないと飲み込まれることもわかってきたので、ある種"生活を捨ててでも頑張ろう"という気持ちです。音楽に向き合う姿勢はだいぶ変わった気はしますね」
――やはり東京はスピード感が速いんですね。
「時間の流れが全然違います。同じ1秒でも価値が全然違う気がしますね。リリースから1ヶ月経ったら多分もう新譜じゃなくなるので、"また名曲書かなきゃいけない"みたいな速さがあるというか」
――プレッシャーも感じつつ?
「もちろんプレッシャーは日々感じてます。けど、そんなこと言ってもしゃあないんで。納期は来るし、ツアーはやるので。今回のアルバムに関しては完全にそうですね」
――ビクターのチームとは、「セブンティーン」(2024年)がキッカケでご一緒にされるようになったんですね。
「僕がライブで"ボス"と呼ぶチーフマネージャーと、"どこのレコード会社と一緒にやる?"となったタイミングで「セブンティーン」ができて、食いついていただいたのがビクターでした。だから「セブンティーン」がチームを作ってくれた感じはありますね」
――チームの感じはどうですか?
「Blue Mashの今のメジャーの裏方は最高だと思います。言葉を選ばずに言うと、僕はバンド歴が長いので、メジャーのチームが良くないバンドを結構見てきてしまっていて、メジャーに対する抵抗感があったんです。メジャーがというよりは、"うわ、この人嫌やなー"みたいなのが過去にあって、カッコ良いバンドがカッコ悪くなっていったのも知ってるから、ちょっとメジャーを批判するような立場ではあったんですけど、今いる環境はすごくのびのびやらせてもらえてるし、必要なことも教えてくれるし、一緒に走ってくれてる感覚があります。手を引っ張るでも背中を押すでもなく、ほんまに並走してくれてる感じがすごくいいなと思います」
――制作環境は変わりましたか?
「制作環境はそんなに変わってなくて。今回のアルバムは「春のまま」(2022年)を録っためちゃくちゃ小さいスタジオで敢えて録りました。もちろん原点回帰的な意味も込めて。」
――制作はDTMですか?
「そうです。1つの部屋にみんなで集まって、リードギターのげんげん(gt)以外の3人はそこで1回ある程度デモを作るので。僕の家でデモ作りができるようになったのは上京してからなので、今結構ハマってて面白いですね」
――変わらぬ部分と変わる部分とで、良いですね。
「塩梅はちょうどいいです」
――ヘルシーにやれていますか?
「どうなんですかね。心がヘルシーじゃないですけど(笑)。毎日"どうしよう"の連続なので。この間も扇町公園で1人で思い悩んでました(笑)。ほんまにバンドに向き合う時間が増えた感じはありますね」
――優斗さんは悩んだ時、1人で解決していくんですか?
「本当に話せる友達があまりいないので、1人で解決するかもしれないですね。メンバーとも話すんですけど、曲を作るのもライブの構成を考えるのも僕なので、結局自分が自分にどう思うかを聞かないと進めない。それは常にですね」
――その瞬間は苦しくもあり、楽しくもありですか?
「いやー、きついですね」
――産みの苦しみですか。
「それはマジであると思います。今回は割とすんなりいった曲たちばかりなんですけど」
優斗の"美学"を可視化した「平成時代」
――アルバム制作には、どんな気持ちで臨まれましたか?
「まず「泣くな東京」(M-7)が書けたのが全部のキッカケです。"この曲は今すぐに数字が出る曲ではないけど、自分の中でアルバムの中心と見ていいだろう"と。アルバムタイトルが「泣くな東京」でもいいなというぐらい、絶対にアルバムのキーだなと思ったんですね。となった時に、"メジャー1stアルバムだから、過去の楽曲を再録した方がいいね"という話になって。僕の中で「愛すべき日々」(M-9)は第1期で、「海岸線」(M-8)が第2期、「セブンティーン」(M-2)が第3期なんですよね。1個ずつのタームで、僕が作曲者としてもバンドとしても変わった瞬間がこの3曲だったので、それを入れました」
――メジャー1発目がシングルじゃなくアルバムというのは?
「確か、"アルバムを出したことないから、出した方がいいね"って話になりましたね。で、"せっかくならフィジカル出したいっすよね。だからやっぱりアルバムですね"という話になった気がします」
――ここまでの地続き感があって、でもちゃんとメジャーを意識した音作りで、すごく聴きやすい1枚でした。
「ありがとうございます」
――1曲目の「平成時代」(M-1)はギリギリにできたそうですね。
「やばかったっすよ。ギリギリもギリギリ。レコーディング10日間のうちの7日目ぐらいにできたから、マジであと1日遅かったら間に合ってなかったですね」
――"あと1曲足りない"みたいなことで作られたんですか?
「"1曲目の曲がないな"って話になって。メロディーはレコーディングに向かう機材車で鼻歌で歌ったやつです。歌詞も風景もぱぱーっと浮かんだんですけど、イントロとAメロはまた別物なのでつけるのに時間がかかり。結局Aメロが最後にできました」
――"1曲目のイントロだから、心を掴まないといけない"と?
「とかもあるんですけど、シンプルにこの曲がどうやったら頭に持ってこれるのかわからなくて、めっちゃ時間を食いました。で、"何でもいいや"と思って弾いたのが良くて、今のイントロになりました」
――気持ち良いイントロですね。
「音作りもすごく良いし。「平成時代」と「セブンティーン」だけ、ミックスエンジニアさんが違う人で。音像的には、アルバムの中でだんだん音が柔らかくなっていくイメージなんですよ。だから1曲目と2曲目は結構ハードで、ケツの「君がバンドを辞めた夜」(M-10)のアコースティックな感じに緩やかに持っていく感じにしてもらってます」
――「平成時代」は吹っ切れたような爽やかさがありますね。
「この曲は真理みたいなことを言い続けたいなと思って。生きていく中でこれが正しいとか間違ってるとか、自分の中の基準があるじゃないですか。その"自分が美しいと思うことを全部書こう。箇条書きにしたら面白いな"という発想から始まってます」
――ここで歌われていることは、優斗さんが美しいと思うことなんですね。やはりと言いますか、<さよなら>や<別れ>が入っていますね。
「それに<時を巡り 街に飲まれて 風を歌にする>とか、"これが良くないと何が良いの?!"っていう、自分の中の文学的な1番のポリシーというか、美学に近い言葉を選んでます。大正時代や明治時代、江戸時代と言うけど、平成に"時代"をつけた人はまだいない。でも何百年後かに多分この世の中のことを"平成時代"と呼ぶし"令和時代"と呼ぶ日が来る。そのイメージでタイトルをつけてます」
――ものすごく先のことを見据えておられるんですね。
「そうです。だから<時を巡り 街に飲まれて 風を歌にする>という部分に、時間感覚みたいな部分がめちゃくちゃあります」
――改めてご自分の美学を可視化して、気づいたことはありました?
「「春のまま」とかもそうなんですけど、自分が書く対象の女性って"やっぱりこの人だな"っていう(笑)。そこに行き着いたかもしれないです。自分の美学として曲を書こうという時に"この人が自分の中にずっといるんやろうな"って、改めて思い返しました」
20通りの歌詞をボツにした「死にたくなったら会いにきて」
――リード曲「死にたくなったら会いにきて」(M-3)は"一切の妥協と遊び心をなくして向き合った"とリリース日のYouTube配信でおっしゃっていましたね。
「わはは(笑)。それは言えてるかもしれないですね。僕は"絶対に売れたい"って気持ちを持ってるし、"Blue Mashとはこうあるべき"とかもあるわけなんですね。"その全部をひっくるめて1曲にしないといけない"という気持ちに苛まれたら、サッと書けました」
――メロディーが本当に良いですよね。
「メロがめちゃくちゃ好きなんすよね」
――個人的に、サビの<また誰かと恋に落ちても>の<恋に>でちょっと上がるところが好きです。
「ありがとうございます(笑)。自分の声のおいしいところが全部使えました。歌い出しからケツまで、僕の声の特徴が全部出せるキーがこれなので」
――妥協なしでこだわったところというのは?
「歌詞ですかね。歌詞はぶっちゃけ20通りぐらい書きました。ディレクターへのLINEの文面が"もっと見る"になるぐらい、送った記憶はありますね」
――それだけ歌詞の候補を作るのも、あまりないことですか?
「僕はそんなにしないです。でも「死にたくなったら会いにきて」は情景が自分の中にあって、モデルも確かにいて、パンッと出てきた曲なわけですよ。それをどうやったら伝わりやすくなるか、どういう説明があれば<「行かないで」>が活きてくるかを考えましたね。歌詞のベースは一緒だけど、細かい言い回しをめちゃくちゃ試して、自宅で何回も歌を録って、ピッタリくるものを探っていきました。<死にたくなったら会いに来て 消えたくなったら電話して>はできてたけど、<寂しくなっても泣かないで>が出なかったんですよ。でも"この後に来るのは<寂しくなっても>が言葉的に気持ち良いしなー"みたいなことを1個ずつやってました」
――何パターン目でハマったんですか?
「ここは多分10パターンは書きました。自宅で10回録って自分で聴いて、"いや違うな"というのを繰り返して。聴き心地をめっちゃ意識しました」
――歌い心地と聴き心地ですか?
「歌い心地と聴き心地は、自分の中で全然違って。歌う時は何を歌っても気持ち良いんですけど、聴いてみたら"何やこれ"となる時があって、その辺りを完璧に排除していきました。だし、今回余白のある美しさを「東名高速下り線」や「少女 (feat. あい)」(M-6)でやれているのをわかってたので、"余白のない美しさもあるな"というところをチャレンジした感じですね」
――Blue Mashの歌詞には<口約束>がよく出てきて、「死にたくなったら会いにきて」でも<口約束だけは嘘にはしないでいて>と歌われていますが、優斗さんの中で"口約束は嫌だ"という感覚があるんですか?
「そもそも、すべての事象が口約束じゃないですか。署名してない限り、法律で結ばれてない限り口約束。僕、幼少期からずっと"口約束やん"と思ってる節があって、そこに影響されてる気がするのと、「死にたくなったら会いにきて」と「恋人のすべて」(M-4)は対になっているので」
――ああ、なるほど! それで「恋人のすべて」は<寂しくなったら電話して>なんですね。
「そう。「恋人のすべて」が女視点で「死にたくなったら会いにきて」は男視点なんですよ。そこもあったから妥協の排除が大変だったんです。"こうやったら繋がらへん、でもこれ書きたい"とかばっかりやってましたね」
――YouTube配信でのコメントを見るに、「恋人のすべて」は人気が高そうでしたね。女子は共感できる方が多いんだろうなと思って。"傷つけないための嘘に気づいてないでしょ"みたいな。
「それは、自分に思い当たる節があるからです」
――実体験ですか?
「これ、めっちゃ大事で。インタビューでどこまで喋るかで、僕の恋愛がうまくいくかどうかが決まるんですけど(笑)......この曲は自分がヒヤッとすることばっかり書いてます」
――終わった恋愛を振り返った時、"あの言葉はこうやったな"と気がついて歌詞にする?
「まさにそうです」
――でもその時は気づけないから、お別れになってしまうと。
「そういうことです。だから<今なら言えるよ 「行かないで」「消えないで」「さよならは言わないで」>なんですよ!」
――優斗さんの恋愛観が曲に赤裸々に表れますが、それは宿命というか。
「まあまあ、しゃあないですよ。音楽の神様には魂売って契約してるんで」
「東名高速下り線」は、数年後見つけてもらえたら嬉しい曲
――「東名高速下り線」は満場一致でメンバーさん全員が好きな曲だそうですね。レトロマイガール!!の花菜(vo.gt)さんのコーラスもすごく良くて。
「僕も1番好きな曲です。「東名高速下り線」は僕がDTMで全部作ったんですよ。女性コーラスはレコーディングする中で"絶対あった方がいいな"となって、花菜に"明日京都来てくれへん?"と言って、京都のスタジオで録りました。好きですこの曲。歌詞を見てニヤニヤする。自分で言うのはあれやけど、素敵やなって思います」
――どこを見てニヤニヤしますか?
「まず歌詞が男視点、女視点というところ。僕、やっぱりそれをめちゃくちゃやりたいんですよ。同じ日のことを歌っていて、"男がこう思ってる時、女はこう思ってるんだぜ"という話ではあるんですけど。男視点の1サビ後半の<君が居ない日々は 海も月もギターにすら意味がないよ>と、女視点の2番の<エフェクターボード>がギター、<海を見た朝 月を見た夜>が海と月にリンクしてます。"だから私も貴方を思ってるんだよ"じゃないけど、これ"元カノにこう思っててほしい"という自分の理想なのかもしれないですね。今スッキリしました」
――あと気になったのが<2003>というのは?Blue Mashに「2002」(2022年)という曲がありますが。
「僕が3月生まれだから、2003年なんですよ。あとこの曲で書いた人も2003年生まれ。『時をかける少女』を観て浮かんだというか、"未来で待ってる"の一言に尽きるんですけど(笑)。歌のテイクも良いし、好きな曲ですね」
――本当にお気に入りなんですね。
「俺の曲感もするし、俺の曲じゃない感もするし、不思議やなという。これは数年後見つけてもらえたら嬉しい曲です。何かのキッカケでBlue Mashの名前が売れた時にこういう曲があることが、すごく大きいのかなと思いました。もちろん今ライブでやっても盛り上がるんですけど、もうちょっと寝かせたい感じがあって、良いアレンジや使い方を模索中です。この曲は多分3年後ぐらいでもあまり恥ずかしくない気がするので」
――良い味が出てきそうですね。
「それはありますね」
<その青で春を思い出せるさ>に込められた、偶然と必然
――アルバムの核になる「泣くな東京」はいかがですか?
「この曲、最近ハマってるんですよね。3月27日の歌舞伎町フリーライブ『泣くな、新宿』でやって、"今歌いたいことはこれが全部やな"って。『泣くな、青春』というアルバムタイトルで良かったなと改めて思いました」
――「泣くな東京」には優斗さん自身が出ていますね。
「世間体や全部を無視して、ほんまに書きたい言葉だけを書けました。最後のサビに<涙が海になったなら その青で春を思い出せるさ>とあるんですけど、"涙が海になったらどうなるんだ"というのがレコーディングの歌録りの前日まで出てこなくて。これは候補が50通りぐらいありました。アルバムで1番大変だったところです。<青で春を思い出せるさ>という歌詞が出てなかったら、多分『泣くな、青春』というタイトルになってないと思います」
――<その青で春を思い出せるさ>は、キャッチコピーになりそうなぐらいの良いフレーズですよね。
「関大前のライブ(4月13日『この街を出て -学生街より-』@関大前 TH-R HALL)のMCで、"涙が海になったら「海岸線」を思い出してほしい"みたいなことを言ったんですよ。俺らには「春のまま」という曲もあって、自分の中のアンセム2曲がここの歌詞に入ってるのは、偶然やけど何かあるんやろうなと。まだ自分の中で思考がまとまってないんですけど、もっと答えが出そう。この歌詞は自分の中でもう少し向き合いたいですね」
――優斗さんにそう思わせる言葉でもあるんですね。
「もう大変でしたよ。"涙が海になったらどうなるんやろう"と思って、いろんな海に行きました(笑)。これは木更津の海ほたるというパーキングエリアで思いついた言葉ですね」
――あと、優斗さんの中で地名や街にフォーカスする歌詞が多いのはどうしてですか?
「僕もわからないんですよ。でも<街>は確かに自分の中で何かあるのかもしれないですね」
――東京という街に対しては、何かあります?
「この曲は上京してからの曲を書こうと思ったので、"東京ってタイトルの曲を書こう"という意識で作ったというか」
――それで歌舞伎町で歌って、ハマるほどの手応えがあったと。歌詞に<10代><20代>と入っているので、もしかしたら今後この曲に対するアンサーが、優斗さんの中で見つかるのかもしれないですね。
「僕もそう思います。どう聴こえるかは多分20代後半にならないとわからないなと思ってます」
――大人にも刺さる曲だと思います。
「これは親父が久しぶりに褒めてくれた曲なんです。もっとライブでやっていきたいですね」
進化するからこそ見えてきた、次なる課題
――「愛すべき日々」は、再録して一部歌詞が変わっているんですよね。
「これはナチュラルにやってます。再録するとなって"歌詞をどうしよう"となった時に、"ライブでやってる感じで書き起こしてみよう"と思って、パソコンを開いて口ずさみながら歌詞を書いていったら、自然とこれになって。多分この数年で僕がライブの曲中に色々言った言葉を全部経た上での、今現在の「愛すべき日々」がこれなんだと思います」
――ぜひ聴き比べてほしいですね。「愛すべき日々」は17歳の時に作った曲なんですよね。
「もっと前じゃないかな。当時は何も考えずに歌詞先で書いていたので、割と文体が綺麗なんですよね」
――<大人になんてなってたまるか>という歌詞を、大人になって歌うのが良いですね。
「僕もそういう思考になり、再録しました」
――そして、アルバムを締め括る「君がバンドを辞めた夜」は、友達のバンドの解散をキッカケに書いたそうですね。
「解散する友達のバンドとの最後の対バンライブに出演して、思い出で涙が止まらなくなってしまって。アンコールの時に外に出て口ずさんだものです。1番の歌詞は豊橋のドンキホーテの前で座り込みながら携帯でメモって、2番を今回のレコーディングに際して書き足しました」
――2番はどういう気持ちで書かれたんですか?
「去年か一昨年、野外フェスの大きなステージでSUPER BEAVERのライブを観た時に、渋谷龍太(vo)さんが"綺麗事も歌えないならバンドやる資格ない。バンドぐらいは綺麗事を堂々と歌ってやるべきだろ"と言ってて、"そうやな"と思ったんですよ。自分の本当の気持ちを音楽に乗せるから、無理して歌えるわけで。それを音でごまかして伝えてるのに、歌詞すらチャラついてたらダメやなと思って、本当の気持ちを書こうと思いました」
――なるほど。
「だから僕、本当に駅から徒歩20分の家に住んでますし、曲作ってる部屋は六畳なんです。(右手の人差し指を見せながら)右手の人差し指は、ギターを弾きすぎてすごいことになってるんです。ギターで削れて、何年も繰り返してたらこんなことになるんですよ。でもミュージシャンは多分みんなこうだと思います」
――<アンコールが鳴り止まない 夜を探している>でアルバムが終わるのがまた良いですね。
「これはもう決めてました。アルバムを作るとなって、「君がバンドを辞めた夜」を入れるとなったら、絶対最後にして絶対歌で終わってやろうと思ったし、このアンコールのくだりで終われたらなと。これがしたかった。良いアレンジだと思います」
――改めて『泣くな、青春』、代表作というか名盤ですね。
「僕は良かったと思います。今これ以上書けと言われても、たぶんできないと思いますね」
――そして6月まで続く全国ツアーが終われば、9月にはZeppで自主企画ですね。今のところの手応えはどうですか?
「ライブはね、僕的にはシンプルにスランプです。歌は上手くなって、演奏は良くなってるのに、"何かこれじゃない"って感じ。今までは"ライブが良い"と言われてて、楽器を練習して、演奏力が追いついた瞬間が、去年や3月27日の歌舞伎町フリーライブやった。3月27日が個人的に良すぎたので、どう超えていいかわからない気持ちはあります」
――ライブを続けていると徐々に解消していくものなんでしょうか。
「なのかなって、扇町公園で思い悩んでました(笑)。僕的に良いライブだと思ったけど、お世話になってるイベンターさんに"ちょっとちゃうな"と言われて、自分のフォーカスがズレ始めてるんかなと怖くもなって。全然元気にやってるし、良いライブはできてるんですけどね」
――乗り越えた先に見えるものがありそうですね。
「でも乗り越えたら変わっちゃいそうという怖さや葛藤もあって。お客さんの熱量が高いので、大して何もしなくても盛り上がってしまう現状で、次はそれをバンドがどう食っていくのか。逆に押されてる節もあるから、そこの塩梅も良くないなと思ってて。こだわり強いのでそういうふうになっちゃうんですよね。9月のZeppまでには、この気持ちを解決しときたいですね」
Text by 久保田 瑛理
(2026年5月28日更新)
初回限定盤(CD+DVD)
5500円(税込) / VIZL-2516
通常盤(CD)
3300円(税込) / VICL-66141
【収録曲】
01. 平成時代
02. セブンティーン
03. 死にたくなったら会いにきて
04. 恋人のすべて
05. 東名高速下り線
06. 少女 (feat. あい from ハク。)
07. 泣くな東京
08. 海岸線
09. 愛すべき日々
10. 君がバンドを辞めた夜
初回限定盤DVD収録内容
・「この街を出て -大都会終結編-」 at 恵比寿LIQUIDROOM 2025.12.16
初となる全国ワンマンツアーのファイナル公演を、大歓声に包まれたメジャーデビュー発表の瞬間も含め全編収録!
素直
セブンティーン
M19
2002
春のまま
このまま僕らが大人になっても
嘘つきの話
桜新町
泣くな東京
17歳
僕は嘘つき、君は沙希
彼氏3
マーガレット
東京ラストティーン
ホワイトノイズ
ロックバンド症候群
M19
海岸線
この街から
愛すべき日々
・Blue Mash Documentary「この街を出たとしても」
ワンマンツアーの1ヶ月を追いながら、Blue Mash結成からメジャーデビューまでをメンバー一人一人へのインタビューを交え紐解く、1時間超のドキュメンタリー
Blue Mash…2018年結成、4ピースロックバンド。メンバー全員が2002年生まれ、大阪寝屋川を中心に全国で活動中。衝動的なライブパフォーマンスとリスナーの生きる希望となる楽曲を武器に圧倒的な存在感を放ち続け、年間約100本のライブを行う”生粋のライブバンド”。2025年冬に開催したワンマンツアーも全国9公演SOLD OUTするなど、勢力的に活動中。2026年3月、1stアルバム『泣くな、青春』でビクターエンタテインメントからメジャーデビュー。
【東京公演】
▼9月3日(木) Zepp DiverCity
【大阪公演】
▼9月20日(日) Zepp Osaka Bayside