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Hedigan’sは“パンク”に、luvは“変幻自在”に。
音楽性もジャンルも違う2組が、
YUGO.の意志のもとで初対バンを実現。
『YUGO. presents ANTI ART HEADS / TOUR』
大阪公演レポート

3月30日(月)、心斎橋Music Club JANUSにて『YUGO. presents ANTI ART HEADS / TOUR』が開催された。本公演は、大阪出身のアーティスト・YUGO.が交流の深い10組のミュージシャンを迎えて全国5都市のライブハウスで対バンライブを行うもの。会場にはYUGO.のイラスト作品が飾られるなど、音楽とアートが融合した唯一無二の体験を味わうことができる。3月15日の北海道公演に続き、2公演目となった大阪には、Hedigan’sとluvが出演した。会場はYUGO.のホームでもあるJANUS。注目度の高い対バンで、チケットは早々にソールドアウト。となれば盛り上がらないはずがない。しかもこの日は偶然も重なり、より一層思い出深い特別な日になった。そんな最高の夜の模様をレポートしよう。

『ANTI ART HEADS / TOUR』の会場の中で、JANUSは最もYUGO.と距離が近いハコと言えるだろう。彼の地元であることはもちろん、本ツアーの運営チームがJANUSを運営する株式会社ジャニスの社長と元スタッフなのだ。JANUSの屋上にはYUGO.が描いたペインティングボードがあり、ライブを終えたアーティストたちが写真を撮ってSNSによくアップしている。JANUSとYUGO.のコラボグッズも多く展開しており、関係性は非常に深い。

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会場に足を踏み入れると、ラグジュアリーなヘビ皮のソファが置かれたスペースが"YUGO.色"に染まっていた。赤い壁面をびっしりと埋め尽くすイラスト。その数およそ30枚。一見印刷したポスターに見えるが、じっと目を凝らすと直筆であることがわかり、描き込みの細かさと完成度の高さに驚愕した。これらは全て『ANTI ART HEADS / TOUR』のために描き下ろしたもの。「WE'LL STOP THE WAR WE'LL PROVE it WitH PUNK! ANTi-ART.」と書かれた布は大阪公演から追加したそうだ。周辺にはYUGO.が自身の展示会でも多用するスプレーや空き缶、くしゃくしゃのフライヤーが散らばっており、空間全体を使ってYUGO.の世界観を表現していた。

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フロアとロビーを繋ぐ扉にも、それぞれ異なる加工が施されたイラストが貼られていた。これらは持ち回りだが、会場の規模感で展示する内容は変わるそうで、YUGO.は「北海道の札幌近松は和のテイストが強い会場だったから、自分の作品との違和感を楽しんでもらえた。大阪は自分の作品に合う会場。東京のLIQUIDROOMは広いから1番作品数は多いと思う。それぞれの会場ごとの楽しみ方ができる」と話してくれた。

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ステージにも描き下ろしのバックドロップが吊られていて、クールな佇まいに思わず「カッコ良い!」と声が出た。こちらも各ステージの大きさによって足し引きをするらしく、複数の会場に行く人は見比べてみるのも面白いポイントだ。

開場時のBGMは本ツアー用にYUGO.がセレクトしたもの。ツアーオリジナルのグッズもYUGO.がデザインしている。



【Hedigan's】

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定刻を少し過ぎ、「Welcome to ANTI ART HEADS.The 2nd place is OSAKA.The 1st Artist is Hedigan's」というイベントジングルが流れると、人でパンパンのフロアが一気に沸き立った。先にluvがくると予想していた人が多かったのだろう。YUGO.曰く、出演順については、Hedigan's側から「自分たちが先にやって荒らしたい」という粋な要望があったそうだ。

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SEなしでラフにステージに現れた河西"YONCE"洋介(vo.gt)、栗田将治(gt)、栗田祐輔(key)、本村拓磨(ba)、大内岳(dr)の5人。YONCEが「Hedigan'sです、よろしくお願いします」と挨拶すると、本村の骨太ベースラインが鳴り響き、「グレー」からライブをスタートした。くねくねとコミカルに手を合わせるYONCEに呼応して、フロアからはクラップが発生。みな気持良さそうに身体を揺らす。そこからYONCEと将治のギターが本村のベースとユニゾンし、大内のドラムがイン、シームレスに「マンション」へ。この繋ぎが痺れるほどにカッコ良く、オーディエンスは大興奮! 音源とライブで大きく表情を変える彼らのライブの真価を、早速享受することとなった。

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「説教くさいおっさんのルンバ」を泥臭くプレイすると、「みんなでひとつになりません?! バラバラになってくれ!」とダブルスタンダードのような言葉を並べたYONCE。「俺たちとみんなとこの建物の外にいる人たちがいかにバラバラか、今から確かめたいと思います。"せーの"で好きな鳥か魚の名前を叫ぼうぜ!」というと、会場中から様々な鳥と魚の名前が飛び交う。そして「今の話とこの曲は全く関係ないはずだ!」と演奏された「その後...」は照明と演奏が一体となって激しさを増す。さらに、はちゃめちゃロックな「But It Goes On」を勢いよくぶち込んだ。

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YONCEは本公演について「YUGO.くんという古い友達がツアーを企画して、大阪に呼んでいただきました。luvは地元関西のバンドで、めっちゃヤングでとってもムーディーで大人な音楽をやる彼らがいますから、ここでかいた汗が緩やかにほぐれる一晩になるとかならないとか。そういう目論見がYUGO.くんにあるとかないとかね」とお茶目に話す。YUGO.とYONCEの付き合いも、もう10年以上。穏やかな瞳で語るYONCEの様子から、仲の良さが垣間見えるようだ。

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あたたかみのあるノスタルジックなメロディーとYONCEのおおらかな歌声に懐の深さを感じた「再生」に続いて「Fune」を全身で浴びると、楽しい時間はあっという間。YONCEは「どんなに歳くっても、若いバンドから対バンを断られないミュージシャンでいたいなと思います。気づけばこのメンバー、もう20年近く楽器を持って妙ちきりんなことやってるけど、気持ちは何も変わってない気もする。それでも面白がって聴いてくれる若い人がいて、"こいつらとやってもいいかな"と思ってもらえてるのは本当に嬉しいこと。皆さんも歳をくっていくことを肯定的に捉えて、色んな人とくだらない話で盛り上がれたら素晴らしいことだと思うので、まあ、俺らの真似でもしてみたらいかがでしょう。Hedigan'sでした」と述べると、すさまじいリバーブをきかせて「敗北の作法」を披露。後半は転調祭りで、栗田将治はブルースハープを吹き、4人も一心不乱に楽器を鳴らしてパンクに大暴れ! すさまじいパワーを解き放ち、クライマックス感を増幅させていく。

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そしてラストスパート。栗田祐輔とYONCEが叫びまくる「BtbB」をパンキッシュに叩き込むと、最後はまたひとつ熱量を上げて「O'share」を全力で泥臭く飛ばし、会場全体を熱狂の渦に巻き込んだ。ステージの幕が閉まりゆく間、笑顔で手を振るYONCE。幕が閉まった後もしばしサウンドをかき回してフィニッシュ。最高に自由で、熱くクールなステージだった。

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【luv】

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Hedigan'sからバトンを受け取った、関西出身の5人組バンド・luv。実はJANUSはHiyn(Vo&Gt)のバイト先で、4月から上京するためこの日でJANUSを卒業する。しかもHiynが影響を受けたアーティストの一人がYONCEということで、Hiynにとっては夢が叶った日と旅立ちの日が、偶然ではあるが同時にやってきたことになる。

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静かに幕が開くと、Ofeen(dj)がひとりステージでSEを流す。やがてRosa(key)、Zum(ba)、Sho(ds)が登場、軽く音を鳴らし始めた。時間差でHiynが現れるとフロアからは大歓声が沸き起こる。さすが要注目のニューカマー、しっかりと人気を獲得していることが伝わってきた。たっぷりのセッションから「初めましてluvと申します! よろしくお願いいたします! 久しぶり!」と投下されたのは「Motrr」。推進力のあるグルーヴィーサウンドが気持ち良く、いきなりメンバーのソロ回しも挟みながら会場の空気を掌握していく。

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Hiynは「いけますか大阪! Hedigan'sばりカッコ良かった! けども僕たち負けませんです! YUGO.さん、JANUSありがとうございます!」と気合いたっぷりに叫ぶと、2月にリリースされた最新シングル「Ohaguro」を披露。彼らのルーツであるブラックミュージックのエッセンスを感じる楽曲で、これまでよりもぐんと大人っぽい。DJとバンドアンサンブルの重なりがナイスグルーヴを作り出した。

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楽しそうに笑顔を浮かべたHiynは、4月に上京すること、今日限りでバイト先を卒業することを報告。JANUSに感謝を述べつつ、満員のフロアを見て「1番緊張しますね」と本音を漏らす。そして「僕、ソロをやってるんですけど、3年前の僕の人生初ライブ、お客さん2人やったうちのひとりがYUGO.さん。感慨深いですね」と想いを馳せた。

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一面がピンクの照明に染まった「Gum i」を経て、「皆さん今年度もお疲れ様でした!またJANUSに戻ってやれた時は一緒に楽しみましょう!(Hiyn)」と、ライブアンセムの1曲でもある「Rear」で一緒にシンガロング。Rosaが滑らかに指先から繰り出すソロプレイが美しく、オーディエンスは手を上げてダンシング。熱量を増した後半、心地良いバンドアンサンブルの中にも荒々しさが見え隠れする。ライブアレンジをふんだんに盛り込み、一筋縄で終わらせないところはHedigan'sに似た部分があるかもしれない。

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Hiynの弾き語りからポップに彩った「こころのどれす」でも、シンガロングでひとつに。最後の一音まで丁寧に鍵盤を奏でる......と想いきや、そのままゆったりとセッションへ。安定感のあるShoとZumのリズム隊にHiynのギターが歌うように重なり、シームレスに「好人紀行」へ。R&Bシンガーのように感情を込めて歌唱するHiynに釘付けになった。ステージ全体がまばゆい光に包まれ、エモーショナルだ。

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そして早くもラストスパート。「Hedigan'sさんへの敬意とJANUSへの敬意とあなたたちへの敬意を込めて頑張って参りますので、今年度もよろしくお願いいたします」と述べて「meguri」を演奏。<めぐりあうなら そのときには それだけでいいから>という歌詞が新生活の出会いと別れにリンクするようで、じんわりと胸に染み渡っていった。

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ここからは「Are you ready大阪、いけますか!」とギアを上げて、思い切りグルーヴィーにアーバンに楽器を鳴らす。珠玉のセッションから雪崩れ込んだのは「Lee Un Vile」。小気味良いギターリフに、疾走感あふれる個々のソロの見せ場。音源よりもテンポアップしたアレンジで思い切りファンクに踊らせると、フロアの熱はMAXに。最後は「またどこかでお会いしましょう!」と「Send To You」で堂々と締め括った。

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こうして『YUGO. presents ANTI ART HEADS』は大団円で終了した。ぴあ関西版WEBに掲載した事前インタビューで、YUGO.は「Hedigan'sとluvの組み合わせは自分でも未知数」と話してくれたが、実際のライブを観て「最高だった。それぞれのアーティストが求めているものを具現化してくれた」と嬉しそうに話していた。このタイミングでこの組み合わせをJANUSで実現できたことは、本当に大きな意味があったと思う。

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ここから本ツアーは沖縄 (4月5日終了)、愛知、東京(東京公演はソールドアウト)と続いていく。ぜひその目でその耳で、この特別な公演を目撃してほしい。

Text by 久保田 瑛理
Photo by キョートタナカ




(2026年4月14日更新)


Set List

●Hedigan’s

01. グレー
02. マンション
03. 説教くさいおっさんのルンバ
04. その後…
05. But It Goes On
06. 再生
07. Fune
08. 敗北の作法
09. BtbB
10. O’share

●luv

01. Motrr
02. Ohaguro
03. Jamlady
04. Rear
05. こころのどれす
06. 好人紀行
07. meguri
08. Lee Un Vile
09. Send To You

Live

「YUGO.presents ANTI ART HEADS / TOUR」

【北海道公演】
▼3月15日(日) 札幌近松
[出演]w.o.d./No Buses
【大阪公演】
▼3月30日(月) 心斎橋JANUS
[出演]Hedigan’s/luv
【沖縄公演】
▼4月5日(日) 那覇Output
[出演]NIKO NIKO TAN TAN/HOME
【愛知公演】
▼5月1日(金) ボトムライン
[出演]FCO./ドミコ
【東京公演】
▼5月21日(木) LIQUIDROOM
[出演]go!go!vanillas/ブランデー戦記

チケット情報はこちら


Link

Hedigan’s WEB SITE
https://www.instagram.com/hedigans

luv WEB SITE
https://luv-band.com/

YUGO. WEB SITE
https://yugo.link/

ANTI ART HEADS / TOUR SPECIAL SITE
https://antiartheads.com/