ホーム > インタビュー&レポート > “突き放しつつも、自分勝手すぎない曲が詰まってる” ヤングスキニー・かやゆーの成長物語 3rdフルアルバム『理屈で話す君と、感情論の僕』で綴る素直な想い
台湾ライブで感じた、音楽の楽しみ方
――2025年はバンド的にどんな1年でした?
かやゆー「結構濃かったですね。自分の中では沈んでるところからバンって解き放たれた1年だったと思います。それこそ歌にもしてますけど、彼女がいたり別れたりして、今は音楽と友達だけしか考えなくなりましたから。そういう意味では、好きなように音楽や自分のことをする生活に戻ってきた1年でした」
――韓国にも行かれていましたね。
かやゆー「韓国でワンマンしたり弾き語りしたり、去年の3月には台湾にも初めて行って。海外のライブで文化の違いを感じましたし、音楽が好きなんだなと改めて感じましたね。韓国も台湾も日本語でMCをしても通じたし、多分歌詞の意味もわかってくれてました。特に台湾のフェスでは、ヤングスキニーを知らないお客さんも後ろの方で音を浴びて身体で楽しんでいるのを感じて。日本だとなかなかそこをダイレクトに感じることはなかったから。激しいとかバラードとか関係なく、楽しむ人は楽しむんだということを感じられて、やっててすごく楽しい1日でした」
――日本とライブでのノリが違うんですね。
かやゆー「純粋に楽しんでくれてるのがすごく伝わってきました。また海外でライブしたいなと思いましたね」
――しおんさんも海外のライブは楽しかったですか?
しおん「めちゃめちゃ楽しかったです。これは日本じゃ超えられないだろうなって。音楽へのベクトルが違うので。かやゆーくんも言ってたんですけど、僕、基本的にお客さんはマジでみんな嘘つきだと思ってるんで」
――ほう?
しおん「ちゃんと聴いてないことも多い気がするし。ライブでも"ちょっと激しめのバンドと曲だからいきます"とか"サビきたからみんなで手あげます"とか、予定調和になりがち。ヤングスキニーは色んな楽曲があって、色んなノリ方も色んな聴き方もできると思うんですけど、その中でも、対バンイベントやフェスで、ナチュラルに音楽を聴いて身体が反応してる人たちを僕はあまり見かけていないので"嘘つきだな"と思って。でも台湾とか韓国だとそれがない。逆にお客さんが無反応の時は、多分俺らがうまくいってない。俺らがノッてる時はもうお客さんをノセられてるから。海外は音楽という言語で理解し合えてる感じがめちゃくちゃ素敵だなと思いました」
かやゆー「それこそ台湾のフェスで、俺らのライブでも意味わかんないタイミングでサークルができてて。でもそれは多分初めて聴くお客さんがその瞬間"やりたい"と思ってくれたんだろうから。別にサークルを作ってほしいとかじゃなく、自分たちの曲は自分たちなりの聴き方をしてほしい。てか普通に1人ひとりが楽しんでほしいですよね」
しおん「そうね。他人を気にしすぎですよね。どんな聴き方をしてもどんなノリ方をしてもいいけど、色んな人がいることを理解した上で、みんなライブには来てほしいです」
――お客さんに自由にノッてほしいんですね。
かやゆー「2ndアルバム『BOY & GIRLS』の時は、ライブバンドとツアーを組んで、いっぱいライブハウスを回って激しい曲をやったけど、そこから今作は若干1stアルバム『歌にしてしまえば、どんなことでも許されると思っていた』(2023年3月)寄りに戻ったんです。ツアーも楽しかったけど、改めて激しいだけがロックじゃないなと思いましたし、俺らが激しい方にいってもお客さんは激しい予定調和をしてるだけなんだなと。別に激しくても激しくなくても、こっち側がライブやっててグッとくる時はグッとくるし、あまりそこは関係ないんだって気付いたから、アグレッシブにいってたタームは一旦終わり。前作も自分がやりたくてやってただけですけど、今作は1stアルバムに近いヤングスキニーらしいところで、自分も素直な気持ちで作りたい音楽を作ろうと思いました」
恋愛経験と年齢を重ねて描く、ヤングスキニーらしい楽曲たち
――前作から今作への流れについては、今のお話で非常に納得しました。今作は音もどっしりと進化して、ドラマチックですよね。前作は14曲入りとボリューミーでしたが、今回は8曲です。
かやゆー「前作は激しめのサウンドに興味を持って、それは今までやったことがなかったからアイデアがポンポン出てきたんですけど、まあそれも落ち着いて。今作は正直そんなに曲がポンポン出てくるわけでもなかったから、アルバムとしてはもう少し曲があった方がいいかなと思いつつ、実体験を歌ってるわけだからわざわざ無理して作ってもコンセプトが意味わかんなくなりますから。コンセプトを決めてアルバムを作ってはいないけど、できた曲を集めるのがヤングスキニーのコンセプトだと思ってるので。曲の感じはバラバラだけど、だからアルバムとしていつもちゃんと成り立ってる。今作も無理して作らず、できた曲だけを入れ込みました」
――今作はひとつの恋愛を終えた切なさと、愛をわかりそうになりながらも"やっぱり自分はこっちだ"と最低の天才ミュージシャンの道を選ぶことを示した作品だなと。1stに戻ったとおっしゃいましたが、やはり少し違う響き方をしていますね。
かやゆー「曲の雰囲気は似てるけど、歌詞とかはより分厚さが出たのかな。年も重ねたから大人な歌詞になった。それは歌詞が難しくなったとか良くなったとかじゃなく、同じ人間が若い時から成長して、少し大人になったところが出たのかなと思います」
――おふたりは今おいくつでしたっけ?
かやゆー「3月で24歳になります」
しおん「僕は1個下なんで23歳です」
かやゆー「それこそ1stは、10代の時書いた曲が入ってますから。前作までは軽い恋で遊んだり、ちょっと好きな人がいるぐらいでしたけど、今回は人生で初めて長く付き合ったし、ちゃんと好きだったので、より人を想う気持ちが生まれたというか。それこそ優しさも知って、良くも悪くも丸くなった。前はもっと人を突き放してたし、何も考えずに自分だけだったけど、今作は突き放しつつも自分勝手すぎない曲が詰まってるのかなと思いました」
――なるほど。しおんさんは今作についてどう思われますか?
しおん「良いと思います。過程ですよね。それこそ1stから聴いてくれてる人からしたら年齢を重ねたのかなと思う瞬間もあれば、今作から聴いた人からしたら"まだまだクソガキだな"と思う瞬間もあるかもしれない。でもちょっと危ないアグレッシブな感じがヤングスキニーらしさでもあると思うので、そういうところも楽しんでいただけたらと思います」
付き合う上でのリアルな感情と葛藤を描いた「stay with me」
――1曲目の「stay with me」は珍しく英語のタイトルで、彼女とのお別れを歌った曲ですね。
かやゆー「この曲は自分の中でも大きな1曲だったと思います。どこを切り取っても良いなと思いますし、Cメロの<俺が幸せを感じることといえば 大抵あなたが嫌がることばっかりでした>は、実体験から曲を作るがゆえの悩み。恋愛ソングなんですけど、自分にとっては葛藤も入ってるから、この曲で発散することができてめっちゃ良かったです」
――そうか、その後に続く<あなたが幸せを感じるためなら俺は 自分を犠牲にできるだろうか>も葛藤なんですね。女性側からすると、少々思うところがありますが。
かやゆー「女性が聴くとやっぱりあれですけどね。ヤングスキニーを好きな世代の子も共感できる恋愛ソングかなと思ったんですけど、よくよく考えたら、男性はまだ色々やりたいことがあって"好きだけど結婚したくない"みたいな気持ちがあるから、男性も共感してくれる曲になったのかなと思います」
――恋愛に対する男女の考え方の違いというか、"男性は別名保存、女性は上書き保存"みたいな恋愛の形がそのまま表れている気がしますね。サウンドはコーラスも入って壮大です。今回は「関白宣言」以外、古舘佑太郎(ex.THE2、The SALOVERS)さんがプロデュースに入られたそうで。
かやゆー「そうです。でも「stay with me」はゴンちゃん(ゴンザレス/gt)が編曲していて。古舘さんのサウンドプロデュースも、僕たちが見つけられない引き出しを見つけさせてくれるぐらいで携わってくれて。基本的にはメンバーで編曲して、芯の部分を分厚くさせてもらった感覚だったので、めっちゃやりやすかったです。「stay with me」もゴンちゃんが最初編曲して、何パターンかのアレンジをもとに肉付けしていきました」
――スムーズにできました?
かやゆー「レコーディングの数日前まで"どうしよう"となってて。曲を作ってるとあるあるんですけど、作れば作るほど正解がわからなくなった時、"なんだかんだ最初のやつがいいよね"となって、レコーディング1週間切ったぐらいの時に方向転換して録りました」
――工夫したところ、こだわったところはありますか?
かやゆー「歌詞も悩んだところがあって。2番の最後の<「愛だけじゃあなたとは居れない」とか>が、最初は1番の終わりにもついてたんですけど、"1番はカットして2番だけにしよう"と古舘さんが言ってくれて。なかなか踏み切れなかったけど、古舘さんが言うなら信じてみようとカットして。僕はデモができたら基本的に変えない人間なんですけど、これは構成を練りながらやっていきました」
――ドラムに関してはいかがですか?
しおん「アウトロらへんで、かやゆーくんの歌メロとドラムのリズムを合わせるフィルインをやったんですけど、これはリズミカルな歌メロじゃないとできない手法で、ヤングスキニーにあまりそういうのはなかったから、逆に歌詞を引き立たせるドラムが初めてできたのかもと思いました」
かやゆー「<最後まで自分勝手。>のところだ」
しおん「そうそう」
――手応えがありましたか?
しおん「うん。場合によってはわざとらしく聴こえたりもするんですけど、今回はうまくハマって良いアレンジになりました」
かやゆー「壮大ですよね。ほんとにドラマみたい」
サウンドにも実際の人間関係が表れた「カレーライス」
――2曲目以降は「るっせぇ女」(M-2)「本音」(M-3)「悪い人」(M-4)「三茶物語」(M-5)とシングル楽曲が続きます。「るっせぇ女」のMVはヤングスキニーらしくて良かったです。ヤンスキはMVをキッカケに曲が広がることが多いですよね。
かやゆー「ありがとうございます。僕自身もMVを切り抜いてTikTokとかで載せてほしいと思ってるから、MVはインパクトがあるものがいいなと思っていたので、今回もそういうのができて良かったです」
――かやゆーさんのクズっぷりも公になってきたと思いますが、炎上はしなくなってきましたか?
かやゆー「炎上はあまりしなくなりましたね。炎上するのは嫌ですけど、炎上しないのも嫌で。僕の曲は実体験だから、悩んで気持ちが沈んだ時に色々生まれるから、炎上が気持ちを沈めてくれるのは良いことではありました。しんどいけど、不幸がゆえの幸せみたいな。それは恋愛とかでもそう。大人的には炎上しない方が助かると思うけど、良い炎上をしたいですね」
――「カレーライス」(M-6)は、まさに沈んだ気持ちを明るく歌っている楽曲ですよね。
かやゆー「明るいから逆にずんとくるものがあるのかなと思って、結構明るくしました」
――この曲も沈んでいる時に出てきたんですか?
かやゆー「そうですね。2024年にふじさんホール(かやゆーの地元・山梨県富士吉田市にあるホール。『"老いてもヤングスキニーツアーvol.5"~サブタイトルもう思い付きま編~』で12月にファイナル公演を行った)でライブをした時ぐらいにおばあちゃんが亡くなって。地元の同級生や親戚がライブを観に来て"頑張ってね"と言われるのも、嬉しいけどしんどかったり。色々重なってる時に、"早く帰って彼女の作った手料理を食いたいな"って。それがほんとに唯一の救いだった時にできた曲でしたね」
――ちなみに<あのうざいドラマー>は......しおんさんのことですか?
かやゆー「そうです」
しおん「その歌詞の後にうざいドラムフィルがあるんで聴いてください(笑)」
かやゆー「こいつ基本的にうるさいんで。ドラムにおいてもプライベートにおいても、リハでも休憩って言ってんのにずっとドラム叩いてるんですよ。静かにしてくれっていう。でも、そのうるささをちゃんとドラムで出してきたから"まあいいな"と思うし、そういうのも含めて実体験で歌詞を書いているので、僕らの人間関係を知る人からすると、より面白い曲。サウンドで歌詞を表現するアプローチはあまり考えないから、うまくハマって良かったですね」
――他にはフルートやピアニカといった音が入っていますよね。
かやゆー「ゴンちゃんが編曲してくれて。俺は音楽の知識がなくて曲を作るしかできないので、ゴンちゃんに"こういう曲ができて、ちょっと明るくしたいから、おもちゃみたいな感じにして"とだけ言ってぶん投げたら、色々模索して作ってくれました」
――本当におもちゃ箱のように、音が賑やかに聴こえてきて。子どものコーラスも最後に入っていますね。
かやゆー「ビクターのスタッフさんのお子さんを2人ぐらい呼んで。5歳ぐらいの歌える子を探してもらったけど、案外キーが低くて歌えなかったり、メロディーがうまく伝わらなかったりして、結構苦労してなんとか録れましたね」
しおん「へー!」
かやゆー「でも子どもの声を入れられて正解でした。弾き語りで歌ってた時からずっと子どもの声を入れたかったので、実現できて良かったです」
――しおんさんはレコーディング現場にはいらっしゃらなかったんですか。
しおん「その時はいなかったです。なので出来上がったやつを聴いて"おお、入ってる"と思って。まさかそんなに苦戦してるとは思ってませんでした」
かやゆー「やっぱり子どもも集中力が切れちゃうから。最初は恥ずかしがるし、お母さんがいるとふざけちゃったり。物で釣りながら頑張ってましたね」
――歌詞からはミュージシャンとしての苦悩を感じるというか。
かやゆー「Bメロの<過去に戻ったら戻ったでさ さらに過去を羨むんだろうな><でも未来に行ったら行ったでさ 今が羨ましくなんだろうな>はお気に入りですね。高校生になると"中学校良かったな"と思うけど、中学校の時は"小学校良かったな"と思ってたから、過去に戻っても"昔は良かったな"って思い続けると思う。ということは、今しんどくて、色々あって鬱だけど、未来に行っても今が結局良く見えるんだろうな。学生時代からずっと考えていたことを歌詞にできたのは、僕的に嬉しかったポイントです」
しおん「そこは僕も良いなと思ってて。ほんとにその通りだし、過去は1度経験しているから安心感がある。もちろん嫌な記憶もあるけど、意識は良かった方にいきがちだし。未来や今は予測不可能すぎて、不安が生じちゃう。でも過去には安心以上のものはないわけだから、自分が想像できないもの、想像を超えてくるものを楽しみに未来を見て、今を生きれば1番いいんだろうなと、その一節を読んですごく感じました」
――その感じたことをドラムに反映させたりしましたか?
しおん「ぶっちゃけ、今作は凝ったところは1個もなくて。前までは"あれもしたい、これもしたい"というモードだったんですけど、今回は割とストレートに"心地良いリズムの中で、ちょっとだけ自分らしさが出せたらいいかな"というニュアンスでやったので、2〜3テイクぐらいでパッと録って。素直なドラムが叩けたし、楽曲を聴いた時に歌詞やメロディーがスッと入ったので、今作は支える側にうまく回れたのかなと思います」
君を好きな気持ちだけは真っ直ぐ、それ以外は全部真逆。今作はより感情論が出た
――かやゆーさんは、幸せな恋愛よりも"最低な自分"を選ばないと、ミュージシャンとしての表現ができなくなるのではという怖さはありますか?
かやゆー「怖さは別にないですけど、音楽をする上で自分が悩まないと曲が作れないわけで。じゃあどうやったら悩むかというと、やっぱり遊ばなきゃ悩みも生まれないわけで。じゃあ遊ぶと最低になるわけで。"最低なことをしたい"とは思ってないし、回り回って"クズだよね、最低だよね"と言われるだけ。前は"付き合ってると幸せすぎて曲書けないな"と思ってたんですけど、「関白宣言」とか「三茶物語」とか、なんだかんだ曲も書いてて。ただ「関白宣言」も「三茶物語」も、書いた時はあまり良い曲だと思って歌ってなかったんです。でも今になってグッときたり」
――そうなんですか。
かやゆー「いうて、付き合ってるがゆえの悩みもいっぱいあったし、付き合ってても別れても、彼女がいてもいなくても、曲ができない時はできないし、できる時は急にできる。自分も焦ってたのかな。"できた曲があまり面白くないかも"と思って焦るから、"幸せだと曲書けないのかな"と思い込んでたような気もしますね。わかんないです。色々もっと経験してみないと、それが合ってたのか間違ってたのかもわかんないし。一旦今は楽しいからいいかなと思ってます」
――「関白宣言」と「ちゃんと帰ってくるから、許して」のどちらにも入っているのが<許しておくれ>という言葉なんですよね。
かやゆー「<ごめん><許して><最低>は色んな曲に入ってますね。自分でもびっくりするぐらい今作も入ってて。結局より感情論が出ちゃってるのかなと思います。理屈で言われると、悪いことだし最低なのもわかってんだけど、君への気持ちが揺らいでいないのは、日頃から愛を伝えてるつもりだから。"僕は散々遊んでたけど、今君といるのは好きだからなんだよ"という。もう暴論ですけど。それで愛を伝えられてると思ってたけど、僕だけの現象みたい」
――「ちゃんと帰ってくるから、許して」はいつ頃書かれたんですか。
かやゆー「「関白宣言」が出るちょっと前だった気がしますね」
――彼女とお別れしてから書いたんですか?
かやゆー「別れる前です。歌詞にもある通り、<別れたいとかは別にないけどさ なんかちょっとだけ疲れたわ>なんて相手に言えないじゃないですか。こんなことを歌にしたら怒られるだろうし、訂正しないとどんどん勘違いされちゃうから、<嘘はなしで愛してるから><ごめんね>ってすぐBメロで訂正して謝るという。ここも自分の人間性が出てるのかなと思います。2番Bメロの<馬鹿な女>も、彼女しか愛してないから可愛い女の子じゃなくてどうでもいい馬鹿な女を口説いてるだけ。それも僕の中では本当に彼女が好きだからの行動なんですけど」
――言い分はわかるんですけど、正直"そう言われてもなー"というところもありますね(笑)。
かやゆー「女性はよく"浮気されるなら、自分より綺麗な手が届かない人のがいい"というのを見るんですけど、逆にしょうもない女だからいくわけで。別にその子とデートしたくないし、ただ夜遊ぶだけだし。馬鹿な女と遊んで"やっぱり彼女が1番だわ"って僕は愛が深まるんですけどね。これはおかしいらしいですね」
――結局は"自分だけを見てほしい"というのが女性側の主張だと思いますね。
かやゆー「さっき、"ちょっと優しくなったかな"と言いましたけど、全然自分勝手な感情論の男の歌でした(笑)」
――(笑)。しおんさんは、男性目線でかやゆーさんの歌詞に共感することもありますか。
しおん「男の子なので言いたいことは理解できるけど、僕の正義とはちょっとまた別ですね。愛し方の方向性の違いですよね。考え方とか言ってることはそれっぽいけど、行動が一致しないという」
かやゆー「だから理屈じゃなく感情なんですよね。"好きだ"って気持ちだけは真っ直ぐ。それ以外は全部真逆なので、理屈で責められると"それはごめんなんだけど、わかってんだけど、でも好きだよ"しか言えないんですよね。それで理屈で責め続けられて、"好きって言ってんじゃん!"という怒りの壁のパンチが、ジャケットの写真です」
――え!?
かやゆー「アルバムジャケットを考えた時に、タイトルが『理屈で話す君と、感情論の僕』に決まって、"感情論の表れがちょうどうちにあるじゃん"と。穴が開いてる壁にガムテープを貼ってたんですけど、ガムテを剥がして写真を撮りました」
――なんと斬新な。
かやゆー「喧嘩して理屈で責められて、もう言い返せなくて。"この感情をどこにぶつけよう"って、壁にぶつけた(笑)」
――ヤングスキニーの作品は、本当にかやゆーさんの人生そのものですね。
かやゆー「ジャケットの話で思い返すと、1stは自分の顔だったし、2ndは色んな女の子の靴の中に下駄がある写真だった。あんま深く考えてなかったけど、実は"自分のことを歌ってるからこういうのにしよう"という考えが毎回あったのかな。だから今回も身の回りでモチーフを見つけられたのかも」
――しおんさんは、かやゆーさんとはまた違う視点でこのアルバムを見つめておられると思いますが、改めてどんな1枚になったと思われますか?
しおん「さっきも言ったけど、"かやゆー物語"の成長過程の1個のピースかなと思いますね。多分、瞬間の感情を作品に残せずに世に出てきているアーティストが多いと思うんですよ。例えば中高校生の時に抱いていた感情を曲にしたいと思っても、今この歳では書けないじゃないですか。だからリアルタイムのものをちゃんと作品として残せてるのはすごく良いし、バンドとしての道のりの途中で今作ができたのも、また面白いなと思いますね」
――2月17日には初の武道館ワンマンが行われますが(インタビューは武道館前に実施)、武道館を終えたらどんな気持ちになっていそうですか?
かやゆー「ガールズバーでは相変わらず自分の曲を歌い続けたいですね。武道館アーティストとして、ガールズバーで1個モテる。そういうダサいことをやり続けたいです」
しおん「まだあまり想像できないです。でも僕も友達に自慢してるかもしれない。僕はガールズバーに行かないですけど、1回ぐらいは"俺、武道館立ったぜ!"ってやりたいです」
Text by 久保田 瑛理
(2026年3月11日更新)
初回限定盤 [CD+DVD]
VIZL-2497/6600円(税込)
通常盤[CD]
VICL-66117/3300円(税込)
VICTOR ONLINE STORE限定セット
[CD+DVD+GOODS]/8800円(税込)
[収録曲]
01. stay with me
02. るっせぇ女
03. 本音
04. 悪い人
05. 三茶物語
06. カレーライス
07. 関白宣言
08. ちゃんと帰ってくるから、許して
[初回限定盤付属DVD収録内容]
・「老いてもヤングスキニーツアー vol.6 Live at Zepp Haneda (TOKYO) 2025.07.18」(104分収録)
01. ヒモと愛
02. 関白宣言
03. ゴミ人間、俺
04. 本当はね、
05. 君の街まで
06. バンドマンの元彼氏
07. 君じゃなくても別によかったのかもしれない
08. ベランダ
09. 美談
10. 好きじゃないよ
11. ハナイチモンメ
12. 愛の乾燥機
13. 三茶物語
14. 東京
15. 雪月花
16. コインランドリー
17. 愛すべき日々よ
18. 精神ロック
19. 憂鬱とバイト
20. さよなら、初恋 (EN)
21. らしく (EN)
・ドキュメンタリー映像 『世界が僕を嫌いになっても』(73分収録)
“嘘だらけで矛盾だらけの日常を歌う"平均年齢23歳、東京発・4ピースギターロックバンド。若者のリアルな思いを描く等身大の歌詞でZ世代から支持を受ける。