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山本彩、ツアー完走「みんなが私のライブを作ってくれる」
かけがえのないファンと共鳴し合った
輝かしきファイナル東京公演をレポート!

今年でソロデビュー10周年となる山本彩。7月14日(火)に初の日本武道館ライブも決まった中、昨年11月から年をまたいだホールツアー『Sayaka Yamamoto Hall Tour 2025-26 "home away from home"』のファイナル公演が、1月29日東京・LINE CUBE SHIBUYAで行われた。神奈川、大阪、東京と3会場で、それぞれ2デイズの1日目と2日目でセットリストを大きく変えてきたツアーの締め括り。10年前の曲から最新曲まで織り交ぜながら、オーディエンスと心が通い合うステージは、タイトル通りホームを感じさせた。

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ドラムのシンバルが打ち鳴らされ、「ファイナル東京行くよー!」とステージ後方から山本彩が現れた。中央に出て右手で真っすぐ天を指す。観客と共に頭上でクラップして、ハンドマイクで「メロディ」を歌い始めた。10年前、NMB48時代にリリースしたソロデビューアルバム収録のスガシカオ提供ナンバーだ。笑みを浮かべながら、メロディアスな曲に温かみを醸し出す。<もう会えないあなたへ まだ会えてない君へ>のサビでは会場一体となって大きくワイパー。1曲目から多幸感とホーム感が溢れた。

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続く「yonder」では、シンセのリズムに乗って、ステージを上手へ下手へと歩きながら、ゆったりと歌う。アコーステックギターを手にすると、昨年7月に配信した「刹夏」へ。スタッカートを利かせたストロークに、淡々としながらも芯の強い歌声を聞かせ、過ぎゆく季節の儚さに浸らせた。

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「みんながおうちに帰ってきたくらい、くつろいではしゃげるように、最高の一夜にしたいと思います」とMCを挟み、次はエレキギターで「どうしてどうして」。フラれた歌ながらカラッとしたポップチューンに、冒頭から手拍子が起こり、山本彩のボーカルと打ちつけるギターに熱がこもっていく。リラックスして聴いていても、気づけば体が動いているアゲ感。
ギターを置いてお立ち台に立ち、タオルを振って「2階も3階も全員いきましょう!」と煽り、「スマイル」になだれ込んだ。サビで「行くよ!」と呼び掛け、「Let's Go Let's Go」のコール&レスポンスと共に、客席でタオルが一斉に回って爽快。会場がまさにスマイルでいっぱいになっていた。

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その後はバラード系を続けてクールダウン。バイオリンの旋律で始まる「イチリンソウ」は、NMB48卒業後の2019年にリリースした1stシングル。続く「Homeward」も同年に発売されて全曲の作詞・作曲を手掛けたアルバムの収録曲。ハイトーンを駆使したボーカルに切ない情感が漂った。そして「ブルースター」は2024年に配信の初のアニメタイアップ曲。たゆたって歌い出しつつ、腕を広げながら奔流のように胸に迫るボーカルは圧巻だ。
ソロデビュー10周年。アイドルとしてトップに立った自身の色を、地道に音楽のクオリティを高めることで無理なく変換してきた。特に休業明けからのここ数年は、ホールにライブハウス、アジアツアーやアコースティックツアーにフェスや対バンと、実に精力的なライブ活動を繰り広げてきた。その積み重ねが、山本彩のシンガーとしての背骨を強靭なものにしたのがわかる。

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MCでは、1カ月ほど前から週2回のジム通いをしているという話に。
「すでに効果が出ているのか、昨日(東京公演1日目)も一切疲れてなくて。ライブの次の日は起きたときに全身バキバキになってますけど、それもなくて」
「SNSでは『日本武道館で腹筋が見られるのを楽しみにしてるね』と言われてますけど、誰が見せると言った(笑)? でも、10周年イヤーが始まっているので、ちゃんと仕上げた状態で駆け抜けようと思います」

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後半戦はアコギをかき鳴らして「Seagull」から。夕暮れの海を思わすオレンジの照明が、空のような明るい青に変わり、思い切り羽を広げて飛び立つ決意が張りのある声で力強く歌われた。ドラミングとバイオリンの旋律が印象的な「JOKER」では、ギターのダウンストロークから天を指差す動きを繰り返し、清々しい疾走感に押し寄せるような手拍子が湧く。2017年リリースの2ndアルバム『identity』の1曲目で、メロディメーカーとしての山本のセンスも改めて実感させた。

アウトロ中にギターを置き、ハンドマイクを掴む。暗転の中でスポットライトを浴びながら、アカペラで「両手広げ "東京"声上げろ」と歌い出すと、「ウォーウォーウォー」と怒涛のレスポンスが会場中から起こった。「ファイナル行くぞ! 「Are you ready?」」とキラーチューンのアゲ曲「Are you ready?」を繰り出す。四つ打ちビートに合わせて起きる手拍子。山本は拳を振って煽りながらキレ良く歌い、頭を激しく振ったりも。観客も「ウォーウォー」と呼応し続けて、熱気が最高潮に達した。

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間髪入れず、ドライブの利いた「喝采」、伸びやかな歌声とスペース感に安らぐ「ゼロ ユニバース」と、アコギで2曲続ける。山本の歌声はクールな質感ながら温もりも携えていて独特だ。「次はみんなで乾杯しましょう」と呼び掛け、定番の客席との「ドラマチックに」「乾杯!」の掛け合いからポップな「ドラマチックに乾杯」へ入る。タオルを回しながら上手、下手、センターとお立ち台を移動して、観客も実に楽しそうに一緒にタオルを回していた。

MCでは「ステージに立つたび、想像を遥かに超える熱量でみんなが出迎えてくれて、毎回驚いているんですけど、その驚きをまた更新してもらいました」と話した。ソロアーティストとして活動を始めた頃を「ひとりで戦わなきゃと思っていたから、周りに味方がいない気がしていた」と振り返りつつ、「ステージを重ねるうち、熱くて温かくて愛に溢れたみんなが私のライブを作ってくれて、まさにホームだなと思わせてもらっています」とも。「私もみんなが帰ってきたいと思う場所をこれからも作っていきますので、よろしくお願いします」と深々とお辞儀すると、止まない拍手を浴びていた。

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そして、ライブは大詰めに。「弱っちい自分のために書いた歌でもあるし、同じような気持ちでいるかもしれない誰かのためでもあったり。そういう人のちょっとした支えになれたらいいな、みんながありのままの自分を受け入れて過ごせたらいいなと書いた2曲を、最後に歌いたいと思います」。虚空を見上げるようにして、「今あなたは笑えていますか」と歌い出したのは「Larimar」。しっとりと言葉を紡ぐやさしいバラードが染み渡る。ラストは昨年11月にツアーのスタートを前に発表された「共鳴」だ。エレキギターを携えながら、マイクを片手で握りしめて歌い出す。清涼感のあるロックでストロークを刻み、<全てはそう 僕らのために>といったリリックを噛み締めるように。ラスサビでは<鳴らせ>から山本はオフマイクで、<終わりのないノイズを掻き分けて奏でよう>と客席の合唱が響いた。掛け値なく山本とファンの共鳴が起きていた。

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アンコールを求める爆発的なコールを受け、Tシャツ姿でひとりで再びステージに。「次の曲は弾き語りで」とアコギを掛けてイスに座り、「今回のツアーでずっと歌ってきた未完成の曲で......」と語り始めた。
「完成させるのか、させないのかわからないながら、そのとき出てきた想いとメロディだったから眠らせるんじゃなくて、自分の中で温度感があるうちに届けたいと思って。ありがたいことに『いつか完成して聴けるのを楽しみにしています』という声をたくさんいただきました。今日は未完成のまま歌わせてもらいますけど、今年中に形にしたいと思うので、次の機会を楽しみにしながら聴いてもらえたら」
ポロロンとギターをつま弾いてからのアルペジオで、「ねえ、このまま私をさらってよ」と素朴に歌い出す。「自分をどこに置いてきちゃったんだろう」などとアーティストとしての自身の日々の葛藤をそのまま、しっとりしたメロディに乗せたようだった。

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バンドメンバーを呼び込み、「もう一丁、楽しんで帰っていいですか?」と言って、次の曲は撮影OKと告げると、客席から一斉にスマホカメラが向けられる。「一緒に歌いましょう。せーの!」と、「レインボーローズ」を会場一体でタイトルコール。10年前の1stアルバム『Rainbow』収録の軽快なロックナンバーだ。山本は客席に降りて通路を歩きながら歌い、観客の間近まで行くと、一緒にカメラに写ったり、指でハートマークを合わせたり、グータッチを交わしたり。なんてうれしいファンサだろう。1階席を回り、歌い終わってステージに戻ると、「ありがとう!」と叫びながら投げキッスを送りまくっていた。

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オーラスは「ヒトコト」で華やかに。観客は「オイ! オイ!」と拳を突き上げて盛り上げる。体が自然に揺れる心地良いグルーヴ感、手拍子やコールが不思議なほどに揃う一体感。この夜のライブに終始あったものが、最後にいっそう高まっていった。歌い切ってツアーを完走した山本彩は、晴れ晴れとした表情を浮かべていた。

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3月からは、ビルボード3会場に台北、香港と回るアジアツアーが始まる。そして7月14日(火)誕生日には日本武道館に立つ。さらに走り続ける10周年イヤーは幕を開けたばかり。かけがえのない思い出が、またいくつも刻まれていくに違いない。

Text by 斉藤貴志
Photo by 石原敦志




(2026年3月20日更新)


公演概要

山本彩『Sayaka Yamamoto Hall Tour 2025-26 "home away from home"』
1月29日 東京・LINE CUBE SHIBUYA

Live

『Sayaka Yamamoto Asia Tour 2026』

4月17日(金) 神奈川・Billboard Live YOKOHAMA
1stステージ 開場16:30 / 開演17:30
2ndステージ 開場19:30 / 開演20:30

4月27日(月) 大阪・Billboard Live OSAKA
1stステージ 開場16:30 / 開演17:30
2ndステージ 開場19:30 / 開演20:30

4月30日(木) 東京・Billboard Live TOKYO
1stステージ 開場16:30 / 開演17:30
2ndステージ 開場19:30 / 開演20:30


『山本彩 LIVE at 武道館』

7月14日(火) 東京・日本武道館
開場17:30 / 開演18:30
指定席:8800円

3月22日(日)23:59までプレリザーブ最終受付中
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山本彩 オフィシャルサイト