ホーム > インタビュー&レポート > 民謡をルーツとする独自の歌唱でJ-POPの新たな地平を切り開く Myukが目指す楽曲作り「鳥肌が立つような音楽体験」
――『Celeste』は、「自分とは?」という自分への問いかけや葛藤の中で制作されたそうですね。
私はアーティストとしてどんなメッセージを発信することができるのか、「この曲にはどういう声で、どういう表現がいいんだろう」と考えるなかで作りました。「Celeste」は、ラテン語で青空と空っぽを意味しています。空っぽってネガティブに捉えられがちですが、"空"という漢字で青空と繋がっているので希望を感じたんです。私自身「自分って空っぽ」と感じることもありましたが、空を見ながら「空っぽってすごく前向きな言葉だな。空みたいに果てしなくて、ゼロでもあって無限」と思えたんです。
――各楽曲のMyukさんの歌声を聴いていると、「自分は何者なのか」という葛藤の答えがあるように思いました。「花はかぐや」の<憐れむや>と歌うところの声の反転を聴いたとき、びっくりしましたから。その後に続く尺八のメロディとMyukさんの声の反転が完全にシンクロする。楽器と歌声はここまで融合するのか、と感嘆しました。
ご指摘くださった声の部分は民謡で言うところの「こぶし」なのですが、実は私は小さい頃、民謡を習っていたときに尺八の伴奏で歌うことが多かったんです。尺八奏者の方と私だけで歌うこともあって、自分のルーツはそこにあるんです。ですので、そう捉えていただけたことがとても嬉しいです。
――Myukさんにとっては、そういった民謡的な歌い方が"自分らしさ"なのかなって。
6年間習っていたので、発声の土台になっています。でも最初の頃は民謡の歌い方しかできなくて、それが嫌だったんです。そこで、低い声の出し方や息の多い歌い方を練習しました。最近、ようやく両方の表現で曲を歌えるようになり、歌うことがとても楽しいです。
――民謡は、歌に込められている精神性もすばらしいですよね。ニシン漁の漁師が自分たちを活気づけるために歌った「ソーラン節」や、Myukさんの出身地・熊本県の干拓工事を歌った「八代おざや節」など労働者の歌が多く、その土地のグルーヴ感が伝わってきます。
実は私、民謡をやり始めて最初に出たのが「おざや節大会」で、そこで「おざや節」を歌ったんです!
――そうだったのですね、「おざや節」はすごくいいです!
民謡って歌が口伝えで広がり、受け継がれてきたところに魅力を感じます。人の声で聞いたものが、人から人へと受け継がれていく。ミュージシャンじゃなくても、生活の中で歌が作られ、いろんな人によって歌われてきた。人間の生活に音楽は必要であることを、民謡は教えてくれました。人と人との関わりと生活が浮かんできて、そこから悩み、葛藤、希望が生まれます。それが歌のなかに込められている。私自身も、日常の小さな幸せや半径5メートルくらいのところにあるものを歌うことが、ありのままの音楽だと思っています。ただ、そこに物語的な要素を入れたくて、童話やおとぎ話をイメージすることが多くあります。
――童話やおとぎ話も古くから語り継がれてきたもの。たとえばMyukさんが共同作詞を担当された「雪唄-yukiuta」でも、<たばしる><流るる>など古語が使われていますね。
「せっかく現代的なサウンドで民謡の歌い方をするなら、言葉も少し古いものを入れたい」と意識していたところがありました。「たばしる」は、松尾芭蕉の句を読んでいて興味を持った言葉なんです。「石山の石にたばしる霰哉」という句です。上から降り注いで石に当たって弾けるような描写の言葉で、ちょうど涙が飛び散るようなニュアンスを表現したかったときだったんです。「ほとばしる」でもなく、「飛び散る」でもなく、「たばしる」がちょうどいいなって。
――Myukさんの楽曲の特徴は、民謡をはじめルーツ的な要素を現代的に落とし込んでいらっしゃるところではないでしょうか。
私が常に意識しているのが、鳥肌が立つような音楽体験。クラシックのオーケストラを聴いたときや、金管の音に触れたりすると鳥肌が立ったり、自然と涙が出てきたりします。そういう体験って究極のもので、自分もそういうものを目指したい。新しいものと古いものを融合させることで、これまで味わってきた感動とはまた違うものが生まれるんじゃないかなって。「雪唄-yukiuta」はまさに、民謡の歌い方とアップテンポの四つ打ちのリズムを組み合わせて、現代的なサウンドと民謡の融合を表現しました。「花はかぐや」で、和風の要素とアップテンポのビートの効いた音楽の相性の良さに気づき、「雪唄-yukiuta」に繋がりました。
――そんなMyukさんにとってキャリア最大のワンマンツアー『Myuk Anniversary Concept Tour 2026』の大阪公演が3月22日になんばHatchで開催されますね。
デビューから5年。私を支えてくださったファンのみなさまに感謝を伝えたいです。朗読なども取り入れ、物語をたどりながら音楽を楽しんでもらうコンセプチュアルなライブになります。日常から少し離れて、没入感のある空間に浸ってもらえるライブにしたいです。
Text by 田辺ユウキ
(2026年3月11日更新)
発売&配信中
[完全生産限定盤](CD+BD)
三方背デジパック仕様
AICL-4850/7000円(税込)
BDにて 「Myuk Live Tour 2025 Message from “Marie”」
2025.6.7(Sat)@東京 Shibuya WWW X ライブ映像 を収録
[通常盤](CD only)
AICL-4852/3500円(税込)
《収録曲》
01. 雪唄 – yukiuta (Prod by Myuk)
02. まるまる (Prod by 大橋ちっぽけ)
03. Sakura (Prod by 山口寛雄)
04. BlackSheep (Prod by Guiano)
05. マリー (Prod by Guiano)
06. じゅもんを唱える (Prod by センチミリメンタル)
07. 花はかぐや (Prod by ナツノセ)
08. グライド (Prod by knoak)
09. Celeste (Prod by Suiet)
配信リンクはこちら
【愛知公演】
▼3月21日(土) ダイアモンドホール
▼3月22日(日) 17:30
なんばHatch
1F指定席-5500円(ドリンク代別途要)
2F着席指定席-5500円(公演中立見観覧不可、ドリンク代別途要)
※未就学児童の入場はお断りいたします。(小学生以上入場可、ご入場される全ての方にチケット必要となります)
[問]ソーゴー大阪■06-6344-3326
Web Site
https://myuk.jp/
公式Instagram
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YouTubeチャンネル
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