ホーム > インタビュー&レポート > 若手アーティストを応援するライブ企画 「Grasshopper WEST vol.7」 BLACK BERRY TIMES、wowdow、水平線が集結。 個性際立つ3組がフロアを揺らした夜をレポート
■BLACK BERRY TIMES

本日1組目は、2023年活動開始、東京より柳沢碧人と荻原蓮の現役大学生2人を中心とした音楽プロジェクト、BLACK BERRY TIMES。初の大阪でのライヴとなる彼ら。本日はサックス、キーボードらをはじめとした強力なサポートメンバーを引き連れた、総勢6名でのステージ。そんな初大阪での記念すべき一曲目は軽快なファンク・ナンバー「SEASON」。ジャジィなフレージングが冴える楽曲で早速オーディエンスを惹きつける。毎度ながら、このイベントでは多種多様なサウンドに出会うことができる。今日のライヴが素晴らしいものになることを早くも確信した。

続いて「大阪初めてなので気合い入れてやってまいります」という十分な気合いと、ほどよい緊張の入り混じったVo. 柳沢の言葉から始まったのは、ファンキーなギターカッティングとサックスのフレーズが軽妙に絡み合う「NYLON」。「ここからメンバー紹介します」と自己紹介代わりのソロ回しでは、Key. 竹内瑠愛、Ba. 日置竜一、Sax. 村田優、Drs. 河津幸佑、そしてGt. 萩原蓮、それぞれのメンバーが若いながらも確かなスキルのソロで会場を魅せていく。

続く80's AORのフィーリングも感じるミドルR&Bナンバー「SUTEKI」では一転、ベースを前面にフィーチャーし、会場をグルーヴィに揺らしていく。オーディエンスとクラップとシンガロングでより一層フロアとのシンクロニシティを深めていく様は、まるで音でフロアと語り合うかのよう。

そんなしばしの音での語らいの後、柳沢の「ここからは歌って踊れる曲をやっていきます」という言葉から、ダンサブルな16ビートとサックスが心地よく吹き抜けるハウスライクな「Blow」が幕を開ける。輝くミラーボールと共にフロアのボルテージ高めていく。ここぞという場面でのテクニカルなキメがキラリと光る。立て続けに放つのはカラフルでポップなダンスナンバー「SIGNAL」。キャッチーなメロディが自然とフロアにクラップの音を咲かせていく。そのまま流れるようにベースが引き連れてきたのは「WHY」。ラテンジャズのエッセンスをBLACK BERRY TIMES流で味付けしたファンキーでダンサブルなナンバーで大阪を踊らせる。

ここまでのダンサブルでグルーヴィなサウンドで熱くなった身体に、うってつけな一曲「こんな夜でも」。心地よく染み渡るようなキーボードの優しく温かい音色の上に、ウォームな歌声が響くバラードが、映画のエンドロールのように流れる。そしてアウトロのムーディで情熱的なサックスソロがしばし聴衆を夢のような世界に誘う。

見事なストーリーをここまで描いてきたBLACK BERRY TIMES。ラストは「Teenage Anthem」。冒頭にあったほどよい緊張もすっかりとほぐれ、柳沢のハイトーンな歌声もキラリと光る文字通りのアンセムでオーディエンスと共に楽曲を創り上げ、初の大阪での演奏を熱く終えた。
■wowdow

続く2組目、ステージに現れたのは、2021年結成、名古屋よりwowdow。4/17での解散が決定している彼ら。今日は現時点での大阪でのラストライブということもあり、7人編成というスペシャルな布陣で臨む。早速フルボリュームで掻き鳴らすのは「タイプ!」。解散の湿っぽさなど吹き飛ばすかのように、Vo. sbeとVo. 丸本拓未のパワフルなツインヴォーカルがフロアをwowdow色一色に一瞬で染め上げる。

間髪入れずBa. T.りょうの刻む力強いエイトビートで幕を開ける「ふたり」に、フロアからも次々と拳が上がる。その様子を噛み締めるように演奏するwowdowの演奏に、思わず目頭が熱くなる。一分一秒でも時間を惜しむように、続く「ナイト・クルージング」へと雪崩れ込み、洒脱でグルーヴィな音がフロアを揺らす。情熱的な丸本のシャウトが花を添える。

「Grasshopper WEST Vol.7!ラッキー7という素敵な日に呼んでいただき、ありがとうございます。」「Yogibo HOLY MOUNTAIN、楽屋にもYogiboがあって、早速上に立てるかとかやったりして」とMCでは一転、リラックスした雰囲気のwowdow。本当に解散するとは思えないほどの落ち着いた雰囲気、そしてフルスロットルなステージングに、どこか夢見心地な気分に包まれるフロア。そんな中で「前回大阪に来た時は秋でしたが、今はもう冬なので、冬の曲を」と始まったのは、sbeの優しい歌声が映える「コントラスト」。wowdowの歌心とバンドサウンドのダイナミクスが遺憾無く発揮された名曲に、じっくりと身を預けるオーディエンス。

続いても、暖かく優しいメロディが光るミドルナンバー、「話せたら」。ポップネスが根底にありつつも、Gt. Daisuke Nishioのロック魂溢れるプレイが最高のスパイスになっている。この絶妙なバランス感覚がwowdowがwowdowたる真骨頂だと感じる、渾身の演奏。

「我々今日がラストの関西です!湿っぽくなるのはwowdowっぽくないので、ハッピーな感じで、この後の水平線に繋ぎます!」というsbeの言葉で始まったのは、ポップで煌びやかな屈指のキラーチューン「充電してない!?」。Gt. りく、Key. ごろり、Ba. T.りょう、Drs. トガミコウジ、Gt. Daisuke Nishioが次々と巧みなソロをリレーし、満を持しての「充電してない!?」コールアンドレスポンスで、wowdowのステージは佳境へと向かっていく。

ラストは「LUCKY SONG」。wowdowなりの「ハッピーエンド」を見つけたように底抜けにハッピーなナンバーで、オーディエンスと一緒に最後まで飛び跳ねてwowdowらしさ溢れる"ラッキーセブン"な夜を駆け抜けた。
■水平線
本日のトリを飾るのは、2018年結成、京都発の"ゆるやかな希望"を歌い続ける4人組ロックバンド、水平線。「これがバズるぞ!2026」にもランクインを果たすなど、世間的な注目度も急上昇中である。Kula Shaker「Hush」をSEに、ご機嫌に登場した水平線の面々。まずはoasisの「The Swamp Song」をオマージュしたかのようなセッションで肩を温める4人。そんなセッションの勢いそのままに90'sブリティッシュロックに敬意を表したような「トーチソング」でじんわりとフロアに火を灯していく。

「どうもこんにちは水平線です、よければ一緒に演奏してください!」とGt. Vo. 安東瑞登がクラップを煽って始まったのは「たまらないね!」。ゴキゲンなビートに合わせ、フロアもメンバーも軽やかに跳ね回る。今回唯一の関西勢である水平線。「今日リハーサルの時から思っていたんですが、僕らの人数少なく感じませんか?」「他のバンドが人数多いから」「僕(Ba. 水野龍之介)が三人分の働きをしますので」とMCで早速ひと笑いかっさらっていく様は流石の一言。

「grasshopperというのはバッタを意味する言葉でして。僕らは昆虫が好きなので、イベントタイトルを見て、僕らもバッタのように飛び跳ねたいと意気込んで告知をしたんですが、まさにこの企画にはそういう想いがあるようで。僕らも飛躍していければと思います。バッタのように跳ねれそうな曲をやります。ドラムス、カモン無限!」というVo. 田嶋太一の言葉と共にDrs. 川島無限がパワフルにフロアタムを響かせる。始まったのは「SUPERSTAR'82」。リズム隊の刻む力強いビートの上を、見事なハーモニーを重ねるヴォーカルラインが自由に駆け、「天翔ける日々を綴るよどこまでも」というリリックが「Grasshopper」というこのライヴの企画名とクロスオーヴァーする。

そしてアウトロのドラムから急ピッチでこれまた軽やかなビートとベースラインが印象的な「selfish!」へと流れ込み、更にオーディエンスを心地よく揺らしていく。続いては壮大なミドルナンバー「エンドレスサマー」。ツインヴォーカル、ツインギターという水平線の持ち味が最大限に発揮するように、ツインギターのユニゾンとツインヴォーカルのコーラスが夏の空の飛行機雲のようにまっすぐとステージから伸びる。アウトロの渾身のギターソロがたまらない一曲。

最後はBa.水野のアクセントの効いたベースが自然と体を揺らすあの曲。「最後にこの企画に相応しい、グラスホップしそうな曲で終わりたいと思います!」という言葉の通り、水平線の楽曲の中で最もグラスホッピングな「Downtown」が始まる。緩急のついたビートをおもちゃ箱のようにひっくり返しながら愉快に進んでいくステージ。"水平線のグラスホッパー"こと水野はこの日、大阪にいる誰よりも高く飛び跳ねたに違いない。全身全霊でグラスホッパー、もといロックンロールを体現した。

そして興奮冷めやらぬ中、観客の歓声とアンコールを求める手拍子に応えて、水平線の面々が再びステージに上がる。「さっきのMCで喋ろうか迷ってたんですが、wowdowとは昔から一緒にやりあってきた仲間で。このライヴが決まった時はまさか今日が彼らとの最後のライヴになるとは思ってもおらず。でもいつもと変わらず、最後wowdowへのリスペクトを込めてロールオーヴァーという曲をやって終わろうと思います」という、田嶋の仲間への熱い想い。

そしてロックンロールへの憧れを切なくも美しく歌い上げる姿に、フロアの誰もが拳を高く突き上げる。その景色に思わず涙が滲みそうになる。高く跳び立つバンドたちも、いつかは終わりを迎える日が来る。しかし、今日この日のように、どこかで鳴った音は誰かの鼓膜を揺らし、記憶に残り続ける。フロアもステージも、その垣根を越えて終始温かで優しい雰囲気に満ちた一日は、きっとこの日、この場所に居合わせた人々すべての心を照らす灯りとなったに違いない。
Text by 伊藤博明
Photo by 桃子
(2026年3月17日更新)
01. SEASON
02. NYLON
03. SUTEKI
04. Blow
05. SIGNAL
06. WHY
07. こんな夜でも
08. Teenage Anthem
01. タイプ!
02. ふたり
03. ナイト・クルージング
04. コントラスト
05. 話せたら
06. 充電してない!?
07. LUCKY SONG
01. トーチソング
02. たまらないね!
03. SUPERSTAR’82
04. selfish!
05. エンドレスサマー
06. 鋼の太陽
07. Downtown
EN. ロールオーヴァー
【東京公演】
▼4月27日(月) 19:00
下北沢DaisyBar
一般-3400円
学割-2900円(要学生証)
[出演]HONEST/May Forth
※ドリンク代別途必要。
Grasshopper
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