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「4人が輝く瞬間を大事にしている」
4thミニアルバム『BRAIN WASH』リリース
ポップを軸に毒を吐き出し熱狂させる、DeNeelインタビュー

2017年に大阪で結成された4人組、DeNeel。2023年の『バズリズム02』で“Next Buzz Artist”として特集され、その後も劇場アニメ『おそ松さん~魂のたこ焼きパーティーと伝説のお泊まり会~』のED主題歌に『ノープラン』を書き下ろし、翌2024年には人気TVアニメ『キングダム』第5シリーズのOPテーマに『導火』が起用。2025年にはTVドラマ『FOGDOG』のOP主題歌となった『存在A』が注目を集めた。2026年に入り、4thアルバム『BRAIN WASH』を1月28日にリリースして、2月には自主企画最大規模の東名阪ワンマンツアーを開催した。ぴあ関西版WEB初登場となる今回は同ツアーの大阪公演(心斎橋 ANIMA)翌日に、中野エイト(vo)と日野ユウキ(ds)にインタビューを実施。「めっちゃロックだけど軸はポップで大衆性を兼ね備えてる」(中野)と話す彼らがライブで発信して行きたいこととは? 4thアルバム『BRAIN WASH』に収録された新曲を中心に制作の裏側とバンドの現在地に迫った。

世界観を統一しつつ
お客さんとの心の距離が近いライブが一番理想的


――中野さんは、趣味がお笑いだそうで。

中野エイト(vo)「お笑いに関しては好きすぎるというか...」

日野ユウキ(ds)「めっちゃ詳しいよ」

中野「めっちゃ詳しいな(笑)。今すごい頑張ってる(お笑い芸人の)友達がいて。"翠星チークダンス"なんですけど、売れてきてるんで陰ながら応援してます」

――バンドのアー写のイメージからあんまり喋らないイメージを抱いてたので、ちょっと意外な感じもして。

中野「よく言われるんですけど(笑)。喋りは好きですね」

――前はあまり素を見せないようにしていたのですか?

中野「20代前半のバンドを始めたての頃はそうやったんですけど、そういう時期が一番伸びなかったというか...。やっぱ無理してるから、バンドがちょっと難しすぎるなって心のどこかで思ってたので。無理しないようにしようと思ってから変わってきて、今のスタイルになったというか...」

――そうなんですね。今はライブのMCでも自然に話すようにしてる?

中野「そうですね。自然に話すし、特にアンコールとかはお客さんと対話していきたいなってテンションで。本編ではそのツアーのコンセプトに沿った演出とか言葉とかを考えながらやっていて。世界観を統一しつつ、お客さんとの心の距離が近いライブっていうのが1番理想的ですね」

――昨日のライブのアンコールのMCで、"人間弱くてもいい"、"誰かに頼っていい"っていうようなことを話していたのが印象的で。それはご自身の経験を踏まえた上での発言だったのかなと。

中野「そうですね。自分のことも入ってくるし、友人の不幸が重なったりしてたので...。自分一人で溜め込み過ぎて、すべて自分でなんとかする必要はないなって心底思ってるし、みんなが当たり前に思ってるようで、できないことをライブで発信していくっていうのが、ライブをする意味になってるので」

――そういうことをライブで発信するようになったきっかけは何かあったのですか?

中野「自分のスタンス的にはあんまり変わってなくて。幼少期とかに周りからいじめられてたけど、あの時にかけてほしかった言葉ってこうだったよな...とか、そういうのって一生痣みたいになって残ってるもんなんで。お節介でもいいから、誰かが言っていく方が絶対いいと思ってて。音楽をやってる立場としては、そこは訴えたいなと。『ゲシュタルト』(M-7)とかも、実はいじめの曲なんです。(歌詞に)"滅"とか入ってたりするんですけど、これは今流行ってるから入れたんじゃなくて(笑)。"滅んでしまえ"とか、普通は人に対しては言えないけど、俺はライブハウスでは言っていいと思ってるんですよ」

――たとえ否定的な言葉でも?

中野「そう否定的ですけど、自分の中で溜まってるもやもやって、吐き出す瞬間は絶対いると思うんですよ。でも誰も傷ついてほしくないし、人に直接言えないならライブハウスで昇華していけよって思って作ったのが『ゲシュタルト』なんです。悪口とか陰口言われたら嫌じゃないですか。自分も誰かの悪口言ったら同じになっちゃうし、嫌だなってアクション起こせなくて、ずっとモヤモヤが溜まったままのストレスの状態で生きていくのってしんどくないですか? 俺はしんどいと思ってて。なので、ライブハウスでこういう感情を吐き出す瞬間があったら、なんか良くない?と思って。自分はただ単にポップスをやるんじゃなくて、これをライブで歌う理由とか、そういうの考えながらやるのが好きですね」

――それを歌詞にして歌ってるんですね。作詞は中野さん、作曲は浦野さんという役割分担ははっきりしてるんですか?

中野「はっきりしてます。(浦野)リョウヤが作ってくる曲は元からすごいカッコイイんですよ。それを聴いて、どうすれば曲のイメージと歌詞のイメージが重なるかをずっと考えてるんで。何も思わずに歌詞を重ねたりとかはせずに、曲を死ぬほど聴いて馴染んできたら歌詞を書く。そしたら自然と合うんですよね。そういう作り方をしています」

――中野さん自身の中にしっかり落とし込んでから、作詞をするんですね。

中野「そうですね。ひたすら聴きまくって、音楽に自分をすごい落とし込んでいってるような気がします。やっぱ音楽ってめっちゃ大事で、映画とかでも感動するシーンって絶対(音楽が)鳴ってるじゃないですか。感情と音楽は紐づいてると思ってて、メジャーコードが鳴ったら明るい気持ちになるし、マイナーコードが入ったらちょっとえぐられる気持ちになるし、みたいな。そういうのをひたすら聴き込んで、聴いて馴染ませていくみたいな感じですね。で、そこに感情を見つけるみたいな。怒りの感情だったらどういうテーマにしよう...とか、その後で自分の経験とか自分の思ったことをのせていくみたいな感じです」

――今回の『BRAIN WASH』の中で歌詞を書くのが一番難しかった曲は?

中野「『クレイジーレイジー』(M-4)が一番難しかったです」

――『クレイジーレイジー』はライブを想定して作った曲ですか? かなり陽性に振り切った曲ですね。

中野「そうですね。『クレイジーレイジー』の中でもAメロBメロとかは結構マイナスなワードが入ったりしてるんですけど。基本的にサビでは開ける感じで。まるで魔法の国みたいな、ちょっと現実世界とは離れた世界観みたいなのを感じられるようにしました。自分は非現実的な歌詞を書くのがけっこう苦手なんですよ。どこまでいっても現実主義というか、自分の実体験から広げていくタイプなんで。『クレイジーレイジー』を聞いた時にこれはたぶん現実じゃないなみたいな。どっちかというと夢だったりとか、夢の国だったりとか、なんか魔法の世界だったりとか、多分そっちの世界だなと。俺はそこまでいけるのかなってめちゃめちゃ考えて書きました」

――それで今までにないタイプの曲になった?

中野「そうですね。メンバーからのアドバイスを聞いて、出来上がりましたね。今後も『クレイジーレイジー』みたいな曲が増えるたびにブラッシュアップされていく感じはしてます」

――歌詞も気になるところですが、『POP STAR』(M-8)はファン目線の歌のようにも感じました。

中野「これは自分の感情もあるんですけど。結構インスピレーション的には小説から引っ張ってきて作ってます」

――日頃から小説はよく読まれるのですか?

中野「はい。本は常に持ち歩いてます。自分的な美学は小説のような歌詞なんですよ。ただ、それをいい意味で自分も裏切っていきたいなと思ってるんで。前はメンバーから(歌詞が)理解できないって言われてたんです。今でこそもうちょっと柔らかくなったと思ってるんですけど、さらにポップスに昇華していくにはもっともっとシンプルであるべきだし、もっと一曲にはひとつの感情っていうのを決めていかないといけないのかなとも思いつつ、葛藤してます。自分が書けないと思ってるものをちゃんと書けるようになりたいし、それは今後の自分の楽しみでもあります」



メンバー4人共主役の瞬間がほしいから
今作も4人が輝く瞬間が入ってる


――『クレイジーレイジー』が今回のリード曲になってますね。

中野「DeNeelのイメージを毎回ちょっといい感じで裏切っていきたいと思って、『クレイジーレイジー』は確実に良い裏切りができたかなと。DeNeelっぽくないけど、新曲を出す上で、こんなんできるんやみたいな」

――中野さんが思っている"DeNeelっぽいところ"とは?

中野「DeNeelっぽいところはリズム感だったり、ギターの音がめっちゃかっこよかったりするところかな。(日野さんに)ドラマー的にはどうですか?」

日野「DeNeelっぽさでいうと、『クレイジーレイジー』のドラムは全くの新しいチャレンジだったような気がします。四つ打ちのリズム自体は他の楽曲でも使ってるんですけど、今回は生ドラムじゃない打ち込みで『クレイジーレイジー』を作ってて。そういう、新しいチャレンジをしてるからこそ、ドラムのイメージがまた変わったものになって、生ドラムじゃないが故のポップさ、ノリやすさにつながるようにはなったのかなとは思ってます」

――ライブでは生で叩きますか?

日野「そうですね。生ドラムじゃない音源をどうするか、そこは僕も好きなところで、それこそ、ライブだとどうなるんやろう?ってお客さんに思ってもらえるのが僕としては嬉しいし、こんな感じになるんやって思ってもらえれば大成功です」

――DeNeelのライブはギターもベースもガンガン前に出てきてソロも聴かせるし、けっこうアグレッシブに魅せるパフォーマンスをしてますね。

中野「やっぱりバンドは4人でやるものだと思ってるので、4人とも主役の瞬間がほしいから。じゃないとバンドやってる意味がないので、今回のアルバムも4人が輝く瞬間が入ってたりとかするし、そういうのは大事にしてます」

――これからどんなライブをしていきたいですか?

中野「僕はライブの軸は楽しさと熱狂だと思ってて、もうほんとに笑っちゃうようなライブをするっていう軸と、自然と声を上げちゃうような熱狂っていう、この二軸がしっかりしたライブがしたいです。それに必要なのはフィジカル的な楽しみ方で、自分も音楽の一部になるというか。体でリズムを取るってめっちゃ大事なことだと思うんです。クラップしたり声あげたり、ステップしたりとか、うちのライブに来たらそれができるよっていうのを世の中に知ってほしい。あと、今はライブでギターソロをするバンドが減ってるけど、うちの曲はほぼほぼ入ってるんですよ。だから楽器が好きなやつがめっちゃ楽しめると思う。俺も歌で体が震えるような熱狂を作り上げるし、男女問わず来てほしいですね。みんなを巻き込んでいく自信があるので、フィジカルで楽しみたい方はぜひライブに来てください」

Text by エイミー野中




(2026年3月24日更新)


Movie


Release

Mini Album『BRAIN WASH』
発売中 2640円(税込)

《収録曲》
01. (Error code -03)
02. ライムライト
03. 存在A
04. クレイジーレイジー
05. ブラックアウト
06. ook
07. ゲシュタルト
08. POP STAR

各配信先はこちら
https://deneel.lnk.to/BRAINWASH

Profile

でにーる…浦野リョウヤ(g)、中野エイト(vo)、龍野リョウ(b)、日野ユウキ(ds)
2017年大阪で結成。現在は東京を拠点に活動。ロックを軸に、ギターリフが際立つバンドサウンドと、ネット的センスや中毒性を併せ持つ独自のポップスを鳴らす4人組バンド・DeNeel。叫ぶような衝動のロックナンバーから、息をひそめるように寄り添うバラードまで、感情のふり幅をそのまま音に刻む。危うげで艶やかなヴォーカルが、語りすぎず断定しない言葉をそっと差し出し、都市の温度感をまとった音像と交わった楽曲は、リスナーの深部へと静かに浸透していく。映像やアートワークに至るまで一貫した美学を携え、ジャンルや文脈に縛られることなく、自らの物語を更新し続けている。2023年、日本テレビ系『バズリズム 02』にて“Next Buzz Artist”として4週連続で特集され、制作活動の密着がオンエア。同年7月には、劇場アニメ『おそ松さん ~魂のたこ焼きパーティーと伝説のお泊まり会~』のエンディング主題歌に「ノープラン」を書き下ろし注目を集める。2024年、NHK総合にて放送された人気TVアニメ『キングダム』第5シリーズのオープニングテーマとして「導火」が起用。2025年には、初の東名阪ワンマンライブツアーを開催し、ファイナル公演を渋谷WWWにて成功させる。同年7月、平祐奈と丸山隆平がW主演を務めるTVドラマ『FOGDOG』のオープニング主題歌として「存在A」を書き下ろすなど、映像・アニメ・ライブのあらゆる領域でその存在感を強めており、シーンの中心に躍り出るバンドとして最注目されている。2026年1月28日、4thミニアルバム『BRAIN WASH』をリリース。

DeNeel オフィシャルサイト
https://deneel.jp/


Live

『Pangea EXPO 2026』

▼6月13日(土) 12:00
BIGCAT/Pangea/ANIMA/SUNHALL/他
一般-6500円(ドリンク代別途要)
学割-4500円(当日要身分証、ドリンク代別途要)
[出演]愛はズボーン/Akane Streaking Crowd/Alaska Jam/171/EVE OF THE LAIN/AIRFLIP/Episode/岡崎体育/8otto/かずき山盛り/クリトリック・リス/GOOD4NOTHING/SABOTEN/三四少女/THE SKIPPERS/ザ ニンクス/the bercedes menz/セックスマシーン!!/DUCK HOUSE/dustbox/TENDOUJI/DENIMS/DeNeel/トップシークレットマン/ナードマグネット/ハダカエフダ/Bye-Bye-Handの方程式/BURL/PALM/ビレッジマンズストア/びわ湖くん/PJJ/FATE BOX/フリージアン/Black petrol/FRONTIER BACKYARD/POT/muk/モーモールルギャバン/mogari/よさこいマン/Liaroid Cinema/裸体/ルサンチマン/RAZORS EDGE/LOSTAGE/他
※小学生以下は入場無料(但し保護者同伴に限る)。
[問]GREENS■06-6882-1224


DeNeel presents『UNDER DOG』

Pick Up!!

【大阪公演】

▼7月2日(木) 19:00
Yogibo HOLY MOUNTAIN
スタンディング-3800円(ドリンク代別途必要)
[出演]他
※未就学児入場不可/小学生以上チケット必要。
[問]キョードーインフォメーション■0570-200-888

【東京公演】
▼7月10日(金) 19:00
渋谷近未来会館
スタンディング-3800円(ドリンク代別途必要)
[出演]他
※未就学児入場不可/小学生以上チケット必要。
[問]渋谷近未来会館■03-5962-7595

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