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「新しく挑戦した要素がたくさん詰まったアルバム」
1stミニアルバム『1ヨクトの眠り姫』を携えて
初の対バンツアー開催中!
文学性とJ-POPの王道が共存する男女混合バンド
メリクレット インタビュー

北海道札幌市を拠点に活動する男女混合4ピースオルタナティブロックバンド、メリクレット。昨年はSpotify O-WESTにて自身最大規模となる初東京ワンマンライブを開催。『JOIN ALIVE 2025』『イナズマロックフェス2025』などの大型フェスにも初出演し、道外でのイベント参戦も増えてライブバンドとしても進化中だ。2026年は2月4日に1stミニアルバム『1ヨクトの眠り姫』をリリースし、同月11日から初の対バンライブを開催している。ぴあ関西版WEB初登場となる今回はメンバー3人(※ドラムのMegは現在活動休止中)にインタビューを実施。「涙伝う日常に、奏でる藍の逆さ傘を。」というバンドのコンセプトをはじめ、文学性を感じる歌詞に込められた思い、「どんな感情にも寄り添える」というボーカルの強みなど、気になるポイントをじっくりと探った。新世代バンドとして大注目されるメリクレットの入門編としてぜひ読んでみてほしい。

悲しみとか苦しみの涙を受け止めて、
一緒に歩いていける受け皿的な役割を担う


ーーレニアさんと斗輝さんはご兄弟なんですね。

レニア(g)「僕が兄で2個上です。似てる部分もあるんでしょうけど、あんま似てない側の兄弟とは言われます」

ーー兄弟でバンドをやるのはどんな感じですか?

斗輝(b)「僕はやりやすいですね」

レニア「お互いのことをすごい知ってるし。今さら衝突するような年齢でもないし、10言いたいことがあったらそのうちの1だけ言っとけば伝わるみたいな部分もあったりするのが楽ですよね」

ちぺ(vo&g)「ミーティングの時も互いの意見を尊重し合いながら円滑にできる人たちなので、すごくやりやすいし楽しいです。すごく平和主義で仲良すぎる兄弟ですね。ケンカとかしたことないでしょ?」

レニア「そうね。小学生以来してないですね」


ーー<涙伝う日常に、奏でる藍の逆さ傘を>っていうコンセプトを考えたのはレニアさんですか?

レニア「そうですね。生きてたら絶対に苦しいことや悲しいことがあると思ってて。それがけっこう日常的な人もいると思うんですよ。自分たちの音楽がその悲しみとか苦しみの涙を受け止めて、一緒に背負って歩いていけるような受け皿的な役割を僕らの音楽が担っていきたいっていう気持ちを込めています」

ーーなるほど。

レニア「要するに、傘で雨を防ぐことは簡単だと思うんですけど、僕はその悲しみも背負って生きていきたいと思って。悲しみっていう感情も重要なものだと思ってるし。僕自身、辛い時にずっと音楽が寄り添ってくれて、そうやって支えてもらって乗り越えてきたっていうのがあるんで、僕らの音楽がそうなったらいいなっていう思いを込めているコンセプトです」

ーーそもそもメリクレットはそういうコンセプトありきで始めたんですか?

レニア「いや、コンセプトは後でしたね。斗輝が入ったのが3、4年前で、その頃につけた感じです。最初は部活の延長っていうか、プロになりたいとかっていう意思もなく、ただ音楽ができたらいいっていう感じだったんですけど、やってくうちにガチになってって。やりたい創作の形とか、伝えたい音楽の形っていうのが見えてきてからコンセプトを考えました。でもその前から、僕の歌詞の中ではそれが1番の根っこにある考え方なので。誰かに寄り添うとか悲しみを背負って生きていくみたいなのはいろんなところで歌詞の中に出てきてると思います」

ーーちぺさんと斗輝さんはバンドのコンセプトに関してどんな思いが?

ちぺ「レニアは自分が思ってきたこととかを言語化するのがとても上手なので、自分も同じ考えだなって共感できました。バンドの方向性として、いろんなバンドがいると思うんですけど。"俺らについてこい"みたいなバンドじゃなくて、みんなの苦しみも悲しみも一緒に(抱えて)進んでいこうねっていうスタンスでいたいなと思っていたから、レニアがそれを言語化してくれたときに、その通りだなって思って」

斗輝「僕は最初は(兄のレニアに)誘われたからとりあえずベースをやるようになったので、コンセプトに関しては静観してたんですけど、一緒にやっていくうちにより意識してコンセプトについて考えるようになり、メリクレットには合ってるなと思っています」

ーーそのコンセプトをはじめ、歌詞も文学性を感じますが、それもレニアさんの趣向で?

レニア「そうですね。僕の作る曲は特に作詞の面で小説の一部の引用したり、そもそも曲自体が小説のものオマージュになってる曲もあります。僕が小説好きでそこからインスピレーションを受けて創作することが多いので、文学性っていうのは僕のルーツというか」

ーー昔から本を読むのが好きだった?

レニア「好きでしたよね。やっぱ文字に救われてきた人生だなってすごい思ってて。活字中毒みたいになってた時期があって、図書館で本を借りてきて、ずっと読んでました」

ーーそれで歌詞にもいろんな語彙力が蓄積されてるんですね。

レニア「自分が語彙力あるという自覚はないんですけど。ちょいちょい出てるんですかね。ただ、ちぺが作詞してる曲もあったりするので。そういう曲はまた文学とは違う表現をしていて、その両軸の面白さがあると思う」

ーーちぺさんも当初から作詞はしていたんですか?

ちぺ「いいえ、元々レニアくんが作詞も作曲も全部やってくれてたんですけど、途中で興味を持ち始めて作詞をやるようになったので、(ソングライティングを始めて)4年ぐらいかな」

ーーお互いにどういう違いがあると思いますか?

レニア「お互いに作りたい曲を好きなように作っていて、ちぺが作る曲は本当にJ-POPなんですよ。あんまり使いたくない言葉ではあるんですけど、王道ではあるかなと。そういう意味で言うと僕は邪道ですね。レニアの作る曲は邪道でちぺが作る曲は王道。ほんとにすごい簡単な言葉で二分したらそうなるかなと思うんですけど」

ちぺ「歌詞について意識してることは、"王道"って言ってくれた通りJ-POPサウンドで戦うのであれば、まっすぐに心に響くような言葉選びをする必要があるなって自分で分析して。より分かりやすい言葉で、難しい言葉を使わずに、自分たちの経験で共感できるような境遇の話を書こうっていう風に心がけて歌詞を書いてます。
レニアは文学的で、10人いたら10人違った解釈のできる言葉選びとかをするのがすごく魅力だと思っているんですけど、どういう意味なんだろう?って考える時間が必要になるから、もっと直接的に早く伝わる言葉も必要だなと」

ーーなるほどね。今回リリースされた1stミニアルバム『1ヨクトの眠り姫』に収録されている曲もお二人の違いが出てるし、良い組み合わせですよね。

レニア「そうですね。2人いるってことは、それだけ幅が広がるってことなんで。他のバンドには出せない、その幅の広さっていうのを武器にしていきたいなと思ってます。
そもそもコロナ禍で(バンドが)始まって、ライブができない状態からのスタートだったんで、今後も作品作りというのは主軸になると思います」

ーー斗輝さんはある意味プレイヤーに徹してるというか?

斗輝「そうですね、(ソングライターが2人いるので)今は自分がやるべきことは、まずベースに特化した知識とスキルを身につけることが今のメリクレットの力になれるかなって。ただ、後々には(曲作りも)視野には入れてます。そうすることで、メンバー内で会話する時にも自分の目線が変わってくると思うので、そこに並べるようにっていうのを考えております」

ちぺ「最近はベースのアレンジとかもやってくれているので。どんなフレーズがあるのかなっていうのを学んできてインプット量が増えて、いろんなアレンジができるようになってるので、すごくな努力家だなと」


CDを手に取って本を開くような感じで
1曲目から8曲目まで通して聴いてほしい


ーーそういう独自のコンセプトや曲作りのスタイルがあった上で、1stミニアルバム『1ヨクトの眠り姫』で描きたかったことは?

レニア「<ヨクト>っていうのは仏教用語で日本語では涅槃寂聴と言います。細かく言うと輪廻とか、輪廻転生の輪から解脱した人がたどり着く先が涅槃っていう境地でニルヴァーナって言ったりしますけど、そこに僕も行きたいなっていう思いが最初からあって。要はただただ安らぎを得られる環境に行きたいっていう個人的な思いをアルバムで表現してみたいなと。なので、最後の『イヴと凍花の国』(M-8)は<終わらない夢ばかり見続けていこう>っていう歌詞で終わってて。それがこのアルバムを通して僕が言いたいことです。その思い自体は祈りに近いもので、あまりにも個人的であるし、ほんとにその人なりの受け取り方やその人なりの向き合い方で曲を聴いてほしいです」

ーー難しく考えずに、まずは音楽として聴いてほしい?

レニア「そうそう、まず音を楽しめないと意味ないなと思ってるんで、そこはけっこう意識はしたかなと思います。それこそ、聴いてて飽きない曲たちになってると思うんで、編曲の面でもすごい頑張って工夫を凝らしてるので、それは第一に皆さんに受け取ってほしいですね」

ーーCDとしてリリースされるのは、今回の『1ヨクトの眠り姫』が初の作品になるんですね。

レニア「ようやく作れました。CDになることで、なんとなく伝わり方も変わるような気がしてるんです。今回のブックレットのデザインはちぺがメインでやってて、そういう工夫とかも見てほしいですね。サブスクとか別の媒体で歌詞を見てもらってもいいんですけど、そういう楽しみ方もあるよっていうのはやっぱり伝えていきたいし、CD世代としてはその火を絶やしたくないなって。CDで出すのがそもそもの夢だったんで。CDショップに自分のCDがあるっていうのは嬉しかった。サンプルもらったのに、自分で買いに行きました(笑)」

ちぺ「私も初めて買ったCDのことって、やっぱ忘れられないですね。CDを開いてドキドキしながら1曲目聴くっていうあの瞬間って、やっぱり何にも変えられない感情になるので、その気持ちを忘れたくないし、やっぱこの作品CDも手に取ってもらったみんなにそういう気持ちになってもらいたいっていう原動力で作れたので、1曲目もインスト曲にしました。ドキドキしながら再生して、おとぎ話が始まるような音から始まって、眠り姫が目覚めていくような曲が始まるっていうその流れも、CDを手に取った時の高揚感みたいなのを意識して作ったので、それが制作意欲になってました」

斗輝「自分もそのCDに載ってるブックレットの歌詞と、サブスクで聞いた時に見れる歌詞だと入ってき方が全然違うっていうのは常々思っていて。実際に自分もCDの中のブックレットの歌詞を1回読みながら聴いてもらいたいなって思います」


ーー今回、特にここを聴いてほしいというようなところは?

レニア「アルバム全体を通して、本を開くような感じで、1曲目から8曲目まで通して聴いてほしいなと思います」

ちぺ「この8曲に私たちの挑戦が詰まりまくっていて、7曲目の『メリーバッドエンド(Re-Mastered)』もミックスをし直して細かい音にこだわってるし、『ロボック』(M-6)と『idiocracy』(M-4)はライブバージョンからアレンジをガラッと変えてレコーディングしてます。1曲目のインスト曲『1yの眠り姫』も挑戦ですし、8曲目の『イヴと凍花の国』は変拍子になっていたりして、私たちが新しく挑戦した要素がたくさん詰まったアルバムなので。そういう幅広さを楽しんでもらえたらなと思います」

斗輝「先に言われちゃったけど、やはり曲順はこだわって作ってるので、つまみ食いやシャッフルとかではなく、最初のインスト曲からの流れを楽しんで聴いてもらいたいなと思います」


ちぺ(vo&g)は可愛い声から力強い/儚い/切ないと
どんな感情にも寄り添えるのが強み

ーーちぺさんのボーカルに関してはどういうところを重視していますか?

レニア「僕としてはちぺは可愛い声から力強い、儚い、切ないっていう感情の表現を声色に全部のせれるっていうのが強みで、どんな感情にも寄り添えるっていうのは本当に素晴らしい才能だなって思ってるんで。そこはやっぱ強いですよね。そういう部分に惹かれてライブに来てくれてる方も多いのかなと」

ーーけっこうスピード感がある曲もあるし、変化が多い構成だったりするから、歌うのが難しそうです。

ちぺ「難しいですね。スピードが早い曲は口も早く動かさなきゃいけないし、語尾こだわってるとすぐ次に行っちゃうし、難しいところもあります。だけど、早い曲でしかできない歌い回しとかもあるので、そういうところで見せ場を作っていこうかなと思ってますね」

ーーちぺさんご自身で意識してることは?

ちぺ「意識してることは、歌って声色とか、もちろん表情も大事ですけど、やっぱり声のトーンとか語尾のかすれ方とか、そういう音だけで楽しそう、悲しそうとかを伝えなくてはいけないので、どうやったらそこに感情をのせられるかっていうのは研究しているし、レコーディングの時もレニアがディレクションしてくれて、"ここはもっとこういう感情をのせてほしい"とかオーダーしてくれるので、それをいっぱい考えながらライブでも出すっていう風に心がけています」

ーーなるほどね。

ちぺ「でも、長く一緒にやってくると、こういう曲ではあえて感情を隠して、楽しそうに歌っててほしいだろうなとか。でも後半になったら、その隠してた感情を少し見せたくなってくるんだろうなとか。自分の中でレニアの考えてることがわかってきて、"そうそうそういうのがやりたかったんだよね"って言ってくれる時もあるので。付き合いが長くなると、わかってくるんだなって。私も兄弟の仲間になってます(笑)」


ずっとライブを待ってくれていたみんなに
感謝を伝えられるようなツアーに


ーー現在は初の対バンツアー中ですが、どんなライブをしていきたいと思って始めましたか。

レニア「元々TikTokを始めたのがコロナ禍で、ライブが全くできない時だったんですけど、TikTokのコメント欄で全国各地の方からいつかライブで来てくださいっていうコメントをもらったのがすごく嬉しくて。いつか遠征してツアーとかやりたいねって言っていたので、今までずっとライブを待ってくれていたみんなに、その感謝を伝えられるようなツアーにしようと思って始めました」

ーー対バン相手はどうやって選んでるんですか?

レニア「自分たちが好きなバンドですね。大阪のレトロマイガール!!も元々自分たちも聴いていて、ライブも見させてもらってたので、今回対バンでやれるのが本当に嬉しいです。(レトロマイガール!!は)3人だけでやっているバンドサウンドに厚みがあって音が深いんですよね。ボーカルの声がとにかく通るから、初見でも絶対に心に響く歌だなって。そんなレトロマイガール!!のライブに惹かれてたので、一緒にできるのが嬉しいです。もうめっちゃおすすめのバンドです」

ちぺ「本当にまっすぐに届けてくれる感じが魅力的」


ーーメリクレットのセトリは今回の『1ヨクトの眠り姫』からの曲が中心に?

レニア「そうですね、アルバムを引っさげてのツアーなので。アルバムの曲をメインでやります。それに今回は対バンツアーだからこそできることがあると思うので、プレミアムなその日にしか味わえない音楽を楽しんでほしいです」


Text by エイミー野中




(2026年2月26日更新)


Release

1st mini album『1ヨクトの眠り姫』

2026年2月4日 Release
MLKRT-001 2,500円(税込)

タワーレコード限定購入者特典:
JKステッカー(メンバー楽曲解説ラジオ付き)

▼『1ヨクトの眠り姫』配信URL
https://melikret.lnk.to/SleepingBeautyof1yocto

▼『1ヨクトの眠り姫』アルバム購入URL
https://melikret.lnk.to/1stminialbum

Live

メリクレット対バンツアー2026『夢五夜、雪のほとり』

2月11日(水・祝) [東京]代官山UNIT w/帰りの会
2月15日(日) [福岡]福岡Op’s w/みゆな
2月28日(土) [愛知]名古屋ell.FITS ALL w/POP ART TOWN

PICK UP!!

【大阪公演】

▼3月1日(日) 18:00
LIVE SQUARE 2nd LINE
スタンディング-3800円(ドリンク代別途要)
[ゲスト]レトロマイガール!!
※小学生以上有料、未就学児童は入場不可。
[問]キョードーインフォメーション■0570-200-888

3月7日(土) [北海道]札幌cube garden w/First Love is Never Returned

チケット情報はこちら


Profile

めりくれっと…ちぺ(vo&g)、斗輝(読み:とき b)、レニア(g) ※Meg(drs)は活動休止中

「涙伝う日常に、奏でる藍の逆さ傘を。」をコンセプトに活動する、 北海道札幌市発男女混合4ピースオルタナティブロックバンド。
小説×音楽のコラボ企画「オトトモジ」シリーズ第一弾『意味が分かる と怖い話』(河出書房新社)で 藤白圭コラボ曲「by yθur side」リリースするなど、ボカロPをしていたレニアを筆頭に多ジャンルの楽曲を制作する。
2025年4月からAIR-G’ FM 北海道「FM ROCK KIDS」のパーソナリティを4月から9月まで担当。 さらに4月にリリースした「サテライトスタジオ」はAIR-G‘ FM「POWER PLAY」、STVラジオ「今月の推薦曲」、HBCラジオ「5月の推薦曲」にも選出された。
同年5月9日には札幌cube gardenにて2ndワンマンライブを開催し、8月9日にはSpotify O-WESTにて自身最大規模となる初東京ワンマンライブを開催。 さらに「JOIN ALIVE 2025」「イナズマロックフェス 2025」など大型フェスにも初出演を飾る。 その他「見放題大阪2025」「TOKYO CALLING」など道外のサーキット、イベントにも多数出演。
2026年には東名阪札福をまわる初の対バンツアーを開催中。今後の活動にも大注目のバンド。

オフィシャルサイト
https://melikret.lnk.to/melikret