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20周年を迎え、自身のアイデンティティをテーマに
韓国語と日本語で歌う『意味』
3月1日にはZepp Nambaで20th Anniversary LIVE
『NEW PAGE』開催。Kインタビュー

2025年にデビュー20周年を迎えた韓国ソウル出身のシンガーソングライター、K。1stアルバム『Beyond the Sea』は30万枚超のヒットを記録してアジアの男性アーティストとしては史上初のアルバムTOP3入り。さらに、2009年には外国籍としては史上初となる全国 47 都道府県弾き語りツアーを完走。その後もミュージカルやNHK『ハングルッ!ナビ』のMCなど活躍の幅を広げてきた。昨年11月には韓国語と日本語で歌う20周年イヤー第三弾シングル『意味』をリリース。そして今年、20周年の締めとしてZepp Nambaで開催される【20th Anniversary LIVE 『NEW PAGE』】が3月1日(日)に控えている。今回ぴあ関西版WEBではKにリモートインタビューを実施。「こういう曲を書くことが自分の運命だった」と話す『意味』に込められた思いとは? 自身のアイデンティティに触れ、“生きる意味”を考えたという思慮深い話しぶりに引き込まれていった。

ハングルで考える自分と日本語で考える自分がいて
そのふたりが"生きる意味"を語り合う


――デビュー20周年おめでとうございます。アニバーサリー・ツアーも活発に行われてきて、季節ごとにニューシングルもリリースされてきましたが、このアイデアはどういったところから生まれたのでしょうか。

「今までのツアーですと、先に楽曲があって、アルバムを出して、その作品のタイトルでツアーを回るという感じでしたが、今回は逆で、1年通してツアーをやりたいというプランを先に立てたんです。それで、普通のツアーのタイトルでは面白くないから、弾けるような『SPRING OUT!!!』とか、『Summer Breeze』っていう本当に風が吹いてくるようなライブをしたいなと。『Fall in Love!』とか『Winter Wonderland!』も曲名っぽくしようっていうところが先でした。そこから、せっかくだからそういう曲を作ってみようかなっていうような発想になっていったんです」

――そんなツアーの中でどんなことを実感されましたか。

「これまでに47都道府県ツアーを2回やらせてもらいましたが、それ以来10年ぶりくらいに行った場所もあったりしまして。"10年ぶりにライブに来ました"、"やっと来てくれてありがとう"っていう人も結構多かったので、ライブをやって良かったなと思いましたね。その10年間で環境が変化したり、お子さんが大きくなった人もいたりして、そういうお手紙をいただいたりもしました。自分もいろいろ変化してきているので、きっとファンの皆さんもいろいろな変化を経て今に至っているんだろうなって思いましたね」

――20年の間にいろんな事情でライブに行けなくなった方もいたでしょうし、Kさんの歌声を改めて生で聴いて、最初に聴いた時の感動が蘇ってきたのでは。

「そうですね。そういうのを考えると、やっぱ続けることって大事だなと思いますし、何よりも続けていけることがありがたいって思いますね」

――20周年イヤー第三弾シングルとなる『意味』はタイトルから目を引きます。この曲を書こうと思ったきっかけがあれば教えていただきたいです。

「20周年っていうのもあるんですけど、韓国で生まれ育って20年、日本に来て21、2年くらいになりますが、音楽キャリアとしても人間としてもちょっと特殊な人生を歩んできたような気がしていて。そういう、ちょっと変わった自分のアイデンティティを曲にしたいっていうのはずっと思っていたんです。ただハングルを入れて、(韓国語と日本語の)言葉を混ぜればいいかというと、それはちょっと違う気がしていて。この曲のメロディーは元々書いていて、ずっと前からあったんですけど。(歌詞において)どういう曲を書こうかなって、スタッフと話している時にアイデンティティの話になって。まずタイトルから決めたんです」

――そうなんですね。

「まず日本語とハングルで同じ漢字を使っている言葉をネットで調べてみたんですよ。そしたらその中に"意味"っていうのがあって。その言葉にビビッと来まして。すぐに歌詞を書き始めたんです。日本で過ごした自分と韓国で過ごした自分がいて、人格がふたつあるっていうか、ハングルで考える自分と日本語で考える自分がいて。その2人が会話をするっていうのは面白いかもなと思ったんですよね。結局、両方とも自分なんですけど。そのふたりが"生きる意味"を語り合ったら面白いかなっていう発想から書いていきました」

――なるほど。実は私もこの曲を聴いて、これはもしかして、韓国語と日本語の両方を話せるKさんご自身が心の中で会話するように書かれたのかなと思っていましたが、まさにそういうことだったんですね。

「そうです。情緒不安定な人の話(笑)」

――いえいえ、確かにこれはKさんじゃないと書けない歌詞ですよね。

「これを書いて、ライブで歌わせてもらったり、友達に聴いてもらったりしたんですけど、自分の母国語以外の言葉がわからなかったのがとてもよかったっていう感想をいただくことが多くて。そこは意図してなかったんですけど、よかったなと思いますね」

――確かに、韓国語と日本語で会話をしてるような設定もそうですし、すごく新鮮に聴こえてきました。

「ありがとうございます」

――シンガーソングライターとして日本で20年活動してきた今のKさんだからこそ生まれた一曲ですね。

「そうかもしれないですね。デビュー当時は韓国語を使いたくないと思っていたわけじゃないんですけど、日本語で勝負したいというのがあったので。(韓国語で歌うことは)なるべく控えていた部分もあったんですけど。今となったら、日本で過ごした年数の方が長くなっているので、逆にいいのかなと思って」

――言語が違えば簡単には理解し合えないこともあると思いますし、いろんな人に聞いてほしい曲だなと思いました。

「嬉しいですね。デビュー当時に"どういうアーティストになりたいですか?"みたいなことをよくインタビューで聞かれていて、当時は"韓国と日本の架け橋みたいな存在になりたいです"と答えていたんですよ。とはいえ、具体的なプランも無かったんですけど、今となったら、こういう曲を書くことが自分の運命だったのかもしれないですし、もしかしたらそれが後々架け橋になるのかっていう思いもあります。いろんな方に聴いてもらいたいです」

――この歌詞から浮かび上がる人物像は何かに絶望していたり行き詰まったりして生きる意味を見失っていて、またそこから生きる意味を探し出そうとしているように思います。Kさん自身、こうした体験をしたことは?

「どうなんだろう...、もしあったとしても、僕はあまり人に言わないタイプなんです。けっこうポジティブなので、良かった記憶しか残らないんですよ(笑)。良くないことも時間が経つとちょっとネタになったらいいなっていうぐらいに思っちゃうタイプなんで」

――ちなみに、"生きる意味"についてKさんご自身は何か答えを見出しましたか?

「その曲を書いている時にその答えが出たらいいなって思って書き始めたんですけど、結局答えが出なかったんですよ。ただ、答えが出なかったことが答えかもなと思って...。生きる意味の答えを探す時点で、ちょっとナンセンスだなと思ったんですよね。だからきっと皆さんも生きる意味を色々探しているかもしれないけれど、探すことが正解であって、その意味自体には正解も不正解もないのかなって、今回この曲書きながらわかったことかもしれないです」



言葉を生かしたてなるべくシンプルに
壮大でドラマチックな展開がない自然なアレンジで


――切なさと優しさが溶け合うKさんの歌声も胸に沁みてきます。歌う時に何か意識されたことは?

「ちょっと専門的な話になっちゃうんですけど。日本語と韓国語は発音も違いますし、並べた時に声の大きさも違うんですよ。日本語の方が少しマイルドですが、韓国語は破裂するような発音が多いので、自分の声帯をコントロールして、ちゃんとバランスが取れるようにレコーディングの時もすごく気を付けながら歌っていました」

――それで両方の言語が自然に会話するようにスムーズに聴こえてくるんですね。

「そうですね。最初何も考えずにレコーディングしていた時に、言葉が違う2人が話す設定ではあるんですけど、(韓国語と日本語で歌うパートが)ボリュームもキャラクターも違い過ぎていて。機材やマイクをいじったりして試行錯誤したんですけど、結局自分の中の発音の仕方っていうのが1番の原因だったっていうのがわかりました」

――とても興味深いです。

「この話はあんまり他でしたことがないんですが、音楽ってそういうことに気づいてもらわなくてもいいような気もするし、なにか感じるだけでもいいと思います。でも、そこに気づいてくださって、すごく嬉しいです」

――Kさんのお話を聞いいて、本当に長く歌い続けてほしいなとより強く思いました。

「ありがとうございます」

――サウンド面において意識したことは?

「やっぱり言葉を活かしたくて、なるべくシンプルにしたいなと。だから、コーラスも入れてないし、壮大でドラマチックな展開もいらないなと。本当に自然なアレンジにしたいと思っていました」

――この曲ができて、割とすぐにライブで歌ってこられたんですか?

「普段の楽曲はリリース後にライブで歌うことが多いんですけど。これは確か、7月の長野のライブの2日前に曲と歌詞ができて、"新曲できたのでちょっと歌ってみていいですか"って言って、ライブで急に歌い出して、それからずっと歌っていますね」



自由度が高い遊び心満載のライブ
その日の気分でセッションしたりする


――20周年ツアーのファイナルが3月1日(日)に大阪のZepp Nambaで開催されます。セットリストは会場によって違うんですね。

「会場によって結構変えてきました。だから3月1日ももちろんセットリストは変えると思いますし。僕のライブってかっちり決めていかずに割と自由度が高いので、初めてご覧になる方も見やすいと思います。その日の気分でちょっとセッションみたいにやるところも多いので。そういう音楽の変化も見どころですし、いつも遊び心が満載のライブになります。特に大阪はめちゃめちゃ盛り上がるんじゃないかなと思います。大阪でラジオ番組をやらせてもらってるんで。お客さんから声も飛んでくるし、普通に話しかけてくる(笑)」

――『NEW PAGE』とタイトルされているということは、ここから新しいフェーズに入っていくようなライブになりますか?

「そうですね。20周年は3月1日で終わるので、また何か違うエンジンを積んで走り出す計画をしたいなって思います」

――楽しみですね。では、最後にお客様やファンの方に向けてメッセージをお願いします。

「20周年イヤーは、今まで自分がどういう仕事をしてきて、どういう人と出会ったんだろうって、じっくり考える時間が非常に多い1年でした。20年間、同じことを続ける難しさもありますし、大変さもあるんですけど、やっぱりファンの皆さんのサポートがあってこそで、改めてありがたいなと実感しました。これからも、ライブでもっともっと恩返ししていきたいし、もっと成長していく姿を見せたい気持ちもあります。そのスタートとなるのが3月1日だと思いますので、ぜひライブに来てもらいたいです。初期の頃はライブに行っていたけど、ここ最近はなかなか行けてないっていう方も結構いらっしゃると思います。そういう方にもこの20年間の変化を楽しんでもらいたいですし、久々の方も大歓迎なので。ぜひ遊びに来てもらいたいです」

Text by エイミー野中




(2026年2月17日更新)


Profile

けい…韓国・ソウル出身のシンガーソングライター。2005年3月TBSドラマ「H2」の主題歌『over…』でデビュー。同年11月CXドラマ「1リットルの涙」の主題歌『Only Human』が大ヒット。同ドラマの挿入歌であるレミオロメンの『粉雪』も大ヒットし、ドラマの主題歌、挿入歌が連続同時TOP10入り記録歴代1位となる。その後リリースした1stアルバム『Beyond the Sea』はアルバムチャート最高位2位、30万枚超のヒットを記録。このアルバムでアジアの男性アーティストとしては史上初のアルバムTOP3入りを果たした。2008年にブロードウェイミュージカル「RENT」にロジャー役として出演。2009年、外国籍としては史上初となる全国 47 都道府県を制覇した弾き語りツアー「K style~timeless night~」など、圧倒的なライブパフォーマンスで高い支持を集める。2010年11月30日にはデビュー5周年を記念して、自身初となる日本武道館公演を成功させる。2015年、デビュー10周年記念企画として毎回スペシャルゲストを迎えたアコースティックライブ「“K”olors」を全10公演(TRICERATOPS、KAN、藤巻亮太、浜崎貴司、風味堂、宮田和弥、GAKU-MC、押尾コータロー、尾崎裕哉、中田裕二)を行う。2023、2024年にはミュージカル『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』にDuke役として出演。2025年にデビュー20周年を迎え、『K 20th Anniversary』ツアーを開催。圧倒的なライブパフォーマンスで高い支持を集め、ライブ以外にもMCやラジオDJ、ナレーターなど幅広く活動している。

K オフィシャルサイト
https://k-official.jp/


Live

20th Anniversary LIVE
「NEW PAGE」

チケット発売中 Pコード:315-059
▼3月1日(日) 16:00
Zepp Namba(OSAKA)
スタンダード席-8800円(ドリンク代別途要)
※5歳未満入場不可。
※販売期間中はインターネット販売のみ。1人4枚まで。チケットの発券は、2/15(日)朝10:00以降となります。
[問]キョードーインフォメーション
■0570-200-888

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