ホーム > インタビュー&レポート > 【第4回】『Hyper Luv Pop 2026』直前対談企画 水平線 ×『Hyper Luv Pop 2026』主催 / Live House Pangea・住田悠真さん
水平線と住田さんの、気の置けない関係
――水平線と住田さんとの出会いはいつでしたか?
住田「出会いは覚えてないな......」
安東「俺は覚えてる。まだ住田がPangeaで働いてないとき、『calm』っていうイベントやってたやん。あれをやってるのが住田っていう情報は知ってて。で、(実際に話したのは)多分、打ち上げ後のもつ鍋屋の前かなんかで"住田です"みたいな」
住田「えー!全然覚えてない」
安東「とりあえず、もつ鍋屋の前やった。そこで、"今日すげえ良かったんで、また呼ばせてください"みたいな」
住田「そしたら多分、Pangeaではもう働いてると思う。Pangeaで働き始めてからめっちゃもつ鍋行くようになったから」
――もつ鍋が基準なんですね......(笑)
住田「正直、水平線は最初の出会い方は覚えてないな。気付いたらもうPangeaに馴染んでた。音楽的にも人間的にも相性が良すぎて。でも、俺が初めて水平線を誘って出てくれたのは、8回目の『Luv Pop』(住田さんがPangeaで企画しているイベント)で、sickufo、水平線、Qoodow、サブマリン、Lazy zuzuに出てもらった回」
水野「3回目の『Luv Pop』は、あじま(水平線・田嶋太一さんと安東さんによるユニット)で出てるよ」
安東「あ、そうそう、3回目のときにあじまで出てんねん」
――安東さん、水野さんから見て、住田さんがブッキングするイベントに対して、どのような印象があるかっていうことを聞いてみたくて。
水野「住田のブッキングは、関西に限らずアンテナ張ってるし、オーバーグラウンドとアンダーグラウンドの境目があまりない印象があって。ANIMA店長のりえさんと前に会ったときに、"住田経由で知ったバンドがすごく多くて、水平線もその一つや"みたいなことをおっしゃられてて。ジャンルやシーン、関係性を汲んだパターンでブッキングを組んでる中でも、ただそのパターンに縛られるわけじゃなくて、イベントとして見たときに新たなシナジーとか流れを作るのが上手いんだなと思う」
住田「そういうのが分かりやすい感じで組むようにはしてるかも」
水野「住田は『Sweet Potion』とか『THE WORLD IS YOURS』とか、普段から大きめのイベントもけっこう組んでて。"Pangea・ANIMAのシーン"みたいなのを醸成する一つの役割をしてるんやろな、みたいな見え方はしてますね」
安東「住田しかできひん!」
住田「ありがとうございます!」

――安東さんはどうですか?
安東「なんかちょっと被っちゃうかもしれないですけど......。住田のイベントは、めっちゃオルタナなときとか、逆にちょっとポップなときとか、色々と軸があって。で、基本はその軸でやりつつも、ちょいちょい交わらせてくるみたいなイメージ。それこそ、この『Hyper Luv Pop』もそうやと思うんやけど、絶妙な輪っかの重なりみたいなのでバンド同士を出会わせて、またいろんな要素を生み出して、イベントに足していくというか。出演するバンドも色んな音楽を知れるみたいな、そういう組み方を住田はしてくれるなっていう印象です」
――逆に住田さんは、"このバンドはあのバンドと出会ってほしいから"みたいな視点でブッキングされることってあるんですか?
住田「水平線はそのパターン多いかも。水平線と最近(Pangeaで)対バンしたリュックと添い寝ごはんとか、レトロマイガール!!とかもそんな感じ。水平線ってアーティストライクなバンドやから、対バン相手も水平線好きみたいな人が多いし、まだまだいっぱいいると思う。あと、水平線は自分たちで(バンドにとっての)次に繋げてくれるから、気付いたら企画呼んでる。水平線は特にそれが強いかな。人間がいいから」
――水平線が住田さんの愛を感じた瞬間ってありますか?
安東「どのバンドに対してもそうかもしれへんけど、今の水平線はこのいうのがいいんじゃないかみたいな、段階によってブッキングするアーティストを見つけてくれるというか。今の水平線は、このバンドとも合うんじゃないかみたいな感じでブッキングしてくれるっていうのは、すごく考えてくれてるなとはめちゃめちゃ思います。あと、タイミングもよく見てくれてる。ツアーあるし、そのへんでこういうふうに出といた方がいいじゃん、みたいなこととかもけっこうあるから」
住田「バンドへのメリットやタイミングとかも色々考えないと。バンドが本気でやってるのに、こっちも本気で考えないと失礼だし。だから、当たり前のことだと思ってるよ」
安東「ブッキングって日を埋めるっていうのも大事やと思ってて、水平線じゃなくても正味良かったりするわけやん」
住田「けど俺は水平線に出てほしいし、みんなに対して"このバンドに出てほしい"、"出続けてほしい"って思ってる。売れたから出ませんとかは絶対嫌やし、ずっと関係を続けていきたいから。じゃあそれ相応のことは考えないとダメだよねと思って」
水野「住田の愛を感じるところ、もう一個だけ言っていいですか?ライブ終わりどころか、ライブ始まる前にもつ鍋に誘われることです」
安東・住田「(笑)」
水野「"今日もつ行く?"って聞いてくれる」
住田「最近行けへんやん(笑)」
安東「しょうがないよ(笑)。行きたくないわけじゃない」
水野「もはや行きたいまである。次の日がどうしても予定入ってることが多くてね」
安東「"今日は行けへんなー。住田が泣くやろなー"って行きの車で言いながら行ってるから(笑)」
――お互いのことを誇らしくなった瞬間ってありますか?
住田「水平線の規模感が上がっていってて嬉しい」
水野「住田には、けっこう前から見てもらっとるもんね」
住田「Pangeaに毎週出てくれてたときと比べたら、全然人気になってるし。『バズリズム』に取り上げられてたのもめちゃくちゃ嬉しかったし。あと、次のツアーのフライヤーを作らせてもらったのは嬉しいな。何かしらの形で携われてるのはめっちゃ嬉しい。会場がPangeaやANIMAじゃなくても」
水野「それこそ昨年末Pangeaに出たときに、水平線のライブを観に来てたお客さんが住田にありがとうを述べていくみたいなことあった。(お客さんたちは)フライヤーを作ったのが住田っていうのを知ってるし、多分ライブによく来てる人は住田がPangeaで水平線をよく呼んでる人っていうのも分かってるから」
水平線の背中
――『Hyper Luv Pop』について、他のサーキットイベントとは違うなと感じる点ってありますか?
安東「ジャンルの交わりっていうか、住田の中にある軸が交わるイベントの一つやと思ってる。どうしてもサーキットってなると、一つのジャンルに全振りみたいな感じで固めたりせざるをえないこともあるのかなって。でも『Hyper Luv Pop』はそうじゃなくて、"え、この人らも出るんや!"みたいな感じの混ぜ方がすごく絶妙でいいなと思う」
水野「これも近しい話やねんけど、出演者視点では知ってるけど一緒にやったことない人とかが意外と出てて。それこそ多分、 『Hyper Luv Pop 2024』が終わった後に、NagakumoとSubway(Subway Daydream)と"初めまして〜"ってした。ライブ終わってANIMAで乾杯してほとんどの人が帰ったあと、Subway、Nagakumo、水平線だけ残ってて、3組で喋ってたんですよ。そこであんちゃん(安東さん)が、Subwayの双子兄弟(藤島裕斗さん・雅斗さん)と誕生日が近くて、たまちゃん(Subway Daydream・たまみさん)は一緒で、"三兄弟じゃん!"って言って盛り上がったりとか(笑)」
安東「盛り上がった!それがきっかけになって、ツアーで両方誘った」
水野「(『Hyper Luv Pop』は)関係性はあるけどジャンルが遠くてあんまり会えへん人とかとの出会いや、久しぶりの再会みたいなやつもあったりとかするから、出て楽しいイメージがあるね」
――今回の『Hyper Luv Pop』のブッキングを見てみて、住田さんらしいなと感じた部分や意外だった部分はありますか?
安東「ゴリラ祭ーズがすごい意外やなって思った」
住田「あ、そうなん?」
安東「Pangeaに出てるイメージがあんまりないのもあって、住田とはそんなに俺の中で結びついてなくて」
住田「『CTマラソン』(HOLIDAY! RECORDS・Pangea共催サーキットイベント『COME TOGETHER MARATHON』)で観てめっちゃよくて。その前にも観てたんやけど、そのときの印象はSAKEROCKみたいな感じだった。でも『CTマラソン』のときは、エクスペリメンタルっぽい感じっていうか、なんか尖ってるように見えた。そこがめっちゃ良くて」
水野「あんちゃんと割と近いんだけど、特に今年は(自分たちと)繋がりなさそうな人が多かった気がしたというか。会場が増えたからそういう出演者も増えてるのかなと思うけど、ちょっとアンダーグラウンドっぽいバンドも増えた。今までも入ってたとは思うんやけど」
住田「今年は会場増やすって決めてたから、ブッキングもけっこう幅広げないとなって」
水野「今年はよりオムニバス感あるなあって感じ」
住田「だけど、『Hyper Luv Pop』はショーケースな感じにはしたくないから、それをどこでバランス取ろうかなみたいなのけっこう考えたかもな。大阪では誰もやってないものにしたいっていうのはずっと思ってる」
水野「東京でいうと、下北じゃなくて、渋谷とか新宿とかでやってそうな雰囲気がある」
住田「幅が広いから、見る人によって全然印象が変わると思う」
――住田さんが『Hyper Luv Pop』で水平線に期待することをお聞きしたいです。
住田「でかい背中」
安東・水野「おお(笑)」
住田「後輩と呼べるバンドも増えたしね」
――コロブチカやオートコードといった、水平線よりも少し下の世代が増えましたね。
住田「反省したんですよ(笑)。去年までの(『Hyper Luv Pop』の)ブッキングで、関西の若手を誘ってなさすぎと思って。あと最近思うのは、けっこうバンドマンがお客さんとして来てくれるから、そういう子に水平線が大きな背中を見せてくれたら嬉しいなと思います」
――それに関連して、いつもの水平線の保ち方について少しお話を聞いてみたくて。やっぱり水平線に憧れてる後輩バンドってたくさんいて、"バンドとして水平線みたいな形や雰囲気が理想なんよな"っていうバンドマンたちの声も度々聞きます。バンドをやっていると色々なことがあると思うのですが、その中でも"水平線的平常心"を保つために意識していることがあれば教えてください。
水野「みんなが、いいときの水平線を見てるだけじゃない?(笑)」
安東「そうね。でも、少なくともステージ上では俺らの迷いが伝わってないっていうことか。迷わずにやるべきやと思ってるから」
水野「多分、昨年出たライブのステージ的には、サマソニ(『SUMMER SONIC』)がいちばん大きかったと思うけど......。規模感やステージの大きさでやることが変わるってことはない。個人的には、時間が少しありそうなときにSNSをチェックしてみたりとか、面白いからリハ中の写真とか撮ってSNSに上げてみたりとかも、何も変わりなくやってみてる」
安東「平常心という点でいうと、田嶋がずっとソワソワしてるから平常ではないかも(笑)。でも、どのライブでも平常じゃないから、やっていくうちにそれがリズムになっていくというか」
住田「それは、若手が"水平線っていつも水平線であってほしい"っていう理想込みで言ってるのかもな。学生のバンドとかも含めて、"水平線って、落ち着いてて大人でどっしり構えててほしい"って、多分みんな思ってるよ」
水野「あと、ミーティングは毎週してる。大きく見て"今こうした方がいい"みたいなポイントがあって。ブレはするけど、そこには全員向かうから、意思は一旦統一される。そこ行って駄目でしたってなっても、またみんなで元に戻ってくるだけやから。ちょっと違うかもって思っても一旦やってみる、みたいなのはあるかな。バンドの足並み揃えて」
安東「そうね。失敗した方がいいもん」
サーキットへの挑み方
――水平線として、サーキットイベントに出演するときに意識していることってありますか?
住田「セットリストは何か意識して書いたりする?」
安東「時期によってベストなセットリストがあるけど......。サーキットでは、いちばん"これが水平線です!"って言えるような感じで考えることが多い。水平線を初めて観る人が基本的に多いと思ってるから、水平線ってどんなバンドなのかっていうのを分かってもらえるように、こちらが提示するみたいなのを意識してるかな。そのときの名刺みたいな感じで。"これが今の水平線です!"っていう感じ」
水野「そうね。ここ1年くらいは、水平線を知ってる人も(曲間の)繋ぎとかで楽しめるようにしてみたりね」
安東「そう。曲の始め方や繋ぎを変えてみたりして、ずっと観てくれてる人に"今日はここが違ってよかった"って思ってもらえるような工夫はしつつも、全体のセットリストはやっぱり名刺みたいな曲でやろうっていう」
――住田さんから見て、サーキットの中に置かれたときの水平線に対してはどう思われますか?
住田「いつものままといえばいつもまま。最近の水平線はステージにお立ち台を置いたりし始めてるし、今の状況に合わせてちょっとずついろいろ試してるんだろうなっていうのはずっと感じるから......。サーキットで何かがめっちゃ変わったっていうのはそんなに感じないけど、常にそのときの答えをずっと手探りで探してるみたいな感じがするかな。で、その都度見つけた答えを提示していっているっていうような感じ。それはある意味、イベントへのリスペクトやから。リスペクトがないと、そういうとこに至れへんとは思う。水平線は、このイベントはこういうイベントで、誰が出てて、多分どういう日になるっていうのを汲み取ってライブしてるし、ライブを一つひとつ大事にしてる感じがする。質問とはちょっとずれちゃうかもしれないですけど、そう思うかな」
――サーキットって、どうしても他の会場も同時にやってたりするから、人が離れちゃったりすることがあるわけじゃないですか。それに対して、何か考えていらっしゃることってありますか?
安東「ちょうど今年か去年ぐらいから考え始めて」
住田「そうなんや」
安東「うん。間の取り方とか」
水野「MCとかでね」
安東「そうそうそう。曲間の静寂やMCのあいだがやっぱり離れやすいタイミングではある。そこをどう離れずに聞いてもらえるかみたいなのは考えてはいますね。MCが上手い下手はどっちでもいいんやけど、そこもちゃんと観られるものじゃないとみたいなのは意識として持ち始めてる」

水野「あと個人的には、サーキットは観る側としても楽しむ!」
安東「昨年、最初の方からいたんやろ?」
水野「そう。Nagamuko(昨年の一番手)のリハ終わりには」
安東「早すぎる!(笑)」
水野「先に一人でANIMA行って、リハ終わりのNagakumoと喋ってた。やっぱり、観た方が楽しいよ。お客さんの気持ちもわかるし。一緒に楽しむのが一番いいよなあって」
――最後に、ツアーの告知と『Hyper Luv Pop』への意気込みをお願いします!
安東「『Hyper Luv Pop』主催の住田が、フライヤーのデザインをしてくれました、『旅するロックンロールツアー2026』 が、この春開催されます!全国 6か所を回るツアーになっていまして、京都がワンマンで、仙台、愛知、福岡はツーマンですね。続きまして、渋谷 WWW、大阪のShangri-La。こちら 2つはワンマンの公演となってます。ぴあでもチケットが買えます。是非ともご来場ください。お待ちしてます!」
水野「ツアーに向けて、いいライブができるように頑張ります!」
取材・文/竹内咲良
(2026年2月24日更新)
【大阪公演】
▼2月28日(土) 12:00
ANIMA/Pangea/HOKAGE
前売-4500円(整理番号付、ドリンク代別途要)
[出演]インナージャーニー/オートコード/コロブチカ/水平線/ベランダ/Monomi twins/穴熊/宇宙ネコ子(ふたりセット)/開始/月野恵/Gill Snatch/CRAZY BLUES/Highvvater/hardnuts/Linen Frisco/ゴリラ祭ーズ/sickufo/天国注射/Hammer Head Shark/pavilion/ホーボー(工藤祐次郎×後藤大樹、サポートBa.藤原寛 (DOGADOGA))/MoritaSaki in the pool/リュベンス/iVy/aldo van eyck/Qoodow/SuU/Nagakumo/ハシリコミーズ/ムノーノモーゼス
※11:30~ANIMAにてリストバンド交換。Subway Daydreamはメンバーの体調不良に伴う休養のため出演キャンセルとなりました。また、今回のキャンセルによる払い戻しはございません。
[問]LIVE HOUSE Pangea■06-4708-0061
【京都公演】
▼4月3日(金) Live House nano
※ワンマン公演
【仙台公演】
▼4月12日(日) LIVE HOUSE enn 2nd
[ゲスト]有
【愛知公演】
▼4月18日(土) CLUB UPSET
[ゲスト]有
【福岡公演】
▼4月25日(土) LIVE HOUSE OP's
[ゲスト]有
【東京公演】
▼5月8日(金) 渋谷WWW
※ワンマン公演
【大阪公演】
▼5月15日(金)【大阪】梅田シャングリラ
※ワンマン公演
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