ホーム > インタビュー&レポート > 【第3回】『Hyper Luv Pop 2026』直前対談企画 月野恵さん ×『Hyper Luv Pop 2026』主催 / Live House Pangea・住田悠真さん
意外な音楽ルーツと、純粋なリスナー感覚
――最初は、月野さんご自身のことについて伺っていきたいと思うのですが......。楽器は小さなころからずっと慣れ親しんでこられましたか?
月野「中学のあいだにピアノのレッスンに通っていたのと、吹奏楽部でアルトサックスを吹いてたんですけど、両方を1、2年ぐらいでやめてしまって。基礎くらいしかできない状態でやめたので、そんなに慣れ親しみはしてないかなと」
――ギターを持ち始めたのはいつごろですか?
月野「中学3年生の1月あたりかな。なので、2年半くらい経ちますね」
住田「ギターのフレーズは自分で作ってるんですか?」
月野「そうです」
――自分で音楽を作ろうと思ったきっかけは何かありましたか?
月野「私、月に3、4回ライブハウスに通ってたんですけど、そこでHue'sっていうバンドにめっちゃ衝撃食らって」
住田「え!嬉しい」
月野「Hue's、雪国、kurayamisakaの3組と出会って、"自分が見えている世界をこんな綺麗に表現できるんや"ってびっくりして、自分も音楽を作る側の人間になってみたいと思って作り始めました」
――普段から聴いている音楽も、バンドが多いですか?
月野「バンドが多いです」
住田「月野さんは、これからバンドやろうって感じなんですか?」
月野「そうですね、バンドがしたくて。とりあえず高校生のあいだは曲を作ってみようかなと思ってたら、思いがけずソロで伸びてしまったみたいな」
住田「えー、そうなんや。京さん(雪国)は、ネットで知り合ったんですか?」
月野「そうなんです。ライブハウスとかで元々繋がってたというわけではなくて。雪国や京さんの曲のカバーをTikTokに載せたら、それが本人に見つかって、そこから繋がりができました」
住田「ピアノって今もできるんですか?」
月野「できないです。でも、またピアノ始めたいなとは思ってます」
住田「そういう人の音楽のルーツにHue'sが入ってくるのがめっちゃ嬉しいですね。ちょっと意外」
月野「めっちゃ大好きなんです。日々観るくらい」
住田「僕も(Hue'sとは)昔から仲良くて。月野さんのXのメディア欄見てたら、"めっちゃHue's好きやん!"ってなって(笑)」
月野「そうなんですよ」
住田「このあいだ、ギターの大島旭くんに会ったから"月野恵さんって知ってます?"って聞いてみたら、"よくライブ来てくれる子ね!"って言ってた」
月野「え!認知されてる!嬉しい」
――月野さんが、小さなころから長いあいだ聴いて育ったなって感じているような音楽ってありますか?
月野「クラシックを幼稚園のころからすごく聴いてて」
住田「親御さんの影響?」
月野「そうです。親はクラシックとかオーケストラが好きだったので、そのCDを日替わりで選んで寝る前に流したりしてたんですけど......。小・中学校のころは、ディズニープリンセスの音楽とか、英語の歌ばっかり聴いてました。中3になって初めて日本の音楽に触れました」
――日本の音楽を聴くようになったきっかけって何だったんですか?
住田「おー!」
月野「当時流行っていたクリープハイプにちょっと触れてから、日本の音楽に興味が湧いて。andymoriめっちゃ聴いてましたし、銀杏BOYZもめっちゃ好きですし」
住田「そこから、どうやって雪国とかHue'sを好きになったんですか?」
月野「高校1年生のとき、学校に行ってない時期があって、本当に音楽しか聴いてない日がずっと続いてるなかで偶然。めっちゃ仲良かったネッ友(ネット友達)が"Hue'sが良くて"みたいなことを言っていて、興味本位で聴いてみたら"わあ、いいな"ってなりました」
――人生の中で印象的な音楽といえば、曲名も具体的に思い浮かんだりします?
月野「銀杏BOYZだったら、『青春時代』と『東京』がすごい好きです。前に47都道府県ツアーに行ったんですけど、そこでアンコールで『東京』を弾いてて、それがめっちゃ印象的で」
住田「andymoriで言うと、今回の『Hyper Luv Pop』でのホーボーのメンバー、ほとんどandymoriですよ」
月野「そうですよね。びっくりしました」
住田「工藤さん(工藤祐次郎)以外andymori」
月野「めっちゃ緊張してます」
――月野さんが憂鬱なときに聴く音楽ってあったりしますか?
月野「雪国ですね。CDでずっと再生しっぱなしで聴いてます。サブスクじゃなくて、プレーヤーで。すごく好きなアルバムは、CDで集めるっていう習慣があります。(1周あたりの時間が)長いアルバムが好きで。『pothos』は 1時間あるので、登下校するときにぴったり」
住田「自分の世界に入れるというか」
月野「私、電車移動が嫌いなんですけど、雪国、聴くとめっちゃ安心します」
――いいですね。お守りみたいな。
月野「そうなんですよね」
住田「君島大空さんも好きなんですよね?」
月野「めっちゃ好きです。けっこう影響受けてます」
――最近、出会えてめっちゃ嬉しかった音楽はありますか?
月野「YeYe」
住田「YeYe、めっちゃライブいいですよね!」
月野「あと、斉藤由貴さん。『卒業』は前から知ってたんですけど、初めて全体的に聴いたらすごい好きで、たくさん聴いてます」
住田「さっきから、意外な固有名詞がめっちゃ出てくる(笑)。すごいなあ」
――さっき、ライブにいっぱい行っていたっていう話をしてくださってたんですけど、場所はどのあたりに行ってますか?
月野「大阪が多いですね。あんまり遠征とかはしなくて、行っても京都とか」
住田「Pangea行ったことありますか?」
住田「聴いてる音楽が全部良すぎる」

創作のこと、これからのこと
――次は、月野さんご自身の曲のお話をしてみたいなと。曲を作るとき、例えば、すごく綿密に計画を練って曲を編んでいく感覚の人や、思いつくままに自由に書いていく感覚の人とか色々いらっしゃると思うんですけど、月野さんってどんな感じで書かれてますか?
月野「圧倒的に思いつくままですね。音楽理論とか全く知らないのと、曲ができるスピードがすごい遅くて。何か思い浮かんだときにフラッと作るって感じですかね」
――ふと思いついたことを、どこかに書き残したりしてるんですか?
月野「はい。『せまい宇宙』のジャケ写になっている本が、まさに私のすべてを記録しているんですけど......。散歩してるときふと見えた言葉に"これ歌詞に入れたい"って思えたら記録したり、コード進行ができたらそれを書き溜めたりしていくって感じ」
住田「いいですね」
――日記とはまた別みたいな感覚でしょうか?
月野「そうですね。自由帳みたいな感じです」
住田「曲を作るのに時間をかけるってことだったんですけど、『せまい宇宙』はどのぐらいかかったんですか?」
月野「初めて自分の曲を作ったのが去年の3月あたりからで、そこから作った曲を集めて作ったアルバムなので、半年くらい」
住田「歌詞も、等身大な感じがめっちゃ好き」
月野「ありがとうございます!」
――月野さんだけの世界を一方的に全て描いているってわけじゃなくて、余白がいい感じで残されてるから聴いていて心地いいのかなっていうのは思いますね。"聴き手の感情で聴こえ方が変わるような曲たちだな"と感じていて。
月野「曲の一人称を(曲ごとに定めずに)"僕"や "私"にしたり、あえて内容を曖昧にしたりして、その明確な場面を指定するんじゃなくて、聴く人によって受け入れ方が変わるようにするのは意識したかもしれないです」
――今後、一緒に演奏してみたいとか、会ってみたいアーティストっていますか?
月野「めっちゃ悩むんですけど......。一緒に歌いたいっていうよりかは、私が観たくて(笑)。最近でいちばん生で観たい人は、望月起市さん。使われるコード進行が、先が読めないけどしっくりくる感じがすごい好きで」
住田「それ(月野さんとの共演)、どこかで組みますよ!」
――ぜひ組んでください!それに関連して、逆に住田さんが月野さんに共演してみてほしいとか、この人と出会ったら面白いんじゃないかなって思うアーティストはいたりします?
住田「井上園子さんとかやってほしいですね。井上さん、去年観たアーティストの中でもトップ5に入るくらいにはめっちゃライブ良くて。弾き語りでこんな表現できんねやって。それで言ったら、工藤さんの弾き語りも月野さんに観てほしいなって思うけど......。井上さんは(月野さんと)同じ若い女性アーティストやし、こんだけ歌とギターだけでやれるのすごいなと思って。人間そのものにめっちゃ魅力あるみたいな感じで、すごく惹き込まれる人。歌い方の表現とかもめっちゃ独特やけど、人も。ライブで観たらめちゃくちゃ良かった」
困惑した『Hyper Luv Pop』オファー
――住田さんがあの月野さんの音楽に出会ったのって何がきっかけでした?
住田「月野さんのSNSです。動画が流れてきて、"めっちゃいいやん!"って2日間くらいなってて(笑)」
月野「2日(笑)」
住田「どうしようかな、『Hyper Luv Pop』誘おうかなとか思って出勤して、その日にHOLIDAY! RECORDSの植野さんがいたんで、"どう思います?"って聞いてみたら、"絶対誘ったほうがいいでしょ!"って言われて。Pangea店長の吉條さんにも同じこと言われたんです」
――すごい。満場一致ですね。その『Hyper Luv Pop』の話に入っていきたいなと思うんですけど、月野さんはイベントの存在自体は元々ご存知でした?
月野「知ってて、去年の『Hyper Luv Pop』も友人と行きました」
住田「えー!ありがとうございます」
――どなたのライブを観ましたか?
月野「全体的に観たとは思うんですけど......。Khakiとかフー・ドゥ・ユー・ラブとか、東京勢というか、下北あたりに出てるようなバンドが印象に残りました」
住田「東京と大阪のバンドでは、若干ニュアンスが違う感覚があって。東京はなんかちょっと洗練されてる感じがあって、大阪は人間味を感じる。最初は、月野さんも絶対東京の人やと思ってた(笑)」
月野「めちゃめちゃ大阪ですね(笑)。よく東京の人って勘違いされます」
――出演依頼が来たとき、どんな気持ちになりました?
月野「困惑です。音源リリースして2〜3日で来たんで、"どういうこと?"みたいな(笑)。
本当に面白いじゃないですか。"カルチャーや音楽に熱い方々が集まるようなサーキットイベントで、まだ始めたばっかりの月野恵が入っていいのか?ソロで出ていいのか?"みたいな。びっくりしました」
――住田さん、たくさんバンドが出演するなかで月野さんを呼びたいと思った具体的な理由ってありますか?
住田「形態にはそこまでこだわってなくて。特に意識してるのは、オーラあるかみたいなところ。それこそ、月野さんは光りまくってたんで。本当に」
――ここまでの対談でもけっこう客層の話が出てきて、"『Hyper Luv Pop』は、お客さんも独自のアンテナを持ってる人が多いよね"っていう話をしましたよね。
住田「そういう人たちにも月野さんが見つかったら嬉しいなって感じがしますね。入場規制決めましょう」
月野「やばい(笑)」
住田「僕も月野さんのライブ観てみたい」
――『Hyper Luv Pop』は、月野さんにとって初めてのサーキット出演ですが......。心斎橋を色々な人が行き来する一日になると思うんですけど、そういう場で歌うことについて、今どのようなイメージがありますか?
月野「全く想像つかないです。そもそも、月野恵の名義で音楽活動を始めてからまだ一回もライブしたことがなくて、自分の音楽を聴いてくれてる人がライブに来てくれるっていう場面に立ったことがないので、多分めちゃめちゃ緊張して、何回もミスるって予想してます(笑)」
――逆に、楽しみにしていることはありますか?観てみたいアーティストとか。
月野「圧倒的にhardnutsです。EP(『meltaway』)が出たときからすごく愛聴していたんですけど、このあいだ出たアルバム(『Ark』)にもう何回も圧倒されてて。早く生で観たい」
――最後に、『Hyper Luv Pop』への意気込みを教えてください!
月野「ソロで出る人は私だけなので、爪痕を残せるように頑張ります!」
取材・文/竹内咲良
場所提供:irishpub O'hara
(2026年2月 9日更新)
▼2月28日(土) 12:00
ANIMA/Pangea/HOKAGE
前売-4500円(整理番号付、ドリンク代別途要)
[出演]インナージャーニー/オートコード/コロブチカ/水平線/ベランダ/Monomi twins/穴熊/宇宙ネコ子(ふたりセット)/開始/月野恵/Gill Snatch/CRAZY BLUES/Highvvater/hardnuts/Linen Frisco/ゴリラ祭ーズ/sickufo/天国注射/Hammer Head Shark/pavilion/ホーボー(工藤祐次郎×後藤大樹、サポートBa.藤原寛 (DOGADOGA))/MoritaSaki in the pool/リュベンス/iVy/aldo van eyck/Qoodow/SuU/Nagakumo/ハシリコミーズ/ムノーノモーゼス
※11:30~ANIMAにてリストバンド交換。Subway Daydreamはメンバーの体調不良に伴う休養のため出演キャンセルとなりました。また、今回のキャンセルによる払い戻しはございません。
[問]LIVE HOUSE Pangea■06-4708-0061