ホーム > インタビュー&レポート > “ずっと対バンしたかった!” 最高の親和性を魅せたツーマンライブ 『a子とmuque』レポート
【a子】
フロアは既に高揚感と熱気に満ちていた。詰めかけた幅広い層のオーディエンスは、今か今かと開演の時を待つ。先攻はa子。2024年にメジャーデビューし、同年アメリカのフェス『SXSW』にも出演するなど、国内外で人気を獲得して躍進中のシンガーソングライターだ。

ステージにはa子率いるクリエイティヴチーム・londogに所属するバンドメンバーが登場。音を鳴らし始めると、ほどなくしてa子が姿を現した。トレードマークの鮮やかな赤髪が青白いステージに映えて幻想的だ。

「a子です。よろしくお願いします」と一言挨拶し、ライブは「miss u」からスタート。ギターを弾きつつウィスパーボイスを響かせるa子のドリーミーなサウンドに会場が染まってゆく。シンセがきいたチャイナテイストの「天使」からシームレスに「朝が近い夜」へと移る頃には、a子とバンドが作り上げる世界観にどっぷりと浸っていた。囁くような歌声とくっきりした歌声を交えたオリジナリティの高い表現、後ろに手を組んで歌う可憐でいじらしい仕草、それでいて纏うのはクールビューティーな空気感。a子の一挙手一投足に惹きつけられる。かと思えば、姫路出身の彼女は関西弁丸出しのイントネーションで「こんばんは〜」と気さくに挨拶。このギャップが魅力だ。

青い照明の中で歌われたスロウバラード「情緒」に続いては雰囲気を一転。ピンクの照明で「bye」を華やかかつアーバンに披露した。まろやかな浮遊感が全身を包んでいく。そして、曲が始まるなり歓声とクラップが起こった「LAZY」で急発進。疾走感たっぷりのロックナンバーで踊らせる。一度聴くと忘れない軽快なコーラスがクセになる「racy」は、ノスタルジーなメロディーがキュッとくる。1曲の中で時代とジャンルがミックスされた、オリエンタルで中毒性抜群のサウンドに心を射抜かれた。

MCでは「曲いっぱい詰め込みすぎてMCの時間が全然なくて、早口でいくよ。JANUSさん15周年おめでとうございます。muqueさんとの対バン、muqueさんのこと大好きやったからほんまに嬉しいですありがとうございます。最近私ワンちゃん飼い始めて、ロンくんっていうんですよ。インスタグラムでたまに載せるんでもしよかったらうちの可愛いワンちゃんのこと見てくれたら嬉しいと思います」と、可愛らしい声で息つく間もなく一気に伝えて会場を和ませ、ライブへ戻る。

バンドメンバーのテクが光る「MOVE MOVE」、ふわりと吐き出すボーカルがポップな「愛はいつも」に続き、コーラスとスキャットが印象的な「モナリザ」でダンサブルに攻める。ここで思わぬサプライズが。「モナリザ」の後半、突如聴こえてきたのはmuqueの「my crush」のイントロのベースライン。これにはオーディエンスも大興奮。即座に反応しクラップで盛り上げる。いつもと違い、少し低音で歌われるa子のボーカルが新鮮だ。そのまま熱量を増して駆け抜けた「ときめき」のサビでは手が左右に振られ、一体感をアップ!

「my crush」のカバーを終えたa子はホッとした様子で「めちゃくちゃ練習しました」と述べ、「my crush」のMVに出演していた俳優・哲太郎が友人である繋がりがキッカケでカバーに至ったと説明していた。改めてオーディエンスは喝采を贈る。6月から始まる全国5都市ワンマンツアー『JUNO』のアナウンスでさらに盛り上がり、迎えたラストパート。ミドルロックバラード「あたしの全部を愛せない」を経て、最後は「samurai」。とろけるようなウィスパーボイスが、BPM早めのロックサウンドに乗ってこちらに届いてくる。楽曲終盤の間奏からの壮大な展開は鮮やかで美しく、まるで物語を見ているようだった。完璧なパフォーマンスで堂々たる存在感を放つと、a子は「ありがとうございました、a子でした」と一足先に楽器を置いてステージを去る。残されたバンドメンバーは渾身の力を込めてプレイ。最高の余韻を残したのだった。

【muque】
後攻は2022年結成、福岡発のmuque。昨年末にメンバーのLenon(ba)が卒業し、3ピース編成になった彼らは、この日からYOASOBIなどのサポートもつとめる森光奏太(ba/dawggs)をサポートに迎えて2026年初ライブに臨んだ。

SEが流れ、ステージを覆っていた暗幕が開くと、ドラムセットに座るtakachi(ds)の姿があらわになる。takachiはSEに重ねて「ドン、ドン、ドドンドォーン!」と雷のようなビートを打ち込む。JANUSの天井に備え付けられたビジョンが物理的に揺れるほどの轟音だ。空気をビリビリと震わせながら雰囲気を高め、壮大なオープニングでオーディエンスを釘付けにした。新年一発目の気合いを感じる。

歓声に迎えられたAsakura(vo)が「JANUSの皆さん一緒に遊びましょう!」と放ち、親交の深いバンド・CLAN QUEENをフィーチャーリングした「Dancing in my bed life」を、シーケンスも使いながら、どっしりと重厚なサウンドで会場を揺らす。Kenichi(gt)のループするリフが小気味良い「456」では、オーディエンスのクラップも一糸乱れず揃う。Asakuraは「新年一発目、最高に楽しい日にしようぜ!」と叫び「feelin'」でギアをアップ。Asakuraは右に左に動き回り、笑顔で軽やかに踊りながら歌う。その様子に牽引されて、フロアもどんどん熱量を増幅させていった。そして先ほどa子がカバーを披露した「my crush」をドロップ。フロアは歓声を上げて大盛り上がり。ギターソロもバッチリキマり、全員でダンスしてひとつに。

MCでは森光を紹介。「そうちゃーん!」とあたたかく歓迎された森光は嬉しそうにはにかんだ。心機一転、メンバー全員髪色も一新。Asakuraは「2026年初ライブの対バン相手が、まさかのa子ちゃん」と嬉しそうに語る。実はずっと一緒にやりたいと思っていたそうだ。ついに念願叶ったこの日。Asakuraはa子が好きすぎてまだきちんと話せていないそうで、「今夜は仲良くなれたらいいなと思ってます」と愛を吐露していた。

12月24日にリリースされた、親友との絆を描いた新曲「bestie」、メロディーが切なくも美しいシティポップ「ブルーライト」に続き、疾走感のあるドラムンベースと軽快なギターフレーズが気持ち良い「TIME」でmuqueの世界観を提示した。

2度目のMCでは2月に大阪でレーベルメイト・Chilli Beans.との対バンを行うというアナウンス。「ずっと前から対バンしたいと言っていて、ようやく実現できる。めっちゃ楽しみです(Kenichi)」「2026年はしょっぱなから2回続けて対バンの夢が叶ったので、ありがたい年だと思っております(Asakara)」と感慨深げ。

ライブ後半はよりアクセル全開で勢いを増す。「今日は遊びに来たよねJANUSー!(Asakara)」と叫び投下された「nevermind」では、Kenichiと森光が前に出てフロアを煽り、アグレッシブに盛り上げる。コール&レスポンスでフロアの一体感は加速し、会場全体が躍動。ハッピーでポジティブな空気に包まれる。TVアニメ『ONE PIECE』エッグヘッド編 エンディング主題歌「The 1」の後半では、個々の見事なソロ回しで見せ場を作り、「JANUSの皆さん、手を貸してもらってもいいですか」と掲げられた手のひらで共鳴し、オーディエンスとの絆を深める。

そして「この曲待ってたんじゃないのー!?」と叫び「Bite you」へ。"これこれー!"と言いたくなるmuqueのアンセムだ。ステージを大きく駆け回り「こいよ!」とガンガンに煽るAsakuraに呼応したフロアもすさまじいエネルギーを生み出し、思い切り床を揺らす。そこから「もっともっともっともっといけるかい!」とアゲまくり、ポップロックナンバー「カーニバル」を彩り豊かに披露すると、最後は「DAYS」で締め括った。伸びやかで透明感のあるAsakuraの歌声、息ぴったりに力強く鳴らされるバンドアンサンブル、アウトロでわなないたオルタナティブな音の洪水に飲み込まれる。なんと力みなぎる50分。眩しい光の中でライブを終えた4人は、充実の表情を浮かべていた。

こうして『a子とmuque』は最高の盛り上がりで終了した。a子とmuqueの破竹の勢いを肌で感じることができたと同時に、2組の相性の良さもしっかりと感じた夜だった。またこの2組の対バンがJANUSで行われることを楽しみにしていよう。
Text by 久保田 瑛理
Photo by 松本いづみ
(2026年2月25日更新)
01. miss u
02. 天使
03. 朝が近い夜
04. 情緒
05. bye
06. LAZY
07. racy
08. MOVE MOVE
09. 愛はいつも
10. モナリザ
11. ときめき
12. あたしの全部を愛せない
13. samurai
01. Dancing in my bed life(feat. CLAN QUEEN)
02. 456
03. feelin’
04. my crush
05. bestie
06. ブルーライト
07. TIME
08. nevermind
09. The 1
10. Bite you
11. カーニバル
12. DAYS
a子 LIVE TOUR 2026 “JUNO”
【北海道公演】
▼6月7日(日) ペニーレーン24
【福岡公演】
▼6月13日(土) DRUM Be-1
▼6月14日(日) 17:30
サンケイホールブリーゼ
全席指定-7500円
※未就学児童は入場不可。小学生以上はチケット必要。
[問]夢番地■06-6341-3525
muque LIVE TOUR 2026 “GLHF”
【石川公演】
▼3月3日(火) 金沢EIGHT HALL
【長野公演】
▼3月5日(木) 長野CLUB JUNK BOX
【宮城公演】
▼3月7日(土) 仙台 darwin
【岩手公演】
▼3月8日(日) club change WAVE
【熊本公演】
▼3月14日(土) 熊本B.9 V1
【長崎公演】
▼3月15日(日) DRUM Be-7
【岡山公演】
▼3月21日(土) CRAZYMAMA KINGDOM
【栃木公演】
▼3月24日(火) HEAVEN’S ROCK Utsunomiya VJ-2
【茨城公演】
▼3月26日(木) 水戸ライトハウス
【北海道公演】
▼4月5日(日) Zepp Sapporo
▼4月11日(土) 18:00
Zepp Osaka Bayside
1Fスタンディング-5500円(整理番号付、ドリンク代別途要)
2F指定席-6000円(ドリンク代別途要)
※未就学児童は入場不可。
※開場・開演時間は変更になる可能性がございます。
[問]キョードーインフォメーション■0570-200-888
【愛知公演】
▼4月12日(日) Zepp Nagoya
【東京公演】
▼4月19日(日) Zepp Haneda(TOKYO)
【福岡公演】
▼4月29日(水・祝) Zepp Fukuoka
【バンコク公演】
▼6月14日(日) Bangkok Mr.Fox LiveHouse
【香港公演】
▼6月25日(木) HongKong PORTAL
【台北公演】
▼7月4日(土) Taipei Legacy Taipei
【ソウル公演】
▼7月11日(土) Seoul YES24 WANDERLOCH HALL