ホーム > インタビュー&レポート > 「クオリティが高い新曲たちをやれるのが楽しみ」 メンバー4人の色を重ね、力強く優しいメッセージが響く 最新4thミニアルバムを引っ提げ、リリースツアーがまもなく福岡からスタート! プッシュプルポット 山口大貴(vo&g)インタビュー
"良かった"と言われるより言葉が出ないくらい
対バン相手をもっと圧倒したい
――10月の千葉から始まったリリースツアー『描き続けるあなたと未来へ』"-対バン編-"も終盤に来ましたね(※本取材は12月初旬に実施)。ここまで振り返ってどんなことを実感していますか?
「今までは良くも悪くも、対バン相手にすごい影響を受けてたんですよ。自分たちにないものを持ってるからこそカッコイイって思うんで。でも今回のツアーは、自分たちはこうあるべきっていうのはすごいあったから、いい意味であまり影響されずに、でもこの2バンドだからこそ、こういう1日ができるんだろうな、こんな1日にしたいなって目指してるものに対してライブもできたし。影響ってわけじゃないんですけど、より俺たちも頑張んなきゃいけないところが見つかったような、そんな"-対バン編-"でした」
――そうなんですね。ちなみに、"頑張んなきゃいけないところ"というのは?
「やっぱ、もっと圧倒したいなって思ってるんで。対バン相手にも、"もうもう無理!無理!無理!"みたいに言われるぐらい、"(こんな対バンなら)出たくない"って言われたい、それくらい圧倒したいです。"良かった"って言われるより言葉が出ない方がいいから、それくらいまで持っていきたいなって」
――9月には4thミニアルバム『日々を彩って』がリリースされました。リリースから3ヶ月ほど経ちますが、あらためて山口さんご自身で実感していることがあれば教えてください。
「そもそもの楽曲を作る上でのテーマとして、初期の自分たちじゃないけど、原点に立ち返るっていう部分があったんですよ。で、やっぱ懐かしい感覚だったりとか、自分たちの中でも感じてるし、SNSやライブのお客さんもけっこう感触が良い感じはしてます」
――それはリリース後の反応として?
「そうですね。やっぱ作ってる段階から、俺たちはこうありたいなっていうのは考えて、このアルバムを作ったんですよ。寄り道っていう表現はちょっと悪いかもしれないけど、なんか意味があっていろんなところを歩いてきて、だからこそ原点に立った時に、ちょっと成長したからこそできるような、今の曲ができてると思ってるんで」
『光』(M-7)は過去の自分だったり今の自分だったりを
肯定してあげる曲を書こうと思って書いた
――『日々を彩って』に収録されている『光』(M-7)について、山口さんが書かれたセルフライナーノーツを読ませていただきました。"この気持ちをやっと描けたなって感じがする"と書かれていて、"光"というのは山口さんが東日本大震災の時に避難先で手にしたラジオから流れてきた音楽(=ロックンロール)の比喩であり、<行く先を照らせるような優しい歌 僕も届けたい><未来の扉を開くのは僕だ>と歌っているように、今のご自身の強い決意が込められていると思いました。これは今年になってできた曲なんですか?
「そうですね。もともと『13歳の夜』(2019年)という曲があって、それから先を描いていなくて、書きたいなっていう気持ちはあったんですけど、なかなか書き始めることができなかったんですけど。今年の5月に石川県の七尾市に支援に行かせていただいて、それで自分の引き出しの中にしまっていたことがより書きやすくなって、それで書いてみようと思ったらけっこうすんなり書けました」
――それはどういう気持ちの変化だったのですか?
「やっぱ東日本大震災と能登半島の震災では、(被災地の)景色とかは全然違うんですけど、あの頃の自分と比較しながら景色を見てたりして。東日本大震災の時の俺は、"助けて助けて"って言ってたけれど、大人になって今の自分にできることって、あんまりないんだなとか思ったりして...。やっぱ今作んなきゃ、どんどん書けなくなるんだろうなと。能登の被災地の状況を見た上で、あの頃の体験をすごい鮮明に思い出したので。その過去の自分自身を救ってあげたいなって。最近は誰かに対して曲を書いてることが増えたんですよね。でも、もうちょっと自分にも優しくなろうかなって思ったりもして。今回はアルバム作る上では自分のことを書こうと思ってたんで、やっとそれが書けました」
――なるほどね。それは大きいですね。
「誰かの支えになろうとしてた部分があるんですけど。誰かの背中は押せるけど、自分がしんどい時に自分の背中は誰も押してくれないなと思って。自分に対してもっと優しくなって、過去の自分だったり、今の自分だったりを肯定してあげる曲を書こうと思って書きました」
――なるほど、『光』という曲が書けたことによって1歩前進できましたか?
「うん、そうですね。自分の中ではそういう感覚があります」
――2011年の東日本大震災から14年余り経って、その間にご自身も音楽を始めたんですよね。
「そうですね。たぶん、音楽やってなかったら、自分の感情を伝えるっていう手段はきっとなかっただろうし、乗り越えることができてたかどうかも、もちろんわかんないですけど。音楽やってるからこそ、この気持ちを昇華できてるんだろうなって思ってますね」
――基本的に今までの作品は山口さんが中心に作詞作曲してこられたと思いますけれども、先行曲の『ゴールドマーチ』(M-2)の歌詞はドラムの明神さんとの共作になってますし、作曲もバンド表記です。『やってやろうぜ!!』(M-4)の作曲はバンド表記で、『ダイブアライブ』が明神さんの作詞作曲ですよね。こういう作り方も新しい試みというか、今までにない作り方でしたか?
「そうですね。バンドでできることが増えたっていうのは強みかなと思ってます。一回合宿に行ったんですけど、その時にスタジオが1個しかなくて。誰かひとりが楽器を鳴らしてる時に、俺はパソコンで作業したりしてたんですけど。他の3人が、何気なくスタジオに一緒に入ってやってみようってなって、"こんな感じだけど、どう?"、みたいな感じで曲ができたりしました。そこで、自分じゃ絶対こんな構成にしないよなとか、歌詞も自分は絶対にそういう感じで書かないなって思ったりしましたね。最初は自分以外の人が書いた歌を歌うっていうのは嫌だったんですよ。どんな気持ちを入れていいかわかんない気がして。でも、やりながら、少しずつ自分との調和を取っていくじゃないけど、そういう作業はありましたね」
――そういう今までにないタイプの曲が誕生したことで、楽曲のカラーやバリエーションが広がったという意味合いも含めて、4thミニアルバムは『日々を彩って』というタイトルにしたのですか?
「そうですね。けっこう楽曲的な部分でも、"彩る"だとか、それぞれのメンバーの色を重ねてくっていう部分もあったし。それぞれのメンバーの色が重なって初めてバンドの色って出来上がるとは思ってるんですけど、僕にしかない色があり、メンバーにしかない色があるから。なんか絶妙な色ができるなと、そういうのも含めてこのタイトルにしました」
――この作品のジャケットもメンバー全員で描かれた油絵なんですね。
「そうですね、みんなで色を割り振って作りました」
――『パレット』(M-5)という曲に、<僕が持ってる絵の具だけでは描ききれなくて>という一節があるように、アルバムの意味合いがすごく描かれてる気がして。
「結構その要素は大きいですね。このアルバムの一貫性を持たせてくれた曲だろうなって思ってます」
俺らはライブでお客さんを集めてきたバンド
初めて観る人も予習しなくても楽しめると思う
――ラストに収録されている『僕らだけのもの』(M-8)はバンドメンバーのことを歌ってるのかなと。
「そうですね。ずっとバンドのことを歌にしたいなと思ってたんで。俺たちの特徴ってなんだろうって考えてたときに、(メンバーの)生まれた場所がそれぞれ違うことだなと。けっこう他のバンドはメンバーが生まれた場所で結成してるけど、俺たちは生まれた場所がバラバラで、音楽の趣味も一人一人違うけど、そういうメンバーが石川県で集まって、プッシュプルポットで一緒になって、普通だったら就職して働く道を行くのに、バンドでやっていく道を選んでくれた。そのことに対して歌を書きたいなと思って書きました」
――山口さんは岩手のご出身ですよね。大学で石川県に来て、今もずっとそこで活動しています。なぜ地元の岩手ではなく、東京にも行かず、石川県で活動しようと思ったのですか。
「バンドのことを考えてって感じが大きいですね。今は東京で仕事することが多いんですけど。引越しとか考えるのも面倒くさいし、金沢のvanvanV4っていうライブハウスが好きなんで、そこを大切にするのは変わりないというか、そこがすごい居心地いいからこそ、石川県を大事にしたいなって、思ってます」
――"-対バン編-"でも新曲はけっこうやってるんですか。
「公演ごとに雰囲気が違うので、日によってこんな日にしたいなっていうのを考えて曲を選んでます。でも基本、新曲は入れたいなって思ってやってきました」
――年明けは1月11日(日)の福岡からリリースツアー"-ワンマン編-"がスタートします。
「大阪ではBIGCATワンマンで、前回もやらせてもらったんですけど、ソールドできなかったからこそのリベンジ戦でもあるし。プッシュプルポットのライブは、たぶん今1番いいと思ってるんで。それをたくさんの人に観てほしいなって思う部分はめちゃくちゃあります。クオリティの高い新曲たちをやれるのが楽しみだし、やっぱ新曲たちをもっともっとより良くしていけるようにがんばります!」
――最後にライブに向けて一言お願いします。
「なんかライブハウスって怖いイメージがすごいあると思いますし、僕も最初怖いイメージがあったんですけど。自分たちのライブはノリ方とか特にないし、俺たちのライブは初めてという人も、まったく予習しなくても楽しめるバンドだと思ってるので。まず何より来てもらわないと、自分たちの良さは伝わんないんで、ぜひ来てほしいなって思います。来て後悔しないと思うし、行こうかどうしようかと迷ってるんだったら来た方がいい。ライブ中にノリ方とか全部教えます。俺らはライブでお客さんを集めてきたバンドだと思ってるんで、ライブが良いんでぜひ来てほしいです」
――ライブバンドとしてさらにパワーアップしたパフォーマンスが観れるのを楽しみにしています! ありがとうございました。
Text by エイミー野中
(2026年1月 7日更新)
4th mini album『日々を彩って』
発売中 2200円(税込)
STAY FREEEE!!!!!!!!
《収録曲》
1. 雨上がり
2. ゴールドマーチ
3. ダイブアライブ
4. やってやろうぜ!!
5. パレット
6. 今を生きるあなたへ
7. 光
8. 僕らだけのもの
ぷっしゅぷるぽっと…石川県金沢市発4ピースロックバンド。メンバーは山口大貴(vo&g)、桑原拓也(g&cho)、堀内一憲(b&cho)、明神竜太郎(ds&cho)。大学の軽音サークルで結成し、2019年に現メンバーとなる。2021年4月、STAY FREEEE!!!!!!!!より初の全国流通盤ミニアルバム『僕らのままで』をリリース。
2023年8月、主催フェス「笑福絶唱 FESTIVAL」を金沢EIGHT HALLで初開催。
2024年11月、6th digital single『今を生きるあなたへ』をリリースし、Zepp Shinjukuを含む全国18ヶ所にてツアーを開催。
作詞作曲を手がける山口の優しくも力強い歌声と、シンガロング必至の珠玉のメロディー、見る者の心を真正面から揺さぶる熱量溢れるパフォーマンスが話題を呼び、各地のサーキットフェスでは入場規制を連発。金沢を拠点としながらも年間100本を超えるライブを行い、2024年は「JAPAN JAM」、「VIVA LA ROCK」、「SWEET LOVE SHOWER」など、全国の大型フェス約13本に出演するなど、着実にその名を全国に広めている。
2025年9月24日、4thミニアルバム『日々を彩って』をリリース。同作リリース『プッシュプルポット2025-26 描き続けるあなたと未来へ』の“-対バン編-”を10月22日から、“-ワンマン編-”を2026年1月11日から開催。
プッシュプルポット オフィシャルサイト
https://pushpullpot.aremond.com/
【福岡公演】
▼1月11日(日) LIVE HOUSE OP’s
【愛知公演】
▼1月16日(金) ボトムライン
【宮城公演】
▼1月18日(日) LIVE HOUSE enn 2nd
【大阪公演】
▼1月23日(金) BIGCAT
【東京公演】
▼1月25日(日) Zepp Shinjuku
【石川公演】
▼2月1日(日) 金沢EIGHT HALL