ホーム > インタビュー&レポート > 梅ちゃんのシャンソンショー、キャバレーで初笑い!
サルヴァトール・アダモの作詞作曲で、日本では越路吹雪の歌で知られるようになったシャンソンの名曲"ろくでなし"。それを梅ちゃんは「戦闘服」と言うド派手な衣装とメイクにハイヒールの靴を履き、2メートル近い身長となって鼻から豆を飛ばしながら歌う。ライブではおなじみの大ヒットネタで、今や"ろくでなし"は梅ちゃんのオリジナル曲だと思う人までいるようだ。近年は本物のシャンソン歌手から誘いを受けることもあり、まじめに(?)シャンソンを歌っている梅ちゃんだが「歌手の人は僕に気を遣って"ろくでなし"は歌わない」とか。
梅ちゃんのシャンソンの原点は美輪明宏。「美輪さんのシャンソンが好きで聴き始めて、ワハハ本舗のライブでシャンソンを歌い始めたんです。でも、普通に歌っても誰も聞いてくれないから、ネタっぽいことを始めたのがきっかけ」。最初は鼻でタバコを吸いながら"煙が目にしみる"を歌っていた。豆飛ばしは演出・喰始の発案で、そこに楽しい雰囲気の曲をと"ろくでなし"を選んだ。それから30余年、鼻から豆を飛ばし続けている。じつは「歌いながら豆を飛ばすのはけっこう難しいんですよ」と梅ちゃん。「歌は腹式、豆を飛ばすのは胸式。飛ばしながら呼吸法を変えてるんです」。

梅ちゃんが最初に美輪の歌を生で聴いたのは"ボン・ヴォアヤージュ"(よい旅を)。銀巴里(東京・銀座にあった日本初のシャンソン喫茶)の客席で「その表現力のすごさに、涙がダーっと出てきた」。それを梅ちゃんは、生まれ育った岡山弁の方言で歌う。「フランスのどこかの港の別れの曲だけど、瀬戸内海の島でもいい、もっと身近なものに寄せて歌えば伝わるかなと、自分の料理で味付けして」。今回ライブでも披露されるアルバムに最も入れたかった曲だ。これまでライブ映像のDVDは1996年と2007年に発売されたが、アルバムは初。"ろくでなし""ボン・ヴォアヤージュ""愛の賛歌"など10曲を収録予定で、1994年にリリースした"思い出にむしばまれて"(作詞・いとうせいこう、作曲・玉置浩二)という、幻のシングル曲も。「幻って、ただ売れなかっただけ。いろいろ考えて作っていきますので、どうか幻のアルバムにしないでください」。全国流通は4月からで、配信の予定はなし。会場でのみ限定先行発売だ。
「アナログなことが一番おもしろい」という梅ちゃん。「お客さんが楽しんでくれることを考えるのが僕らの仕事。2時間半のライブでいろいろな悩みを忘れて、一緒に笑ってもらえるのはすごくうれしい。年齢性別関係なく、みんなが笑顔でいるのを舞台から見て、本当にありがたいと思うし、一番幸せな気持ちですね」。今回はグランドキャバレー・月世界の舞台だ。「華やかだった時代のイメージがふくらむ魅力のある空間で、おもしろさがもっと出るんじゃないかな。ライブハウスとは違う雰囲気で、僕もすごく楽しみです」。梅ちゃん、今年で66歳。「ヒール履いたら痛いし、昔のドレス入らないし、豆も鼻に詰まることも多いし。でも、70、80歳まで一生懸命やります。おもしろいこと考えてるし、頑張りますから、ぜひ来てくださいね」。
取材・文:高橋晴代
(2025年12月16日更新)
チケット発売中 Pコード:313-410
▼1月31日(土)17:00
▼2月1日(日)14:00
Live Hall クラブ月世界
全自由席-6000円(ドリンク代別途要、整理番号付き)
[出演]梅垣義明/杉浦哲郎(pf)
※未就学児童は入場不可。
[問] キョードーインフォメーション
■0570-200-888