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méli mélo osaka #わたしのメリメロ vol.4
ライター・久保田瑛理

11月8日(土)・9日(日)、服部緑地で『méli mélo osaka』が開催された。 来てくれた皆さんの視点からみたメリメロの魅力を、それぞれのレポートでたっぷりお届け!

vol.4は、普段から多くのライブレポやアーティストインタビューを担当されているライター・久保田瑛理さん。雨のDAY2を楽しみ尽くし、出演者の表情からマルシェのあたたかな雰囲気まで丁寧にたっぷりレポートを届けてくれています!

金木犀の香りと雨の中で、音楽とマルシェを楽しみ尽くした『méli mélo osaka』



ライターの久保田です。去る11月9日(日)、ぴあ関西とGREENSが主催する『méli mélo osaka』へ行ってきました。

昨年新たにスタートした本イベントは、「すきをみつけよう! だいすきを育てよう!」をテーマに、音楽×マルシェが楽しめる関西最大級のローカルカルチャー博。昨年7月の名村造船所跡地と今年5月のBIGCATでの「méli mélo petit」開催を経て、今年は服部緑地公園で2日間開催と、規模をぐんと拡大。

イベントを動かすチームは、筆者も普段からお世話になっている方ばかりで、初回開催時から想いを込めて取り組む様子をうかがっていたので、当日をとても楽しみにしていました。

今回特に素敵だなと感じたのは、会場で配布されたプログラムにスタッフ紹介が載っていたり、対談企画でイベントへの想いを話していたりと(事前にPodcastでも放送)、中の人の顔が見えるようになっていたこと。大小さまざまなフェスやイベントが開催される昨今、背景にあるストーリーや想いを知ることができると、演者や出店者はもちろん、来場者の想いも交わって熱が上がり、当日醸成される空気が良いものになる気がしています。『méli mélo osaka』が、「好きな音楽とマルシェ、どっちも楽しめたら最高!」というシンプルで純粋な欲求が発端になっているのも愛すべき理由。初回から流れる、ゆるやかであたたかな雰囲気が『méli mélo osaka』を『méli mélo osaka』たらしめている気がします。良いイベントです。

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筆者は1日目は所用で行けず、いざ向かった2日目。なのに朝からあいにくの雨......! しかも出歩くのをちょっと躊躇してしまうくらいのどしゃ降り。「それでも行くんだ!」と、雨具装備で無事到着。公園のエントランスで出迎えてくれたオブジェにホッと癒されました。

まずは、野外音楽堂でウェルカムアクトのSubway Daydreamのライブを観覧。会場に入ると、イベントロゴのバックドロップとグリーンやウッドがあしらわれたステージセットが目に飛び込んできました。装飾は堀江にあるコーヒーショップ・TASOGARE COFFEEが手がけたそう。アーシーな布製のガーランドが本当に可愛くて、あたたかみのある雰囲気が『méli mélo osaka』にぴったりでした。

2日目のトップバッターを担ったSubway Daydreamは、関西を拠点に活動する4人組バンド。サポートベースを迎えた5人編成で元気に登場すると、『SUNDAY!』や『Radio Star』などのロックでポップなアンセムを力いっぱいにプレイ。雨の中でもたまみ(vo)さんの歌声が伸び伸びと響き渡り、雨で落ち込んだ気持ちを爽快に吹き飛ばしてくれました。笑顔で楽しそうに演奏するメンバーの姿とどんどん高まるエネルギーで、あっという間にポジティブオーラで満たされた会場。見るたびにライブ力が増している4人は本当に頼もしくて、きっと9月にメンバーが敬愛するスピッツ主催の『豊洲サンセット 2025』に出演したことも大きな自信になっているんだろうなと思えました。堂々たるステージングで、これからのSubway Daydreamの活躍がまた楽しみになりました

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充実のライブの後は腹ごしらえ。野音の後方エリアで出店されていた「スパイスカリー大陸 x アジパイ」のコラボカレーを購入しました。「大陸の赤ワインで煮込んだキーマカレー」と「アジパイの鶏そぼろとサツマイモのココナッツカレー」の2種がけで、スプーンを口に運ぶ手が止まらないくらいの美味しさ! 雨に濡れないように細心の注意を払いながらいただきつつ、Michael Kanekoさんの美しい歌声とアンサンブルに酔いしれました。

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続いてはマルシェが行われている円形花壇へ。インフォメーションで「スタンプラリー」の文字を見つけたので、会場内に設置された4つのスタンプを集めることにしました。これが案外難易度が高く、コンプリートしたのは夜になってからでした......。

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服部緑地野外音楽堂には何度も訪れているけれど、公園を散策したのは実は初めて。広大な敷地には、色とりどりの花々と、青々とした芝生が広がっていて驚きました。丸い花壇の間を歩きながら、通路のサイドにずらり並んだ(その数100店舗以上!)ショップを見て回ります。

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最初にゲットしたのは、奈良県民としては見逃せない柿の葉寿司。「創作関西寿司 味な大富」で、サバ、サーモン、穴子、タイ、エビの入った「五色柿の葉」を買ってみました。スタッフさん曰く、保存食としての味付けではなく、優しい味付けで完全無添加のこだわり抜いた食材を使っているそう。小ぶりながら、シャリの真ん中にも具材が挟まっていて食べ応えがありました。

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「ゴールドファラフェル」では、中東料理でお馴染みのコロッケ「ファラフェル(3個セット)」を購入。ひとつが大ぶりだったのでテイクアウト用に包んでもらい、自宅で温め直してホクホクの状態でいただきました。オーロラソースもさっぱりしてグッドでした!

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円形花壇の1番高いところに鎮座して目を引いていたのは、「WELCOME メリメロ MARKET PLACE」と書かれたカラフルなオブジェ。DJブースも全て手作りで、屋根の上でくるくる回る木製のレコードがとてもキュート! まるでレトロな遊園地のよう。DJブースは階段を上った先にあり、小高い丘から見下ろす形で会場が一望できました。筆者が行った時は、TANK酒場のTANKさんがDJ中♪ゴキゲンで身体を揺らしてきました!

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円形花壇中央に設置されたステージでは、6組のアーティストがアコースティックライブを行いました。雨に打たれる来場者を気遣いながら、どこまでも溶けていく透明感のある歌声を大人の包容力で届けていた関取花さん。「二十歳の君よ」や「レイミー」といった人生が滲むような楽曲たちを、ビブラートをきかせて滔々と歌い上げます。思わずため息が出るほどの高音。今年デビュー15周年を迎え、自主レーベル「NOKOTTA RECORDS」を設立した彼女はどこまでも謙虚。だけど「歌でやっていこうと決めた曲」と言葉を添えた「むすめ」からは、彼女の強さと逞しさ、決意が感じられてカッコ良かったです。Oasisのジャージを着た来場者を見て、Oasisを歌うお茶目な一面も彼女らしかったです。

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再び野外音楽堂に戻り、Caravanのライブをじっくりと堪能。Caravanの繰り出すあたたかなギターの音色、おおらかで力強い歌声とアンサンブルが、一瞬にして曲にまつわる記憶を呼び起こしていきます。旅をテーマにした楽曲も多く、優しく説いていくような、心をほどいていくようなサウンドは唯一無二。オーディエンスも気持ち良さそうにゆらゆらと揺れて手をあげていました。「ハミングバード」や「Trippin' Life」などの人気曲から、最新曲の「Uta-Kata」までを披露したCaravan。メンバーの後ろに貼られた"Let There Be Music=音楽こそすべて、音楽を奏でよう"と書かれたフラッグの通り、会場全体がひとつになった幸せな時間でした。

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そういえば、公園一帯には金木犀の木がたくさん植わっていて、オレンジ色の花が満開だったのも、個人的に嬉しいポイントでした。会場内を移動する途中もずっと金木犀の良い香りに包まれていたので、何度も深呼吸して、胸いっぱいに香りを味わってきました。

円形花壇には名誉伝説のボーカル・こたにさんが登場。少しハスキーな歌声がノスタルジックで、名誉伝説の時とはまた違った雰囲気だったのが印象的でした。朴訥とした雰囲気の中にも真っ直ぐで引力のあるボーカリストで、曲が進むにつれて垣間見える表現力の幅の広さに惹きつけられ、後半は力強いギターのバッキングと歌声に巻き込まれてあっという間にライブ終了。じっくり観たいなと思わされました。

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夕方、だんだん陽が傾いてくる頃。実は『méli mélo osaka』の公式インスタグラムを見て"オシャレだな〜"と狙っていたものがあったのです。それは「nico+isT」のスマホストラップ。ただ、ブースに雨風が吹き込んでしまうほどの天候だったので、物理的に販売は難しいのかな......と諦めかけていたところ、小雨になった17時前にブースの前を通ると、商品が並び始めている! ということでじっくり選ばせていただきました。新たな「すき」を見つけることができました〜! 

そんなこんなしていたら、円形花壇では神戸発のバンド・w.o.d.のサイトウタクヤさんの弾き語りライブがスタート。セットには電飾が灯り、あたたかくもムーディーな雰囲気です。ステージ前はたくさんのオーディエンスが詰めかけていました。リハではくるりの「ばらの花」やBlurの「Tender」を歌い、本編では身近な人を想った「オレンジ」、Oasisの「Stand By Me」のカバー、会いたくても会えない大切な人の顔を思い浮かべながら作った「あらしのよるに」と、感情を込めて丁寧に歌うサイトウさん。どこか郷愁の念を感じたのは、地元関西でのライブだからでしょうか。ラストは、サイトウさん自身の生まれ年がタイトルになった「1994」をパワフルに歌唱。新グッズのブレスレット(スタッフ総出の手作り)は、サイトウさんがいつもつけているビーズのネックレスを模したもので、それはBlurのボーカルのデーモン・アルバーンが祖母からもらったチョーカーの真似をした、と少し照れくさそうに話していたのも素敵でした。

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ここでなかなか見つけられなかったスタンプを回収! コンプリート記念にイベントロゴステッカーがもらえました。

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すっかり夜の帳が下りて、ようやく雨も上がりました! 筆者の『méli mélo osaka』は円形花壇大トリのKeishi Tanakaで締め括りました。たっぷりのリハを終え、「雨やんで良かったですね!」と笑顔で現れたKeishiさんは<この雨があがったら そっとあの場所へ行こう>という歌詞から歌われる「秘密の森」でライブスタート。環境と歌詞をリンクさせた即興性の高いセットリストが素敵すぎます! 「Just A Side Of Love」でギアを上げるとクラップが発生、放たれるポジティブな空気に惹かれたのか、犬と公園を散歩中の人も足を止めて聴き入っていました。続けて「Sunny」、桑田佳祐の「祭りのあと」のカバー、今年1月にリリースされた最新アルバム『Like A Diary』から「Colors」を披露。

そして「出たいなと思っていたイベントに出れて嬉しい。本当に良いイベントだなと感じました。若く、"やってみよう"みたいな人たちが新しく始めたイベントだと聞いています。皆にも捧げるけど、主催者に捧げます」と言葉を添えて「あこがれ」を歌った時の感動たるや。Keishiさんもこの服部緑地で毎年『NEW KICKS GREENSPIA』を主催しているけれど、この曲には"始めたことがある人"の優しさと愛と祝福が詰まっていて、じんと胸が熱くなりました。<響かせる今 踊らせる今 この街の全てを>。『méli mélo osaka』がそんなイベントに成長していけばいいな、と願わずにはいられませんでした。

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あまりの多幸感で帰るのが名残惜しく、後ろ髪を引かれつつも、片付けが始まった会場を後にして駅方面へ。すると東中央広場のマルシェで「羽釜おにぎり専門店 えいようスタンド」の灯りが点いていたので、おにぎりを購入。帰宅後いただきましたが、ほんのりとあたたかく、ずっしりとした重みに幸せを感じました。

結局2日目はほぼ終日雨でしたが、美味しいグルメと極上の音楽を浴び、欲しいものが買えて友達にも会え、人の優しさにも触れて、まさに「すきが見つかり、だいすきがもっと広がった」1日でした。ぴあ関西の皆さん、GREENSの皆さん、雨の中本当にお疲れ様でした。次回の開催も楽しみに待っています!

取材・文・写真/久保田瑛理




(2025年12月 9日更新)


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『méli mélo osaka』

日程:11月8日(土)・9日(日)
会場:服部緑地&服部緑地野外音楽堂
時間:OPEN 12:00/START 12:45

【出演&出店】
<méli mélo hall(野外音楽堂)> ※有料エリア
11/8(土)
[出演]DENIMS/Kan Sano(Band Set)/toconoma/雨のパレード/眞名子 新(Band Set)/水平線(welcome act)

11/9(日)
[出演]Caravan/Michael Kaneko/踊ってばかりの国/奇妙礼太郎BAND/ラブリーサマーちゃん(デュオセット)/Subway Daydream(welcome act)

<arcade> ※無料エリア
11/8(土)
[出演]BLU-SWING trio/Nenashi/SUSHIBOYS/Swagcky/北村 蕗/高橋勇成(paionia)
[DJ]Kamachu (DENIMS)/KOIZUMI (pug27.THE YAKETY YAKS)/Westy Bong-Bong!/アベユウキ(vongsign)

11/9(日)
[出演]Keishi Tanaka/YeYe/こたに/サイトウタクヤ(w.o.d.)/関取花/やまもとはると
[DJ]DAWA (FLAKE RECORDS)/SHO(てぬぐいCHILL)/TANK(TANK酒場)/サトウセイゴ/不安気(ALL GOOD STORE / YOU CO.)/マル(Maruché)

<shop> ※無料エリア
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