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ZIN、最新EP『JOJO』をドロップする理由
R&Bの世界観を静かなる熱でじっくり聴かせる

関西を中心に活動するアーティストコレクティブ・Soulflexの一員でもあるシンガーのZINが、最新EP『JOJO』をリリースした。ターニングポイントとなった1stフルアルバム『CURVE』を経て、今作は彼のR&B愛とルーツを凝縮し、大人の色気と磨き上げたボーカルスキルが光る1枚に仕上がった。Kzyboostとタッグを組んだ『超えてゆく』、盟友・FKDのビートとラッパー・Kojoeを迎えた『Everytime I』、恋愛の甘さと痛みを情緒豊かに描いた『Distortion』、“愛することと傷つけることは表裏⼀体”というメッセージが込められた『Moegara』の既存シングル4曲に加え、Aru-2をプロデューサーに迎えた『Say So』、ZINの音楽人生を詰め込んだリードトラック『In The End』の全6曲が収録されている。ソロでは『CURVE』以来、約2年ぶりの登場となるZINに、今作への想いや制作の裏側を訊いた。

自分が一番影響を受けたR&Bの世界観をまとめて作品にしたかった



ーー2025年もあと2ヶ月ですね。ZINさんの今のところの感覚としては、今年は順調にきている感じがしますか?

「2023年11月に1stフルアルバム『CURVE』をリリースしてツアーを回った後、去年1年間は"次は何しようかな"って悩んでた時期だったので、今作『JOJO』のコンセプトや、やりたいことが見えてきて、今年は割とやりたいことに向かって進んでいってる感じがしてます」

ーー『JOJO』のコンセプトが見え始めたタイミングはいつ頃でしたか?

「僕、やりたいことがいっぱいあって。でも一気にはできないじゃないですか。で、ずっと自分が影響を受けてきたR&B......特に、僕が青春時代音楽にドハマリして、活動をバンバンやり始めた頃に影響を受けてた、2000〜2010年代R&Bの世界観をまとめて作品を作ってなかったなと思って。そういう曲は今までもあったんですけど、まとまった作品にはしていなかったので。それをやりたいなというのは結構前から思ってたし、"次のアルバムも作りたいな"とか、色んなアイデアがあって。ただ自分の中で、"R&BをまとめるにはアルバムよりかはEPかな"という印象があったので、"じゃあまずこれからやろう"と決めました。見えてきたのは、大体『超えてゆく』をKzyboostと作った時ぐらいからですかね」

ーー『超えてゆく』は今年3月リリースのシングルですね。ということは年明けぐらいでしょうか。

「はい、そうですね」

ーーそこに至ったのは、前作『CURVE』を作ったことも大きいですか?

「そうですね。"『CURVE』みたいな特定のジャンルに絞らない作品作りを2ndアルバムでもしたいな"という気持ちはあったので、まずはあえて絞って"R&BのEPと言えるようなものをやろう"という感覚でした」

ーー2ndアルバムの構想も既にあるんですね!

「うっすらあるんですよ。曲もデモとかは作り出してはいます」




"『CURVE』以前、以降"で変化した音楽への想い



ーーEPはこれまでに4枚出されていて、過去のインタビューを拝見すると、R&Bソウルを意識してこだわって作ってこられたともおっしゃっていましたが、今回はより特化した感じですか。

「そうですね。"『CURVE』以前・以降"みたいな感じで、自分の音楽に対する気持ちと歌唱が結構変わったんです。それで、過去の自分がR&Bソウルに影響を受けたものを落とし込んだ作品よりも、もう少しコンセプチュアルというか、官能的な部分をもうちょっと前面に出したいというか。コンセプトもほぼ恋愛に絞ったので、"敢えて今の自分がやるとどうなんだろう?"という感じです」

ーーこれまでのEPも、コンセプトを決めて作っておられたんですか?

「コンセプトって意味では『GINGER』(2021年9月)からしっかり考え出したかな。それまでは、全体のコンセプトはそこまでガチガチには決めてなかったかも」

ーーコンセプトを立てて作る方が、気持ち的に制作しやすかったりします?

「それはめちゃくちゃあるし、ライブまで想定してます。"ライブでこういう曲があって、こういうメッセージ性で"というところまで考えてコンセプトを生むのが、制作の1番最初ですね」

ーー『JOJO』のリリースライブは11月のBillboard Live OSAKAとYOKOHAMAですね。

「『JOJO』を作って、どこでライブしようかなと考えた時に"なんかライブハウスじゃないな"と思って。アッパーな曲が入ってるわけでもないし、このコンセプトだから、自分に陶酔してゆっくり聴いてほしいなって。なので今回に関しては着席やなと思って、Billboardでやらせてもらう形になりました」

ーー次にライブハウスでライブをする時には、Billboardの経験も活きそうですか。

「クラブやライブハウスって、"盛り上がってたら良いライブ"と思われがちというか。でも僕はそうじゃないと思ってて。しっかり届いてるか届いてないかというのもあるし、Billboardを経て、ライブハウスやクラブで気を遣わずにスローな曲をゆっくり聴いてもらうことを、ちゃんと提示できそうかなとは思います」



大人の成熟を歌とサウンドで表現



ーー『JOJO』は音数が少なめの中で、それぞれの曲の温度感が1音1音に表現されていて、本当にじっくり何度でも聴きたくなる1枚だなと思いました。資料に"今この瞬間のZINを刻んだ1枚"とありましたが、この真意は?

「R&Bってやっぱり、色気がないと歌えないと思うんですよ。カッコ良いものは割とすぐ作れちゃうと思うけど、人間的な成熟というのは年齢を重ねて色んな経験をした人じゃないと出てこないものだと思う。僕37歳になったんですけど、"色気ありますね"と人から言われることも増えてきて。でもそれを否定するんじゃなくて、自分で認めてそういうものを作ろうと。20代の時はそんなに言われなかったし、俺も大人の男として成熟してきたんかなというので、"今やな。じゃあR&Bやな"みたいなところですかね」

ーーご自分では色気があると思われないですか?

「自分では思わないです(笑)。でも人から言ってもらうことを否定しててもあれやし、そう見えてるなら、そういう作品の方向に敢えてシフトするのもいいんじゃないかなとは思いましたね。"色気出してまーす!"みたいには思ってないです、全然」

ーー自然に滲み出てきたものなんですね。

「あはは(笑)。自然に滲み出てきちゃってんですかね。自分ではよう言わんですけど」

ーーあとは"より内省的かつ情熱的なサウンドに磨きをかけた"とも書かれていて、先ほど歌い方が変わってきたと言われたように、ボーカルに色気を感じました。音作りで工夫したことはありましたか?

「音に関しては全部プロデューサーが入っているんですけど、"こういうビートがいい"という面では、"こういうコンセプトで今EPを作ってて"と言葉で伝えた上で、"落ち着いてて一見普通なんやけど、実は中身は燃えてる"とか、"余裕感、間を大事にしてほしい"とオーダーしました。だから音数も少ないし、そんなに派手ではない。『Distortion』(M-3)は複雑なビートがあるんですけど、全体的なテンション感としては"静かに燃えてるみたいなビート"が今回多いかなと思ってます」

ーーそれぞれの静けさに違う熱が宿っていて、統一性がありました。プロデューサー陣と意見を出しながら作っていかれるんですか?

「ビートに関しては1〜2回のラリーですかね。オーダーしてビートが届いて、それに僕が歌詞とメロディーを入れて、もう1回歌に合わせてビートを調整してもらったり。"ここの音もっとこうしてほしい"とか、そこまで細かくは言わないですね」

ーー『Distortion』や『Moegara』(M-4)も、強く主張はしないけれど複雑で練り込まれた音が鳴っていて。『超えてゆく』(M-1)のギターも印象的でした。

「『超えてゆく』と『In The End』(M-6)だけ生ギターが入ってまして。2曲とも僕のライブサポートをしてくれてる朝田拓馬くんに弾いてもらいました。トラックが上がった時に、"絶対ギター入れたらやばくなるから、入れていいですか"って僕がプロデューサーに言って入れてもらった感じですね」



叙情的な曲が、徐々に心に浸透していってほしい



ーーEPの前半は既存シングル4曲が収録されていますが、『超えてゆく』『Everytime I feat. Kojoe & FKD』(M-2)と、冒頭から濃厚ですね。

「元々は濃厚な曲だけでいこうと思ってたんですけど、ぶっちゃけ『Moegara』を書いた時ぐらいから、"あれ、ちょっと方向性が変わってきたな"というのがあって。元々セックスとかベッドの中とか、内容はそれに限らなくてもいいんですけど、ベッドサイドで聴きたいものをテーマに書こうと思ってたので、"浮気の話とか失恋の話とか、ベッドでイチャイチャしてる時に聴かないわ"と思いながら、"でもまあサウンドとして聴いてくれたらいいか"ぐらいの感じですね」

ーー『Moegara』の<誰かを愛すことは誰かを傷つけること>は印象的ですね。

「これ、イコールではないんですけど、ニアリーイコールというか。"愛すること=傷つけること"ではなくて、ニュアンス的には"愛することで傷ついてる人もいるよね、って想像をしてみて"みたいな感じですかね」

ーーこれまでのZINさんの人生経験から滲み出る歌詞だと思いますが、歌詞はいつもスルッと書ける方なんですか。

「いや、結構時間がかかるタイプです。でも、客観的な内容と妄想系で書く時はめっちゃ早い。今回は『In The End』だけ時間かかったけど、それ以外は割とスラスラ書きました」

ーーそれは妄想だったり?

「妄想というか、今回メッセージ性があるような曲というよりかは、感情を描いたようなものが多かったので。『JOJO』に繋がる叙情的な......」

ーーその意味で『JOJO』なんですか! 叙情的。

「そうなんですよ。"叙情的"と、"徐々に徐々に、じんわりじっくり心に浸透していってほしい"という2つの意味をかけてます」




FKDにしかできない引き算の美学、Kojoeが彩る官能性



ーー確かに、1曲目から濃厚ながらも、曲が進むにつれてじわじわ入っていく感じがします。

「曲順はリリースした順番なんですけど、順番に聴くと感情の起伏がより感じやすいのかな。普通に並べたら"絶対これがベストやな"と改めて思いました」

ーー制作順もリリース順でしたか?

「実は『Everytime I feat. Kojoe & FKD』だけ結構前からあったんです。コロナ禍だったので、リリースだけ眠ってて。僕がこのコンセプトを考えてた時に、"あの曲絶対入れたい"と思って、FKDとKojoeさんに連絡して"いいですか"って。じゃあFKDがそのトラックをブラッシュアップしてくれて。最初作ってたビートと全然違うんですよ」

ーーどんなふうに変わったんですか。

「今は音数が少ないと思うんですけど、最初はもっと音がありましたね。だから"めっちゃ抜いてきたな"って」

ーー引き算の美学、今作にはすごくありますよね。

「多分FKDにしかできない。音を抜くって、怖いっちゃ怖いと思うんですよ。彼の音の抜き方とか、抜いて刺すみたいなセンスは素晴らしいと思いますね」

ーーラップパートは当時から変わっていないですか?

「変わっていないです。元々はソロ曲だったんですけど、Kojoeさんと"最近どんな曲作ってんの?"みたいなLINEのやりとりで、"今こんなん作ってます"ってデモ状態のこの曲を送ったら"俺にも歌わせてよ"と言ってくれて、"マジ!?いいんすか"と言って入ってくださいました」

ーーKojoeさんのラップを聴かれた時、どう思いましたか。

「もう、Kojoeさんなんか僕からしたら大先輩やし、嬉しかったです。"食われるんちゃうかな"って不安はありましたけど、間違いないものを書いてきてくださったので、ほんとにめちゃくちゃ良い曲になりました」

ーー歌もラップもリリックも色気満載ですね。

「本当ですよね」

ーー『Say So』(M-5)はどうですか?

「『Say So』は結構怒ってる系の曲なんです。割と普段自分が思ってるようなことに触れた感じです」

ーー恋愛に関して?

「恋愛の時の相手に関してとか。喧嘩系の曲書きたいなと思ってたんで。特にフィメールR&Bシンガーに多いんですけど、結構怒ってる曲があるんですよ。MVも浮気相手をバーンとやって、"私は1人で生きていけるわ。あんたなんかいらないわ"みたいな。そういう系の曲を書きたいなと思って」

ーー<You were my biggest mistake>ってね。

「はははは!(笑)。結構汚い言葉使ってるので。"早く自分の汚い服片付けて、しょうもない古着屋にでも売りに行け"みたいなこと書いてるんですけど、この歌詞って汚すぎるかなと思って、ChatGPTに"このリリックどう思う?"と聞いたら"とても乱暴な表現です"って。だから修正せずにそのまま使いました(笑)」

ーーZINさんのラップも印象的でしたね。

「フランク・オーシャンの『Super Rich Kids』という曲があって、ラップのテンション感はそれを参考にしました。ローテンションでだらだらしてる感じ。気怠さというか。普段僕はラップしないから、レコーディングの時にエンジニアさんと『Super Rich Kids』を聴きながら"このニュアンスでやりたいんですよね"とやった感じです」




ディアンジェロへのリスペクトとオマージュを込めた、大切な『In The End』



ーーEPを締め括る『In The End』は音楽人生を詰め込んだ楽曲ということですが、大事な楽曲になりましたか。

「プロデューサーがgrooveman Spotさんなんですけど、ずっと"8分の6拍子の曲をやりたいね"と言ってたんです。そもそも、この前亡くなってしまったディアンジェロの『How Does It Feel』は、R&Bやソウル、ネオソウルを愛する人はみんな大好きな曲で。絶対に同じようなものはできないんですけど、"『How Does It Feel』にインスパイアされた曲を俺らもやりたいよね"みたいなことを、もちろんディアンジェロが亡くなる前から話していて。『In The End』は、自分なりのディアンジェロオマージュで彼を思って作った曲でした。僕の今のスタイルも、かなりディアンジェロの影響が大きいので。だからこれまで自分が影響を受けてきたものを全て詰め込んだ感はめちゃくちゃあるし、13年前に作った『Stupid I Am』という曲のフレーズを入れてみたりして。その曲も3拍子で、めちゃくちゃディアンジェロに影響を受けて作った曲だったので。あとはサブスクにない曲だから面白いかなと思って。CD持ってる人は知ってるみたいな」

ーー制作で苦労した点はありました?

「それこそ『How Does It Feel』が最高すぎて、このメロディーがめっちゃ出てきちゃうんですよ。でも逸らせようとするとメロが全然しっくりこなかったり。僕、メロ書くの早い方なんですけど、今回は結構手間取って。grooveman Spotさんにも"これどうなんすかね"と言いながら。構成はすごいシンプルですけど、最終的には大満足の曲になりました」

ーーちなみに、grooveman Spotさんからはどんなアドバイスがありましたか?

「R&Bシンガーってリバーブを結構かけるんですけど、この曲だけ、リバーブがほぼかかってないんですよ。コーラスとかにはかかってるけど、メインのボーカルは0に近いぐらいでかけてない。それは昔のディアンジェロが影響を受けてきたカーティス・メイフィールドや、昔のソウルミュージックのボーカルがドライだったから。その辺の経緯もめちゃくちゃ詰め込みましたね。ドライって結構粗も見えるので、誤魔化せない。ボーカリストとしては挑戦だったので、"相当丁寧に細かく意識して歌わないと無理だな"と思って、少し鼻の調子が悪かった日のレコーディングも実はリスケして。ボーカルは神経使いましたね」

ーーR&BシンガーとしてのZINさんの意識や矜持も、今作までの活動の中で育って変化して、『In The End』にいき着いたみたいなところはありますか?

「『CURVE』以降、リラックスして歌うことを意識するようになりました。あまり気張らないというか、でっかい声を出そうとしない。肩の力を抜いて、喉の奥だけ開けて歌う。それが今回の全曲でちゃんと活かされてる気がします。でも『In The End』はファルセットが多かったので、高いキーは結構気合い入れてでっかい声を出しましたけど、なるべくこわばらないように意識しましたね」

ーーなるほど。

「僕、『CURVE』まではボーカルを結構重ねてたんですよ。"ダブル"という手法なんですけど、同じラインを何回も重ねる。すると自然に質感が出て良い感じに聴こえるんです。でも歌1本の強みには劣るというか。僕、ディアンジェロの影響もあって、過去の作品ではメインも多重録音してる曲が多くて。『CURVE』を制作してる時、お世話になってる人や先輩に"ZIN、絶対1本でやった方がいいよ"と言われて、"やってみようかな"と。『CURVE』は歌1本の曲が多いんですけど、今回もそれを取り入れてます」

ーー歌1本でやってみる挑戦から得たものは?

「丁寧に歌うようになったかな。重ねると勝手に質感が出るので多少の粗さもアリにしてたんですけど、ド直球に1本に込める集中力や丁寧さを考えると、1本の方がいいなって」

ーーライブも1本で勝負されるんですよね。

「はい。僕、同期を流しながらのライブはソロで1回もやったことがないんです。それは全然否定とかじゃないんですけど、僕自身があまり好きじゃないだけで。誤魔化しきかない方が好きなので(笑)。もちろん同期を使う人は誤魔化してるわけじゃないと思いますよ」

ーーリリック面ではどうですか。<代わりのいない自分の未来><どこへ向かえば 最期は笑って死んでゆけるんだろう>が印象的で、<金継ぎしてるみたいな my thoughts of you>のフレーズが美しかったです。

「ありがとうございます」

ーー恋愛を歌っていると思いきや、人生に向かっていく歌詞になっていますね。

「最後は全然ベッドサイドじゃない内容を書いちゃったんですけど。今の世の中、疲れてる人が多いじゃないですか。それって対人関係が原因の人が多いと思うんですよね。でも"結局自分やで"というか。自分のために自分自身を見つめ直したり、"それってほんとに自分の心が幸せな選択なのかな"と歌詞を書きながら思って。"全ての辛かった経験も自分の肥やしにして、金継ぎしてより輝かせようぜ"、"欠けたものを何かで誤魔化して埋めるんじゃなくて、傷ついたところが光ってる方がいいやん"みたいな感覚だったので。冒頭は失恋ベースで書いてますけど、"最後は自分やで"というメッセージがひっそり入ってる」

ーー歌詞にちなんで、ZINさんは"理想の最期"ってありますか。

「僕、飛行機乗る時に思うんです。飛行機って怖いじゃないですか(笑)。もちろん安全に飛んでくださっているんですけど、やっぱり想像しちゃうんです。"もし落ちたら、今日で最後やな。今までの人生どうやったかな"みたいな振り返りモードに入っちゃう(笑)。でも実際飛行機の中では"まだやりたいことあったけど、そんなん言い出したらキリないし、やり残したこともあるけど、まあ幸せな人生やったんちゃうかな〜"と思ってて。だからそう思って死ねたらいいかな。もちろんまだ全然死にたくないいし、やりたいこともあるけど、もし死ぬなら"大丈夫です。しょうがない"みたいな(笑)」

ーー受け入れている?

「そうですね、受け入れ。それが近いかもですね」

ーーシンガーとしての理想系は考えたりされますか。

「あまり考えてないけど、でもやっぱり『CURVE』の存在がデカかったです。自分のために書いた曲が勝手に人のためになってたりするのが、音楽のすごいとこやなと。これからも自分に向けて書くことが多いと思うけど、誰かの人生に寄り添うことができてるなら、それは続けていきたいですね」

ーー『CURVE』はターニングポイントになる作品だったんですね。

「人生的にもそうですね」

ーーさらに2ndアルバムの構想があるということですね。"ZIN第2章"という感じですか。

「そうですね。僕構想を考え出すと、さらに時間がかかっちゃうかもしれない。でも時間をかけていいのかなとも思ってます。コロナ禍以降、"動いてないと消えちゃう"みたいなある種の強迫観念が、自分にプレッシャーを与え続けてきて、2020年からリリースもライブもめっちゃしてるので。少し篭って来年には2ndアルバムを作りたいなと思ってはいるんですが、どうだろう。来年の動きに関しては悩み中です」

ーーまずは『JOJO』を広げていくところですね。

「聴いてくれた人の反応が楽しみです。DMでも感想をいただけるし、それがめちゃくちゃ励みになってますね」

Text by 久保田 瑛理




(2025年11月 5日更新)


Check

Release

ZINが“今”放つ、静かで熱いR&Bの世界。最新EP『JOJO』配信リリース中!

[Track List]
01. 超えてゆく
02. Everytime I feat. Kojoe & FKD
03. Distortion
04. Moegara
05. Say So
06. In The End

配信リンクはこちら

Profile

ZIN(ジン)…R&B/SOULを軸に活動するシンガーソングライター。そのスタイルは時に優しく、時にダイナミックに人間の深層を浮かびあがらせるような独自のサウンドを追求している。 ソングライティングに定評があり、様々なアーティストとのコラボレーションや、楽曲提供も行う。 2015年から約3年間のNEW YORK留学を経て、現在は東京を拠点に活動をしている。 また関西を中心に活動するアーティストコレクティブ『Soulflex』の一員でもある。

Live

ZIN “JOJO” RELEASE BILLBOARD LIVE TOUR

【大阪公演】
▼11月8日(土) ビルボード大阪
1st Stage Open 15:30 Start 16:30
2nd Stage Open 18:30 Start 19:30

[BAND MEMBER]
ZIN(Vocal)
井上惇志(Keys)
タイヘイ(Drums)
Keity(Bass)
朝田拓馬(Guitar)
KenT(Sax)
山田丈造(Trumpet)
Aill(Chorus)
※1日2ステージ制

【神奈川公演】
▼11月14日(金) ビルボード横浜
1st stage open 17:00 start 18:00
2nd stage open 20:00 start 21:00

[BAND MEMBER]
ZIN(Vocal)
Osamu Fukuzawa(Keys)
タイヘイ(Drums)
Keity(Bass)
朝田拓馬(Guitar)
KenT(Sax)
山田丈造(Trumpet)
Aill(Chorus)
※1日2ステージ制


公式サイト