ホーム > インタビュー&レポート > 白井貴子、35年前の伝説ライブと今、そして未来へ!
86年の西武球場でのライブを再現した昨年。「マグマが爆発したようなライブでした」と白井。「すごい反応だったので、あ、やっぱりみんな本当好きで待っていてくれてたんだなっていう思いがひしひしと伝わって来て。そこから私も本格的に動くようになったんです。あの時の曲を怒涛のように並べてやるのは、体力、気力、予算も含めて、本当にターボが必要なので決断はとても難しかったんですけど、周りのみなさんがやろうやろうって言ってくれたおかげです」。客席を埋めたファンたちにエネルギーを与え、また「私たちがもらったものもすごく大きく、たくさんありました」。
今回は、ヒット曲『Chance!』『NEXT GATE』が出た後、新曲『プリンセスTIFFA』のリリース前に披露して盛り上がった85年の西の丸庭園ライブを、松下IMPホールに凝縮して再現する。「選曲は昨年以上にバラエティに富んでいて、83年、4年ぐらいの楽曲もかなり入った20曲を予定しています。でも私の曲は、ビートはすごいし、ステージングもハードにやらざるを得ないところもあり、2時間超えのマラソンやってるようなステージ。だから、どれだけ体力が続くかなって感じで。でも、今しかない、というタイミングを活かしてやらせてもらってると思います。あと何年できるか...少なくともあと5年、50周年までは頑張っていきたいですね」。

"ロックの女王"と呼ばれた白井はまた、同世代には"学園祭の女王"でもあった。それから45年。ファンには青春を取り戻しに来る人も多いだろう。「私は、そこにどんなボールを投げようかなと。人生を重ねていくと、だんだん1日1日が本当に大切になってきています。今、いっぱい美味しいもの食べて、1日でも元気に、実人生を生きてほしいなと思う。もうひと頑張りしようよ、もうひと暴れしようよって言ってあげられるところに来たかなって思っています」。
今「プライベートも音楽も充実している」と言う白井だが、88年に大きな転機を迎えていた。苛烈な音楽ビジネス業界で肉体的にも精神的にも疲弊した彼女は、これ以上頑張ると自分が終わってしまう!と感じ休むことを決意しロンドンへ渡る。「そんな時に私を救ってくれたのは、大地に根差して凛と輝いて咲いていた野生のマーガレットだったんです。もともと私はこういう力を持ってる子なのに、もっと自分が楽しく生きていないと周りも嫌ですよね。元気にいきいき咲いていれば、きっと自分も幸せだし周りも幸せになってくれるに違いないって、その花に教えてもらいました。それからは、あの花のような生き方をしよう、自然のもとで生きていこうって。音楽業界で生きるのではなく、地球の中で生きた音楽を作ろうと心を決めてやってきたんです。音楽は、みんなが幸せな人生を送るための空気。そのために作っていかないと」。
その姿勢が徐々に知られ、2000年代には環境大使の就任や、全国植樹祭のテーマソングの依頼など、南伊豆の森の自然下で創作活動を継続。また小学校の校歌など、子供たちへの曲にも力を込める。「後世に残して歌ってもらえる、子供たちの力になる。曲を作る人間とって、これ以上うれしいことはないお仕事に巡り合わせていただいている。そういうものが、私の音楽の根底でエンジンになっていますね」。

では、ここまで続けてきた白井貴子の原動力は? 「音楽愛に尽きます。私はありがたいことに自分で全部曲を作ってやりますから、まだまだ生み落とせていない楽曲が山のようにあって。それをなんとか具現化して行きたい、頭の中で鳴ってる曲をもっと外に出さなきゃいけないと思っています」。
今回、まさに白井貴子の音楽と人生の軌跡が投影されるライブだ。青春の思い出を重ねるファンと共に「前回、当時は幼くてライブに行けなかった。田舎にいたから行けなかった。そんな人たちが、今こそって感じで集まってくれて。本当に嬉しかった。今回も1回しかない人生、有益な集まりであってほしい。最後はガーッと盛り上がって、多分ライブのあと、みんなで飲みに行くんですよ(笑)。子供たちと一緒に来てくれてもいいし、最近はお孫さんを連れてくる人もいますし、楽しんでいただけるんじゃないかな」。
白井の45年と同じように、集まった人の数だけ、歩んできた人生の歴史がある。白井貴子が贈る、ロックな青春時代から現在、そして未来を見据えた音楽を共に楽しむひと夜。「今回のライブで、ぜひ本当の私に会いにきていただけたらと思います」。

取材・文:高橋晴代
(2025年11月14日更新)
当日引換券発売中 Pコード:314-227
▼11月16日(日) 17:00
松下IMPホール
全席指定(一般)-8800円
全席指定(学割)-4400円
[出演]白井貴子(vo)/本田清巳(g)/南明朗(g)/岡部晴彦(b)/片山敦夫(key)/河村“カースケ”智康(ds)
※未就学児は保護者膝上での鑑賞に限り入場無料(但しお席が必要な場合は学割チケット購入必要)。
※大阪限定お土産付き。【学割チケット】学生対象。入場時に学生証を必ずご提示ください(小学生以下は年齢が確認できるもの可)。学生証をお忘れの場合、一般チケットとの差額をお支払いいただきます。
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