ホーム > インタビュー&レポート > 森 大翔がバンド編成のワンマンツアー『REBORN』開催 ダンス要素も色濃くなってよりフィジカルに―― 「繊細さと全力疾走できる強さを兼ね備えたい」
――2024年3月「ぴあ関西版WEB」でインタビューをさせていただいたとき、北海道時代から続けているランニングだけではなく、ダンスも始めたとおっしゃっていました。肉体的な活動を通して気持ちを前向きにしていく、と。ちなみにそういったポジティブ活動は現在、いかがですか。
その話でいくと一時期、逆ポジティブ活動をやっていました。人生で初めて、夜更かしが続いたんです。3週間くらい、朝方に寝ることを体験しました。たまたま就寝時間がずれただけだったのですが、起きると外が暗いんですよね。「これはさすがに良くない」って(苦笑)。それで徐々に改善していきました。
――ダンスはどうですか?
ダンスも継続的にやっています。ダンススクールへ行って踊ることもあります。体を動かしたり、声を出して人と喋ったりするのはすごくポジティブな気分になります。あと軽い筋トレも時間があればやっています。実は僕は、「強くなりたい」という願望が多少なんですけどあって。
――意外です!
「アイライ」(2024年)リリース以降、なんとなく心境の変化があって、「物理的に強くなりたい」という時期がきたんです。肉体の強さは自信にも繋がるはず。なにより肉体を強くすることは、目に見えて成長が感じられる。ミュージシャンでも、ロックバンドのみなさんは特にフィジカルが強い印象です。僕が目指すのはその中間というか、これまでの自分の繊細さと、それを跳ね除けて全力疾走できるくらいの強さのどちらも兼ね備えるのが理想です。
――そういう意味で、11月のバンド編成ツアーのタイトルが「REBORN」なのは頷けます。「KEEP」ではないんですよね。
公演タイトルを決めた当時と今の「REBORN」の捉え方も少しずつ変わってきています。以前は「自分じゃない自分になりたい」「自分ができることより、さらに上のものになりたい」という願望からくるものでした。そして2025年に入ってから、自分のテーマも「REBORN」になりました。それから筋トレもやり始めて、いろんな場所へ行ってさまざまな人と話したりしました。その過程で、当初の「REBORN」の捉え方がアップデートされていきました。
――人って本来、年齢を重ねるたびに「REBORN」するのが理想だと思います。でも現実はそうではなく、現状維持が一番心地良いと気づいてしまう。つまり「KEEP」が理想になるんですよね。そういう意味でも「REBORN」って10代、20代の活発な時期だからこそできることのように感じます。
確かに今の自分は柔軟性もありますし、いろんな人に共感できたり、いろんな形になれると信じていたり。それが音楽性にも表されていて、「REBORN」というワードが自分の芯を決める第一歩になっていることが多い。外見的なこと以上に、内面的に生まれ変わって「自分はこれだ」ということを見つけていきたい。その背景には不安症に近い元来の性格があるんです。だからこそ常にいい方向へ行きたい。そこで焦りすぎてしまうこともあるけど、根底は常に変わり続けたいんです。
――たとえ良い形を「KEEP」できていても、変わらないことに対して不安を覚えるということですね。
「森 大翔ってこんな感じなんだな」と固まったイメージを持たれなくないんです。そういう風に思われたら「もっとできます」と言いたくなる。そうやって進化し続けることで、自分が「美しい」と感じられる音楽ができあがっていくはず。そのためには一つの物事に捉われたり、飽きるまでなにかをやったりしている場合じゃない。ちょっと忙しない感じかもしれないですけど、ずっと「REBORN」しなきゃいけない。
――そんななか、2025年初頭には初の弾き語りツアーも実施されました。「REBORN」しながらも、ギター1本で音楽を鳴らすという原点と向き合うことができたのではないですか。
弾き語りはアコギと僕だけ。だから自由に音楽を演奏することができます。「こんなに崩していいのか」というくらい崩してみたり、アレンジを変えてみたり。歌のパートはしっかりキープしつつ、間奏のアレンジは自由さを意識しました。リズムも自由自在にコントロールできますが、そうするためには自分の曲とじっくり向き合うことが必要。弾き語りツアーではそれができました。
――ご自身の初期曲についてはどのように捉えましたか。
意外に自分の初期の曲っていいなって(笑)。今よりあまり考えすぎずアウトプットできていた頃だったので、曲にも自然体な感じが漂っています。「作品から出てきているものとして良かったんだな」と感じました。今のように知識を蓄えて音楽作りと向き合うのももちろん良いことですが、それができるようになったのは、かつてのようにシンプルな感性で曲を作っていたからだと思います。
――歌唱面の意識の変化はいかがですか。
昔は歌をきっちりと歌うことがなかなかできなくて、苦労をしていました。「なんとかやっていた」という感じです。でも振り返ると逆にそういう方が、意外に色気があるようにも思えたり。あと歌詞も、今は意識をして「ありがとう」など誰もが受け取りやすい言葉を使って、広く届くものを意識して書いています。でもルーツをたどるとやはり現在とは異なる言葉遣いをしていて、それもまた「美しいな」と。もしかすると自分の本質は初期曲にあるのかもしれません。そうやっていろいろな要素を拾いつつ、次のステージに向かっていきたいです。
――『REBORN』がどんな公演内容になるのか、期待が膨らみます。
僕は今までいろんな揺れを経験してきました。でも音楽に関しては貫いてきたものがあります。特に感性の部分での広大さは保ってきたつもりです。自分の音楽で広い世界をお見せしたいですし、圧倒したい。自分から放たれる歌や音に他の楽器が組み合わさり、聞いてくださる方たちをいろんな世界へ連れていきたいんです。ライブ会場自体が一つの船になって、さまざまな景色や感情を見せてまわりたい。
――ツアー初日は11月22日(土)の大阪公演です。以前のインタビューでは「大阪は第二の故郷と言えるくらい思い入れが強い場所」とおっしゃっていました。
大阪はいつ来ても元気になれます。人が外に発しているパワーが大きい。みなさん、こちらに遠慮なく飛び込んでくるし、自分も全力で飛び込んでいける。そういう安心感が大阪にはあります。だからライブではどんどんパワーを送ってください。そうすることでステージがさらに熱くなります!
Text by 田辺ユウキ
(2025年11月 4日更新)
チケット発売中 Pコード:305-349
▼11月22日(土) 17:00
梅田クラブクアトロ
一般スタンディング-4500円(ドリンク代別途要)
U-23スタンディング-3500円(ドリンク代別途要)
※未就学児入場不可。
※整理番号付き。【U-23スタンディング】公演当日に23歳以下のお客様用のチケットになります。ご入場時、身分証の確認を行います。身分証の確認が取れない場合、一般スタンディングとの差額1,000円をお支払いいただきます。
※販売期間中はインターネット販売のみ。1人4枚まで。チケットの発券は、11/15(土)朝10:00以降となります。
[問]キョードーインフォメーション■0570-200-888