ホーム > インタビュー&レポート > アジア各国からフェス主催者を招いて交流 『FM802 MINAMI WHEEL 2025 ASIAN WAVES』 デリゲーツのカンファレンスと交流会/ トークイベント レポート
◼︎デリゲーツのカンファレンスと交流会
ミナホ2日目となる10月12日(日)、デリゲーツのカンファレンスと交流会が南堀江の萬福寺で実施された。進行役を務めるのはFM802 DJの土井コマキ。最初に、通称"ミナミ"として括られる開催エリアについて、「ヤングカルチャーがすごく元気な街なので、ライブを見るだけじゃなくて、買い物をしたり、ご飯を食べたり、コーヒー飲んだり、街全体を一緒に楽しんでほしいという気持ちで開催しています」と紹介。そのミナホ期間中の新たな試みとして実施された今回のカンファレンスが「文化庁による特別協力プログラム」であることを伝えて、「関西、そして日本を元気にするための新たな取り組みとして、文化芸術を核にエンターテインメント/ビジネス/ファンディングが一体となる関西クリエイティブ経済圏を目指す施策です。たくさんのアジアのフェスの主催者の方をお招きしていますので、交流会を通してぜひダイレクトに繋がってください」と挨拶した。

その後に紹介された今回のデリゲーツは下記の通り。
※敬称略
・韓国『Asian Pop Festival』のKim Daewoo(キム・デウ)
・インドネシア『AXEAN MUSIC FESTIVAL』のSatria Ramadhan(サトリア・ラマダン)
・韓国『BUSAN INTERNATIONAL ROCK FESTIVAL』のHOWON LEE(ホウォン・リー)
・香港『Clockenflap』Cora Chan(コーラ・チャン)
・台湾『Fire Ball Fest.(火球祭)』のMay Wu(メイ・ウー)
・香港『Incheon Pentaport Rock Festival』のJUNBUM PARK(ジュンボム・パク)
・インドネシア『LaLaLa Fest.』Donny Heru(ドニー・ヘル)
・タイ『Maho Rasop/Bangkok Music City』のSarun 'Top' Pinyarat(サルン・"トップ"・ピニャラット)
・中国『STRAWBERRY MUSIC FESTIVAL』のWuli Yasu(ウリ・ヤス)
・台湾『吾夜生活節/WooYeh Festival(ウーイェ・フェスティバル)(Taiwan)』のChara Hsiao(チャラ・シャオ)
次に、これらのデリゲーツの中から4名が登壇してそれぞれの自己紹介と主催しているフェスのポイントについて語ってくれた。
まず、インドネシアの『LaLaLa Fest.』を主催するDonny Heruさんが登壇。同フェスは2016年にスタートして、現在は3日間に渡って開催されている。国内外のアーティストが出演しており、これまでに日本からは羊文学、キリンジ、安田レイ、MONDO GROSSOなどが参加。進行役の土井さんも体験してきたそうで、「めちゃくちゃ規模が大きくて盛り上がっていて、びっくりしました」と報告していた。
次に、香港の『Clockenflap』の主催者Cora Chanさんが登壇。2008年に小規模なコミュニティで立ち上げたフェスだが、年々規模が拡大して、2023年の動員数は8万人になるそう。ミュージック&アートフェスティバルとして、音楽パフォーマンスとアートが体験できるのが特徴で、子供から大人までファミリーで参加するひとも多いようだ。毎年日本からも4~5組のアーティストが参加しており、これまでに離婚伝説、AKASAKI、Chilli Beans.らが出演している。
続いて、台湾の『吾夜生活節/WooYeh Festival』のブッキング担当のChara Hsiaoが登壇。このフェスは夜8時から翌朝5時までのオールナイトフェス! CNNが選んだ"世界一美しい日の出スポット"として知られる台湾最北端の基隆和平島で開催され、「みんなで一緒に日の出を迎える」とのこと。リラックスした状態で音楽を楽しめるようにキャンピングカーやソファなども用意。会場内ではライブ以外にもトークショー、DJ、ズンバのパフォーマンスなども繰り広げられている。
最後に登壇したのは、インドネシア『AXEAN MUSIC FESTIVAL』のSatria Ramadhanさん。同フェスは2020年からオンライン開催でスタートして、今年からバリで開催している。ショーケースで新しい音楽/アーティストを発見しようという主旨で行われており、東南アジアの音楽を世界に送り出して活躍の場を広げていこうとしている。同フェス出演をきっかけに、インドネシアのバンドが日本のフジロックに参加したり、カンボジアのラッパーが昨年のパリオリンピックのクロージングでパフォーマンスに招待された事例を紹介していた。また、インドネシアのアーティストとのディスカッションや一緒に楽曲制作する"ソングライティングキャンプ"という企画も実施されているとのこと。

その後、会場内で日本のフェス主催者やイベンター、レコード会社のスタッフ、アーティストのマネージメントとのフリートークに移り、お互いの交流を深めていた。



Text by エイミー野中
写真提供:FM802、撮影:田浦ボン
◼︎デリゲーツ トークイベント
南堀江・萬福寺でのカンファレンスと交流会の後、BIGSTEP大階段に場所を移して16時から、デリゲーツ トークイベントが実施された。先に行われたカンファレンスは音楽関係者のみの参加だったが、この場所では一般の来場者も観覧できるオープンスペースだ。司会進行役は引き続きFM 802のDJ 土井コマキ。さきほどと同様にミナホの紹介をして、今年は「アジアの音楽交流を加速させるためにアジア各国の音楽フェス主催者をお招きしています。ゆっくり聞いてください」と挨拶。
ここでの登壇者は下記の通り。※敬称略
・インドネシア『LaLaLa Fest.』のDonny Heru
・香港『Clockenflap』のCora Chan
・兵庫県三田市『ONE MUSIC CAMP』主催者の野村 優太
・国内外の音楽フェス・イベントのブッキングや制作を担当する木村 勇介

はじめに、今回来阪してミナホを初体験したDonny HeruさんとCora Chanさんに感想を聞くと、
Donny Heru「本当に素晴らしい。食べ物も美味しいし、すごく良い時間を過ごしています」
Cora Chan「すごく近い距離にあるいろんな会場でパフォーマンスが行われてるので、短時間でいろんな音楽が聴けてとても良いですね」
実際にライブを観て、良かったアーティストは?との質問には、「帝国喫茶、Wang One」(Donny Heru)「muque」(Cora Chan)といった名前が上がっていた。次に、インドネシアの『LaLaLa Fest.』の見どころや特徴をDonny Heruさんが紹介。
Donny Heru「『LaLaLa Fest.』はジャカルタで開催されており、ジャズからロックまでいろんなジャンルのパフォーマンスが行われています。10代から30代まで観客の年齢層も幅広い。音楽だけでなくいろんなことを体験できて、有名なアーティストだけでなく、これから活躍していく新しいアーティストの発掘も目的としてフェスを運営しています。みなさんぜひ体験しにきていただきたいです」
土井「今年、木村さんと一緒に行ってきました。本当に熱狂の渦でした(笑)」
木村「夜中までやっていてすごく盛り上がってましたね」
続いて、香港『Clockenflap』について紹介してくれたのはCora Chanさん。
Cora Chan「2008年にコミュニティのフェスというコンセプトで始まり、年々規模が拡大。音楽のジャンルもマルチで3日間開催しています。毎年4~5組の日本のアーティストが参加していて、今年は12月5日から開催予定で、Vaundy、Chilli Beans.、AKASAKI、離婚伝説といった方々が参加します。みなさんぜひ来てください!」
土井「Vaundyの初めての海外公演がこのClockenflapで、ヘッドライナーなんです」
野村「2年前にYOASOBIも出演してましたね。(日本から行くには)海外フェスはハードルが高いかもしれないけど、韓国の次に行きやすいのはClockenflapですね。会場が空港からも近いので。フェスの中ではアートのオブジェがたくさんあったり、バルーンアートとか音楽以外にもいろいろと用意されています」
土井「『LaLaLa Fest.』は会場内にお花がすごくたくさん飾られていたり、大きな噴水がある場所にプロジェクションマッピングを投影していたのも凄く印象的です」
Donny Heru「毎年テーマがあり、それに合わせたアートをお見せするようにしています。通常のライブステージだけでなく、いろんな装置で会場内の雰囲気自体も楽しめるようにしています」
フェスに出演するアーティストのブッキンングの基準は?という質問には、
Donny Heru「まず良い音楽を作れて、良い歌を聴かせてくれるアーティストを選んでいます」
Cora Chan「偏らないように、いろんなジャンルのアーティストを呼ぶようにしています」
ちなみに日本のアーティストについては、「日本の音楽シーンはダイナミックでクオリティが高い」(Donny Heru)。「パフォーマンス力もあるので感動する」(Cora Chan)と高評価。
最後に、ミナホについて、もっとパワフルなフェスにするためにどうすればいいか?との質問に、
Cora Chan「アドバイスすることはないですね。すでにエネルギーに満ち溢れています」
Donny Heru「世界で一番素晴らしいショーケースですね。これをぜひ続けていってほしいです」
と、絶賛していて和やかな雰囲気でトークイベントは終了した。日本とは異なる環境で独自の進化を遂げているアジア各国のフェス。今回、アジアのデリゲーツが来阪してミナホを訪れ、それぞれの主旨や取り組みなどを語ってくれたことで、各フェスの魅力がより鮮明に伝わってきた。このトークイベントを通して、新たに興味が湧いてきたひとも少なくないのではないだろうか。近年はそんなアジアの音楽フェスに参加するアーティストも増えてきている。今後もこうした交流が活性化して、どのような発展を遂げていくのか大いに楽しみだ。
Text by エイミー野中
写真提供:FM802、撮影:キョートタナカ
(2025年11月28日更新)
●開催日時:2025年10月11日(土)・12日(日)・13日(月・祝)
●会場:ANIMA / AtlantiQs / BEYOND / BIGCAT / BRONZE / CLAPPER / club JOULE / club vijon / CONPASS / DROP / FANJ twice /FootRock&BEERS / hills パン工場 / JANUS / OSAKA MUSE / OSAKA RUIDO / Pangea / soma / SUNHALL / VARON / なんば Hatch(11日・12日のみ)
●主催:FM802 / MINAMI WHEEL 2025事務局(事務局構成団体=FM802/ウドー音楽事務所/キョードー大阪/GREENS CORPORATION/サウンドクリエーター/清水音泉/スマッシュウエスト/ソーゴー大阪/ページ・ワン/夢番地)
●協賛:ZIPPO/森下仁丹/tabiwa by WESTER
●協力:大阪音楽大学/三木楽器/ZIP-FM
イベント HP
https://minamiwheel.jp/
[11日(土)出演]
●DiAN from Beijing
●LOR from Yogyakarta
[12日(日)出演]
●EASY SHEN from Taipei
●고고학 GOGOHAWK from Seoul
[13日(月・祝)出演]
●Ardhito Pramono from Jakarta
●Everydaze from Taipei
●ゲシュタルト乙女 from Tainan
●Nunegashi from Busan
●Oh! Dirty Fingers from Shanghai