ホーム > インタビュー&レポート > 「これからも全身全霊をかけて、 音楽を届けていくことを誓います」 『WITHDOM PREMIUM LIVE SUITS vol.15』二部レポート
抜群の歌唱力とグルーヴィなバンドの演奏で、クールな大人っぽい面を見せつつも、WITHDOMらしい明るさで会場全体を楽しませた一部を終え、18時30分からスタートした二部は、一部とはセットリストも内容も大きく変更された。
先にバンドメンバーの奈倉翔(Vn)、山本晃平(Gt)、秋山ひろき(Ba)、橋爪拓(Drs)、オカダトモヤ(Key)がステージにスタンバイ、SEが流れて橋爪のドラムがフィルイン。ゴリッとしたロックなセッションからスタートし、ダイナミックなサウンドで会場を高めていく。
そしてSMOOTH(leader.vo)、Ryo(vo)、ROY(vo)、SHVNYA(rap.cho)が上手側からステージに登場。一部と同じスーツを着用し、『Whatever』を雄々しく披露した。一部を経て喉があたたまったのか、のっけから絶好調でマイクリレーの歌声とラップを放っていく。腰を落としたダンスもキレキレの『Happy Verse Day』に続いては、より加速して『Baddy』を投下。ヒリヒリするほど早口で、目まぐるしくスイッチするボーカルに呼応して、バンドサウンドもぐんぐん躍動。もちろん客席のテンションも熱を帯びる。フェイクやがなりを操るRyoの表現力の幅広さにも脱帽した。
迫力満点のパフォーマンスに、客席からは歓喜とため息の混ざった声が聞こえてきた。Billboard Live OSAKAをすっかり自分たちの力で掌握した4人の勢いは増す一方。SHVNYAは「一部から来てる人はもちろん、二部の皆さんも最高に盛り上がっていけますか! 今日来たのは運命です。だからこそ唯一の俺たちのフルバンドでのライブ、この曲で楽しもうぜ」と言って、ナイスグルーヴが身体を揺らした『Twin Ray』、オートチューンが効果的な『キミノセイ』と、ソウルフルでアッパーなチューンを連投した。客席のレスポンスの良さも相まって、ポジティブなパーティータイムが醸成されていく。メンバーも手応えを感じて楽しそうだ。
MCでは、SHVNYAが「君たちのせいで楽しなってもーてますー!」と満面の笑みを浮かべる。SMOOTHは「楽しみすぎて、3日前にものもらいができちゃったんですよね」と、一部でも披露した全く同じ話を始め、Ryoが盛り上げる。心からのリラックスムードでわちゃわちゃとトークを展開し、WITHDOMバンドの紹介へ。さらにバイオリンの奈倉翔(Vn)もジョインして、「二部もめちゃくちゃアガってきてますので、僕たちもバイブスをアゲてBillboardを盛り上げていきたいと思います。楽しんでいきましょう!(SHVNYA)」とライブに戻る。
オカダの伴奏とRyoのボーカルから始まった『Distance』は幻想的であたたかく、上質なメロディーと4人のハーモニーが実に美しく、曲が終わると大きな拍手が贈られた。続く『Say I love you』では、安定感抜群のRyo、実直さと芯のある歌声が魅力のROY、力強くも包容力のあるSMOOTH、コーラスもばっちりのSHVNYAと、4人のマルチなボーカルスキルに感服した。アウトロのバイオリンとピアノの繊細なアンサンブルも、優しく心に染み渡ったのだった。
ここからは『SUITS』恒例の即興コーナー。開場時に来場者から募集した「好きな言葉 or 嫌いな言葉」を歌詞に入れ込み、その場でワンコーラスを作るという社長リクエストのトンデモ企画だが、毎回メンバーの対応力と楽曲の完成度の高さに驚かされてしまう。まずは、バンドメンバーによる即興のビートを2つ作ってもらったところで4人がワードを引き、じゃんけんをしてパート決め。結果、Aメロ「浮気(Ryo)」、A'「むかつく(SHVNYA)」、Bメロ「努力は報われる(ROY)」、サビ「大好きだよ(SMOOTH)」という歌唱順で、ビートはアップテンポに決定した。ほんの1〜2分で歌詞とメロを考えるというのは相当なプレッシャーだと思うのだが、「任せとけー! 何曲作ってると思ってるんだ!」というSMOOTHの頼もしい言葉もありつつ、シンキングタイムに突入。SHVNYAもリリックを考えないといけないはずなのだが、MCとして明るく客席に話しかけ続けていた(にもかかわらず、見事なラップをキメてしまうのだから本当にすごい)。そしていざ即興歌唱。メンバーから「大成功でした!」という言葉が出るほど、今回も華麗なパフォーマンスを見せてくれたのだった。
女性を誘うラブソング『Hey Girl』の前には、SHVNYAがRyoに「この即興コーナーで、今日来てくれたLadiesを落とせていたかは謎なので、声かけてもらっていいですか」と言われてリベンジするも、SMOOTHに慰められるという結果に。SMOOTHによる高音の<Hey Girl〜♪>で演奏されると、ボックスステップを大きく踏みながら、ポップにグルーヴィに、最前の観客の目の前で極上のハーモニーを響かせる。最高にハピネスな空気が充満したところで、もうひとつ幸福度を増大させる『HAPPY』を投下。心底楽しそうに歌う4人と、サビの振付が完璧なオーディエンスで会場の一体感はMAXに到達した。
出演者全員での記念撮影を経てラストスパートに向かう前に、メンバーは1人ずつ想いを言葉にする。プライベートでもBillboardに来るというROYは「幸せいっぱいです。去年も言いましたけど、本当に由緒正しき場所でWITHDOMとして立てたことが何よりも幸せやし、来てくださった皆さん、ほんとにありがとうございます」と顔を輝かせた。「僕もBillboardはよくライブを観に来させてもらった会場で、ライブをやられているアーティストはすごく偉大な方ばかりで、いつかここに立ちたいと思って。『SUITS』は15回まで数年間続けて、このステージがあります。ここに連れてきてくれて本当にありがとうございます」とSHVNYA。
Ryoはこの日の観客のうち、Billboardに初めて来た人が多かったことを受け「僕たち的にはそれがすごく嬉しくて。僕たちはずっと変わらずに走り続けていますけども、みんなも僕たちと共に走り続けてくれてるので、僕たちが色んなところにみんなを連れていけたら幸せですし、皆さんの見たことない景色をこれからもたくさん見せていければなと思っていて。これからも必死に必死に歌っていきますので、引き続きWITHDOMのこと、応援よろしくお願いします」と語った。
リーダーのSMOOTHは「僕たち、ありがたいことに8周年を迎えさせていただきました。キャリアが長くなるにつれて、感じ方が変わってきた。若い時はツンデレで、"みんなの笑顔が見たい"とか、"みんなのために歌ってます"とか言えなかった。だけど今、みんなの存在があったからここまでやってこれたと心底思います。俺たちはずっと"日本武道館が目標です"と言い続けててブレてないんですよね。俺もROYもSHVNYAもRyoも、ここをブラさずにやってこれたのは誇りです。同じことを長く続ければ続けるほど、人間はうつろう。でも、変わらない気持ちを貫くために変わっていかなくちゃいけないことがある。それを俺たちはずっとずっと考えながらやってるけど、俺たちだけでは続けてこれなかったなと改めて思ってます。これからも不束者ですが、僕たちと一緒に夢の道を歩いていただけたらなと思います。終わりが来ないように歌います」と述べて『NEVER ENDING STORY』へ。真剣な眼差しでパワフルに想いを込めて歌う4人の姿を見て、涙を流すファンが多数。メンバーはそんなファンを優しく見つめ、最後はハーモニーをより一段と大きくした。
SHVNYAは総括するように「このステージに立てたのはみんなのおかげだから。みんなとならどんなことも乗り越えられるって知ってます。これからも俺たちについてきてください!」と叫び、『Unbreakable』をとびきり爽やかに披露。<その景色を見てみたくて>と実感を込めて歌う姿には、思わず涙腺が刺激される。どんな困難があっても、自分たちの音楽と夢をあきらめない。そんな4人の覚悟がひしひしと感じられる歌だった。そして、ニュース番組のウェザーテーマに起用された『YULA YULA』を歌い、眩い青空のような彼らの明るい未来を感じさせた。1部2部と行われてきた『SUITS vol.15』のラストチューンは、結成7周年記念シングルでゴスペラーズの黒沢 薫作曲&ボーカルプロデュースの『All my life』。これからの人生をかけて一生そばにいて守り抜いていくよ、というラブソングの『All my life』を熱唱する彼らの姿に、これからも人生をかけて歌い続けて応援してくれるファンの皆んなと一緒に歩んでいく、という彼らの想いが重なり、歌い終わりと共に大きな拍手に包まれた。「これからも全身全霊をかけて音楽を届けていくことを誓います。以上WITHDOMでした!」の言葉と共に深々とお辞儀した4人の顔は、充実した表情に満ちあふれていた。
退場時「このまま帰るのももったいないので、みなさんの近くに」とメンバー全員で1階席の通路を練り歩く。ファン1人ひとりの顔を見て目を合わせ、笑顔で手を振る4人。夢を共にしたファンとの絆をも感じる、至福の時間となった。
結成8周年を迎え、ライブパフォーマンスの進化も目覚ましいWITHDOMは、この日改めて日本武道館への夢と想いを抱きながら活動を続けることを、はっきりと伝えてくれた。彼らの夢が叶う日が来るまで、見守っていきたいと思わされる『WITHDOM PREMIUM LIVE SUITS vol.15』だった。
Text by 久保田 瑛理
Photo by Rickey
(2025年10月 6日更新)
01. Whatever
02. Happy Verse Day
03. Baddy
04. TwinRay
05. キミノセイ
06. Distance
07. Say I love you
08. 即興コーナー
09. Hey Girl
10. HAPPY
11. NEVER ENDING STORY
12. Unbreakable
13. YULA YULA
14. All my life
【東京公演】
▼2026年2月8日(日) EX THEATER ROPPONGI
▼2026年2月28日(土) 15:45
BIGCAT
一般チケット-5000円(整理番号付、ドリンク代別途要)
※未就学児童は入場不可。
※小学生から中学生以下は保護者様同伴の上、ご入場可能です。ただし、保護者様もチケットは必要です。
※15:00~15:10までに会場入り口にご集合いただいた方はチケット記載の整理番号の早い方から順にご案内いたします。それ以降ご集合いただいた方はスタッフが順次、整理番号に関係なくご案内いたします。
※観覧位置はエリア2(前方より2番目のエリア)になります。
※一部メンバーが出演不可になった場合でもチケットの返金はございません。
[問]サウンドクリエーター■06-6357-4400