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ホーム > インタビュー&レポート > 「新しい歌はもちろん、皆さんに青春していただきたいので 懐かしい歌もたくさん用意しています」 2026年に迎えるデビュー55周年の前祝い 「プレ55周年イルカコンサート~あいのたね♥まこう!~」開催 イルカインタビュー


「新しい歌はもちろん、皆さんに青春していただきたいので
懐かしい歌もたくさん用意しています」
2026年に迎えるデビュー55周年の前祝い
「プレ55周年イルカコンサート~あいのたね♥まこう!~」開催
イルカインタビュー

1975年にリリースされた『なごり雪』の大ヒットで国民的な存在となり、現在に至るまでシンガーソングライター、絵本作家、ラジオパーソナリティーなど幅広い活動を続けているイルカ。音楽活動においては、2026年に迎えるデビュー55周年を前に『プレ55周年 イルカコンサート~あいのたね♥まこう!~』と題して全国各地をまわっている。そのツアーと同名の新曲『あいのたね♥まこう!』を9月21日に配信限定でリリース。今回は新曲に込められた思いやデビュー55周年を迎える心境などを伺った。

おばあちゃんの遺言的な気持ちから生まれた
新曲『あいのたね♥まこう!』


――今年も恒例の『君と歩いた青春』に出演されていかがでしたか?

「毎年同窓会のような感じでフォーク仲間が集まって一緒にやるコンサートですから、本当に楽しくて、熱い気持ちで歌わせていただきました。そこでみんなに会うと、"こうして健康で、今年も会えてよかったね"と毎年言っていますね。今回の大阪城ホールも360度、目一杯お客様に入っていただけたことが昭和世代にとっては奇跡的に嬉しいことだなと感じました。皆様のおかげです。ありがとうございます」

――自然と口ずさんでしまうようなサビとやさしい曲調が印象的な新曲『あいのたね♥まこう!』が9月21日にデジタルリリースされました。イルカさんの楽曲はいつもどんなふうに生まれてくるのですか。

「私は、曲が生まれる時、ふわっと頭の中に何かが生じてくるんです。一昨年あたりだったかな、"愛の種蒔こう"っていう言葉がふわっと生まれました」

――それはなにかきっかけがあったのですか。

「"愛の種を撒く"なんて当たり前のことじゃないかと思っていました。しかし、今はそういうことから逆行していることがあまりにも多くて、ニュースを見ても世の中全体が非常に不安な気持ちになることが多いと感じていたんです。大きな災害も頻繁に起きていますし、まさか私が生きている間にこんなふうに世界のあちこちで戦争が起きるなんて思ってもいませんでした。パンデミックのコロナ禍もそうです。私たちも2年半くらいコンサートが全くできない時期がありました。こんなことに遭遇するなんて考えたことがなかったですね。そういう大変な時代の中で、負の連鎖がどんどん拡大しているような気がしたんです。そして何よりも恐ろしいのは、そこから派生して人々の心の中に憎しみの種が撒かれることですね。ニュースを見ていても、戦禍の中で子供たちが泣いている姿を目にします。そういう体験をすると優しい気持ちになるより、憎しみの気持ちが生まれるんじゃないかと...、そう思うとなんともやるせない気持ちになります。いつかその憎しみの気持ちが解けて、たくさんの人を愛せるような、そういう世の中に私たちがしていかなくちゃいけないと思って。自分一人の力は小さいけれど、憎しみの心さえも包むような温かい気持ちを私たちは決して忘れないようにして、どんなに小さくてもいいから愛の種を蒔いておけば、いつか子供たちが大人になった時に、そこから少しでも花が咲いて実がなっていく。またそこから愛の種が撒かれて...というように循環していけたらいいなって。私も孫が4人おりますので、おばあちゃんとしての遺言的な気持ちですよね。自分が生きているうちに、少しでも愛の種を一粒でも撒いていきたいというのが本当に正直な気持ちです。タイトルを全部ひらがなで書いたのは小さいお子さんでも読んでもらえたらいいなって思ったからです」

――今回のツアーも曲名と同じタイトルですね。

「来年がデビュー55周年なんですけど、今年から"プレ55周年"としてコンサートをやっていこうと言っていただけたので、 "55周年ありがとうございます!"という気持ちと"あいのたね♥まこう!"を集約させて、一人でも多くの皆さんの目に入っていただけたら嬉しいなという気持ちで、『プレ55周年イルカコンサート~あいのたね♥まこう!~』というツアータイトルにしました」

――『あいのたね♥まこう!』という曲自体はリリース前からイルカさんのコンサートでは歌われてきたのですね。

「そうですね。この歌はできてからすぐにコンサートで歌ったんです。こんな歌ができて、まだ一番しかないんだけど...って、皆さんに聞いてもらい、だんだん曲ができていく過程を皆さんと共有しながら1年以上やってきて完成しました。コンサートでは9月から新しくレコーディングしたバージョンでやっていて、ものすごい進化を遂げてきた歌なんです。まさにこの歌はコンサートで育ってきた子だという感じがします」

――レコーディングバージョンでのイルカさんのこだわりがあれば教えていただきたいです。

「今回、曲ができた段階からレジェンドの鈴木茂さん(元はっぴぃえんどのギタリスト)に相談して、まずステージアレンジをしてくれませんかとお願いしました。新しい曲ができたらレコーディングをしてからコンサートでやることが多いのですが、これは先に曲ができたので、鈴木茂さんとメールでやり取りしながらステージアレンジを進めていって、本当に良い音を作り上げてくださいました。レコーディングではもちろんツアーメンバーも参加してくれたので、ほんとにホームメイドというか、みんなでコツコツと作り上げてきた感じです。コーラスもみんなにやってもらって、私らしい作り方でレコーディングができました」



今はお酒は控えめにしていて、
お湯を飲んでも気分で酔えるようになりました(笑)


――2026年でデビュー55年を迎えられます。ご自身の音楽活動を振り返ってどんなことを実感されていますか。

「ちょっと振り返るには長すぎて(笑)。あっという間のような長いような...。こんなに長く歌ってこられると思っていなかったものですから、こんなに歌えているだけで幸せですし。コロナ禍の時に50周年だったんですけど、その時に何十本もコンサートが全部流れてしまって...。外に行くこともなくなり、仕事もなくなって、2年間ずっとうちにいて、母の介護をしておりました。その頃は、もうこのまま引退かな...みたいに思った時期もありましたね。でも、それを超えて、またこうやって歌えることになったので。毎回コンサートをやるたびに、ありがたいことだなと。いつも思いますが、自分だけが55周年の道のりを歩いてきたのではなく、横にいてくれたスタッフが一緒に支えてくれて、そして何よりもコンサートに来てくださるお客様が一緒に同じ時を歩いてくださったっていう思いがすごく強いですね。あとはもう健康管理さえしておけばなんとかなるという感じです」

――ちなみに、イルカさんが健康管理で日頃から気をつけていらっしゃることは?

「お酒を飲んで暴れないことかな(笑)。若い頃は毎晩一升酒を飲んで、ガンガンに騒ぎまくって、そんなことやりながらも、コンサートを何十か所もやっていたんですからね。今はそういうわけにはいかない。だから、お酒は控えめにしています。年に何回かは少しだけいただきますけどね。私、今はお湯を飲んでいても一番酔っ払っちゃうんですよ。そういう術を身につけたんです。お湯飲んでも気分で酔えるようになりました。安上がりです(笑)」

――では、最後に大阪公演を楽しみにされている方々へメッセージをお願いします。

「大阪は毎年のようにコンサートをさせていただいて、根強く応援してくださる方がいらっしゃることが何よりも心強いですね。皆さんに喜んでいただけるように、新しい歌はもちろん、青春していただけるよう、懐かしい歌もたくさん用意していますので、皆さんぜひ会いに来てください」

Text by エイミー野中




(2025年10月31日更新)


Check

Release

Single『あいのたね♥まこう!』
発売中

Profile

イルカ…東京生まれ。女子美術大学に在学中からフォークグループを結成、71年シュリークスを経て、74年ソロデビュー。翌75年『なごり雪』が大ヒットし、シンガーとしての地位を確立する。78年長男“冬馬”を出産、2年間の”イルカの冬眠”ののち再び活動を始める。80年には女性シンガーソングライター初の「日本武道館」公演を成功させ、2026年に55周年を控えた現在も、毎年全国ツアーを続けている。ラジオパーソナリティを務めるニッポン放送「イルカのミュージックハーモニー」は放送開始から35年目に突入。また、絵本やエッセイなど書籍も出版し、IUCN国際自然保護連合親善大使でもあるイルカは自身の作品や活動を通じて「私達は皆、この地球という大きな生き物に住む、細胞同志である」というメッセージを、世代を超えた沢山の人々へ伝え続けている。

イルカ オフィシャルサイト
http://www.iruka-office.co.jp/


Live

「プレ55周年 イルカコンサート
~あいのたね♥まこう!~」

【広島公演】
▼11月1日(土) 呉信用金庫ホール
【山口公演】
▼11月3日(月・祝) 下関市民会館 大ホール
【千葉公演】
▼11月15日(土) 東金文化会館 大ホール
【兵庫公演】
▼11月24日(月・祝) アクリエひめじ 大ホール
【京都公演】
▼12月5日(金) 京都府中丹文化会館

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード:307-534
▼12月7日(日) 16:30
東大阪市文化創造館 Dream House 大ホール
全席指定-6500円
※未就学児童は入場不可。
※販売期間中は1人4枚まで。
[問]キョードーインフォメーション■0570-200-888

【宮城公演】
▼2026年1月10日(土) 東京エレクトロンホール宮城
【北海道公演】
▼2026年1月12日(月・祝) カナモトホール
【福島公演】
▼2026年1月31日(土) いわき芸術文化交流館アリオス アルパイン大ホール
【栃木公演】
▼2026年2月15日(日) かぬまケーブルテレビホール 大ホール
【愛知公演】
▼2026年2月18日(水) COMTEC PORTBASE
【神奈川公演】
▼2026年3月1日(日) 関内ホール 大ホール

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