ホーム > インタビュー&レポート > ウルトラ寿司ふぁいやー、6人での新体制初のインタビュー 【ツアー編】 「今まで通り『誰がいつ見ても楽C』というスタンスは貫きたい」
――「ウルトラ寿司ふぁいやー」は2017年に結成されたそうですね?
Jぺい(Vox,Gt,司会):そうです。もともと僕と翼くん(Drums,Cho)は高1の終わり頃からの知り合いで、一緒に1年間バンドを組んでいました。その後、僕はバンド活動から離れて、大学からアカペラを始めて知り合ったのが、まじくん(Sax,Key,Perc,Vox)です。そして僕のサークルの後輩として、なめちゃん(Pf,Cho)と出会い、昨年まで活動をともにしていた元ボーカルのしょーりんたちとアカペラグループを一緒にやっていました。
その頃、翼くんと加部ちゃん(Gt,Cho)が知り合い、一緒にお試しバンドをしてみると1年、2年と続いたので「どうせやるならしっかりやろう」ということで、まじくんとなめちゃんを呼んで、あとはベーシストだけいないぞとなって。翼くんの友達から紹介してもらうことになりました。
尚也(Bass,Cho):そこで僕がバンドに入ることになって、全員「はじめまして」という状態。
Jぺい:でも......ウイスキーを飲んでたよね(笑)?
まじくん:リハーサルの初日から飲んでた(笑)!
尚也:そうだったっけ? 確か2回目だったよ。
Jぺい:一応常識あった(笑)。そんな感じで2017年の夏にスタートしました。
――そうして7年の活動を経て、2024年12月14日の神田明神ホールのライブをもって、しょーりんさんが脱退しました。6人の新体制での方向性など、メンバー全員で意見を出し合うようなことはありましたか?
Jぺい:みんなでいろいろな意見を出し合って話し合いました。
まじくん:年始に初めて6人体制で行う仙台のライブがあったのですが、これまでの曲も演奏するので、Jぺいがしょーりんとふたりで歌っていた曲を全部ひとりで歌うことになって。でもボーカルがクロスする曲があるので、今まで通りだと成り立たない曲も出てきました。
Jぺい:ツインボーカル用の曲だね。幸いだったのは、まじくんは楽器の演奏をしながら歌える人だったので、ボーカルもできるとなって担当してもらうようになって。だから、彼は苦労していますが、バンド全体としてはメンバーがひとり抜けたとはいえ苦労していないかもしれません。
まじくん:ただ、しょーりんが担当していたコーラスの部分は、加部ちゃんがやるようになったよね。
加部:そうなんですよ。そのおかげでライブ中、「コーラスにとらわれて前に行けない!」と動けない時もあるのですが、コーラスも楽しんでいます。
Jぺい:6人になってステージは広くなったから、自由度は少し高くなったかも。できなくなったこともあれば、できるようになったこともありました。
――ライブは「誰がいつ見ても楽C(たのしー)」を合言葉に活動されていますが、このテーマは結成当初からですか?
Jぺい:僕らは、基本的に「楽しいものをやろう!」という気持ちを拠り所に集まっている人たちなので、逆にそれ以外の軸はなかったです。
翼:最初に掲げていたことと言えば、"高い音楽性と低い知能"というテーマもありました。
Jぺい:ははは。今もあるけどね。とにかくライブでは初めて来る方もずっと来てくれている方も、どんな方々も楽しんでいただけるステージを意識しています。
――今回、全国ツアー「秋の味覚大満足ツアー『極上6貫にニューアルバムを添えて』」が、9月から11月まで続きますが、どのようなステージになりそうでしょうか?
Jぺい:アルバムの曲を中心に、これまでの曲も披露する予定です。すごく念を押したいのは、今まで通り「誰がいつ見ても楽C」というスタンスは貫きたいこと。新曲を披露するだけのライブにはしたくない、という気持ちはみんなの中でもあるはず。
翼:「これが6人の新しい音源です」となるのは変わりはなく、それぞれの楽器の演奏としては今までにないプレイというか。今回のアルバムでは歌がカッコよく聴こえるように楽曲の完成度をまず意識してプレイを変えているので、そこからライブで実際に演奏する時に、CDのままライブで再現するのは不可能なところもあって。
そこをどういう風にライブバージョンとしてブラッシュアップしていくのか、ドラムとしては考えています。それこそJぺいはギターを弾きながら歌う、まじくんはシンセサイザーを弾きながら歌う、という場面も出てくるので、アンサンブルも変わってくるだろうなと。
――そもそもライブに来られる方はどんな方が多いですか?
Jぺい:音楽が好きな方々で、女性の方が多いかな?
翼:8割ぐらいは女性ですね。最近は男性のファンの方も増えてきてくれて、メンバーみんな喜んでいます。
Jぺい:年齢層も20代から80代ぐらいの方までいらっしゃるので幅広いです。幸せなことにスターダスト☆レビューさんやSkoop On Somebodyさんといったさまざまな音楽界の先輩方や、声優の森久保祥太郎さんなど、僕たちのことを推してくださっていて共演の機会を作ってくださる先輩方のおかげで、そこから僕たちを知ってライブに来てくださる方もたくさんいますね。
――今回のツアーでは、関西は奈良公演と大阪公演があります。場所によってもライブの盛り上がり方は違うものですか?
Jぺい:大阪、やばいよね!?
まじくん:うん、大阪のみなさんはすごく盛り上がってくれます!
翼:どこよりも一番盛り上がるぐらいな印象があります。
Jぺい:ツアーで日本のいろいろな地域をまわらせてもらっていますが、場所によってこんなに反応が違うんだ、と初めてくっきりと体感させてくれたのは、大阪かもしれません。ステージに出てきただけですけど、熱気がすごいみたいな。そんな感じだったよね?
まじくん:本当にそうだったね。
Jぺい:僕らが盛り上げているのか、盛り上げてもらっているのかわからなくなるほどです。関西はすごく楽しいです。奈良は今回初めてライブをするので、どうなるか気になりますね。
――きっと今回のツアーも各地大成功を収められるのではと思いますが、みなさんにとって、ライブとはなんでしょうか?
Jぺい:「人生」ですね!
まじくん:締めるね(笑)。
翼:おっきくて薄い発言だ(笑)。
Jぺい:最初に言っといた(笑)。15歳で初めて中学の合唱祭でライブをやってから、ずっとライブだけを楽しみに生きているからね。
翼:僕もライブがしたいから、他のことを頑張れるというか。やりたいことをやらせてもらっている身の上ではあるのですが、例えば移動で疲れたり、曲作りで悩んだり。でも、本当にライブが楽しくて音楽をやっているので、ライブとは「ご褒美」です。
加部:正直なところ、ライブは準備も練習も大変。曲を作っているほうが性には合っていると思うことがよくあるんですよね。でも、実際にライブをやると、終わった後に、絶対「やってよかったー!」と充足感でいっぱいになるので、ライブは「最高なもの」ですね。
まじくん:リスナー側の意見を考えると、生音を聴く体験が必要なのかなと。僕は学生時代に吹奏楽部に入っていたのですが、まず体験に行って、生音のすごさに感動して入部して。とにかく生音に胸を打たれたんです。あと今は、音源やバンド映像はインターネット上にあって、誰でも見ることができる。でも、ちゃんとライブで演奏しているのを実際に見てみると、初めてその存在を実感して、すごさがわかるんですよね。音源がいくらすごくても、実際に演奏していなかったら僕はつまらないなと思うので、ライブは「自分の存在を証明する場所」として頑張っています。
なめちゃん:僕は対バンとワンマンでちょっと意気込みが違っていて......。対バンは他のアーティストのお客さんを取り込みたいので、名刺代わりになるように、自分たちのベストのライブをしようという意気込み。一方、ワンマンは、自分たちも楽しい時間になるので、お客さんに甘えてしまう部分もある感じがします。なので、ライブといえば、ここではワンマンとして考えると、「お客さんに甘える場所」ですね。
尚也:ライブといえば、ライブの後に飲むビールは、世界一おいしいんですよ(微笑)。本音を言うと、ライブをすること、作曲をすることより、僕は楽器を弾くことが一番好きなんです。だから、楽器が弾ける場所でもあるライブは、「お酒を一番うまくする場所」。
――メンバーのみなさんの多様な個性と音楽センスが融合されて、ジャンルレスに音楽を楽しみながら活動されている意志を感じます。では、今回のツアーでオーディエンスのみなさんに「ここを見て楽しんでほしい」というポイントは?
翼:音源と一緒のことを僕はやらないので、CDとライブの違いを楽しんで見ていただきたいですね。
加部:僕がカッコつけていたら、ぜひ盛り上がってください(笑)!
Jぺい:イイね(笑)!
まじくん:ニューアルバムにはラップ的な楽曲が複数あるのですが、既存の曲も含めて、ラップのテンションはライブのテンションによって変わるので、まるで生き物のようなんです。そこが一番のポイントとして見てほしいですね。
なめちゃん:今までライブを見てきた人向けにはなりますが、今回のアルバムの曲はアコースティックピアノ以外の音色もけっこう入っていて、自分でもライブではどんな感じで弾こうかと考えていて。だから、実際にはどんな音色で弾いてるのか、楽しみにしてもらえたらうれしいです。
Jぺい:僕は歌に注目してほしいですね。新作の「ロマンスはいらない」や「寿司食べたい」など、ひとりで歌う前提の曲をこんなにちゃんと作ったのは初めてで。ひとりで歌い切るという面において、レコーディングでも今までとは違う歌唱面での機能の使い方や集中力が必要なところもあって、それは新たなチャレンジになっています。なので、ライブでもそんな変化や成長も、お客さんにも楽しんでいただけたらすごく幸せです。
尚也:個人というより、アルバム全体の話になりますが、既存の曲とはアレンジもジャンルも普段とは異なる曲が多い作品になっているので、今まではウェイウェイやっていたけど、今回の曲をどうやって楽しんでいただけるか。お客さんの楽しみ方でこちらの楽しみ方も変わっていくものなので、一緒に新しいライブの楽しみ方を見出せればいいなと思っています。
Text by かわむら あみり
【アルバム編】は9月8日(月)アップ予定
(2025年9月 2日更新)
5thアルバム『NEW鰓』
2025年9月8日(月)発売
【通常盤】3000円(税込)
【特典DVD付き】4500円(税込)
【熊本公演】
▼9月13日(土) 熊本Django
【福岡公演】
▼9月14日(日) INSA
【広島公演】
▼9月15日(月・祝) 広島Cave-Be
【岡山公演】
▼9月17日(水) CRAZYMAMA 2nd Room
【奈良公演】
▼9月19日(金) NEVERLAND
【大阪公演】
▼9月22日(月) Yogibo META VALLEY
【愛知公演】
▼9月23日(火・祝) ell.FITS ALL
【宮城公演】
▼9月28日(日) LIVE HOUSE enn 2nd
【茨城公演】
▼10月5日(日) club SONIC mito
【千葉公演】
▼10月12日(日) 千葉LOOK
【埼玉公演】
▼10月19日(日) 浦和ナルシス
【神奈川公演】
▼11月2日(日) 横浜ReNY beta