ホーム > インタビュー&レポート > 点と点を繋げて、“らしさ”を詰め込んだ1枚 the dadadadys、待望の1stフルアルバム 『+天竺』を提げてワンマンツアーへ
メンバー間で丁寧に積み上げた、改名からの3年間
ーー改名されて3年が経ち、初のフルアルバム発売ですね。満を持して、という感じですか。
小池「そうですね。30歳前後の大人たちが、第2のバンドというか新しいことをやるのには、ある程度大人なので物事がスムーズに進むことが多いんですけど、スムーズじゃない部分を大切にしたら、結構時間がかかりました」
ーースムーズじゃない部分。
小池「手間のかかる部分とか、いわゆる効率が悪いところですかね」
ーー丁寧にやっていったということですか?
小池「雑なことをあえて丁寧にやるみたいな。確認作業とか、各々の意識や価値観のすり合わせとか、めんどくさいんですけど、そこを雑にしなかった感じですかね」
ーー少しずつ価値観を合わせていくのが重要だと思われていた?
小池「例えば会議室とかで集まって話すのは仕事みたいで、バンドとしては美しくないなと思ってしまうので。ライブや音楽制作の時、直接的なワードを使うのではなく、間接的に"お互いこういうふうだと、もっとお互いが同じ方向を見て音楽を鳴らせるよね"という感覚ではあるかもしれませんね」
山岡「それこそお話の流れで言うと、みんな大人なので、多分話せば形だけはすぐできると思うんですよ。でも中身が伴ってないといけない。空洞のままの状態だと脆いので、しっかり中身を詰めていって、そこから枠を作っていった感覚はありますね。ちゃんと詰めていく作業だったような気もします」
ーーそうして関係値が築けた時に、メンバーさんはサポートから正式加入された形ですか?(山岡は2022年4月に、儀間は2023年1月に、それぞれサポートから加入)
小池「そこは感覚的ですかね。なので感覚に頼った分、あとはちゃんと理詰めしなきゃいけないところを補填した感じです」
ーーメンバーさんにとっては良い時間でしたか?
小池「だと思うんですけどね」
ーー逆にteto時代は、コミュニケーションはもっと感覚的だった?
小池「うん、感覚のままやってたんですかね。だからやっぱり脆い部分はあったと思います」
ーー今ひとつずつ積み上げて、絆が強固になりましたか?
小池「カッコ良い言い方をするとそうなんですけど、そんな大それたものではない感じはしますね。バンドってあくまで娯楽というか、大したものではないと俺は思ってるんです」
ーーライブは衝動的な部分もあると思いますが、同じように丁寧にすり合わせていったんですか?
小池「ライブはメンバーのことあまり見ないので、よくわかんないです(笑)。お客さんが楽しければいいかなと。レコーディングでお互いの音は確認しますから、音楽におけるグルーヴは確かにあるかもしれない。ライブはそんなに他の人の演奏聴いてないですよ」
ーー山岡さんの渾身のギターソロも?
小池「レコーディングの時褒めたじゃん」
山岡「確かに(笑)」
小池「それでいいかなって。ライブは自分たちのためにやるというよりは、皆さんのためにさせていただいてるんで」
ーー直近の6月~7月に都内10箇所で10日間行われた対バンツアー『the dadadadys TOUR 2025 (ホォリィ)モォニンググロォリィ~ぴかぴか道中編~』は終えられてどうでしたか?
山岡「僕は楽しかったです。東京だけで10本回るってすごいなって。出ていただいた皆さんも好きなバンドなので、単純に新しいことをやってるし、好きな人たちが出てるし楽しいなという感じでしたね。お客さんにもそれが伝わって、一緒に楽しんでくれてる感じもあったので良かったですね」
ーー良い刺激も受けましたか?
小池「刺激は常に受けてますね」
ーー7月10日の対バン相手のthe dadadadys MK-Ⅱがすごく気になるんですが。
小池「MK-Ⅱは外タレのバンドです(笑)」
ーーどうでした?
小池「ここ最近で1番刺激を受けましたね。自分、最近刺激を受けることがないなと思ってたんですよ。TV、映画、音楽、大体の結末って予測できちゃうので。自分が暇で渇望している時に求めているものが予測の範囲内で終わっちゃうと、満たされないままになるんですよね。だからこそ、自分が生み出すものは刺激のあるものがいいんじゃないかなと思うんですけど、それを久々に満たしてくれたのがMK-Ⅱでしたね」
ーーどんなところに刺激を受けましたか。
小池「多分彼らは1番音楽をするのに適した形でやっているというか、何も無理をしてない。俺は、音楽は生活必需品じゃないので娯楽だと思うんですけど、娯楽を娯楽のままやっているのがいいなーと思うんですよ。そうやっていけたらもっと色々楽なんだろうな」
ーー力を抜くというか。そうできてない部分もある?
小池「全部どうでもいいんですけど、"全部どうでもいい"と言ってたら、賛同も共感も生まれないし、それがないと熱狂も狂乱も混沌としたものも、何も生まれなくなってしまう。自分の中ではそれを求めて娯楽である音楽をやっているつもりなので、ちょっと難しい部分ではありますよね」
これまでやってきた"よくわかんなかったもの"を理解してもらえるアルバムになった
ーー今作1曲目の『GO jiGOku!!』に<我々は我々だ>というリリックがありますが、tetoから地続きで活動してきて、今5人のthe dadadadysで確立したものがあるということでしょうか。
小池「アルバムを作ったからわかりやすいかな。多分俺があまり説明しないので、メンバーは"何やらされてるんだろう"と思う。でもこのアルバムで理解してもらえたんだよね」
山岡「ほんとにそう。"このギターはどういうところにポイントとして活きてるんだろう"と思いながらやってますね。歌もまだ聴いてない状態で弾くんですけど、1番最後の歌入れが終わると、やっぱり点と点が繋がるというか、"そういうことか"みたいな」
小池「音楽を作る過程では、"もしかしたら自分の発言や態度も意味わかんないなと思われてるんだろうな"と思うことが多いし、バンド名を変えてアルバムを出すに至るまで、3年ぐらい色々実験的なことをやっていて、それも全部意味わかんなかったと思うんです。"何でtetoからこうなるの?"と思う方もいらっしゃったかもしれない。だけどそれがようやく理解してもらえるアルバムになったんじゃないかな」
ーーメンバーさんだけでなく、リスナーさんにとってもわかりやすいもの。
小池「わかっていただけるかなって、俺は」
ーー今作は『ROSSOMAN -void-』を軸に展開していったそうですが、楽曲はどんなふうに揃っていったんですか? 作曲は小池さんと儀間さんでされているんですよね。
小池「あとはメンバーが、曲の根っこの軽い土台を作ったり。7曲目の『king of gelato』は佐藤がベースを作ったんですけど、それはそれでアルバムになるように曲を推敲した感じですかね」
ーー他にも候補の曲はあったんですか。
小池「一応あったんですけど、既存曲を聴いていただきたい気持ちもありつつ。で、今の自分を見てもらうには、やっぱり新曲が1番わかりやすいかなと思ったので。既存曲は自分の中で印象に残ってる曲を選んだんですけど、曲数は"全10曲だし3曲でいいや"みたいな感じで適当に決めました」
ーー小池さんの中で"この曲だな"と思うものを選ばれたと。
小池「そうですね。この3曲かなとは思いました。『ROSSOMAN』はthe dadadadysで1番最初に作った曲なんですけど、さっきの刺激の話じゃないけど、自分が作ってて"これはすごいな"と自分の中で思えた、自分から刺激をもらえたことが嬉しかったことは覚えてますね。だから『ROSSOMAN』を作った時、"まずこの曲をアルバムに入れよう"となりました」
ーー小池さんの説明があまりないということは、アルバムにどの曲が入るかも最後まで知らされないとか......?
小池「そうですね、基本言わないですね」
山岡「"入れよっかな"みたいなぼんやりとした話ぐらいですね」
小池「やっぱりメンバーにも驚いてほしいんですよね。身内を驚かせる人間っていいじゃないですか(笑)。俺はただびっくりしてほしいんだよね」
山岡「ずっとしてるけどね(笑)」
小池「感動、感激してほしいから。皆様に驚いていただくのはそこからなんですよね。1回身内で試します(笑)」
最終突き詰めると、ボーカルはなくてもいい
ーー再録の3曲は、どういう視点でリアレンジされましたか?
小池「『らぶりありてぃ -la dolce vita-』はロック・バラードみたいな大作になってるんですけど、前はちょっと違った形でした。今回は何で俺が錬(山岡)に任せたんだろう?」
山岡「前から"変えたい"という話はあって。でもアレンジがぼんやりしてるというか、どういう方向性に持っていくのかあまり決まってなくて。バンドでやる意味を持たせたアレンジにしようという話になったかな」
小池「多分、ロックバンドの1stアルバムっぽくしたかったんだと思うんですよ。エネルギーと熱量。でも今はそういうエネルギーのある時代ではもうないので、世の中のことも自分のこともちょっと俯瞰して、"総合的に熱量はあるけど、言ってることはめちゃめちゃ後ろ向きだな"みたいな違和感のあるものにしました。ロックって本来"踊れよ!"みたいなのが1番わかりやすいと思うんですけど、ちょっとちぐはぐな部分があるのが、自分は面白いなと思う。だから『らぶりありてぃ』の前のバージョンは、ちょっとトラップっぽいというか、言葉が大切な今の時代っぽく歌が入ってきやすかったけど、今回そういうのは度外視しました。俺、ギターと歌って相性悪いと思うんだよね(笑)。だってギター弾いてたらさ、歌聴けなくない?」
山岡「そうだね」
小池「歌を聴きたい人は、音数少ない方がいいじゃん。でもやかましさがいわゆるロックのカッコ良さ。なのでこういうやかましい音になったのかなと思いますね」
ーー今回はギターもわななき、女性コーラスも入っていますね。
小池「ギターが入ってくると、おぞましくなるんですよね」
ーーギター3本のアレンジはいつもどんなふうにされているんですか?
小池「『らぶりありてぃ』の話でいうと、不穏なギターではあるんですよ。わざとギターの音を外したり、おぞましさも担ってる。僕は単純にロックバンドが好きなので、歌だけが特出してるものよりかは、みんなでスクラムを組んでる感覚が良いなと思うので、ギターはうるさい方がいいし、ボーカルもメロディーがもちろん大事ではあるけど、最終突き詰めると、ボーカルはなくてもいいぐらいの感覚」
山岡「うん、俺もそっち」
小池「ボーカルというか、メロディーなくていいかな(笑)。俺はない方が好きなんです」
山岡「歌も楽器だから、あったらいいとこもあるし、なくていいとこもあるし、全部なくてもいい。総合的に考えているかもしれないですね。ただ自分は多分他のバンドよりめっちゃ後ろでギター弾いてるとも思うし、邪魔もしてるし、邪魔しようとちょっと思ってる(笑)」
小池「でもそんなんで邪魔させない感じでくるのが面白い。だってロックバンドのギターが俺に寄り添い出したら嫌ですもん(笑)。"何、お前ギターのくせに寄り添ってくんの。お前ギターなんだろ、ギター弾けよ"って思いますよ。ギターはやっぱりそうであってほしい」
1曲目でびっくりさせたい『GO jiGOku!!』
ーー1曲目『GO jiGOku!!』から2曲目『モォニンググロォリィ』への流れは素敵でした。
小池「"地獄に一緒に行こうぜ"なんて、あまりよくないですよね(笑)」
ーーカッコ良いですけどね。さっきも言わせてもらいましたが、<我々は我々だ>という歌詞が今のthe dadadadysを表すというか、"やりたいことはこれだぜ"という意志を表している感じがしました。
小池「ある種の吹っ切れじゃないですけど、"俺らはこっち側だよ、もう地獄行きだ"という気持ちはあります」
ーーいきなり<げぇむおーばー>ですし。
小池「俺は身長が170cmの時点でもう<げぇむおーばー>って思うんですよ。180cmあったら絶対もっとカッコ良かったよ。"たかが170cmの人間が歌うことだよ"って感じだもん」
山岡「僕がちょうど180cmなんですよ」
小池「羨ましいよ。ある種才能ないんだなって思いますもん。でも先天的なもの、出身や生まれた土地で結構変わりますよね。"俺ってもう無理なんだな"とかよく思いますね」
ーーその気持ちが曲に出ている。
小池「"無理だぜー!"ってやってますね(笑)。もうそれぐらいやんないと。いっそ愉快だし痛快ではあります」
山岡「だってもっと優しく言えるのにね。"170cmの人には170cmの良さがあってそれぞれ良いよね!"じゃないの?」
小池「"ダメ! もう無理! 吹っ切れ!"みたいな感じはありますけどね」
ーー1曲目に『GO jiGOku!!』を持ってきたのは?
小池「この曲は"1曲目を作ろう"と思って作りました。1曲目でびっくりさせたいし、どこか既視感があることもやってるんですけど、そういうのは1曲目の方がいいかなと思ったので」
わからないものに筋を通した『モォニンググロォリィ』
ーーでは、『モォニンググロォリィ』はどのように作られた曲ですか?
小池「今みたいに1拍置きながら会話させてもらう時は、ある程度筋道を立てて会話できるんですが、そういう状況じゃない時とか、矢継ぎ早に言葉や判断が求められる時は、自分は全部めちゃくちゃでムカつくし、どうしようもなくなってしまうんです。そのまとまりのない感情を、"どうやって今すぐにまとめんだよ"と思うんですよ。例えば数日過ぎれば、意外とまとめるのが簡単だったりすると思うんですけど、『モォニンググロォリィ』は、そのまとまってない時をまとまっていないまま1回並べて、数日後丁寧に直したイメージです。なので展開が多かったり、歌詞もめちゃめちゃ色んなこと言ってみたり、カルチャーの話もしたりというのは、自分自身に思っている憤慨というか。あとは世の中に対して引っかかる部分、無視したくない違和感、でもそういうものを作ってくれる娯楽、そこから得られる多幸感、そういうのを全部俯瞰して1回並べたんですよ。なので、さっきのメンバーが理解できなかったという話では、多分この曲が1番それがハマってる。1番"そうだったな"と思わせてる自覚はあります」
ーー山岡さん、いかがですか?
山岡「そうでしたね。僕はバラバラに並べた歪なものを見ていたので。でもそこが精査された時に、1番ハッとする曲ではあったんですよ。"確かに筋が通ってるな"って」
小池「ただそこで筋を通してしまうと、聴きやすくなっちゃうんですよ。もちろん理解し得ない部分も多いけど、理解されやすくなっちゃうのは芸術としてはどうなのかなと。筋を通して理解しやすいものを俯瞰してまとめるというと、"やっぱり大衆に寄ってるよね"とは思うんですよね。"これはこうだからこうなるんだよ"と説明するのは、ある種芸術に反する行為なんですけど、もう少し気軽に楽しめる、新しいおもちゃを作る感覚はありました」
ーーその意識は、tetoの時から持ってらっしゃるんですか?
小池「tetoの時は、多分意外と理解されてたのかな。なんかもうあの時は無我夢中だったので、よく覚えてないというか。ただなるべく大衆向けなものと、もう少し追求した玄人向けのもののバランスは取りたいなと思っていたんでしょうね。今回も見事にまたバランスを取っちゃったなと思いますね。それが良いか悪いかは、ちょっとわからないです」
"みんなで作曲できるようになったら無敵じゃん"
ーー『恥晒氏』は、先ほど山岡さんがベースを作ったとお話がありましたが、具体的にはどんな作り方だったんですか?
小池「山岡が主導権を握れるように、山岡が楽しいことをさせようとした気がします。違った?」
山岡「そういう認識だった。曲の土台自体は僕がパッと作ったんですけど、そこからどういう曲にしていくかみたいな話をして。この曲が1番最後にできたし、1番"歌どうすんだ?"みたいな曲ではあると思うんですよ。スケジュールもはみ出してたから、小池と2人でスタジオに入ってパソコンで録っていたので、結構はっちゃかめっちゃかな曲にはしたかったんですよ。ギターもめっちゃうるせえし。曲としてはすごい聴きづらいとは思うんですけど」
ーーベースの唸りがカッコ良かったです。基本小池さんがフレーズを考えるけれど、他のメンバーさんが曲のタネを持ってくるものに関しては、結構好きにやれる感じですか?
小池「最近はフレーズも全部お任せしてますね。俺と儀間は昔から作曲をしてるので、なんとなく"こういう曲作りたい"と思ったら、すぐにお互いの頭の範囲で表現できるんですけど、それを他のメンバーにもやってもらったらもっと楽しくなるかなと思って、7曲目『king of gelato』と5曲目『恥晒氏』はメンバー主導でやりました。今までそんなに作曲をしてない、山岡と佐藤にやってもらったのが1番大きいかもしれませんね。ビートルズじゃないけど、"みんなで作曲できるようになったら無敵じゃん"みたいな感じはあります」
山岡「今後もやりたいと思ってますね」
ワンマンツアーは「我々も皆さんもぎらぎら悶絶できるように」
ーー8月からワンマンツアー『the dadadadys TOUR 2025 (ホォリィ)モォニンググロォリィ~ぎらぎら悶絶編~』が始まりましたが、初日の渋谷は悶絶しましたか?
山岡「そうですね(笑)」
小池「悶絶初日って感じ」
山岡「これがあと9回」
小池「俺、今回のアルバムの自分への解像度と言語化が、我ながらすさまじすぎて。今までは"もうちょっと他の方にも伝わるように"とか、100人いたら10人が理解できるような作品を作るのが得意だし、そういうことがしたかったからやってきたんですけど、今回音楽的なことは色々あるんですけど、歌詞や言葉は100人に1人が理解できるレベルなので。以前は100人に10人理解できるものだったのが、今回100人に1人理解できるものになった。そうすると俯瞰目線で一応書いてたのが、近視眼的になった。例えば『東京ラブストーリー』のセリフが入ってたり、他にもいろんな言葉を使ってるんですけど、"朝ドトールで歌詞書いてたな"とか、自分も歌いながら色々思い出しちゃうことがあって。特に9曲目の『らぶりありてぃ -la dolce vita-』と10曲目の『吾亦紅』あたりは、本当に自分に向けて歌ってる、自分以外に向けて歌ってないぐらいの感覚はあるんですよ。自分に向けて歌うことが誰かの光になったりするとは思うんですけど、それが自分に向けすぎているので、9曲目、10曲目終わると、自分がもう満足しちゃうんですよ」
ーーライブで?
小池「はい。特に9曲目10曲目は、"歌"という意味が1番強いのかな。この間ライブの本編でラストの2曲を9曲目、10曲目にしたんですよ。そしたら全部満足して、"もういいや"となっちゃって。アンコールをいただいたんですけど、できなかったんですね。そのぐらい、歌としての満足感は自分の中にありますね。自分が歌ってるのに、"ああ、ようやく自分のことをわかってくれる人来たよ"って。自分で歌ってるからよくわかんない話になっちゃうんですけど」
ーーそんな小池さんを横で見られて、山岡さんはどう感じましたか?
山岡「でも多分、みんなも同じ気持ちだと思います。僕もそうでしたし」
小池「"もう終わった!"って感じ?」
山岡「俺は(小池よりも)もっと周りから見てる感覚だから、"もうやる必要なくない?"と思っちゃう」
小池「"これ以上もう蛇足だよね"という。ライブだったらですけどね」
ーー残りの9本のライブも?
小池「もしかしたら初日の1本だけで、あとは全部蛇足で終わっちゃう(笑)」
ーー初日にしてそこまで到達したんですね。
小池「ダメなんですけど、9曲目10曲目あたりをやるといつもそうなってしまうので」
ーー曲の力ですよね。
小池「そうなんですよね。いや、でもちょっとやり方を考えてます。このままだとぎらぎらもできないし、悶絶する前に終わってしまう(笑)。もっと"ぎらぎら悶絶! うわ~!"みたいなイメージだったんですけど、9曲目10曲目を立て続けにやっちゃうと、"もうやることねえな"となっちゃうんですよ。これ以上、何をお見せできるんだろう。自分自身もそれ以上何をすればいいかわからないというかね。その日はその日で終わりだなって『蛍の光』が流れてる感じ。でも今後は考えたいなと思います」
ーーどんな感じになるのか楽しみですね。
小池「なるべく9曲目10曲目を後ろの方に持っていって、我々も皆さんも、ぎらぎら悶絶できるようになってくれるといいんですけど」
Text by 久保田瑛理
(2025年9月22日更新)
2022年1月26日、tetoとして6年間の活動をしていたボーカルギターの小池貞利、ベースの佐藤健一郎に加え、あらたに元2のドラマー・yuccoが正式加入し、3人でthe dadadadysを結成。同年1月、両A面配信シングル「ROSSOMAN!」をリリース。同年4月にはサポートギターとして参加していた山岡錬が、2023年1月26日には儀間陽柄(ex.ヤングオオハラ)がバンドに加入し、現体制となる。2025年3月から公開の映画「ネムルバカ」(原作:石黒正数 / 監督:阪元裕吾)で儀間が劇中バンドのジャガー・モリィ役を務める。また映画の劇中歌を4曲担当。同年6月10日の下北沢SHELTER公演を皮切りに東京都内10公演のツーマンライブツアー「the dadadadys TOUR 2025 (ホォリィ) モォニンググロォリィ~ぴかぴか道中編~」を開催。同年7月9日、ファースト・アルバム『+天竺』をリリース。同年8月22日より全国10箇所を廻るワンマンツアー「the dadadadys TOUR 2025 (ホォリィ)モォニンググロォリィ~ぎらぎら悶絶編~」を開催。
初のフルアルバム『+天竺』発売中!
3300円
UKCD-1247
《収録曲》
01. GO jiGOku!!
02. モォニンググロォリィ
03. ROSSOMAN -void-
04. rock’n’roll ぎゃる
05. 恥晒氏
06. ホォリィ・嫉妬
07. king of gelato
08. しゃらら -Taale Zameen Pal-
09. らぶりありてぃ -la dolce vita-
10. 吾亦紅
【札幌公演】
▼9月26日(金) 19:00
BESSIE HALL
【仙台公演】
▼9月28日(日) 17:00
FLYING SON
【長野公演】
▼10月5日(日) 17:00
長野ライブハウスJ
【東京公演】
▼10月10日(金) 19:00
LIQUIDROOM