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バンド史上最多フェス出演の夏が終わったら、
大阪を皮切りにバンド史上最大規模のツアーが開幕。
加速し続ける超能力戦士ドリアンがぴあ関西版初登場!

超能力戦士ドリアンのライブに行ったことがない人でも、「盛り上がりエグすぎる もしかして売れてきた???」のコピーとともに、日々SNSにアップされ沸きに沸いている超能力戦士ドリアンのライブ動画を目にしたことがない人はいないんじゃないだろうか。実際彼らを取り巻く状況は確実に盛り上がりを見せていて、現在進行形で全国各地のフェスに出演しまくっている夏が終わると、10月26日(日)大阪なんばHatchを皮切りにワンマンツアー『はちゃめちゃ!サイエンスラボ』がスタート。これは前回のツアーをさらにスケールアップしたバンド史上最大規模。実は私自身前回ツアーの大阪公演で初めて超能力戦士ドリアンのライブに参加。初めてでも、曲をあまり知らなくても、ぼっち参戦でも心から楽しめる&次のライブが待ち遠しくなるライブであることを遅まきながら実感した。今回はぴあ関西版WEB初登場となるおーちくん(vo)、けつぷり(g)、やっさん(vo&g)のメンバー全員にワンマンツアーに向けた意気込みや結成当初からのライブへかける思いなどを語ってもらった。3人の掛け合いのようなトークをぜひお楽しみください。

会場が大きくなっても、フェスやライブの数が増えても、
自分は自分のやるべきことをやるだけ



ーー今年は相当な数のフェスに出演されていますね。

やっさん「そうですね。ありがたいことに今までで一番出てますね」

ーーそんな中ちょっと振り返ってみたいんですが、最新アルバム『おおぞらクルージング』(2024年)の発売からちょうど1年が経ち、1年前と今年でこんなところが変わったということはありますか?

やっさん「1年前だと名古屋はキャパ1000人ぐらいのダイヤモンドホールでワンマンをしてて、大阪だと梅田クラブクアトロ。今年は今度のツアーで名古屋はZepp Nagoyaで大阪はなんばHatchで、去年の倍ぐらいのキャパでやらせていただきます。去年も、その前の年の倍みたいな感じではあったので、毎年各地で倍、倍になっていってるのはありがたいですね」

けつぷり「去年の夏は『おおぞらクルージング』のリリースイベントで飛び回っていたんですけど、今年のように大型フェスの出演がバーンと増えてその比重が大きくなったのは明らかに変わったなと思いますね。今年はフェスバンドだと言っても恥ずかしくないぐらいは出れているかなと思います」

おーちくん「けつぷりさんが言うように、たしかにライブの規模感やったり見てくれる人の数は去年と今年では大きく変わったなっていうのはあって。ただ、自分は自分のやるべきことをやるだけなんで、そういう意味では特に何も変わらないかなと思います」

やっさん「(笑)かっこいいこと言う」

おーちくん「さっきのはメディア用のコメントなので太字にしてください」

ーー(笑)メディア用じゃない本音は?

おーちくん「フェスとか出る時って基本的に緊張しているんですけど、出演バンドで知っている方も増えてきて、ステージ裏でもそこまで緊張しなくなってきた気がします。表でも裏でも自分たちの居場所みたいなのが増えてきたなという感じはありますね」

ーー今年前半のワンマンツアー『きらめけ!マジカルキングダム』のファイナルが大阪で、私はその公演で初めて超能力戦士ドリアンのライブを体験しました。お客さんが一緒に歌って踊って楽しむ参加型で、何度もライブに来ている人はもちろんですが、初めて来た人でも、極端ですがドリアンの曲を知らない人でも楽しめる工夫が随所にあって。バンドのSNSでも日々ライブの動画が上がっていますが、各地どこでも良い反応が得られていますか。

やっさん「そうですね。県民性もあるでしょうし会場の大きさもそれぞれですけど、どの会場も声を出して欲しいところはすごく出してくれるし、声を出さなくても後ろの方とかで楽しんでもらえてると思いますね。ワンマンライブって曲を知っている人向けの答え合わせみたいなイメージなんですけど、ワンマンでもフェスでも、初めて来る人が1人でもいる可能性があるじゃないですか。初めて来ても分かりやすくっていうことで、声を出すタイミングとか、ボーカルのおーちくんの振り付けを一緒に踊りたい人は真似したらいいし、ゆっくり見たい人も気まずくないように、初めての人が120%楽しめるようなライブの進め方を、結成した時からずっと続けてきているんですね。自分たちとしてはそういうフォーマットの中でやっているだけといえばそれまでなんですけど、それがだいぶ完成してきたかなという感じはしますね」

ーーデビューした頃から今みたいなライブのスタイルでしたか?

やっさん「うん、まあデビューしてないんでアレなんですけど(笑)」

おーちくんけつぷり「笑」

ーー(笑)ライブをやり始めた頃から現在のようなライブのスタイルでしたか?

やっさん「3人の中で特に僕が性格的に気にしぃというか、ライブ中に"これイケてんのかな?"とか"大丈夫なんかな?"みたいな感覚が結構強くて。別にお客さんの手が上がってなくても良いライブはあるし、そういう楽しみ方じゃないライブも世の中にいっぱいあって、そういうのをやる選択肢もあったんですけどね。お客さんの手がどれぐらい上がってるか、楽しそうな顔してるかとかでライブが今どういう状況なのかリアルタイムで分かるじゃないですか?」

ーーそうですね。

やっさん「そういう"今大丈夫なんかな?"、"良くないんやったら修正したいな"みたいなのを常にできるようなライブをしたいなっていうのは最初の頃からですね。最初の頃はお客さんもそんなにいなかったけど、今みたいな参加できる余地がたくさんあるライブをやってはいましたね」

ーーお客さんを巻き込んで盛り上がるライブを作る。それをバンドの持ち味というか、武器にしてやっていこうというのが最初からあったんですね。

けつぷり「こんなバンドなので、笑わせたいとかそういうものははじめの頃からありました。ただ、今でこそ参加型になってきてるんですが最初はそんな体(てい)の良いものでなくて、お客さんに参加してもらうというより"参加してください!"みたいな感じでした。それでもやりたくない方もいますし、やりたいけど"やってくれ"と言われたり煽られたらやりにくい方とかいろんなタイプの方がいらっしゃるし、思ったように反応が返ってこなかったり、却ってしらけるみたいなことも続いて。特にお客さんが少ない時はそんな感じでしたね」

おーちくん「うんうん」

けつぷり「主にやっさんがMCをするので、やっさんなりにいろいろやり方を変えたり我々としても話し合ったりして、今の"やりたくない人はやらなくてもいいよ"っていう方向にだんだん変わってきて。不思議と"やらなくていいよ"って言ってたらみんなやってくれるようになってきましたね」

ーー超能力戦士ドリアンに詳しい方に聞いたら、昨今の勢いはすごいけど、コロナ前の時点でライブのチケットは完売になっていたりとっくにすごかったんだと。

けつぷり「コロナ禍で大きく変わりました。そのあたりはやっさんがしゃべります(笑)」

やっさん「なんでやねん」

けつぷり「僕はもうしゃべりすぎたんで(笑)」

ーーコロナがあったことで大きく変わりましたか?

やっさん「コロナ前に短距離走みたいな売れ方というか、トントントンと進んではいたんですけど、コロナで完全に何もできない時期もあり、僕らみたいに楽しいライブをやるシーン自体が下火になったというか。ライブをやれたとしても声も出せないし、お客さんもたくさん入れれなかったですよね。そんな中でもツアーをずっと続けていたんですが、お客さんが声が出せない分楽しみ方がちょっと減っちゃってるじゃないですか。その分何かないかなっていうので映像の演出を入れようと。前回のツアーでもやりましたけど、当時はコロナ禍だったし自分たちの集客力的にもプロジェクターを打てる規模の会場ばかりじゃなかったんで、家庭用のディスプレイを使って映像の演出を投影するっていうツアーをして。それでめちゃくちゃ演出の幅が広がったんですね」

ーーそういう経緯があったんですね。

やっさん「コロナ禍でできないことがあったけど、その分引き出しも増えて。ワンマンツアーだと今は常に声も出せるし何でもできるけど、映像の演出をなくす必要はないから継続して、僕らの音楽を知らない人でもより視覚的に楽しめるライブになってるかなっていう感じですね」

ーー歌詞が出てくる映像演出だと、曲を知らない人も一緒に歌えますね。

やっさん「そうですね。テーマパークとかアンパンマンショーって予習して行かないけど楽しいじゃないですか。そんなの当たり前やけど、ライブとかって予習していかんと楽しまれへんみたいなのが割とあって。僕らとしては、ちゃんとバンドのライブやけど、テーマパークみたいにフラッと来ても楽しいみたいな環境を作れたらいいなと思ってやってますね」

ーー今の話を聞いてて『新曲初披露はムズい』(2019年のアルバム『超能力戦士ドリアンの楽曲は7つ入ったミニアルバム』収録)が頭をよぎりました。あの曲で歌っているようなことなのかな、と。

やっさん「(笑)そうですね」

けつぷり「またマニアックな曲を(笑)」

ーー曲は主にやっさんさんがアイディアを出されるんでしたっけ?フェスのタイムテーブルや(「被りまくりタイムテーブル」)とかポイントカードやなんちゃらPayをまとめてくれ(「全ポイントカード合体して欲しい」)とか、それが歌になるのか...!という曲が豊富ですが。

やっさん「僕がテーマと歌詞を持っていって、ギターのけつぷりが曲にしてくれる感じですね。日頃常に歌詞のことを考えてるわけじゃないんですけど、普通に人と喋ることが好きなんで、喋ってる時に面白い話題が出たりすると覚えてたり。あとまあ逆が好きというか、まっすぐ行くのがあんまり好きじゃないというか得意じゃなくて。ゲームとかでパッケージに描いてあるキャラを使えないタイプなんですよ」

ーーと言うと?

やっさん「たとえば、マリオカートでマリオを使えない。ちょっと変わってるなあみたいなキャラを使いたいタイプなんで、曲のテーマ選びとかもそうなっちゃう感じですね」

ーー逆張りしちゃうんですかね。

やっさん「そうですね、良くも悪くも」

ーーちなみにおーちくんさんやけつぷりさんはマリオカートのマリオを使えるタイプですか(笑)。

けつぷり「マリオカートはむしろマリオを使う人の方が少ないんじゃないですか」

おーちくん「主題はそこじゃないけどな」

やっさん「あはは!たとえなだけやん」

けつぷり「ああ、何を使うか?キノピコとかやったんちゃいますかね」

やっさん「だいぶ最近のマリオカート(笑)」

けつぷり「僕も逆張りじゃないけど、あまのじゃくというかちょっと違う方に行っちゃうみたいなところはありますね。3人ともその気質はあるんちゃうかなと思いますよ」

おーちくん「王道の主人公キャラとか使うやつらはこんなバンド組まないですね」

やっさん「 メインストリームの人たちはマリオとかルイージを使われてると思いますね(笑)」



ボーカル然とした動きができなくて、振り付けをすることになった
それまでの自分にはなかったものが、今の自分の武器になった



ーーそういえば、おーちさんは結成当初から歌って踊れるセンターだったんですか?

おーちくん「さっき話してた、なんでバンドが今みたいな形になったかっていうところにも付随するんですけど、僕はボーカルなんですがいわゆるボーカル然とした動きがあまりにもできなくて。バンド結成当初、UVERworldのTAKUYA∞さんとかONE OK ROCKのTAKAさんの動きを見せられて"お前もこんな感じの帝王感を出せ!"みたいなこと言われて」

やっさんけつぷり「あはは!」

おーちくん「どうしてもそのレベルの自己表現はできなくて。そしたら"じゃあ振り付けするから、それをやって"となって」

やっさん「ライブで棒立ちになっちゃってたんでね」

けつぷり「動いてくれってことで」

おーちくん「僕が動けなかったがゆえに始まった振り付けが、ライブに来てくれる人が増えて、集まってくれた人が僕がやってる動きを真似していってくれるようになったっていうのが、流れ的には正しいですね

ーーそうだったんですか。

おーちくん「だから、自分になかったものを武器にしたみたいな感じですね」

ーーいちいちかっこいいことを(笑)。

おーちくん「今のワードはぜひ使ってほしいですね」

やっさん「インタビューの途中で太字になるやつや(笑)。おーちくんがイヤイヤやってた動きをお客さんが喜んで真似してたんで、最初の頃はちょっと妙な感じがしましたね」

おーちくん「結果的に、お客さんのおかげで僕もやりがいができてくるというか、お客さんのおかげで僕もやりやすくなって。好循環ですよね」

ーー頭の上で手を叩いたり踊ったりするのは今や当たり前の光景で、やらない人もそこにいて居心地がまったく悪くない幸せな空間が生まれていますよね。

おーちくん「ありがとうございます」

ーー小さなお子さん連れの方や親子でライブに来ている人も多いですね。

やっさん「そうですね。前回のツアーで各地でグッと増えましたね。僕らはモッシュやダイブはおろか、ステージにメンバーが出てきた時にお客さんが前方にギュってなる圧縮すらない。たぶん、振り付けが多いからお客さん同士が踊るスペースを確保したいというのが一番の理由なんでしょうけど、そういうこともあってお子さんを連れて来やすいというか、SNSで知ってライブに来て、いやな思いをせず、また次も来たいなっていうふうになりやすいんかなって気はします」

ーーフェスの出演バンドに知り合いが増えてきたと最初におーちさんが言われてましたが、超能力戦士ドリアンは同業者のバンドに愛されている印象もあります。

やっさん「そう見えてます?ドラムとベースがメンバーに居ないことや、歌詞の感じとかもありつつで、僕ら的にはどっちかっていうとあまり好かれてない印象ですね(苦笑)。好いてくれる人は、すごく好いてくれるんですけど、みんなと仲良くしてもらえるタイプのバンドじゃないんかなって」

ーーけつぷりさん、おーちさんも静かにうなずいていらっしゃいますが、そんな感じですか?

けつぷり「僕たちが卑屈なせいで"嫌われてる"と思い込んでる部分とか、友達を作りにくいタイプっていうのも大いにあるとは思います。今でこそある程度名前を知ってもらえるようになってきて触れてくれる方が増えてきましたけど、基本的には、"あいつらはバンドじゃねえから"、"ふざけたことをやってる"みたいな(笑)。ライブとか見てもらえずに表面上で舐められて、絡みにくくなるみたいな感じっていうんですかね。実際挨拶させていただいて、ちゃんと返してくれなかったこととか無視されたこととかもあったりするんで」

やっさん「あははは!」

けつぷり「いつかめちゃくちゃにしたると思ってます(笑)」

ーーまさに「ムカつく奴は敵」ですね。

やっさん「あはは!そのノートもいつか解禁できるようにな」

けつぷり「そう、全員メモってるんで」

おーちくん「誰かツッコまんとあかんで」

やっさん「言い方が難しいですけど、僕らとしてはチケット代を払って来てもらっている以上、お客さんが楽しめるように、お客さんに向けてやっている。自己表現としてやっている方とはスタンスがちょっと違いますよね。その上で仲良くしてくれる人もたくさん増えてきましたけど、認めてもらえないことももちろんあるんで、そういう経験もあったせいで喋りに行きにくいっていうこともあります。ただ今年みたいにたくさんフェスに出てたら"また一緒になったな"みたいになって、もしかしたら仲良くなれるかも知れないし、そういう人が増えたらいいなと思いますね」

おーちくん「まあバンド名が悪いですよね」

やっさん「あの、お言葉選んでいただいて(笑)」



ツアーの中身はこれからだが、
チケットは売れ続けている



ーーところで『おおぞらクルージング』に続くアルバム作品のご予定などはいかがですか?

やっさん「曲自体は割と常に作り続けてますね。アルバムの後にダスキンレントオールさんとのタイアップで「フォローしてください」を作らせていただいたりもして、制作自体は割とずっとやり続けているという感じですね」

ーー前作『おおぞらクルージング』リリースの時に、サブスクで単曲で聴ける時代にCDを作ることの是非を3人で話し合ったとインタビューで言われているのを読みました。それとは別に今年前半のツアーファイナルで早くも次のツアー『はちゃめちゃ!サイエンスラボ』が発表され、やっさんがMCで「魔法の次は化学です!」と言うのを聞いて、まるで新しいアトラクションのオープンみたいでワクワクしました。ライブと同様にアルバム作品を作る上でもテーマを持って臨まれるのかなと思いまして。

やっさん「まとまった作品を作る上では、曲順とか全体の流れはもちろんあるんですが、どっちかっていうと1曲1曲を大事に作っていってる感じですね。盤で出す意味があれば、盤にするために何曲作りましょうというやり方ですし、1曲で配信するならその1曲を頑張りましょうみたいな感じで。ライブは逆に世界観がちゃんとあって、既存の曲の見え方が変えれるんですよね」

ーーああ、なるほど。

やっさん「まぁ、インタビューとかだと上手いこと言っちゃってるんでアレなんですけど、制作していく段階では盤のタイトルは一番最後に決まる感じですね。曲が出揃って、後付けで...というわけではないんですけど(笑)」

けつぷり「まぁ悪い意味じゃなく後付けです。こういう曲が揃って結果的にこういう盤になったから、それにぴったりなタイトルを考えようみたいな感じで、夜通し会議して決まる。みたいなことが多いですね」

ーー夜通し会議。そうなんですね。

けつぷり「ツアーは真逆なんですよ。やっさんが"これどう?"みたいにタイトルとかアイディアをポンポンと出してきて、"あ、それいいやん"ってなってバーンと発表しちゃうんですけど、中身はもうギリギリまで(笑)」

やっさん「あはははは!」

けつぷり「ギリギリまでタイトルに合わせた中身をみんなで考えたり、テーマに合った映画とかを見ながらいろいろインプットして、"こういう演出できる?"とか言いながら組み立てていくやり方ですね」

やっさん「そうですね」

けつぷり「だから別に悪い意味じゃなく、あえて全部後付けです(笑)」

ーー今はフェスシーズン真っ只中ですが、10月26日(日)大阪なんばHatchから始まる『はちゃめちゃ!サイエンスラボ』ツアーの内容を練っている日々でもあるということですかね。

やっさん「えっと、...まぁ、そうですね。いや、タイトル決める段階でざっくりなんとなく、"こんなのがおもろいかな"みたいなのはあるんですけど、実際にやる直前というか本当に演出を決めなあかんリミットに近づくと、もっといいアイディアが出てきたりするんですよね

ーーなんとなくわかります。

やっさん「そう。そういうのもあり続けるから、まぁ...、まだ何も決まってないです!何も決まらずチケットだけが売れ続けてます(笑)」

ーー売れ続けている。素晴らしい。超能力戦士ドリアンは1曲1曲のキャラ立ちがハンパないので、「1曲1曲を大事に作っている」というのはすごく伝わってきます。

やっさん「"フルアルバム"というものだけをずっと温め続けてる感じですね。ファーストフルアルバムっていう冠をいつ使うかなあみたいなのをずっと言い続けて、まだか?まだか?って言い続けてミニアルバムを出し続けている(笑)」

ーーそれはファーストフルアルバムは大切に残しておいてるということですか?

けつぷり「リアルなことを言えば、メジャーデビューの時にファーストフルアルバムという形で出せたら...と思うけど、ほんまに全く1ミリも声がかかってないから」

やっさん「あははは!」

けつぷり「温めてるというか、保温させられ続けてるっていう」

おーちくん「だいぶアツアツのチンチンになってきましたね」

けつぷり「もう冷めていくんじゃないか?みたいな」

やっさん「冷めてんのか焦げてんのか分かんないけど、可食部は減ってきてる可能性ありますね」

けつぷり「出したいですよね」

やっさん「出したいですね。メジャーデビューでファーストフルアルバムを出すのが一番綺麗かなって、温存してたんですけどね」

ーー過去形じゃなく温存してるとこですね。

けつぷり「急にどこかから話が出てくるかもしれないですよね」

やっさん「そうですね。僕らもちょっとわくわくしてます。自分らでできないことなんで」



友達に無理やり連れてこられた人が
"めっちゃ楽しかったな"ってなるライブが理想



ーーステージでの3人の運動量も激しいですよね。特におーちくんさんは歌って踊って、時には着ぐるみを着たまま歌ったり。日頃からコンディションを整えるために何かやられていますか?

おーちくん「改めて、ほんま何にもしてこんかったなって思ってたんですけど、僕の実家が最寄りの駅がなくて、最寄り駅と呼ばれている駅まで5キロぐらいあるんですね。それを中学生の時から毎日電車に乗るために駅まで往復10キロ近く自転車を漕ぎ続けていたのは、意外と今の体力づくりの礎になっているのかもしれないなって今になってふと思いました。まあ生んでくれた親に感謝といったところですかね。ここはマスメディア用のとこなんで使ってください」

けつぷり「なんで親出てくんねん(笑)」

やっさん「"産んでくれた"まではちょっと戻りすぎやしな(笑)」

ーー(笑)あと、ステージ衣装というんでしょうか。3人ともステージではめっちゃ軽装ですが、SNSでたまに私服の写真が上がっているのを見ると服のセンスがめちゃめちゃ良いですよね。

やっさん「ライブではグッズTシャツを身につけるようにしていて。売れたらいいなっていう、それだけですね(笑)。メンバーが着てるやつをみんな欲しいじゃないですか?せっかく3人いるんでそれぞれに着た方がいいかなっていう」

おーちくん「そこまであけすけに言わんでも」

ーー本編が終わってアンコールでツアーTシャツを着てくる方は多いですが。

けつぷり「アンコールは、着替えて別のグッズを着て出てくる。ライブを通してずっと物販の宣伝してるっていう感じですね(笑)」

やっさん「タオル回す曲もあるんですけど、それは"タオルを見せるタイミングがあった方がいい"っておーちくんが言いまして」

おーちくん「ええ。そういうもんですよね」

やっさん「一度大きなフェスでタオルを回す曲があった時に、"今日どっちの色にする?"ってなって、今日は大きいフェスやから両方売れて欲しいから2つ結んでやろうやとなって。2つ結んだらめっちゃ長くて回したらカウボーイみたいになってました(笑)」

けつぷり「縄みたいになってたな」

おーちくん「すごい長いですよね、タオル2つくっつけると。結果的にねじれて柄も見えへんし」

ーー(笑)そうやって体を張って宣伝されていると。

やっさん「はい。でも私服に関しては、活躍してる人で私服がダサい人はあんまりいないですからね」

けつぷり「敵作りそうなこと言ってるわ」

おーちくん「インタビュー終盤に何の話してんねん」

やっさん「フェスでご一緒するような人はみんなオシャレですねっていう話です」

ーー前回のツアーもバンド史上最大規模と謳われてましたが、10月からの『はちゃめちゃ!サイエンスラボ』ツアーはさらにスケールアップしてまたもバンド史上最大規模。そういえば前回のライブのMCで「2年後に日本武道館」と言われてましたね。

やっさん「大目標と中目標みたいなのを常に言うようにしてて、何年か前に自分らの大目標を何にするかなった時に、武道館にしようという話になりまして。大きい会場やったらどこでもよかったんですけど、さっきの話にもあったけど、バンドとして認められないことも結構多くて、その結果出れないイベントとかもあったりして。武道館ってバンドの殿堂じゃないですか?そこをソールドアウトしたら文句ないよねっていう気持ちも込めて、目標を武道館にしましょうと」

けつぷりおーちくん「うんうん」

やっさん「そのために毎年毎年、更新していこうというのをずっと続けてる状態ですね。名古屋だったら、こういうところで当たり前にできるバンドになるために次はZepp Nagoyaです。その次の会場はここで、ゆくゆくは武道館。そういう大目標と中目標を全部言っていくようにしていて、その場で聞いてくれた人たちが、また次の大きい目標のためにみんなで頑張ろうみたいな全体感が生まれたら嬉しいなという感じですね」

ーードリアンの武道館楽しみです。『はちゃめちゃ!サイエンスラボ』はこれからまだいろいろ練られていくという話もありましたが、私のように今年初めてドリアンのライブを体験した人や、この記事を見てツアーに行ってみようかなと思う人もいると思うので、最後におーちさんから見出しになるような読者へのメッセージをいただきましょうか。

けつぷり「キラーパスや」

やっさん「おーちくん頼むわ」

おーちくん「公園とかってフラッと入るし、たとえば居酒屋とかも、ちょっと飲みたいなとか、お腹すいたなと思ったらフラッと立ち寄ると思うんですけど、僕らのライブもそういう場所と同じようになっていけたらいいなと思ってるんですね」

けつぷり「さっき聞いた話や(笑)」

やっさん「俺のテーマパークの話を言い換えてるだけやん。しかもちょっと薄なってるし(笑)」

おーちくん「なので、僕らのライブはチケット代とドリンク代だけ握りしめて来てもらえたら誰でも大歓迎なんで」

けつぷり「当日券?売り切れてないやん(笑)。ソールドアウトめざしてるのに」

やっさん「あははは!」

おーちくん「フラッと来て欲しいからな」

ーーそしたらTシャツが買えないですね。チケット代とドリンク代だけだったら。

けつぷり「電子マネーで買えます」

おーちくん「うちの物販はキャッシュレス決済がご利用いただけるんで大丈夫です」

ーー(笑)じゃあスマホがあれば買えると。

おーちくん「そうですね」

ーー何か他に言っておきたいことがあれば。

やっさん「アクセスランキングを上位にしたいので、この記事にたくさんアクセスしてくださいと言っておきたいですね。出してもらうからには反響があった方が良いので」

おーちくん「読んでくれてる人はすでにアクセスしてるやん」

けつぷり「そうやで。難しいわ」

やっさん「SNSとかでたくさん友達に広めてくださいっていうことですね」

ーーSNSの使い方が本当に巧いですよね。

やっさん「ありがとうございます。僕がSNS大好きの中毒者なんで(笑)。僕のスクリーンタイム20時間とかなんで」

おーちくん「怖いわ」

けつぷり「どうなってんねん」

やっさん「真面目な話、理想は"チケット1枚余ってるから行こうや"って友達に誘われてライブに来た人が僕らのファンになってくれたら一番嬉しいですよね。無理やり連れて来られた人が"めっちゃ楽しかったなぁ"って言って帰る。そんな感じで、SNSでもライブでも、初めての人が楽しめる工夫がいっぱいあるんで気軽にライブに来てくださいね〜!」

Text by 梶原有紀子




(2025年9月 1日更新)


Check

Release

5thミニアルバム「おおぞらクルージング」

発売中

《収録曲》
01. ヤバイTシャツ屋さんと同じ人数
02. 恐竜博士は恐竜見たことないでしょ
03. ドラゴンの裁縫セット(笑)
04. ゾンビの噛ミニケーション
05. ムカつくやつは敵
06. 寝るまでは今日
07. 被りまくりタイムテーブル
08. 負けヒロインでも君がいい

Profile

超能力戦士ドリアン…大学のサークルで知り合ったおーちくん、やっさん、けつぷりの3人が2016年頃にバンドを結成。ベースとドラムは最初から不在。同年6月心斎橋Pangeaで初ライブ。翌2017年6月1st EP『僕のドリアン、君にひとつあげるよ。』リリース。2018年2月、Eggs presents『ワン!チャン‼︎ 〜ビクターロック祭り2018への挑戦〜』優勝。幕張メッセで開催の『ビクターロック祭り』出演。2018年6月、やっさんの憧れでありルーツであるキュウソネコカミのヤマサキセイヤに直々に許可を得て楽曲作成した「ヤマサキセイヤと同じ性別」MV公開。MVにはヤマサキ本人も出演。2018年7月初の全国流通盤『超能力戦士ドリアンの1004円のCD』リリース。2019年1月・2月初の全国ツアー開催。同年1stミニアルバム『超能力戦士ドリアンの楽曲が7つ入ったミニアルバム』発売。2019年6月・7月全国8ヶ所でのワンマンツアーを開催し、秋には東京大阪でワンマンライブを行う。コロナ真っ只中の2020年4、5月に8週連続新曲配信リリース。その後も作品リリース、コロナ中もガイドラインに沿ったライブを展開し2021年のワンマンツアー『THE MOVIE』より映像演出をふんだんに盛り込む。全国ツアーや対バンツアーを行い、2024年7月5thミニアルバム『おおぞらクルージング』発売。ベースとドラムがメンバーにいないことを逆手に取った自己紹介ソング「いきものがかりと同じ編成」など、抜群の作曲センスと、誰もが「あるある!」と頷きたくなる鋭い着眼点と言語化力が炸裂した歌詞、その奥に見え隠れするグッドメロディーが持ち味。爆発的な盛り上がりを見せるライブは年々規模が拡大中。10月26日(日)なんばHatchを皮切りに全国6か所を回るツアー『はちゃめちゃ!サイエンスラボ』開催。11月に北海道ツアー「北の大地に興味あるー!2025』を開催。

Live

超能力戦士ドリアン史上最大規模のワンマンライブツアー「はちゃめちゃ!サイエンスラボ」

PICK UP!!

【大阪公演】

▼10月26日(日) 18:00
なんばHatch
スタンディング-4000円(整理番号付、ドリンク代別途要)
※小学生以上は有料、未就学児入場は保護者同伴に限り入場可。
※出演者が許可した場合を除き、撮影・録音・録画禁止。
※車椅子でご来場されるお客様は事前にお問い合わせください。

【愛知公演】
▼10月28日(火) Zepp Nagoya
【石川公演】
▼10月31日(金) 金沢vanvanV4
【香川公演】
▼11月6日(木) DIME
【広島公演】
▼11月7日(金) 広島クラブクアトロ
【東京公演】
▼11月10日(月) Zepp DiverCity(TOKYO)


超能力戦士ドリアン北海道ワンマンライブツアー「北の大地に興味あるー!2025」

【北海道公演】
▼11月15日(土) CASINO DRIVE
【北海道公演】
▼11月16日(日) 札幌近松


「KANSAI LOVERS 2025」

▼9月27日(土)・28日(日)
大阪城音楽堂

前売<一般>-2500円(整理番号付)
前売<学割>-2000円(当日要学生証、整理番号付)

[27日(土)出演]Arakezuri/Bye-Bye-Handの方程式/TRACK15/超能力戦士ドリアン/猫背のネイビーセゾン/ammo/Blue Mash/w.o.d./カネヨリマサル
[オープニングアクト]AKAMONE

[28日(日) 出演]アルカラ/EVE OF THE LAIN/帝国喫茶/reGretGirl/LEGO BIG MORL/Hakubi/Re:name/TETORA/ラッキーセベン/ラックライフ/夜の本気ダンス

※<学割について>
※対象者は小・中・高校・専門学校・大学・大学院生となります。
※入場時に受付にて学生証をご提示ください。お忘れの場合は一般チケット料金(差額)をお支払い頂きます。
※小学生は年齢を証明できるものを、中学生以上の方は学生証をご持参ください。
※雨天決行/荒天中止。
※小学生以上は有料。未就学児童は保護者同伴の場合に限り無料。未就学児童のみでの入場不可。
※出演アーティストは都合により変更になる場合があります。その際も払戻しは一切行いませんので、予めご了承下さい。
※再入場可。
※会場内外にて発生した事故・盗難に関して主催者・会場・出演者は一切の責任を負えません。貴重品等はくれぐれも自己管理願います。
※場内傘の使用はお控えください。
※アルコール持ち込み禁止。
※熱中症対策(水分補給、帽子、タオル等)、雨天時対策(レインコート等)の準備をお勧め致します。

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