ホーム > インタビュー&レポート > “もっとライブをカッコ良くしたかった。 『Lovers』はそのために作った作品です” Barbara・OKUが語る、理想のエンタメとバンドの現在地
親友のふたりが加入して生まれたグルーヴ
ーー昨年末〜今年の頭頃にCharさんとJohnさんが正式加入されて、新体制になりました。Johnさんは元Seussのメンバーなので、OKUさんとはずっと一緒に活動されてきているんですね。
「そうですね。JohnはSeussの時から一緒で、CharもAnd Summer ClubというバンドでSeussと同じシーンで一緒にやってきて、普段からよく一緒に遊ぶので、本当に親友みたいなふたりです。JohnはSeussが終わって1回音楽から離れたので、Barbaraでは別のドラムが叩いていた時もありました」
ーー森本(拓也/Mariana in our Heads)さんですね。
「はい。森本とベースの矢野(裕之/ex.バレーボウイズ)が同じタイミングで抜けた時にJohnの身体が空いていたのと、CharもちょうどAnd Summer Clubの活動が終わった時だったので、サポートをお願いしてすぐOKをもらって、約1年弱サポートしてもらって。サポートが決まった時に、"メンバーにならない?気が向いたら教えて"みたいな話をしていたんですけど、どこかのライブ終わりに3人で飲んでて、"そういえばあの話、最近どう考えてる?"と話をしたら、ふたりとも"入りたいと思ってるよ"と言ってくれました」
ーーずっと口説き続けていたんですね。
「いや、サポートメンバーになってくれたタイミングで、"本メンバーになりたくなったらいつでも僕らはウェルカムよ"という話をして以来、その話はあまりしてなかったですね。もう友達すぎて、そんなことを言うのも恥ずかしかったので(笑)」
ーーでは勝手知ったる関係性といいますか、同じグルーヴが流れる仲間ですかね。
「お互いのことをすごく知っていて、何がカッコ良いと思うかという好みも把握していたので、価値観はすごく合わせやすかったです。ただ、And Summer Clubでやっていた音楽とSeussでやっていた音楽、Barbaraでやっている音楽も全然違うので、僕が求めるベースやドラムをプレイしてもらうところにおいては、本人たちは慣れるまで少し時間がかかったかもしれないです。でもメンバーとしてやっていくにはやりやすさや楽しさが重要なので、そっちの方は全く問題なかったですね」
ーー今はバンドの状態も良いと。
「もちろん意見の食い違いは全然あるんですけど、ちゃんと話し合います。さすがにここにきて仲が悪くなることは多分もうないので、気を遣わなくていいのは大きいですね」
プレイヤーからコンポーザーになり、変わったこと
ーーOKUさんは高校生の時にベースを始められて、Seussで本格的に音楽活動をされるようになって。Seussが止まってレコーディングや曲作り、リリースが人生からなくなることに焦燥感を持って、自分の曲を作ってみたいという好奇心もありBarbaraを始めた、というインタビュー記事を拝見しました。Seussの時は自分で曲を作る立場ではなかったと思いますが、自分で曲作りをするようになって何か変化したことはありますか?
「めっちゃ大きく変わったことがあって。音楽を聴くのはずっと好きなんですけど、曲を聴く時に"ダサいダサくない"とか"良い悪い"という評価をしなくなりました。"曲を作るのってこんなに大変なんだ"と思ったし、自分が生み出したものを否定されたら本当に傷つくので、どんなジャンルのどんな曲を聴いても"ダサい"とは口が裂けても言えないなと思うようになりました。同時に、自分の中で受け入れられるものの範囲が広くなったというか。今までは例えばインディーっぽいものが好きで、それ以外のものは"NO"みたいな......それこそわかりやすいJ-ROCKに対して、インディー好きの人、特に洋楽ファンはどうしても選民思想的なものがあるというか。自分も完全にそうだったと思うけど、今はそれがなくなったというか、ボーダレスに色んなものを受け入れられるようになった感じはあります」
ーー受け皿が広がったと。
「それは作り手の気持ちがわかったということと、僕は圧倒的に曲作りをするようになったのが遅かったので、手札がすごく少ない状態なんですよね。だから色んな人の音楽を聴くと、"なるほど、こうやるのね"みたいな新鮮な発見と学びがたくさんある。普段あまり聴かない音楽でもちゃんと"カッコ良いな"と思えたり、カッコ良いことを探せるようになったのは、自分の中での大きな変化でしたね」
僕らが目指しているのは、精神的に解放される音楽
ーーOKUさんの中で、音楽はどこか非日常だという意識もあるのかなと思いますが、"日常非日常"の点で言うといかがですか?
「音楽をやること自体は日常なんですよ。練習をする、ライブをする、ライブに行く、自分の目線に立つと何でも日常。僕の中で"日常非日常"というのは、音楽のジャンルも関わりがあると思います。発信者側が何のために歌っているかの違い。生活について歌っている人の音楽は、日常に寄り添う音楽だと思うんですよ。でも僕らが目指しているのは精神的に解放される音楽で、その状況を提供したい。僕が"日常非日常"という言葉を使うのは、どちらかというとそちらの意味ですね」
ーーなるほど。
「例えば僕はユニバが大好きで、調子の良い時は週1で行くんですけど、あの空間を演出するために流される音楽は、日常に寄り添う音楽じゃなくて、僕らを1個解放させるエンタメの音楽だと思うんですよ。共感を生むような音楽ももちろん好きだけど、自分がやるなら後者かなと」
ーーユニバもそうですが、実際にOKUさんがライブに行かれた時に解放された経験があるからこそ、そういう音楽をやりたいと思われるんでしょうか。
「そうですね。特にダンス・ミュージックがそうさせてくれるとすごく感じていて。僕らは大学生の時に京都METROというクラブで遊んでいて。そこで音楽を聴いて踊ってる時の自分って、ちょっと特別な感じというか。それが原体験にあるので、どうしても僕は音楽をやるとなるとそっち側にいっちゃうんですよね。あとはフジロックで見たLizzoみたいに、ワクワクドキドキゾクゾクする感じをやりたいなというのがあります」
ーーそれで"Vacation Disco"に辿り着いたんですか?
「"Vacation Disco"というテーマは、1st EP『Dance on Vacation』(2022年8月)を制作する前に、メンバーそれぞれ価値観も聴いてきた音楽も違うから、僕がやろうとしてることを共通認識にできるように設けたものです。当時のメンバーの久米(雄介/Special Favorite Music、NOKIES!)くんが提案してくれました。それで、普段自分がグッとくるものを色々集めたんですよ。例えば僕はGUCCIの世界観が好きなんですよね。70〜80'sの色使いの写真やモデルさんの衣装を見ると、ときめきがすごくあって。あと自分の好きな写真、本、絵、色、具体例をたくさん集めて抽象化した時に見えてきたのが、"バカンス"、"ノスタルジック"という言葉。かつ、音楽はダンス・ミュージックをやりたいというところで、そのふたつを合わせた時にダンスは"ディスコだろう"と。で、非日常というところでバカンス、バケーションを含めてできた言葉が"Vacation Disco"ですね」
インディーフォークからダンス・ミュージックへ
ーーそうして作られたEP『Dance on Vacation』はバケーションに寄せた1枚に、2024年6月にリリースされた1stフルアルバム『Vacation Disco』はディスコを深掘りした1枚になったと。
「意識していたわけではないんですけど、Barbaraが初期の頃に作っていた音楽は、もう少しフォーキーなインディーフォークだったんですよね」
ーー今とは音楽性が違いましたね。
「一緒に作っていたメンバーがいなくなって、でも周りから"Barbara続けた方がいいよ"と言ってもらって、"じゃあ続けるか"となった時に、僕だけだとそういうフォーキーな音楽が出てこなくなっちゃって。あとは当時出したEP『Where Water Comes Together』(2020年4月)を聴いてくれた友達が、よかれと思って"作業用のBGMとしてすごく良かった"と言ってくれたんですよ。僕は嬉しい反面、"それはやりたいことじゃないな"と思って。やっぱりちゃんとダンス・ミュージックをやらないとダメだと思った、その狭間が『Dance on Vacation』だったんです。その時は僕がどんな曲を作れるか模索していたので、ディスコにグッと寄せることができなくて、『Dance on Vacation』にはまだ少し涼しげな感じが残っている。だから結果論で、"Vacation Disco"のテーマに当てはめた時に"どちらかというとバケーション寄りだな"という」
ーーなるほど。そこから今作まではどう進んでいきましたか?
「『Dance on Vacation』の中に『Dance』という曲があって。これは家で2時間ぐらいでできた曲なんですけど、メンバーや関係者、お客さんからすごく評判が良かったんですね。他の曲はもっと時間かかったのに(笑)。でも自分でもしっくりきて。"僕はこういう作り方だとダンス・ミュージックを作れるのか"という驚きもあったけど、僕の肌にすごく馴染んでいたので、『Dance on Vacation』リリース後に作る曲はどんどんダンス・ミュージック寄りになっていきました。だから曲だけ聴くと"めっちゃ変わったな"と思われるかもしれないけど、僕の中では最初に作った『Where Water Comes Together』から最新作の『Lovers』まで、ちゃんとグラデーションがあるんです」
ーー自然に作っていったらそうなったんですね。
「そうそう。"ディスコ"というテーマも、元々は本当にディスコをやろうと思ってディスコの言葉を使ったわけじゃなくて。"ダンス・ミュージックにノスタルジックを組み合わせたらディスコだよね"というところで言葉選びをしただけなんです。『Dance』をキッカケに方向性が固まったので、"ディスコをわかった上でこのテーマを名乗った方がいいよな"というところで、1回ちゃんとディスコを勉強しようと。ディスコDJの友達にプレイリストを作ってもらったり、ディスコ映画......それこそ『サタデー・ナイト・フィーバー』を観たり、自分なりにディスコの歴史も勉強したら、徐々に作る楽曲もディスコ感が強くなっていきました」
パンクやロックのアティチュードでダンスポップをやるのが、今のBarbaraの面白さ
ーー今のバンドのモードについて、"ロックやパンクの精神を持ちながらダンスポップを奏でるのがBarbaraらしさだと実感している"と資料でコメントされていますが、前作から今作までの間のグラデーションというか、OKUさんの中で見つかったものがあったんですか?
「やっぱりこの4人になったのはすごく大きくて。今までのメンバーはロックやパンクに出自がなかったんですよ。僕はSeussの前にTHE FULL TEENZというパンクバンドに所属して、Seussではロックン・ロールをやっていたので、地にロックやパンクがあったんですけど、当時一緒にやっていたメンバーはインディポップやドリームポップをやっていたので、ライブにその要素があまり出なかった。だけどAnd Summer Clubもパンクをやっていたし、他の3人はSeussなので、今のメンバーでライブをするようになってから、ライブの熱が後半にかけてどんどん上がるロックバンドっぽいライブになっていったんですよね。僕はそっちの方が性に合っていたし、ずっと涼しく歌うよりも、徐々に熱を帯びて汗だくで歌う方がライブをしている感じがする。パンクやロックのアティチュードでダンスポップをやるバンドは多分あまりいない。そこが今のBarbaraのライブの面白さかもしれないなというのは、俯瞰してみた時にすごく感じたんです」
ーーなるほど。
「多分他のメンバーもそう思っていて。みんなで申し合わせたりはしてないけど、明らかに今1番ライブをやってて手応えがある。自分たちもしっくりきてるし、お客さんからいただく反応も良いので、間違ってないんだなという感覚は全員にあると思います」
4人での演奏が映える曲を作りたかった
ーーその中で、今作『Lovers』の制作で重視したことはありますか?
「今まで同期を使ったり、Maruと2人で活動してる時期もあったので、バンド音楽にはあまりこだわりがなかったんです。でもライブが進化して、バンドでやる意味も感じるようになって、ちゃんとこの4人で演奏することが映える曲にしたいなというので、僕以外の3人がカッコ良い状況を作りたくて。"この曲はベースがカッコ良い曲にしよう"とか、"この曲はドラムがカッコ良い曲にしよう"とか、全ての曲の中で3人が輝く瞬間を作るために、彼らが演奏してるところをすごくイメージしてフレーズも作りました」
ーー納得しました。どの曲も個々のパートがちゃんと聴こえますし、フューチャーされていると感じました。
「本当ですか。嬉しい」
ーー『Focus』は疾走感があって1曲目にふさわしい楽曲ですね。Johnさんの速い四つ打ちが聴きたくて作ったそうで。今のお話で言うと"ドラムのカッコ良いところを見せる曲"ですね。
「そうなんです。JohnはSeussの前にTHE DIMというバンドをやっていて、彼の叩く速い四つ打ちがカッコ良くて、僕は彼のドラムのファンだったんですよ。でもBarbaraの曲は速くてもBPMが130いかないぐらい。それでJohnが映えるように"速い四つ打ちの曲を作りたいな"と。プラス、この曲はスネアを抜いているんです。これまで僕は、ハイハットとスネアとキックの3点は必ず曲の中で鳴っているのが当たり前だと思っていたんですけど、ある曲を聴いた時に、スネアが鳴らない代わりにクラップが鳴っていて。ハウスやテクノだと全然あると思うけど、バンドでその叩き方はあまり聴いたことがなかったので、"やりたい"となったのが『Focus』です。Johnはハイハットのニュアンスが上手だからその良さは出ているけど、結局スネアを叩かないことにしたので、見た目的に映えなくなっちゃったかもな(笑)。本末転倒かもしれないけど、仕上がりはすごく気に入ってますね」
ーー歌詞についてもお聞きしたいのですが、OKUさんは歌詞に意味やメッセージを込めるタイプですか?
「誰かに向けて書くことはあまりなくて、自分のことを鼓舞するか肯定するかですね。僕の"歌詞あるある"は、大体自分のダメなところを言って、"でも良いよね"というか。『Focus』に<生まれない日は dancing 躁鬱の波で surfing>とありますけど、曲作りで連続で曲が生まれる時期もあれば、全くできない時期もあって。曲が生まれない時期は"もう終わった"みたいになっちゃうんですよね。人生の中で"最大何曲まで作れます"みたいなのが人それぞれ決められていて、"僕はもう満パンいっちゃったんだ。もう曲が作れないんだ"って、すっごくダウナーになるんですけど、曲ができたら何回も繰り返し聴きながら家でめっちゃ踊るんです。この波がやばいんですよね(笑)。"それとうまく付き合っていきたいな"みたいな感じですかね」
ーーなるほど。曲作りについて歌っているのは『Our Style』もそうかなと思いました。
「これは逆に、全く何にもメッセージがないですね」
ーーそうなんですか。<マイナー メジャー>はギターのコードのことなのかと。
「これ多分誰にも言ってないんですけど。まず<You can't beat our style>という歌詞は、僕ミニオンが大好きでグッズを買い集めてるんですけど、"You can't beat our style=僕らのスタイルには敵わないよ"と書いてある丸いポーチを、机の目につくところに常に置いてあるんですよ。"次に何をテーマに曲を作ろうかな"と思った時にそれが目に入って、"これを歌詞にする曲を作ろう"と思って」
ーーなるほど!
「だから僕の思考はなくて、<You can't beat our style>という言葉に合う世界観を歌っている。この曲はDTMじゃなく、弾き語りでメロディーを作ったんですけど、<マイナーマイナーマイナー>では本当にギターのマイナーコードを弾いています。要は何でも良かった。"コードが変わるな"と思いながら適当に歌詞を当てはめてメロディーを作っていたものが残ったということです」
ーーてっきり今のBarbaraのモードにリンクして、"俺たちのスタイルに勝てるものはないでしょ。君たちも一緒にやんない?"という前向きな内容で、サウンドにはマイケル・ジャクソンへのリスペクトも入っている楽曲なのかなと思っていました。
「マイケル・ジャクソンリスペクトはめっちゃ入ってます。歌詞に全然意味はないけど、どう取ってもらっても良いです。もしかしたら僕の中に、今おっしゃっていただいたような気持ちがあって、無意識に出てしまっているのかもしれない」
何かをハブにして、自分の内にあるものを曲で言わせてもらっている
ーー『Lovers』は映画を題材にされたんですよね。
「ジム・ジャームッシュの『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』という、人間界に住む吸血鬼のお話の映画がすごく好きで、それを観て曲を作りました」
ーーOKUさんは、日頃目についたものや心に残ったものを題材に曲を作ることが多いんですか。
「そうですね。自分のソロ名義でSound Cloudに1曲だけアップした曲も、映画を観て"この映画のことを歌おう"と作ったり。僕は何かをハブにして、自分の内にあるものを言わせてもらってるみたいな作り方が多いかもしれないです」
ーー『Coming Out』はどうですか?<Therefore I am>="故に我あり"という歌詞から、肯定ソングや応援歌かなと思いつつ聴いていました。
「僕、自分のテーマが"自分のことをどれだけ好きになれるか"なんですよ。現実の自分は自分のことをすごく卑下してしまうけど、それをさせたくない自分がいて。だから『Focus』では<Say it "I love me">="アイラブミーって言おう"、『Coming Out』でも"自分のことを愛してたらめっちゃ人生楽勝なのに"と歌ってます」
ーー<Just loving me>ですね。
「はい。自分の弱いところやコンプレックスが周りにバレないようにしてきたけど、"そういうのもさらけ出せたら絶対人生楽しいのにな"と思っていて。自分ができてるわけじゃないけど、"そうなったらいいな"という願望で書いてますね。あと<『Therefore I am』>はビリー・アイリッシュの『Happier Than Ever』(2021年7月)というアルバムに入ってる曲です。僕ビリー・アイリッシュが大好きで、8月の来日公演も2日間行くんですけど、<聴く『Therefore I am』>は、まさに"この曲を聴く"という意味ですね」
"何かすごいものが観れそうだ"というゾクゾク感を提供したい
ーー今作でのこだわりや聴いてほしいポイントはありますか?
「こだわったのはサビのメロディーです。『Coming Out』も『Focus』も、"ライブで初めて聴いた人も2番では一緒に歌えるぐらいシンプルにしたいな"と思っていました。理由はわからなくても、"なんかいいな"と思ってもらえたらいいなと。ダンス・ミュージックの気持ち良いところは、"次明らかに盛り上がるゾーン来るぞ"というところにあると思っていて。EDMとかまさにそう。自分が"来る"と思ってそこに合わせて身体を動かしていたのがバチッとハマった時に、1個弾ける感覚があるのがダンス・ミュージック。だから極力展開をわかりやすく、"次来るな"というのがわかる状態は作りたかったです」
ーーどの曲もそのように心がけられたんですか?
「特にライブでフックになりそうな『Focus』『Night Walk』『Lovers』『Coming Out』がそうですね。『Slowdance』『Our Style』は僕の中では実験的な要素が強かったのであれですけど」
ーー今作はBarbaraにとってどんな1枚になりましたか?
「『Lovers』の収録曲を作ってる1〜2年は、メンバーの顔を浮かべながらずっとライブのことを考えてたんですよ。今ある曲にプラスして、どんな曲があったらライブがもっとカッコ良くなるかなと。音源としても楽しく聴いてもらえるようにという想いは当然あるけど、それと同じぐらい、もっとBarbaraのライブをカッコ良くしたかった。『Lovers』はそのために作った作品です。1曲1曲は僕らのセトリを強くするためにある感じですね。この曲たちのおかげで、今の自分たちが理想にしているセットリストが作れるかもしれない。僕は"大事にするべきものは生のライブだな"と感じていて。CDを買わなくなった現代では、どうしても音源を聴き続けてもらうことが難しい。だけど消費されてしまうのが悲しいんですよ」
ーーそうですよね。
「でもそういう時代だから、そんなことも言っていられない。だからやっぱりライブだなと。ライブがカッコ良いと消費されないかなって」
ーーOKUさんの思う"理想のライブ"を言語化するとしたら?
「解放させたり気持ち良いところに連れていくところはありつつ、ただ楽しいだけじゃなくて、ワクワクゾクゾクドキドキするような、夜遊んでいる時の背徳感みたいなものも感じられるライブ。その場にいるみんなが共犯者というか、"ここだけで体験しているもの"というイメージです」
ーー今はそれを追い求めている段階ですか。
「僕の中でのエンタメの1番の理想は、マイケル・ジャクソンなんです。(1992年のロンドン・ウェンブリー公演の)『Jam』という曲で、マイケルがせり上がりで"バン!"と登場して。音が何も鳴ってないのに、マイケルが立ってるだけでぶわーっと失神する人も出てきたり。あれが最強というか。もちろん僕がそうなるという話じゃないんですけど、あれに似た"すごいものが始まるぞ"というワクワク感を提供したい。"ただ幸せ!"も最高だし、今年のフジロックのVulfpeckみたいなライブも最高のエンタメで大好きだけど、Barbaraがやるのは"何かすごいものが観れそうだ"というゾクゾク感。そんなマジックをかけられるバンドになりたいですね」
ーー8月24日(日)の梅田Noon+CAFEでのリリースパーティーでは、そんなライブが観れそうですか?
「その日はVJも入ってもらうので、より視覚的にもワクワク感を演出できると思います。ゲストで出てくださるTAMIWもCeeeSTeeもゾクゾク感がある2組だと思っているので、その日はそういうイベントになりそうだな。僕自身2組のライブを観るのがすごく楽しみだし、その中で自分たちがどんなライブをするのかも楽しみ。多分僕らは今が1番ライブが良いので、ぜひたくさんの人に観てほしいです」
Text by ERI KUBOTA
(2025年8月22日更新)
Digital
Label: SECOND ROYAL RECORDS
[収録曲]
01. Focus
02. Night Walk
03. Lovers
04. Slowdance
05. Our Style
06. Coming Out
配信リンクはこちら
Barbara(バーバラ)…"Vacation Disco"をテーマに楽曲制作やライブ活動を行なっている。メンバーはOKU(Vo)、Maru(Gt)、Char(Ba)、John(Dr)の4人組。80年代のエレクトロ・ポップや90年代のクラブ・ミュージックを経由したディスコ・ミュージックを基盤にしつつ、現代のインディー・ミュージックのテイストを取り入れた楽曲で、"ここではないどこか"に誘うべく活動中。
▼8月24日(日) 18:00
NOON+CAFE
前売-3000円(整理番号付、ドリンク代別途要)
学割-2000円(大学以下、要身分証、整理番号付、ドリンク代別途要)
[ゲスト]TAMIW/CeeeSTee
▼10月16日(木) 19:00
CONPASS
一般-3000円(整理番号付、ドリンク代別途要)
学割-2000円(整理番号付、ドリンク代別途要)
[出演]Barbara/CheChe/QOOPIE
※開場/開演時間は変更になる可能性がございます。学生チケットをご購入の方は、入場の際に学生証の確認をさせていただきます。
[問]CONPASS■06-6243-1666