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ニューアルバム『うた』を携えて、26年目の今の歌を届ける
全国ツアー『夏川りみ コンサートツアー“たびぐくる”2025』が
スタート! 夏川りみインタビュー

昨年、歌手デビュー25周年を迎えた夏川りみ。今年1月には、自身の歌手人生と重ねて歌詞が綴られた『詩、歌、唄』が新しくピアノバージョンとなってCDリリースされた。その発売記念として全国各地のショッピングモールに直接歌声を届けに行った全国モールライブツアー『詩、歌、唄』に続き、海外公演を含めた新たな全国ツアー『夏川りみコンサートツアー“たびぐくる”2025がスタートした。今回は6月初旬の中国公演に始まり、同月末からは国内各地に心の歌を届けに行く。さらに6月18日には、25周年を締めくくるアニバーサリーアルバム『うた』をリリース。今回ぴあ関西版WEBではこの最新アルバムに収録された注目の新曲やカバー曲の話題を中心にインタビュー。TUBEの曲『光と影』をカバーするきっかけとなったエピソードなど、制作の裏側を楽しく語ってくれた。

新曲『永遠の消印』は
千年後の地球にいる"あなた"に書いた手紙


――改めましてデビュー25周年おめでとうございます。アニバーサリーツアーでは先に配信リリースして1月にピアノバージョンでCDリリースされた『詩、歌、唄』も披露されてきたんですね。

「はい。もう本当にライブで育ててきた25年の思いが詰まった曲なので、アンコールでよりしっとり聴いてもらいたくて、あえてピアノと私とで歌ったピアノバージョンがすごく評判が良かったんです。特にファンクラブの皆さんから配信だけじゃなくて、CD盤にしてほしいという声があったのでリリースすることになって。それだけでは終わらずに、周年記念のアルバムを作りたいなっていうことから、新曲やカバー曲もいれて6月にリリースすることになりました」

――それが、6月18日リリースのニューアルバム『うた』ですね。その中には、『波照間ブルー』のアフターソングとなる『君の暮らす街で会いましょう』(M-3)という新曲が収録されています。

「これは『波照間その後(仮)』としてずっとツアーで歌い続けてきた曲で、タイトルがちょっと変わりました。ツアーメンバーであるピアニストの醍醐(弘美)さんと一緒に2人で旅に出た時に『波照間ブルー』という曲を作って、その流れで醍醐さんがアフターソングみたいな感じで、"こういうのどうかな?"って作ってくれたんです。今までの私にはないような曲調でこういうのもいいなって」

――ライブで聴いてきた皆さんにとっても嬉しい一曲ですね。

「そうですね。ツアーでやってきた感じで録ろうっていうことで、いつものバンドメンバーでせーので録りました」

――もう一曲の新曲『永遠の消印』(M-5)は新たに書き下ろされた曲ですか?

「そうですね。これはちょっと手紙を書くようなイメージで、歌詞は松井(五郎)さんに書いていただきました」

――壮大な世界観で、"千年後の砂漠に"とか、"月に逃れたもの"というフレーズも出てきますが、どんな想いが込められているのですか。

「今、世界がすごく混沌としてて、この先どうなるんだろう...と皆さんが不安になっていますよね。私自身は千年後まで絶対に生きてないけれど、千年後の人たちがどんな暮らしをしてるんだろう、その人たちのために何をしてあげられるんだろう...って考えていかないといけないなって思って、それがひとつのテーマになっています。ひょっとしたら宇宙のどこか、月に逃げてるかもしれないけど...。私たちが残してきた地球はどうなってますか?快適に暮らせてますか?って千年後の地球にいる"あなた"に手紙を書いて、問いかけているような歌ですね」



「りみは平和の歌を歌うべきなんだよ」(前田亘輝)と言われて
TUBEの『光と影』をカバーすることに


――カバー曲は代表曲の『涙そうそう』をはじめ、本当にどれも名曲ばかりです。その中で、ちむぐくる(※沖縄県うるま市に拠点を置く夫婦ポップユニット)の『言葉』(M-1)をカバーしようと思ったきっかけは?

「カバーは私が歌いたいと思った曲を歌わせていただきました。ちむぐくるさんは、2年くらい前に石垣島に帰る飛行機の中でたまたま聴いて、すごくいい曲歌ってる人がいるなと思って。その後、大阪でのファンクラブのイベントで三線の弾き語りで歌わせてもらったんです。それを聴いたファンクラブの会員の方がちむぐくるさんに私が歌っていたことを伝えてくれたようで。ちむぐくるのおふたりが私のツアーに来てくださって、交流するようになりました。今回のアルバムでカバー曲も入れることになったので、ちむぐくるさんの『言葉』をぜひ歌いたいなと思ったんです」

――この曲にもメッセージ性を感じます。

「そうなんですよね、素敵だなって。伝えたい時にちゃんと言葉で伝えないと、やっぱ後悔しかないと思うし、受け取った方は勇気をもらえるし、本当に言葉はすごい力をたくさん持ってるなって思いましたね」

――ジュスカ・グランペール(※インストゥルメンタル・アコースティック・デュオ)のインスト曲に歌詞をつけて歌われている『イコロ』(M-6)はどういった経緯で?

「私がジュスカのライブを見に行った時に、歌詞を書いてくださった作家の先生もちょうどいらっしゃって、久しぶりにお会いしたんです。その時、この曲に歌詞をつけて歌ったらいいのにな...、私だったらこんな感じで歌いたいなみたいな気持ちがあって。その話を作詞家の先生に話したら、"私も詩をつけて、リミちゃんが歌ったら素敵なんじゃないかなって思った"----とおっしゃってくださったので、ぜひこれは歌詞をつけましょうということで、新たに書いてもらいました」

――"人は弱くて愚かなものだから 時に争いもする でも諦めず愛せるこの心 宝物だよ"というフレーズが心に残りました。

「"イコロ"というのはアイヌの言葉で"宝物"っていう意味なんです。それを踏まえて、人として大事なものが伝わるように、愛する心こそが本当に宝物っていういうようなことを歌っています」

――"平和"がテーマというTUBEの『光と影』(M-4)をカバーした理由は?

「前に、"いつか前田さんと一緒に歌いたいから、デュエットで歌える曲を書いてほしい"という話をしたことがあって。その時、"お前にはお前にしか歌えない歌がある。りみは平和の歌を歌うべきなんだよ。それがりみに似合ってる。TUBEにすごい良い曲があるからそれを1回聞いてみて"と言われて前田さんにもらった音源がこの曲なんです。"これをりみが歌ったらみんなにすごく響くと思うんだよね"って言ってくれた言葉を思い出して、今回この曲をカバーで歌わせてほしいとお伺いしたところ、快諾してくださったので、歌うことにしました」

――そんなエピソードがあったんですね。

「そうなんです。『光と影』は前田さんが奄美大島に行った時に作った曲らしいですね。TUBEバージョンは前田さんが奄美の三味線を弾きながらレコーディングされてたんです。私は沖縄の石垣出身なので三線を入れてカバーしました」

――その『光と影』もそうですが、『イコロ』の歌詞も反戦のメッセージにも感じますし、ライブバージョンとして収録されてる『島唄』も含めて、一括りにはできないかもしれませんが、平和への祈りのようなものをすごく感じました。

「そうですね。今年は戦後80年でもあるし、なんとなくそういう曲が集まりました」

――ライブバージョンで収録されているカバー曲は、今年になって録られた最新のライブ音源なんですね。

「そうです。今の声をということで、『涙そうそう』(M-10)も石垣島で歌ったバージョンで収録してます。アニバーサリーツアーのファイナルとして3月2日に石垣島でやることができたので、地元の方にも生の声を聞いてもらえて良かったなと思いました。やっぱり今でも島で歌うのが1番緊張するんですけど、小さい時から歌手を目指してきて、島の皆さんから"頑張って!"っていう言葉をずっとかけてもらって今まで来たので。改めて、"今までありがとうございます"という思いを伝えられたことができて本当に良かったなって思ってます。初回限定盤には石垣島でのツアーファイナルのライブ映像(DVD)も収録しています」



ツアーでは新曲にカバーや定番曲から沖縄の曲まで
初めての人にも楽しんでもらえる内容に


――新曲に加えてカバー曲も最新のライブバーションで収録されていて、大切な歌が詰まった特別な一枚になりましたね。このアニバーサリーアルバムが完成して実感していることは?

「やっぱり良い曲は自分の声で残したいなっていう思いがあるので。今回、私のために新しく書いてくださった楽曲も自分の子供のようにすごく愛おしいですし、みんながいいなって思ってくれる曲たちを、夏川りみバージョンとして、皆さんのところに届けたいなという思いだったり、この25周年やってこれた思いだったり、この後やりたいことも探しながら、いろんな思いを込めて作ったアルバムが完成してすごく嬉しいですね。今度はこのアルバムを持ってツアーに行くので、どんな曲が入ってるんだろうって楽しみに待ってる方々に、こんなの作ったよっていうのを届けたいなと思ってます」

――最後に、『夏川りみ コンサートツアー "たびぐくる"2025』はどんなツアーになりますか。

「今年もこうやってツアーで生の声を届けられることがすごく嬉しいです。もちろんこの新しいアルバムから新曲やカバー曲もやるし、みなさんからいただいたアンケートを元に夏川りみといったらこの曲だよねっていう感じの曲だったり、沖縄の雰囲気で賑やかにみんなで踊って盛り上がれるようなコーナーも引き続き作りたいなと思ってます。私がライブで三線を弾くのを見て三線を始められた方も増えてるんです。それはすごく嬉しいことで、そうやって沖縄の風を届けながら、26年目の今の私を見てほしいなと思います。毎回、初めて見に来られる方もたくさんいらっしゃるので、初めての人にも一緒に楽しんでもらえるような内容にしたいなと思っています」

Text by エイミー野中




(2025年7月 1日更新)


Check

Release

Album『うた』
発売中

【初回限定盤】(CD+DVD)
5500円(税込) VIZL-2451

予約はこちら
https://www.jvcmusic.co.jp/-/Linkall/VIZL-2451.html

【通常盤】(CD)
3500円(税込) VICL-66078

予約はこちら
https://www.jvcmusic.co.jp/-/Linkall/VICL-66078.html

《CD収録曲》(初回限定盤・通常盤共通)
01. 言葉
02. 詩、歌、唄(ピアノバージョン)
03. 君の暮らす街で会いましょう
04. 光と影
05. 永遠の消印
06. イコロ
07. 島唄 [Live at 石垣市民会館 2025.03.02]
08. 童神~ヤマトグチ~ [Live at 石垣市民会館 2025.03.02]
09. 豊年音頭 with 新良幸人(Parsha cluB)[Live at 石垣市民会館 2025.03.02]
10. 涙そうそう [Live at 石垣市民会館 2025.03.02]

《初回限定盤DVD収録内容》
◾️25周年記念ファンクラブコンサート2024[Live at 高野山 東京別院 2024.05.19]
「涙そうそう」
「童神~ヤマトグチ~」
「永遠の月」
「さくら(独唱)」
「会いたい(想你)」
「愛さ生まり島」
「詩、歌、唄(ピアノバージョン)」

■夏川りみ 25th Anniversary Concert Tour “たびぐくる” 2024[Live at ⽯垣市⺠会館 2025.03.02]
「島唄」
「とことわのうた」
「ハレルヤ、ありがとう」
「豊年音頭」with 新良幸人(Parsha cluB)
「涙そうそう」

全12曲収録 ※曲順不同

Profile

なつかわりみ…沖縄県石垣市出身。1999年、夏川りみとしてシングル「夕映えにゆれて」でデビュー。2001年、3rdシングル「涙そうそう」をリリースし、大ヒット。116週連続チャートイン。2002年、紅白歌合戦に初出場し、以降5年連続出場。2003年、「童神」で第45回日本レコード大賞金賞受賞2004年、愛よ愛よ」で第46回日本レコード大賞最優秀歌唱賞受賞。2006年、デヴィッド・フォスタープロデュースによる、アンドレア・ボチェッリのアルバム『アモーレ』に参加し、「ソモス・ノビオス~愛の夢~」をスペイン語でデュエット。2008年、台湾だけでなく、香港、上海などでも公演を行い、アジアでの人気も高まる。2013年、セルジオ・メンデスのアルバム『ランデヴー』に参加。2014年10月、釜山国際映画祭祝賀会にて「さとうきび畑」を歌い大喝采を浴びる。2015年11月、台湾、桃園市と台南市でコンサートを開催し約5000人を動員。2017年4月、初のシンガポールコンサート Best of Rimi Natsukawa Live in Singaporeを開催。2018年11月、初の南米ツアー(ブラジル2days,ペルー)公演を開催。3日間で5000名を動員。2019年3月、初ベトナム,ハノイでソロコンサート開催。2019年9月よりデビュー20周年ツアーを全国26か所開催。2019年10月、初の中国大陸ツアー開催(北京、杭州、南京)上海(2019.4)。2019年12月、5年振りとなるオリジナルアルバム「美らさ愛さ」が日本レコード大賞優秀アルバム賞受賞。2021年3月、カヴァーアルバム『あかり』をリリース。全国ツアー「あかり」を開催する。2021年10月、日本作曲家協会音楽祭2021にて「涙そうそう」がロングヒット賞受賞。2021年11、沖縄県世界自然遺産大使に任命される。2022年6月、オリジナルアルバム『会いたい ~かなさんどぉ~』リリース。全国ツアー「たびぐくる2022」を開催した。2023年7月、全国ツアー「たびぐくる2023」を開催した。2024年5月21日に歌手デビュー25周年を迎えた。同月22日にニューシングル「詩、歌、唄」(うた、うた、うた)を配信リリース。6月26日に石垣島で撮影した25周年記念写真集『たびぐくる』(ワニブックス)が発売。6月29日から夏川りみ 25th Anniversary “たびぐくる”プレミアムコンサートツアー開催。
2025年は1月29日、シングルCD「詩、唄、歌」を発売。6月18日、アニバーサリーアルバム『うた』リリース。6月から『夏川りみコンサートツアー “たびぐくる”2025』開催。その唄声は今もなお日本に留まらずアジアや南米からも高い評価を受け続けている。

夏川りみ オフィシャルサイト
https://www.rimirimi.jp/


Live

夏川りみ コンサートツアー“たびぐくる” 2025

Pick Up!!

【兵庫公演】

チケット発売中 Pコード:292-500
▼7月5日(土) 15:30
神戸新聞松方ホール
全席指定-7000円
全席指定 小中学生-2000円
注釈付き指定席-7000円(会場の構造上、ステージが見えづらいお席となります)
※販売期間中は1人1公演4枚まで。
[問]キョードーインフォメーション■0570-200-888

【東京公演】
▼7月18日(金)
めぐろパーシモンホール 大ホール

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード:292-500
▼7月26日(土) 15:30
森ノ宮ピロティホール
全席指定-7000円
全席指定 小中学生-2000円
立見-6000円
※未就学児童は、保護者1名につき、膝上観覧1名まで無料(座席が必要な場合はチケットを購入ください)。
※未就学児童・小中学生チケットをお持ちの方は、ご入場の際身分証明書(保険証や学生証)を確認させて頂く場合がございます。当日はご用意の上ご来場ください。
※未就学児童のみでの入場は出来ません。
※販売期間中は1人1公演4枚まで。
[問]キョードーインフォメーション■0570-200-888

【静岡公演】
▼9月27日(土)
長泉町文化センター ベルフォーレ

【愛知公演】
▼10月9日(木) COMTEC PORTBASE

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