ホーム > インタビュー&レポート > 「思った以上に“楽しい!”に振り切っている」 音楽的親和性とアウトプットの多様性に共鳴し合う ハヤシライフとSUKEROQUEによる共同企画 『SOULFOOD BROTHERHOOD -4th MATCH–』 9月12日(金)にBEYONDで開催!
インプットしたものは近いけど、
アウトプットの仕方がぜんぜん違うって、すげえ楽しい!
ーーはじめに、ハヤシライフさんとSHOHEI(SUKEROQUE)さんが出会ったきっかけから教えてください。
SHOHEI「去年の夏にSUKEROQUEがリリースツアーをやった際に、大阪での対バン相手にハヤシライフがいまして。今まで出会ったことがないようなタイプのフレンドリーさのバンドで、その1日で仲良くなったよね」
新田万博(Ba)(以下、新田)「そうだね。SUKEROQUEはとにかくリハからすごいかっこよくて。メンバー全員で衝撃的でした」
SHOHEI「ありがとうございます。ハヤシライフは、とにかく僕ら東京の人が思い描くザ・関西って感じの人間像だったんですけど、実際にライブが始まってみるとおしゃれなサウンド感と泥臭い世界観が混在していて、なかなかいないタイプの音楽だなっていう印象でした。初見で僕らもすごく印象に残っていて、シンプルに仲良くしてもらえるのが嬉しいなと思ったんです。それから、2ヶ月後にハヤシライフが大阪で主催するイベントに呼んでもらえたので、その日にOKしました。それぐらい、音楽的にも人間的にすごく合うなというか、一緒にやってみたいなっていう気持ちになりましたね」
――新田さんはSHOHEIさんに対してはどういう印象でしたか。
新田「サウンド的なことでいうと、(ハヤシライフとは)おそらく通ってる部分というか、バンドとして大事にしている部分がすごい近い。インプットしたものは近いけどアウトプットの仕方がぜんぜん違うバンドやなっていう風に感じています。インプットしたものも全く一緒ってわけではないんですけど、アウトプットの仕方がこんなに違うってすげえ楽しいなっていう感じですね。先ほどSHOHEIも言ってたように、すごいおしゃれなサンドなんですけど、ハヤシ(ライフ)とまた違う。ハヤシはちょっと小汚い泥臭さがあるんかなと自分では思ってるんですけど、SUKEROQUEは汗もいい匂いしそうな泥臭さというか、さわやかな泥臭さというか(笑)」
――それはお互いの出身地の違いもあるんでしょうか?
新田「そうですね、出身地の違いというか、そう言っちゃうと大阪全員が悪くなっちゃうんで、僕らがただ汗臭いだけかもしれないです。今、遅刻してるうちのラッパー(愁人ワークス)もそうなんですけど、ちょっと育ちが悪いんです(笑)。でも根本は似てる気はするんですけど」
――聴いてきた音楽性には共通項を感じていると?
新田「そうですね。いわゆるファンクの部分だったり、ジャズっぽい部分がハヤシとしてはけっこう大きいかなと思いますね。特にうちのトラックメーカーはキーボードが担当してて、キーボードが出してくるコード進行やサウンドはスマートなイメージなんですけど、(ハヤシは)スマートとはちょっと言い切れないというか。サウンドだけで言うと、やっぱりSUKEROQUEの方がすごくおしゃれです。ただ、蓋を開けてみると結構シンパシーを感じてます」
――なるほどね、SHOHEIさんはいかがですか?
SHOHEI「ハヤシとは、どんな音楽を聞いてきたのかとか、ルーツの話ってあんまりしたことないんですけど。なんとなくわかるんです。きっと同じようなところのものを聞いて、自分たちの中で表現した時に出ていき方が違うというか、ハヤシライフの場合はメンバー分の頭があるんで、そこでちょっとトラックを作った時と違うものがアウトプットされる。で、それがすごいバンドのいいところだなと思っていて。そこが泥臭さといい意味で繋がってるのかなって、僕は思っていたんですけども。僕の場合はソロプロジェクトなので、作曲と編曲まで自分やるので、そういう意味ではスマートにまとまりがちというか、自分がほぼ思った形で出ていくんで、バンドとソロプロジェクトの違いっていうのもあるのかなと思いました」
――ちなみに、SUKEROQUEさんのライブは基本バンド編成でやってるんですよね?
SHOHEI「はい、バンド編成で毎回同じメンバーでやってます」
――音源で聴くのと、ライブで聴くのとではまたちょっと印象が違うこともあるんですね。
SHOHEI「そうですね。SUKEROQUEに関してはだいぶ違うかもしれません。みんなプレイヤーなので、すごくエゴがあるというか、サービス精神があるので。毎回演奏してる内容が違うところが結構あるんで。あと、わかりやすくフロアのテンションと呼応するというか。そういう部分があって、やっぱ熱くなればなるほど、相乗効果で演奏が熱くなってくるので。ライブごとに演奏は結構違うかなと思います」
『SOULFOOD BROTHERFOOD』は、
東京でも大阪でもちゃんと会場が楽しくなる。
――ではここから、共同企画イベント『SOULFOOD BROTHERHOOD』についてお聞きしたいと思います。そもそも、このイベントをやろうというのはどちらから?
SHOHEI「同時に言い出した感じです(笑)」
新田「基本的に、運営的な部分を僕がやってたりするんですけど。でも本当に、発案者がどっちであれ、多分いつかやってたんやろうなっていうような熱量ではやらせていただいてます」
――イベント実現まで、かなりスピーディーに進行してますね。
SHOHEI「僕としては、やっぱ人間性が合ったからかなと思いますね。音楽性やジャンルはそこまで合ってなくていいと思ってるんですけど、やっぱ人間性が合ってたら、スムーズに進んでいくし、本当にやりたいと思えるのかなと思います」
(*ここから、諸事情で遅れてきたハヤシライフの愁人ワークスが合流!)
愁人ワークス(MC)(以下、愁人)「遅れてしまってすみません。よろしくお願いします」
――では改めて、愁人さんがSHOHEIさんと出会った時の印象から教えてください。
愁人「なんか、やんちゃっぽいけど、喋ってみると、めちゃめちゃ弟です。なんか末っ子感がすごいですね」
――最初に会った時から相思相愛になったということで。
愁人「そうですね。最初から好きですよ」
――音楽的なルーツもけっこう近くて、インプットしているものは近いけれども、アウトプットの仕方が違うというようなお話をされてましたけれども、そのあたりは?
愁人「ああ、そうだと思います。(SHOHEIは)シティポップであったり、J-POPであったり、ブラックミュージックであったりっていうところがたぶん好きで。ただ、どう出すかという表現の仕方はぜんぜん違いますよね」
――ちなみに愁人さんがSUKEROQUEさんと一緒に共同企画のイベントをやりたいと思った決め手というのはどういうところにありましたか。
愁人「いい意味で、絵が見えたというか、想像できたというか。SUKEROQUEとハヤシライフの、東京大阪の共同イベントっていう話を聞いた時に、"ああ、あっていいよな"って思ったんで。いい意味で意外じゃない。東京大阪でこんなイベント打つの大変なんで。みんなやりたがることではないんですけど、ステージとして見た時に実現させてみたい!って思いましたね」
――今年の4月から東京と大阪で開催されてますが、これまでを振り返って、愁人さんはどんなふうに感じてますか?
愁人「なんか思った以上に、"楽しい"に振り切ってできてるなとは思います。もっと気負ってやるのかなとか思ってたんですけど、ライブが始まってしまえば楽しいなっていう感じがするんですね。東京でやらしてもらっても、大阪でやっても、やっぱりいいものはちゃんと届くし、ちゃんと会場が楽しくなるんだなって、すごくいいねって思います」
ライブに対する姿勢や方向性が近い3バンドが
一丸となったイベントに!
――ハヤシライフとSUKEROQUEに加えて、ゲストが1組入って3組が出演するということで、セッションみたいなこともあるんですか?
愁人「今のところセッションはやってないんですけど、今後そういうのもあってもいいのかなとは思ってます」
――毎回、3組目のゲストはどいう風に決めてるんですか。
愁人「(開催場所によって)東京はSHOHEIが、大阪は僕らが決めている感じですね」
――ゲストを決めるポイントは?
SHOHEI「僕的には、当然ですけどSUKEROQUEとハヤシライフに近い音楽というか、人間性とかも含めてちょっとヴァイブスが近いじゃないですけど、そういうのも考えて決めようかなとは思ってます」
――やっぱり人間性は大事なんですね。
SHOHEI「はい。僕は人間性大事だと思ってます。やっぱり楽しいのが一番だと思うので。一緒に同じ熱量で楽しめる人とイベントはやりたいなとは思ってます」
――ハヤシライフさんはいかがですか?
愁人「うちは会場のスタッフも含めて音楽的なところも考えつつですね。9月に出てくれるアーティスト(peeto)とSHOHEIが一緒に写ってる写真が夜中に急に送られてきて、アーティスト(peeto)から"出してよ"って言われたんで、"そりゃ、ええよ"って思ったという(笑)」
――それが、9月12日に出演するpeetoさんですね。
SHOHEI「peetoは千葉のバンドで、けっこう昔から仲良くしてて。千葉でpeetoのイベントに僕らが出てたときの打ち上げ中にpeetoのボーカル(野田拓也)と愁人くんがLINEでパチンコの話をずっとしてるという話を聞いたんです。"じゃあ、9月の大阪はpeetoでいいじゃん"みたいになって、それでとんとんと進んでいって(笑)」
愁人「9月の大阪だけは(ゲストから)まさかの志願っていう形で決まりました。(ゲストを決める時)普通はこっちからオファーして、スケジュール確認してっていう段階を踏んで実現するんですけど、向こうから"出してよ。楽しそうじゃん"って言ってくれたんで、一番いい形だなって思いましたね」
――音楽性において、peetoさんとの共通項はどこに感じていますか。
愁人「ジャンル的に言うと、ハヤシライフともSUKEROQUEとも違うんですけど。やっぱり、ステージに立って楽曲をやるっていうところでの空気感であったり、音楽を伝える上での姿勢はめっちゃ似てる気がしてます。楽曲的なものとかはそれぞれ違うんですけど、お客さんを喜ばせたいっていう根本は結構似てると思います」
――SHOHEIさんはいかがですか。
SHOHEI「peetoとはけっこう昔から知り合っていて、けっこう音楽性がコロコロ変わるバンドなんですよ。その時々で自分たちが今やりたいサウンドに向かっていくバンドなので。そういうのが素直に出てる感じがpeetoの良いところだなと思っています。今は割とアコースティックな方向に向かっている時期なんですけど、シティポップっぽい時期もあったし、ロックになってもアコースティックになっても、あんまりライブのやり方が変わらないんですね。本当に生活とリンクしてるというか、常に考えてることと音楽性がリンクしていて。でも、やっぱりライブするときのメンタリティという点では、さっき愁人くんも言ってましたけど、楽しんでもらいたいみたいな根本みたいなところは全く変わっていないんですよね。そこの根本のライブに対しての姿勢というか、そういうところのノリが、SUKEROQUEともハヤシライフともけっこう方向性が近い気が僕はしてるので、その3バンドで一丸となったイベントにはなるんだろうなと」
――では最後に、9月12日にBEYONDで開催されるイベントに向けての意気込みをきかせてください。
SHOHEI「SUKEROQUEはしょっちゅう新曲をやってるので、多分、前回の5月のイベントとは全く違うセットリストになると思います。ライブとなると、とにかく会場に来て直接体感しないと味わえないものだと思うので。本当に1人でも多くのひとに来てもらって、ライブを楽しんでもらいたいと思います」
愁人「『SOULFOOD BROTHERHOOD』は、東京と大阪で、今年中に合計6本開催するイベントです。その最初と最後の公演に気合いが入るのは当然で、普通だったら、真ん中での開催となる次回の8月と9月は中だるみしそうなもんなんですけど。さっきも言ってたように、"楽しんでほしい"が根本的にある2組なので、案外ここが1番気合入るんじゃないかなと僕は思いますし、実はここを一番見てほしいかもしれませんね。どうやったらライブが楽しくなるんだろうと考えて、ギリギリまで振り絞ったアイデアを詰め込みます」
――季節的に9月はまだ暑そうですし、夏フェス的な雰囲気を期待しちゃうんですけど。
愁人「ああ、それで言うと、たぶんSUKEROQUEもハヤシも春夏秋冬に関わらず、夏フェスみたいなことをやってるんで(笑)。お互いに水分だけよく取って、倒れないようにしたいですね」
Text by エイミー野中
(2025年7月31日更新)
ハヤシライフ…2021年結成。MC・愁人ワークスの落語も取り込む洒落の利いたラップと、粋でお洒落さに拘った楽曲と高い演奏技術で、FUNK / ROCK / JAZZ / SOULと多彩なジャンルを昇華したCity pop+Hip hop=City-hopバンド。2022年『MINAMI WHELL』出演。この時MV『So New Make It』の発表に伴い、スピッツなどのプロデュースも手掛けた石田ショーキチ主催のSAT RECORDSに所属。「2024年 世界最大級のライブ・コンテスト エマージェンザジャパン大阪大会」優勝、「日本大会」3位入選。1stアルバム『CITY HOP STREET』発売。テンダラー結成30周年特別公演『白川悟実presents「ジ・白川LIVE」』出演SOLD OUTなど、活動の幅を広めている。2025年SUKEROQUEと東京・大阪にて共催ライブ『Soul Food Brotherhood』を開催。2月24日、1stワンマンライブ『有頂天』を梅田BANGBOOにて満員御礼、大成功を収める。
SUKEROQUE…作詞・作曲・編曲を手掛け、ミドルボイスとファルセットのSWEETな歌声と、Groovyなサウンドを奏でるSHOHEIによるソロプロジェクト。思わず微笑みが溢れたり、少し切なくなったりと、心と体を揺らしてくれる曲とLIVEパフォーマンスが光る。両親が車の中で聴いていた山下達郎、大瀧詠一などのルーツof City Popに感化され、その後UK/US POPジャミロクワイ、マイケル・ジャクソンなどPop&Soul/Dance等の音楽にも強い影響を受けてきた。"洋楽&邦楽"のPOPどちらもがSHOHEIの体に流れていて、そこから作られるメロディメイクが特徴。昨年は5年振りの2ndEP『Blue Cheese Blues』をリリース。6月に東京渋谷TOKIO TOKYOで1stワンマンLIVE、続いて名古屋/大阪でのLIVEツアーも敢行。その後8月には渋谷Quattroにて『Juicy Groove Scramble』と題した。SUKEROQUE企画主催のイベントを行い、12月には渋谷WWWにて同イベントVol.2も開催。2025年も新たな企画へトライしていく。着実に作品リリースとLIVEを積み重ねる進化中の”SUKEROQUE”は笑顔になれる”Groove”が最高に楽しい稀有なアーティスト。
【東京公演】
▼8月22日(金) 下北沢SHELTER
[出演]SUKEROQUE/ハヤシライフ/ティンペッツ
▼9月12日(金) 19:00
アメリカ村 BEYOND
一般販売チケット-3500円(整理番号付、ドリンク代別途要)
[出演]ハヤシライフ/SUKEROQUE [ゲスト]peeto
※入場整理は開場10分前でのご案内とさせて頂きます。飲食物の持ち込みは禁止とさせていただいております。
[問]info@beyond-osaka.jp
【大阪公演】
▼8月20日(水) 11:00
Creative Center OSAKA
全自由-2000円(ドリンク代別途要)
[出演]アイスクリームネバーグラウンド/Adult family/ドラマチックアラスカ/びわ湖くん/Alaska Jam/SPARK!!SOUND!!SHOW!!/カラノア/Daisycall/SUBLIMINALS/ハヤシライフ
※未就学児童は入場無料。ただし未就学児童、小学生の入場は保護者1名につき1名までとさせていただきます。
※雨天決行。(主催者側で危険と判断した際には、中止いたします。)
[問]SOUND SHOCK運営委員会■info@sound-shock.com