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.ENDRECHERI.が『END RE』に込めた、
ポジティブな“終わりと始まり”

時代の流れや自身の生育環境の中で根付いてしまった“こうでなければいけない”という決めつけやルール、価値観が、ありのままの自分を愛し、自分らしく生きることを未だ困難にしている現代社会。だけれども、堂本剛のクリエイティブプロジェクト.ENDRECHERI.の音楽や言葉を浴びていると、その縛りがゆるみ、思う方向にスッと進める気持ちになる。2月26日、.ENDRECHERI.がミニアルバム『END RE』をリリースした。昨年、新たな環境に身を置いた彼にとって初の作品である今作には、敬愛するPファンクの創始者ジョージ・クリントンとコラボしたファンクチューン『雑味 feat. George Clinton』、シンガーソングライターとしてのデビュー曲『街』を再録した『Machi....』をはじめ、音世界に深く潜れる『Dr.Ancient Funkish』や、あたたかく包み込んで勇気を与えてくれる『愛を叶えたい -RAION-』などの楽曲たちが収録されている。“終わり”を意味する「END」と“始まり”を感じさせる「RE」が冠された今作は、.ENDRECHERI.のアイデンティティをリリックやサウンドに散りばめながら、“人生は一度きりでも、何度だって生まれ変われる”というポジティブな生き方を提示してくれる1枚だ。筆者も同郷であるという点から奈良トークを挟んで始まったインタビュー。堂本は“自分で”一歩を踏み出すためのヒントも教えてくれた。

続々と増えるファンク仲間。KroiとBREIMENと.ENDRECHERI.で、何かやりたい



ーー最近のトピックで言うと、2月8日にバレンタインイベント『END RICH MILK CHOCOLATE』をZepp Haneda(TOKYO)で、2月24日に音楽番組『ENDRECHERI MIX AND YOU』主催の2回目のフェス『ENDRECHERI MIX AND YOU FES』をぴあアリーナMMで開催されましたが、それぞれどんな感触でしたか?

「同郷という話で繋げていくと、シンガーソングライターの『ユイカ』ちゃんがお顔をお披露目されて、地元が奈良だとアウトプットされたので、一緒にセッションできないかなと思ってお声がけしたら、"ご一緒しましょう"と言ってくださって。リハ当日、"奈良のどこなん?"から始まって色んな話をしてたんですけど、蓋を開けたら小学校の担任の先生が同じで、それが衝撃的すぎて。当日はテンションも上がりながら『ユイカ』ちゃんと僕のシンガーソングライターデビュー曲同士をセッションしましたし、BREIMENのメンバー(高木祥太、いけだゆうた)君とのセッションもしました。僕にとって"生きてるな〜"という気持ちが増幅していく優雅な時間、"生きてて良かったな"と噛み締められる喜びと、自分を形成するすべての理由へ感謝が永遠と続くのがファンクミュージックなので、本当に頭から最後までただただ楽しく過ごしたライブになりましたね」

ーー年下のアーティストさんと共演されるのはどうですか?

「自分が今年46歳になるので、下の世代の方とお仕事する機会は物凄く増えました。それはすごく新鮮ですし、勉強させていただくことも本当にたくさんありますし、とっても大切な時間だなと思いますね。BREIMENは.ENDRECHERI.と同じくファンクミュージックを中心に色んなアプローチで音楽をめいいっぱい楽しんでいるバンドですが、日本のファンク人口が少なすぎるの(笑)、".ENDRECHERI.はめちゃくちゃ貴重な存在でとても嬉しいです"と言われるんですよ。僕もBREIMENに対して心からそう思ってるので、これからもファンク街道を共に突っ走って行きたいですね」

ーーそれこそ初回の『ENDRECHERI MIX AND YOU FES FUNK&FUNK』(2024年2月23日@ぴあアリーナMM)にも出られたKroiは、今年初のアリーナワンマンを開催し、来年はアリーナツアーを行います。ファンクミュージックが広まってきている感覚はありますか?

「それはありますね。僕はKroiもほんと大好きで、Kroiと最初にセッションした時、Kroiも.ENDRECHERI.に対して"こんなに興奮してくれるんや"というぐらいに興奮して接してくれましたからね(笑)フェスでご一緒した際も、KroiもBREIMENもめちゃめちゃ興奮してくれました(笑)共にファンクして下さったみなさんには感謝の想いばかりです。おそらく日本という場所でファンクを惜しみなく開放できた喜びを感じ伝えてくれたんだろうなと思いましたね。だから年内には.ENDRECHERI. とKroiとBREIMENとで何かとんでもないセッションを叶えたいです。僕らには"ファンク語"という共通言語がある感じですね。僕はKroiがどんどん大きいバンドになっていくのは嬉しいです。Kroiのファンの方も.ENDRECHERI.のライブに来ていただけたとしたら、そこはもう損はさせませんし(笑).ENDRECHERI.のファンの方がKroiのライブに行っても絶対楽しめます!BREIMENも然り!オーディエンスの人たちの中でも"ファンク盛り上げていこうよ同盟"が組まれると最高ですね」

ーーいいですね〜。

.ENDRECHERI. BREIMENファンの人たちは"エンブレ"と呼ぶらしいですよ」

ーーもう同盟ができているんですか?

「何かエンブレという同盟ができてますね()

ーーすごいですね。

Kroi"i"をいただいたらいいんかな。だから"エンブレイ"?。まあ、、、オーディエンスの人たちに"決めてください"とここで明言しておけば、自然と決まるでしょう。それを我々は受け入れますので!今後とも宜しくお願い致します!」

ーー3組の対バンを想像するだけでもテンションが上がりますね。

「楽しいですよね。日本でずっと孤独にファンクをやってきた人生でもありますから。僕がもう少し時代に合わせたファンクをアウトプットしてもよかったかなと思ったりもしますけど、本当に今は孤独じゃなくなりましたね。ファンクの影響を受けながら色んなアプローチをしているアーティストが日本国内にもすごく増えたし、海外にもたくさんいらっしゃるので、ファンクカルチャーの今後にすごくワクワクしている今ですね」



命の匂いをプンプンさせ、ファンクを体現した『ENDRECHERI MIX AND YOU FES』



ーー2回目の『ENDRECHERI MIX AND YOU FES』は仲間がさらに増えたというか、巡り合わせで開催になったんですか?

「僕がご縁をいただいてお友達になった方もいらっしゃいますし、スタッフさんサイドから"この方にお声がけしたいです"ということで集っていただいた方もいます。SKY-HIの日高(光啓)くんのパフォーマンスには胸を打たれすぎてしまって。リリックが刺さる刺さる()僕もジョージ・クリントンの影響を受けているのでヒップホップカルチャーもすごく好きだし、SKY-HIのパフォーマンスはほんとにカッコ良かったですね。パフォーマンスの後に日高くんに電話して、SKY-HIについてめちゃくちゃ熱く語りました。もちろん(三浦)大知くんにも興奮して連絡しましたし。テンション上げられすぎて大変なアーティストばかりでした()

ーー良いライブだったんですね。

「僕は常に"ファンク=命の匂いをプンプンさせること"と言ってるので、アーティストの皆さんにも"命の匂いをプンプンさせてください"とお伝えしたら、もうプンプンさせまくって下さったので。C&KCちゃんもずっとプンプンでしたし、原因は自分にある。さんも圧巻のパフォーマンスでプンプンでしたし、みんなが本当に今を生きながらファンクを体現しているイベントになりましたよね。お客さんからも命の匂いしかしてませんでしたし、もう会場中がプンプンしておもろくて素敵な時間でしたね。フェスは色んな要素がミックスされる場でもあると思うし、自分も去年たくさんフェスに出させてもらって、その時のSNSのコメントを拝見しても、".ENDRECHERI.にもっと早く出会っておけば良かった"".ENDRECHERI.のライブ、ちょっと恥ずいけど行ってみようかな"という声がたくさんあがってて嬉しかったですね」

ーー恥ずいけど。

「やっぱりみなさんそれぞれのフィルターで色んな決め付けや思い込み、イメージなどがあるから。それもあって".ENDRECHERI.180度想像してたんと違った、カッコ良かった"という表現で興奮を綴ってくれる人も多いんですが、"とはいえ、、、"という足踏みがあるみたいですね()みなさん素直になって下さい!宜しくお願いいたします!」

ーー私『KOBE MELLOW CRUISE 2024』で初めて.ENDRECHERI.を拝見したのですが、ノンストップでセッションをされて"こんなに生々しいライブをされるんだ"と圧倒されました。

「あの時の現象もおもろかったですよね。後ろの方スカスカやったのに、人がだんだん集まってきて。"堂本剛やん! ってみんな謎の興奮してましたよ"とスタッフさんが仰ってましたけど、その感じもおもろいなと思ってたし。バックステージではSIRUPくんと"僕らもPファンク好きなんですよ""そうなんや"ってバンドでいっぱい喋ったり。その時も日高くんがSKY-HIとして出ていたので、".ENDRECHERI.のライブ、踊りながら見てました"とコメントをくれたり。仕事で出会ったラッパーの子たちとも交流できたし、そういうふうに自由に繋がっていけるのがやっぱり楽しいですよね。"また何か一緒にやろうな"と言っていたものが11つ実現して、イベントにも繋がるといいですよね。だから今年".ENDRECHERI. KroiBREIMEN、で何かできたら最高やな"と盛り上がっていることが、本当に実現すると幸せなんですけどね」

ーー前のめりに応援しています!

「前のめりに応援してもらいながら、前のめりに進行していきます!」



本当にやりたいことが具現化するのは、次の作品



ーー今作『END RE』は新しいフィールドに身を置いて1枚目のCDということですね。

「新しいフィールドに出てからの1枚目にはなりますけど、音楽をリリースしていく上で完全に理想の環境に整っているかと言うと、完璧というわけではありません。ですが今作は自分の現在地の中でベストを尽くしてリリース出来た最高の1枚です。今まで自分がファンクをやってきた歴史も丁寧に意識しながら、今の最高を注入した作品です。なので、ここからですかね。どんどん面白くなっていきますね。次が本当にフルギアを入れて作るようなことをやれる環境作りを出来たらなと思ってます」

ーーすでに次の作品の構想も?

「デッサンはしてます。でも"これが得てしていいのかな〜、どうなんだろうな〜"と思いながらデッサンをいっぱいしてる感じですかね。曲は溜まってはいるんですけど、まだ"これや!"とピンとくるものに出会っていないので。一年間色んな経験を積んだからこその現在地から、渾身の曲を作る旅に出るということですね」

ーー現在進行形で見つけていかれるんですね。

「もちろん自分が好きなアプローチや"自分だったらこれが響くな"というものですね。例えばずっと応援してくださってる方の中で、"この曲に励まされたんや。この曲はこの人にとってそんなにパワーを持ってたんだ"とこっちが驚かされる曲もあって。ありがとうございますで胸が張り裂けそうですよ()今作も愛情を込めて作りました。次回作からも、もちろんハートで作るけど、頭で整えていくことが多くなるというんですかね」

ーーハートで作って、頭で整える。

「そして、ステージではハートでパフォーマンスする。ハートがパンで頭が具材で、サンドイッチを作ろうかなという漠然としたイメージがありますかね。」

ーー頭の部分で考えて、バランスを取っておられる。

「はい。でも基本的には、"まあまあ、かまへんか〜"みたいなゆるい感じで終わらせて、"楽しいことやろう"とファンクのセオリーに沿って作ってたりはするんですけど。自分のほんまにやりたいことが具現化する時は、次なのかなという感じはしています。もちろん現状に満足はしていますよ。」

ーーそんな予感がご自分の中であるんですね。

「はい。僕は色んな人の声を聞きすぎてしまう傾向があります。そういった声をシャットアウトは絶対にしないけれど、自分の心の声のスピーカーの音量をもう少し上げたいかなと。たくさんの人に聴いてもらうために"こんな感じか"と頭で整えて、パフォーマンスする時にまたハートで歌う。その物語に耐えうる曲を現在地を楽しんで作っていこうかなと思っています」



自分の中にネガティブは何もない。"おもろいな"と思って生きている



ーー今作は"人生は一度きりでも、人は思い立ったその時から生まれ変われる。それを諦めないでほしい"という、これまでも歌い続けてこられた想いを、特に強く楽曲に込められたんですね。

「そこはめいいっぱい込めました」

ーー私もすごく元気をもらいました。

「嬉しいです。ありがとうございます」

ーーそんなふうに"生まれ変わりたい、自分の価値観を大事にして生きたい"と思っても、例えばこびりついた思い込みで生きてきた期間が長いと、そこから飛び出すのは結構大変で、なかなか踏み出せない人もいると思うんです。そんな人はどうやって踏み出せばいいでしょうか。

「僕で言えば身体のことが大きな理由ではあるんですけど、"やっぱり一歩踏み出さないと結局のところ何も変わっていかないんだな"と、色んな方とミーティングを何度も何度も繰り返してそう感じてしまったし、僕は自分の一歩を踏み出して今の状況にいるんですよね。」

ーーなるほど。

「去年は新しい環境で様々な時間を過ごしましたけど、"楽しいしか思わなかった"と言ってもいいぐらいの1年でしたね。環境的に存在したこだわりの強い価値観も概念も消えたし、今までの環境とは違う新しい旅をしているから、ワクワクの方が勝ったのかなと思うんですけど。でも決めるのは自分しかいないから、もし納得がいかないのであれば、違うと思うのであれば、遅かれ早かれ踏み出すのであれば、その一歩踏み出せばいいと思います。たくさん人と対話してきた一年でもありましたが、人の心って不思議なもので、大きくころっと変わったりもするし、それに振り回されたりもします。以前はこう言ってましたよね?って事はいっぱあったし、そんな中でも自分の心がはっきりと見えているなら、優しさと強さをもって進んで行けば良いと思います」

ーー自分で決めて、一歩を踏み出す。

「僕は"こうでなければいけなくて、ああでなければいけない"みたいなことはなくて、むしろそう伝えてくれる人や環境に合わせて進んで来た人生です。人の気持ちは変わりやすくて疲れますけど、いつも頑張って向き合って学んでいこうと生きています。実際に僕はそんなに多くを求めてなかったりもするし、シンプルなんです。"これで平和が訪れるならええか"って、結構柔らかく生きてるタイプなんですけど、今の自分はよりそこに近づいたというか。だから一歩踏み出してみれば絶対変わるし、自分が決めた一歩なら後悔はないと思うので、"踏み出すのであれば自分で踏み出した方がいい"ということだけは、はっきりと言えるかもしれないですね」

ーー楽曲の中で<さらわれんなよ 自分を生きろよ>(『雑味 feat. George Clinton』)と言いつつも、<流されまくってりゃいい 魂なくたっていい>(『REborn』)と肯定してくれる安心感を感じました。

「僕もそうですけど、誰もが完璧ではないじゃないですか。世の中には色んな力というものがあるけれど、僕は元々そこに対しての興味がなくて、影響される時間がしんどいなと思う性格なんですよね。ギラギラした感じが好きな人もいるけど、僕は奈良で生まれてもうてるので、"平和がいいな〜"と思った時に、"自分や周りの人が幸せであればええやん"みたいな、作られた束の間の平和より最終的な平和が好きやから、色んな力に影響されずに生きたいなというのもあるし。自分のミュージシャン生命も、この身体でどこまで続けられるのかもわからないので、自分の今の身体と今の心を労わりながら、自分が本当に腑に落とせる優しい環境で音楽を作っていく。僕は音楽に対して、そういう一歩を踏み出そうと思って動いていったので。当たり前ですけど景色も変わりましたし、そこで体感することは、この年齢を重ねたいまにも勉強になる。自分の中にはネガティブは何もないです。"おもろいな"最高やんと思って生きてる感じですね」



生まれ変わることや環境の変化を恐れずに、自分を信じてあげられる瞬間を作ってほしい



ーーネガティブをネガティブだと捉えていないから、"ネガティブはない"と言えるんでしょうか?

「そうですね。寒いと思ったら"寒い"って言うのと一緒やと思えば少し気持ちも楽になりますよね()冬にTシャツで歩いてたら現実は寒いけど、"寒くないかもしれない"というゾーンにも人は入れるから。ネガティブなものをネガティブと捉えてしまうと、ネガティブへ着地してしまうだけやから。それこそ『雑味 feat. George Clinton』という歌もそうですけど、ありのままの自分が誰かにとってはネガティブと言われるのかもしれないけど、自分でネガティブだと言わなくていいじゃないですか」

ーー確かに。

「人が自分を比べたり、自分が人と比べることで生まれるネガティブが世の中には蔓延しているけど、人がそう思うならそれでかまへんし、自分の思考じゃないなら(どう思われても)それは仕方のないことでもあるじゃないですか。自分がなぜ生きているのかという理由も、自分にとっての愛の意味も、はっきり伝えようと思っても、結局その人の思考回路で色んなものがブレンドされて、"でも、こうなんやろ"って答えに変わってしまうことだって多く経験してきましたから。でも"自分の中にはこういう愛や正義があるよ"という時間を繰り返せる人生の方が、人はより豊かになると僕は思っているので、自分の心が自分に対して嘘をついていない環境がベストなんだと思います。簡単なことではないですけどね」

ーーはい。でもすごくわかります。

「でも本当に、"人生一度きりやけど、何度だって生まれ変わろうと思ったら自分次第で生まれ変われるやん"と思うから。そういう意味ではコロナ禍は色んな人が『END RE』をした時代だなと思います。今までやってきたことを続けられなくなった方もいっぱいいらっしゃったし、新たに何かを始めることで豊かになった方も、そうでない方もたくさんいらっしゃると思うんですけど。でも、生まれ変わることや環境を変えることを恐れずに、自分を信じてあげられる瞬間を作れるならば作ってほしいと思う。その瞬間の連続が10分になり、24時間になり、1週間になり......そういうグルーヴとリズムを手にしたら、どんどんビートに乗っていけて、そして生まれ変わる。"あのイントロを始めて良かったな"と思える。僕は去年そのイントロを始めて、そこから自分なりにビートに乗りながら1年を過ごして、今年また進んでいる。海外でもやりたいなと思ってもいますしね」



.ENDRECHERI.の音楽は、生真面目で考えすぎて、
人とのコミュニケーションが下手な、ちょっとネガティブな人ほど聴いてほしい




ーー海外に.ENDRECHERI.の音楽が広がるかもしれないんですね。待ち遠しいです。個人の世界でも『END RE』を聴いていたら、自分を大事にする時間が増えていく感覚になるなと、お話を聞いてて思いました。

「僕は自分がゼロからイチで始めた世界の延長ではない時間も大切に過ごしてきているので。"自分がイントロを始めてないけど、ビートに乗って楽しめる"、というものも僕の人生にあって。自分で始めてないがゆえに出来上がっていく僕のイメージに向き合っていくことも人生だと思ってるけど、僕はそこに区別だけをつけてるんです」

ーー区別。

「自分がゼロからイチで始めたイントロと、誰かが始めてくれたイントロは同じ曲ではない。だけどどちらにもリスペクトを込めている。その例え方で言うと、自分の中には色んな曲があるんやろうなって。仕事の曲とプライベートの曲、家で1人で歌ってる曲と会社で色んな人と歌ってる曲が一緒なわけないじゃないですか」

ーー確かに。

「そこに区別だけがあることで、どちらもがより有意義になる。そういう感覚でいた時に、"自分がこういう人生を生きたいな"とイントロが始まろうとしてるのであれば、そのイントロを始めるキッカケを待って、"今かな"と思ったら始めちゃえばいい。で、始まったらそのビートに乗りまくればいい。楽しそうに乗ってたら、気付いたら色んな人が集まってきますし。だから、もし自分が望んでなかった結果や答えだったとしても、そんなに大きく受け止める必要もなくて。"まあ、こうか〜"でいいし。1番大事なのは、自分で始めたイントロなのか、誰かが始めてくれたイントロなのかということ」

ーーはい。

「僕はパニック障害と闘っていたり、突発性難聴を患ったりしながら音楽をやっていますけど、それでもやりたいファンクというものに出会ってしまったんです。だからイントロからずっとビートに乗り続けている。ファンクミュージックもそうですけど、.ENDRECHERI.の音楽は、生真面目に考えすぎて、受け止めすぎて、人とのコミュニケーションが得意ではなくて、社会ではネガティブと言われてしまう人ほど聴いてほしいですね。なぜならば、僕がネガティブだったので()でもそれがポジティブに変わったのはファンクミュージックのおかげ。こんな僕でもとんでもなくポジティブになれたのでファンクはおすすめです。ほんといまだに驚いています」

ーーそうなんですか。

「いやもう、ファンクミュージックを聴いたら、"なんかどうでもええわ"と思えたり、"かまへんかまへん"みたいな感じになる。ファンクミュージックは楽器がワンコードの曲が多いんです。ずっと同じコードで背景が変わっていくスタイルだから、より人生っぽいんですよね。自分として生まれたことがコードだとしたら、背景は変わっていくけど(自分は)変わらないじゃないですか。人生もそんなもんですよっていう。毎日が楽しすぎることはなかなか難しいけど、とりあえず笑ってたら1日楽しく終わった方がいいと思うんですよね。それぐらいポジティブな力を与えてくれるのがファンクミュージックであることを、関西圏全人類に伝えたいですね」

ーー関西圏全人類に。

「(笑)。他の地域の人を置いていくことはないですが、関西の人の方がファンクミュージックのフィット感はありますから。お笑い文化とちょっと通ずるものがありますし」

ーー4月からの『.ENDRECHERI. ツアー2025 REBORN』でライブを観れるチャンスがやってきますね。

「もうほんまに遊びに来てくださいね。このインタビューを読んで下さったみなさんに会いたいです。自分もこの身体が動く限り、会いに来てくださった方にポジティブな時間を与えまくりたいですね」

ーー後方エリアで観られる初めての方向けの"お初さんチケット"や、インバウンドの方用のチケットも発売されていて、素敵だなと思います。

「初めての人が来やすい状況が欲しいなと思って。"このバンド良いな"と思っても、"1人で行くのちょっとビビるな"とかもあるじゃないですか。ファンクラブも無料と有料があるし、"とりあえず無料で入っとくか〜"から"やっぱ有料にするか〜"になって、色々と変わっていける環境も整えています。いきなり答えに到達できないことも人間らしさだと思うので。少しずつ到達する人もいきなり来てくれる人もいると思うけど、どちらも大歓迎なので、まずは会いに来てみて下さい。あとは奈良の人にいっぱい来てほしいですね()

ーーなら100年会館では何度もライブされていますね。

100年会館は地元ということでいつも競争率が高いんですけど、京都や大阪、神戸と奈良に近い場所もありますから。奈良で.ENDRECHERI.のコミュニティーができるといいんですけどね」

ーーコミュニティーがあると、生きやすくなりますよね。

「ファンの方が作ってくれてもいいですけどね。奈良の人がこぞって.ENDRECHERI.のライブ行くみたいなやつ、おもろいので。ライブが初めての人も同性の方も多いし、上は8090代、下は10代以下の方もいるので、何も考えんと会いに来てもらって大丈夫です!笑顔でお待ちしております!」

Text by ERI KUBOTA




(2025年4月 2日更新)


Check

Release

「人生は一度きりでも、何度だって生まれ変われる」。新たなイントロを始めた.ENDRECHERI.のミニアルバム『END RE』発売中!

初回生産限定盤A(CD+フォトカード) 
3000円(税込) / SECL-3195~6

初回生産限定盤B(CD+Blu-ray) 
2900円(税込) / SECL-3197~8

通常盤(CD) 
2300円(税込) / SECL-3199

[TrackList]
初回生産限定盤A・B
01. 雑味 feat. George Clinton
02. .ENDRECHERI. Brother
03. Dr. Ancient Funkish
04. REborn
05. Machi....
06. 愛を叶えたい -RAION-

通常盤・配信
01. 雑味 feat. George Clinton
02. .ENDRECHERI. Brother
03. Dr. Ancient Funkish
04. REborn
05. super special love
06. Machi....
07. 愛を叶えたい -RAION-

Live

.ENDRECHERI. LIVE TOUR 2025【 Reborn 】

【神奈川公演】
▼4月12日(土)・13日(日) 横浜BUNTAI
【愛知公演】
▼4月20日(日)・21日(月) 刈谷市総合文化センター アイリス 大ホール

PICK UP!!

【京都公演】

▼4月28日(月)・29日(火) ロームシアター京都 メインホール
一般チケット 一般-10000円
お初さんチケット 一般-7000円
着席指定席 一般-10000円
ファミリー指定席 一般 大人-10000円
ファミリー指定席 子供(小学生以下)-5000円
※3歳未満のお子様は大人1名につき1名まで、ひざ上に限り入場無料。お席が必要な場合はチケットが必要。お子様をお連れのお客様はファミリー指定席をご購入ください。お初さんチケットは、初めて.ENDRECHERI.のライブにご来場いただく方向けのお席です。着席指定席は、ライブ中、着席にて観覧いただくエリアになります。ファミリー指定席は、大人のみ・子供のみでのご購入・ご来場はできません。必ず大人と子供の組み合わせでご購入・ご入場をお願いいたします。お子様は立ってご観覧が可能です。保護者の方は着席でのご観覧をお願いいたします。お初さんチケット、着席指定席、ファミリー指定席は後方エリアとなります。
[問]キョードーインフォメーション■0570-200-888

【宮城公演】
▼5月5日(月)・6日(火) 仙台銀行ホール イズミティ21 大ホール

PICK UP!!

【兵庫公演】

▼5月9日(金) 神戸国際会館こくさいホール
一般チケット 一般-10000円
お初さんチケット 一般-7000円
着席指定席 一般-10000円
ファミリー指定席 一般 大人-10000円
ファミリー指定席 子供(小学生以下)-5000円
※3歳未満のお子様は大人1名につき1名まで、ひざ上に限り入場無料。お席が必要な場合はチケットが必要。お子様をお連れのお客様はファミリー指定席をご購入ください。お初さんチケットは、初めて.ENDRECHERI.のライブにご来場いただく方向けのお席です。着席指定席は、ライブ中、着席にて観覧いただくエリアになります。ファミリー指定席は、大人のみ・子供のみでのご購入・ご来場はできません。必ず大人と子供の組み合わせでご購入・ご入場をお願いいたします。お子様は立ってご観覧が可能です。保護者の方は着席でのご観覧をお願いいたします。お初さんチケット、着席指定席、ファミリー指定席は後方エリアとなります。
[問]キョードーインフォメーション■0570-200-888

【奈良公演】 ※SOLD OUT
▼5月11日(日)・12日(月) なら100年会館 大ホール
一般チケット 一般-10000円
お初さんチケット 一般-7000円
着席指定席 一般-10000円
ファミリー指定席 一般 大人-10000円
ファミリー指定席 子供(小学生以下)-5000円
※3歳未満のお子様は大人1名につき1名まで、ひざ上に限り入場無料。お席が必要な場合はチケットが必要。お子様をお連れのお客様はファミリー指定席をご購入ください。お初さんチケットは、初めて.ENDRECHERI.のライブにご来場いただく方向けのお席です。着席指定席は、ライブ中、着席にて観覧いただくエリアになります。ファミリー指定席は、大人のみ・子供のみでのご購入・ご来場はできません。必ず大人と子供の組み合わせでご購入・ご入場をお願いいたします。お子様は立ってご観覧が可能です。保護者の方は着席でのご観覧をお願いいたします。お初さんチケット、着席指定席、ファミリー指定席は後方エリアとなります。
[問]キョードーインフォメーション■0570-200-888

【大阪公演】 ※SOLD OUT
▼6月1日(日) 大阪国際会議場 メインホール
一般チケット 一般-10000円
お初さんチケット 一般-7000円
着席指定席 一般-10000円
ファミリー指定席 一般 大人-10000円
ファミリー指定席 子供(小学生以下)-5000円
※3歳未満のお子様は大人1名につき1名まで、ひざ上に限り入場無料。お席が必要な場合はチケットが必要。お子様をお連れのお客様はファミリー指定席をご購入ください。お初さんチケットは、初めて.ENDRECHERI.のライブにご来場いただく方向けのお席です。着席指定席は、ライブ中、着席にて観覧いただくエリアになります。ファミリー指定席は、大人のみ・子供のみでのご購入・ご来場はできません。必ず大人と子供の組み合わせでご購入・ご入場をお願いいたします。お子様は立ってご観覧が可能です。保護者の方は着席でのご観覧をお願いいたします。お初さんチケット、着席指定席、ファミリー指定席は後方エリアとなります。
[問]キョードーインフォメーション■0570-200-888

【静岡公演】
▼6月2日(月) アクトシティ浜松 大ホール
【東京公演】
▼6月7日(土)・8日(日) 東京国際フォーラム ホールA

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