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心斎橋JANUS激推しアーティストを届ける
恒例のスリーマン企画
3者3様のリズムに揺れた夜

心斎橋Music Club JANUSが今注目するアーティストを集めた恒例企画「attention!」の3回目は、JANUS出身のブッキングマネージャー谷氏が長年手掛けるイベント『wan!』とコラボし、バレンタインの夜にクールな3アーティストを招聘。久しぶりの出演となった the engy、JANUS初登場となる福岡出身バンド、aldo van eyck、マルチアーティスト、ミヤケ武器率いる注目バンド、Geloomyの3組に加え、釜中健伍 (DENIMS) がDJとしてジョインし会場を盛り上げた。

【the engy】

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釜中健伍(DENIMS)がご機嫌なセレクトで、会場を心地良いバイブスで満たすとオーディエンスが踊る準備は万端。トップバッターは、ソウル、ヒップホップ、エレクトロニックといったあらゆるジャンルを横断する京都発の4人組ロックバンド、the engyだ。

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濱田周作(Ba.) の胸躍るベースラインがダンスビートを導くと、山路洸至(Vo.)、境井祐人(Dr.)、藤田恭輔(Gt.)が軽やかにステージにすべりこむ。次々と音を重ねて「心斎橋JANUSいけますか!」とつなげた「Anymore」は、息づかいや体温を感じられる日本語詞がより鮮明に届く。ハンドクラップがパーティ感を増幅させると、青い照明の中、シャウトを決めてはじめたのは、「She makes me wonder」。ノスタルジックなストリングスに映える情感豊かなヴォーカルが観客を惹きつける。境井の周りに3人が集まり、呼吸を合わせて深いグルーヴの中へと誘うと、ミラーボールが似合うダンサブル&ファンキーな「夜明けも夜なら」まで洗練されたサウンドをたたみかけていった。

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「エビバデ!くつろいではりますか!」と山路が京都弁でほぐせば、「Yeah!」とお客さんは笑顔で返し、最高に良い雰囲気。そして、言えることは、「少しだけステージの冷房を強めていただけませんか(笑)。設備的に可能ですか...?」と山路が謙虚にお願いするほど、楽しくて熱い夜だということ。続く「Crying Dancer」でミラーボールはまわり続け、藤田のカッティングが疾走感をひきつれて、サビでは気持ち良くみんなの手があがった。

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山路のファルセットに魅了される鳥肌ものの時間を経て、<音楽は終わりがないくらいが 帰れない僕らにちょうどいい>という歌詞がこの夜とリンクしていく。新境地を感じさせる212日リリースの「Night Kids」にメッセージをこめると、あっという間にラストソング。「Hold You Again」の口ずさみたくなるサビに合わせて、人差し指が掲げられ、一体感はMAXに。そして、「サンキュー!エビバデ!みなさんに最高の週末がくることを願ってもうちょっとだけ!」と山路はマイクを置き、ギターを手にアウトロセッションに突入!ノイズを重ね、音の渦の中スパークしたラストは圧巻だった。

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【aldo van eyck】

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続いては、2021年に福岡で結成された4人組バンド、aldo van eyck。同名のオランダ人建築家に由来するバンド名の通り、確かな演奏力とともに緻密に構築されたサウンドは、ガレージロック、ポストパンク、ジャズ、ブルースなどあらゆるジャンルを吸収。即興的な要素のあるスリリングなライブパフォーマンスが音楽シーンで注目を浴びている。

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メンバーは姿を現すと、ステージ向かって右手にtomohiro onoueVo. Gt. Tp. Key.)が立ち、ryunosuke sakaguchiGt. Sax.masahiro yamashita(Ba.)Dischaaageee(Dr.)がスタンバイ。冒頭の「L S Drive Apartment 3F」から、4人は向かい合いながら、エナジーを凝縮させていくようなアンサンブルを展開していく。独特の緊張感がクセになるような不思議な感覚にとらわれ、ステージから目が離せない。狂気をはらむonoueのヴォーカルに重厚感溢れる音が重なるトランシーなセッションの中で、sakaguchiが激しくギターを歪ませる...息をつかせぬ展開に会場からはため息が漏れた。

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あっという間に初見の客もどっぷりと彼らの世界観にハマらせると、ここで未公開の新曲「pool side」へ。Sakaguchiが演奏する妖艶なアルトサックスの深い音色とonoueのスモーキーな歌声にピアノが美しく溶けあう。色味を抑えた照明、4人から発せられるオーラと相まって、没入感がハンパない。そして、1月にリリースされたばかりの新曲「Dahlia」では、トランぺットを手にしたonoue。ギターとトランぺットが奏でる哀愁を帯びたフレーズが空気を震わせると観客は恍惚感に浸り、気持ちよさそうに体を揺らしていた。

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onoueは、「4月に大阪にまた来るので...よかったらまた来てください」と短く告知を挟むと、柔らかくしっとりとしたサックスの音色がすべてを包みこむような「last dance」で、ビートを早めてクライマックスへ。「she」でゆるやかな雰囲気をつくり出すと、残り時間を惜しむようにハンドクラップが起こった。

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そして、エモーショナルなヴォーカルに絡まるようにツインギターがうねるとオーディエンスは拳をあげて熱狂。鮮烈な余韻を残し、濃密な8曲で魅せた変幻自在なグルーヴは、この夜の記憶にしっかりと刻まれた。

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【Geloomy(ジェローミー)】

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トリは、小腸(Gt.Vo.)、肝臓(Key.)、肺(Dr.)、腎臓(Ba.)からなる宅録バンド、Geloomy! 自主制作MVSNS中心に話題となったが、その正体はまだ謎に包まれている。

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are you ready!ラストみんなで踊ってかえりましょうよ!金晩っすよ!」と、ステージに飛び出してきた小腸が叫べば、もう何も考えずに踊るしかない!そんな気分にさせてくれる小腸の心地良いカッティングが拍手と歓声を誘い出し、キャッチーなサビがまさに中毒になる「Shock!!中毒」でダンサブルにスタートダッシュを決めた。

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そして、レトロポップ✕近未来な鍵盤が織りなす「p.h.p」で思わず腰が揺れて、フロアはディスコ状態に。「楽しい!」と叫ぶオーディエンスに小腸は「いいやん!いいやん!」と満足気な表情を浮かべた。

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ジャジーなセッションでつないだ3曲目(新曲)では、各々がバキバキに繰り出すソロパートで魅了。「Black Cinema」や「airam」でソウルフルなヴォーカルに似合う都会的なスロウビートをしっとりのりこなしたかと思えば、「블루(beullu)」ではキラキラととびきり爽やかな風を吹かせてくれたりもする。ファンク、ディスコのフィーリングに遊び心ある歌詞がスパイスとなった彼らの音楽は、"ネオディスコ"でくくりきれない魅力にあふれていて、一度聴いたら忘れられない楽曲が体に染みこみ、理屈抜きに楽しいのだ。

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「知ってる人は一緒に歌ってね!」と告げた「Vagi@」でご機嫌な夜を加速させる。「ラスト1曲!みんな名前だけでも覚えて帰ってね!」とファンキーな腎臓のベースラインと肝臓のキーボードソロがはじける「anti anti」でパーティは大団円となった。ヒートアップしたフロアを歓声が包んだアンコールで「どこでもやったことない新曲をやります!」と小腸。レアなナンバーにファンは大喜び。自分たちの好きなものに忠実に、目の前の人をとにかく踊らせてくれる4人の今後の活動から目が離せない。

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Text by 岡田あさみ
Photo by キラ




(2025年2月28日更新)


Check

Set List

●the engy

01. N
02. Anymore
03. She makes me wonder
04. Not Today
05. 夜明けも夜なら
06. Crying Dancer
07. Night Kids
08. Hold You Again

●aldo van eyck

01. L S Drive Apartment 3F
02. RCFH
03. Cosmo bike
04. pool side
05. Dahlia
06. M Room
07. last dance(live arrange ver)
08. she

●Geloomy

01. Shock!!中毒
02. p.h.p
03. (新曲)
04. Black Cinema
05. 블루(beullu)
06. airam
07. Vagi@
08. anti anti
EN. 弁償ook

Live

●the engy

the engy LIVE TOUR 2025 "C.U.T."

【京都公演】
▼3月29日(土) Live House nano
【仙台公演】
▼4月5日(土) 仙台ROCKATERIA
【金沢公演】
▼4月6日(日) 金沢GOLD CREEK
【福岡公演】
▼4月13日(日) Fukuoka BEAT STATION
【広島公演】
▼4月19日(土) 広島Cave-Be

PICK UP!!

【大阪公演】

▼5月10日(土) 18:30
246 LIVEHOUSE GABU
スタンディング-4500円(整理番号付、ドリンク代別途要)
※未就学児入場不可。小学生以下入場無料。
[問]サウンドクリエーター■06-6357-4400

【名古屋公演】
▼5月11日(日) 池下CLUB UPSET
【東京公演】
▼5月30日(金) Zepp Shinjuku

チケット情報はこちら


 

●the engy・aldo van eyck

『SYNCHRONICITY’25 -20th Anniversary!!-』
【東京公演】
▼2025年4月12日(土)・13日(日) 13:00
Spotify O-EAST/Spotify O-WEST/Spotify O-nest/duo MUSIC EXCHANGE/clubasia/LOFT9 Shibuya/SHIBUYA CLUB QUATTRO/Veats Shibuya/WWW/WWWX/TOKIO TOKYO

1日券-8800円(整理番号付、ドリンク代別途要)
2日通し券-16800円(整理番号付、ドリンク代別途要)

[12(土)出演]
東京スカパラダイスオーケストラ/離婚伝説/w.o.d./SPARK!!SOUND!!SHOW!!/Suspended 4th/betcover!!/THE SPELLBOUND/SPECIAL OTHERS/THA BLUE HERB/envy/Boris/The Novembers/world's end girlfriend/downy/LITE/Rega/fox capture plan/揺らぎ/mudy on the 昨晩/sleepy.ab/paranoid void/ドミコ/法茲 FAZI (China)/MONO NO AWARE/Cody・Lee(李)/Homecomings/odol/Helsinki Lambda Club/TENDOUJI/NOT WONK/Enfants/She Her Her Hers/緩緩 Huan Huan (Taiwan)/Dos Monos/どんぐりず/SUSHIBOYS/YonYon/QOOPIE/the engy/Billyrrom/muque/荒谷翔大/Emerald/First Love is Never Returned/Blu-Swing/goethe/brkfstblend/HALLEY/luvis/LAUSBUB/高井息吹/幽体コミュニケーションズ/タデクイ/水平線/pavilion/Trooper Salute/穂ノ佳/Simmer Pine/Ko Umehara/New Action!

[13(日)出演]
渋さ知らズオーケストラ/ZAZEN BOYS/サニーデイ・サービス/Hedigan's/ALI/柴田聡子/おとぼけビ~バ~/SOIL&"PIMP"SESSIONS/踊ってばかりの国/No Buses/DYGL/奇妙礼太郎BAND/TENDRE/BREIMEN/kiki vivi lily/chilldspot/NIKO NIKO TAN TAN/DÉ DÉ MOUSE/imai/80KIDZ/ぷにぷに電気/Shin Sakiura/toconoma/the band apart/People In The Box/MASS OF THE FERMENTING DREGS/tricot/jizue/JYOCHO/kurayamisaka/蛙池 wachi (China)/モーモールルギャバン/SuiseiNoboAz/ゆうらん船/Khaki/luv/えんぷてい/柯智棠 Kowen (Taiwan)/ベランダ/Guiba /トリプルファイヤー/saccharin/浪漫革命/Nao Kawamura/POLYPLUS/JABBERLOOP/ANORAK!/ひとひら/雪国/cephalo/yubiori/171/the bercedes menz/aldo van eyck/Qoodow/life crown/北村蕗/Cosmic Mauve/こがれ/Ko Umehara/New Action!

※the engyは12(土)、aldo van eyckは13(日)出演予定
※小学生以上有料/未就学児童無料(保護者同伴の場合に限る)。
※開場・開演時間は変更となる可能性がございます。
※アーティストのキャンセルや変更等による料金の払戻しはございません。
[問]SYNCHRONICITY■info@synchronicity.tv

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