ホーム > インタビュー&レポート > 初の全国ツアー『史上最大の廻る極寿司炎TOUR ~桜の咲く頃までに~』開催中 “サウンドのワンダーランド状態”で “誰がいつ見ても楽C(たのしー)”を追求し続ける! ウルトラ寿司ふぁいやーインタビュー
音楽に加えてバラエティとかお笑いも好き
理想像はザ・ドリフターズやクレイジーキャッツ
――アカペラ出身者とロックバンド出身者が出会って結成されたそうですが、どういう経緯で一緒にやることになったんですか。
Jぺい(以下同)「僕は中高の時にロックバンドが割と好きで、軽音楽みたいなことをやっていまして、その中で繋がったのがドラマーの翼(ds&cho)なんですよね。ちょいちょい一緒にやったりしてたんですが、僕はギターの才能がなかったようで、(バンドは)やめて、大学から始めたアカペラを通して、まじくん(sax,perc&vox)と、僕が4年生の時に1年生でサークルに入ってきたなめちゃん(pf&cho)に出会ったんです。アカペラも結構力を入れてやっていたんですが。紆余曲折があり、僕は芸人になろうと思ってお笑いの養成所に行ったこともあったりして(笑)」
――えーそんなことも! そこからどのように今のバンド活動につながっていったんですか。
「一時期音楽活動が宙に浮いてる中で、ドラマーの翼は(別の)バンド活動を続けてたんですよ。その中で、ギターの加部(輝)(g&cho)ちゃんと知り合っていて。ただ、この2人がやってたバンドも解散しちゃって、宙に浮いた者同士でなんか一緒にやろうよっていうことで。本気でやるなら、ちょっと面白いメンバーが必要だなと、アカペラで知り合ったまじくんとなめちゃんを誘い、ベーシストが足りないので、友達の紹介で尚也(b&cho)が入ってきました」
――それで、2017年にウルトラ寿司ふぁいやーが結成されたんですね。一度聞いたら忘れられないバンド名です。
「別に狙ってつけたわけじゃないんですけど、なんか変な名前のバンドばっかやる癖があって(笑)。ノリでつけたそのまんまです。思いついたことは形にしたいっていう気持ちだけはすごくあるので」
――毎日欠かさずYouTubeに、"バンドあるある"などユニークなショート動画を投稿してますね。アイデア源はどこから?
「あれはカメラを向けたらメンバーが勝手に面白くしてくれるんです。そういう力は僕よりメンバーの方があって、ある種みんなの方がクリエイティブかなと思ったりはしますね。毎日撮ってるわけじゃなくて、撮影する日に10本とかまとめて撮って、あとはリハの隙間に2、3本取ったりとか。元々音楽に加えてバラエティとかお笑いも好きなので、ドリフターズとかクレイジーキャッツとか、コントもやるような音楽バンドってすごくかっこいいなと、そんな理想像もあったので。ある種の僕の出したい側面が1個出せてるなって思ったりもします。ショート動画を撮るようになって、1日1本だし、短い動画だから誰か1人でもいいじゃんっていう発想になって。自ずとメンバー個々にスポットが当たるようになって、各々のいいところが発掘できるし、お客様もそれを認知してもらえるみたいなことになって。僕らみたいな人数の多いバンドにとってはそれってすごくいいことで。みんなスキルがあってネタにも困りづらいし、毎日1歩ずつは進めてるなって気持ちにもなれるので楽しくやれてます」
――ギター1本でベースやパーカッションも鳴らして、様々なカバー曲を披露する"アコ1界隈"では、ユニゾン・スクェア・ガーデンの『シュガーソングとビターステップ』がバズったりしてて。
「そうなんですよ。去年の8月ぐらいから投稿し始めて、まだ半年経ってないんですが、1~2万人ぐらいフォロワーが増えてます。すごくいい広がりを見せてるので。1年間は続けてみようかなと思ってます」
いろいろ挫折も経験したりしてきて、
バンドはかっこいいだけじゃダメなんだなって
――「誰がいつ見ても楽C」を合言葉に、自由なサウンド&ライブをお届けするということで。
「学生の頃からアカペラのライブとかやってると、後ろの方でつまらなそうにしてたり、居所なさそうにしてる人がいるとすごく気になってしまうタチで。その空間にいる人はできるだけ巻き込みながらやりたいなっていう、根底に気遣いな部分もあったりするので。みんなそれぞれに楽器上手いし。10代後半~20代前半とかで知り合ってたらついてきてくれなかったかもしれないけど、いろいろ挫折も経験したりしてきて、バンドはかっこいいだけじゃダメなんだなっていうのを経験してるからこそ、僕のような人間が面白いことやろうぜっていうのについてきてくれるのかなってすごく感じたりします」
――これまでの人生経験が活かされているんですね。
「そうですね。だから30代のいい味が出ているんだと思います。ほかのショート動画とか見てると、若い方々で近いことやられてるバンドさんはいるんですよ。
自画自賛かもしれないですけど、うちの方が味出てるんすよね(笑)。30代の大人の男性なのにリアルなバンドマンやってるっていうのは、なんかいい哀愁が感じられるなって。そういうところが面白いのかなと」
――Jぺいさんはディレクター的な目線で考えてるんですね。
「それはすごいあると思います。構成とかもいろいろ考えるのが好きなので。最近お世話になってるスターダストレビューさんとかバンドもやるし、アカペラもやるし、それって最高の形だなって思いつつ、自分のバンドではそんなことは無理かなって思ってたんですけど。今のメンバーがアカペラをやろうっていう提案も受け入れてくれて、願ったり叶ったりみたいなところはありますね」
今年から6人の新体制で活動中
徐々に変化していく僕たちを見守ってください
――ベースとなるバンドがあり、歌やハーモニーもしっかり聴かせられて、エンタメ性もあるっていう形は"サウンドのワンダーランド状態"と称されるほどで、重層的ですね。その中でも1番軸になってるのはなんですか。
「すごく広義であれなんですけど、やっぱ"エンターテイメント"っていうキーワードだとは思っていて。人を笑かす、楽しませるっていうのが根底のところなのかなと。本当にそれが軸なんですよね。音楽性に軸がある人もいたりするとは思うんですけど、僕たちはそれ以上にお客さんに楽しんでもらいたい、見てる人に楽しんでもらいたいってことだけが、このメンバーの心のひとつの拠り所というか。音楽性で言ったらほんとにもうバラバラだったりするんですけど、それはすごく共通していて」
――なぜそこまでエンタメ性を求めるんでしょうか。
「メンバーがどこまで共通してるかわからないんですけど、僕は本当にお客さんがリアクションしてくれる、笑ってくれるっていう瞬間以上に楽しいことがないので。それが好きだから(笑)、それをずっと追いかけたいっていう。だからこれもすごく変わってるんですけど、ボーカルとしてはかなり音楽をないがしろにしてた方で、それ以上にライブでの中身とか構成とかで面白いことがしたい、楽しんでくれればいいってことをずっと追いかけてやってた側面もあったんですけど。ある時点から、このエンターテインメントをもっと面白くするには歌もうまくならなきゃいけないんだ!ってことを、逆にそっち側から感じて、音楽をもうちょっと大事にやらなきゃなと思ったりしたこともあるぐらい。他のミュージシャンの方とはモチベが結構違うのかなと思ったりします」
――最新シングルは12月15日にリリースされた『歩いてみよう』ですね。
「はい。去年作ったオリジナルで、僕らは何の気なしに良い曲だなと思ってたんですけど、(元メンバーの)ショーリンの中ではこの先の進退のこととかも含めて歌詞に反映していたようで。これからの僕たちと彼のことを示唆するようなメッセージ性もあったので、7人でのラストライブのタイミングでリリースしました」
――今後の新曲リリース予定は?
「今、6人用の新音源を準備中です。4月19日に渋谷さくらホールというところで、初めてホールワンマンをやるので、そこを目標に6人の新音源が出せたらいいなと思っています。今まではファンキーって言われることが多かったんですけど、(今までの曲を)リアレンジとかしてて思うのは、僕が歌うとロックに寄ってくるなと。これからバンド好きな人が好きなサウンドに仕上がると思いますね。やっぱ僕らもバンドが好きなので」
――ボーカルに関しては、昨年12月まではツインボーカル体制だったんですよね。これからはどういう形でやっていくんですか。
「基本的には僕がメインボーカルで8~9割方、僕が歌って、1~2割くらいはまじくんだったり、なめちゃんだったりが歌うこともあります。彼らもアカペラ出身なので。1人で歌いきれる曲に関しては過去の曲も1人で歌うんですけど、どうしてもツインボーカルで重なってたりする部分があったりするので、そういう曲は振り分けて歌うっていう感じですね。だから僕が真ん中にいて、ステージの遊びとしては他のメンバーのリードボーカルの曲もバランス良く出てくるっていうのが、新しい形としては面白くなりそうだなっていう気がしています」
――なるほど。2025年は6人の新体制でリスタートですね。
「心機一転リスタートというよりは、ここから変わっていくので、徐々に変化していく僕たちを見守ってくださいみたいな気持ちですね。僕らは各公演をツイキャスで有料配信してるので、今回のツアーは一公演ずつ追いかけて、ファンの方に進化を見届けていただけるすごく楽しいツアーになってるんじゃないかなと」
ライブはショート動画がきっかけで見に来てくれる人も
すごくウェルカムな空間になっている
――1月からスタートした全国ツアーはどんな感触ですか。
「6人体制で初めてやったのが、1月26日の仙台公演で、とてもフレッシュで楽しい気分で我々はやっていますし、お客さんも今の僕たちを楽しんでいただけてるなっていう気はしてます」
――ステージはどういった構成で?
「前まではボーカル2人が出てって、"どうもーこんにちは!"みたいな感じで賑やかして、自分らのことを紹介して...みたいなことをやって、間にアカペラが入ったり、カバーやインストコーナーがあったりとか、すごくバラエティーチックな組み方をしていたんですが、最近は3、4曲やるまでは喋るのを禁止にして、まず先にウルトラ寿司ふぁいやーの音楽のかっこいいところを届けて、そっからちょっとずつ喋っていこうかなみたいな感じです。構成的には賑やかに色々やるんですけど、去年末ぐらいからそういう風にしてますね」
――ライブに来るファン層は?
「音楽好きな人多いと思います。僕らのお客様はいろんな音楽の先輩方のファンの方が来てくれることがすごく多くて。それこそお世話になってるスターダストレビューさんもそうですし、僕らがたまにサポート演奏とかもさせていただいている、Skoop On Somebody さんもそうですし、僕らが結成初期からお世話になってる声優の森久保祥太郎さんという方がいらっしゃるんですけど、その方も音楽活動をすごく大事にされてるので。そんな先輩方のところから関心を持って僕らのとこに来てくださった人がいっぱいいて。ライブのリアクションを見ていて、皆さんすごく音楽好きだと思います」
――今回のツアーに行けば新曲も聴けるんですね。
「どんどん新しい曲が増えていっているので、新曲も出していきます。ポップだったり、AORだったり、アダルトなバラードだったり...新しい曲がもう3、4曲ぐらい控えています。2~3月のライブですごく進化すると思っているので、今までのウルトラ寿司ふぁいやーを知ってる方も知らない方もぜひ来ていただきたいですね」
――ちなみにショート動画で配信してるようなネタはライブでもやってるんですか。
「生で見れますよ。そういうショート動画がきっかけで観に来てくれる人もすごくウェルカムな空間になってると思います」
――リクエストもOK?
「何がいいですか?って聞いてやることもあります。もう間違いなく楽しい2時間を過ごしていただけることは保証いたしますので、ぜひ多くの方に来ていただけたら嬉しいなと思います!」
Text by エイミー野中
(2025年2月27日更新)
うるとらすしふぁいやー… Jぺい(vo&g)、翼(ds&cho)、尚也(b&cho)、まじくん(sax&perc&vox)、なめちゃん(pr&cho)、加部輝(g&cho)
通称 “ウル寿司” “極寿司炎” 。
2017年、アカペラ出身4人とロックバンド出身3人が出会い結成し、東京を中心に活動を開始。メンバー各自の多様なバックグラウンドとバンド自体の貪欲なまでの音楽の享受能力から生み出されるサウンドは、 バラード、8ビート、16ビート、スカ、ディスコ、ファンク、R&B、自由奔放に合体され、アレンジされた楽曲は、リスナーの予想を大きく超えてくることもしばしばで、まさに、サウンドのワンダーランド状態。それぞれの楽曲から発せられるメッセージや想いは、時に激しく、時に楽しくダイレクトに伝わってきたかと思えば、 家族、友人、オーディエンスに対する愛情あふれる思いの丈を時に優しく、時に温かく寄り添うように語りかけてくる。「誰がいつ見ても楽C(たのしー)」を合言葉に、積極的に活動中。
2024年8月21日に4枚目のアルバム『AMU酢』発表。最新シングルは同年12月15日に配信のみで発表された『歩いてみよう』。
セルフプロモーションの一環として、毎日欠かさずYouTube_Shortを投稿 バンドあるあるなど、色々なシリーズがある中、通称「アコ1界隈」というギター一本でギター、ベース、パーカッションを演奏し、+ボーカルという編成でを様々なバンドのカバー曲をしているが、 昨年11月に公開したユニゾン・スクェア・ガーデンの「シュガーソングとビターステップ」が大バズり。 現在、200万回以上の再生回数、10万以上いいね!の高評価を獲得しており、日テレシューイチにも出演。また、オリジナル曲「おつかれさま。」のMVも150万回以上再生されている。
現在初の全国ツアー「史上最大の廻る極寿司炎TOUR -桜の咲く頃までに-」開催中。 ツアー初日、12月14日神田明神ホールでのワンマンライブはソールドアウト この日のライブで、7年間一緒にやってきたショーリン(vo)が脱退。6人体制で新たな音作り、再アレンジなど再構築中。
https://lit.link/ultrasushifire
【愛知公演】
▼3月1日(土) ell.FITS ALL
【東京公演】
▼4月19日(土)
渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール
チケット発売中 Pコード:290-754
▼3月2日(日) 18:00
Shangri-La
Aエリア-4000円(スタンディング、整理番号付、ドリンク代別途要)
※S席は取り扱いなし。
[問]Shangri-La■06-6343-8601