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“みんなが想像し得ない、勝手なことを
たくさんやっていくべきロックバンドなんだ”
ビレッジマンズストアが20周年で見つけた、新たなる指標
2025年1月からは全国ツアー『スーパー御礼参り』をスタート

名古屋発のロックバンド・ビレッジマンズストアが今年結成20周年を迎え、約3年ぶりに4thミニアルバム『勝手』をリリースした。2023年3月にサポートベースをつとめていたウエムラ(ba)が正式加入して5人体制となった彼らだが、同年8月から荒金祐太朗(gt)が適応障害の診断を受け、療養のため活動休止に。現在は水野ギイ(vo)、岩原洋平(gt)、坂野充(ds)、ウエムラ(ba)の4人で活動している。そんな中発表された『勝手』は、20年目にして初期衝動を詰め込んだような勢いがあり、楽曲の完成度とクリエイティブの純度が高い1枚だ。今回は水野に20周年を迎えて思うこと、今作の楽曲制作、さらに来年の活動についてたっぷり話を聞いた。11月17日に東京・Zepp Shinjukuで行われた大切な公演『正しい夜遊びの解』を大成功で終えた彼らは、2025年1月から村立20周年を記念して全国ツアー『スーパー御礼参り』をスタート。2025年11月の東名阪ファイナルまで、1年をかけて周年企画やベストアルバムリリースなど、盛りだくさんの内容で走り抜ける。ビレッジマンズストアの20周年は始まったばかりだ。

20年続けて良かったのは、好きな人や尊敬している人たちと1つのものを作れること



ーー今年は結成20周年ですが、特別に周年を意識しているというよりも、地続きでやられている感じなんですね。

「"20年長いね"と言ってもらえるんですけど、高校生の時に遊びで始めたものがそのまま20年続いていて、その間もビレッジマンズストアという名前だけあるから20周年と言ってるだけなので、"20年戦ったね"みたいな感覚は本当にないし、今となってはオリジナルメンバーも僕だけですし」

ーー続けていくことの難しさを感じたりされませんか?

「周りの人に言ってもらえてやっと実感が湧くというか。音楽というのは衣食住が伴って初めてできるし、欲しくなるもの。本当に運が良かったというか、たまたま自分の身体が健康で、音楽も好きで続いてきただけなので、そんなに自分がすごいとも思っていないですね」

ーーだけど毎日悔しいというか、満足したことはないとおっしゃっていましたね。

「マイナスな部分を原動力にしたいと思っているから、わざとそこを探してる節ももちろんあります。ロックバンドって世間のイメージだと、20代前半の人が1番光り輝くジャンルだと思うんですよ。自分はその時期にバンドはやってたけど、本当に何もしてなかったんです。"売れるためにCD出そうぜ"みたいなことも特にしてなかったし。周りから注目してもらえる時期を、そういうことに費やしてこなかった分だけ、色んな人に注目してもらうことに飢えてたから、それを原動力にしてるところは結構大きいかも」

ーー焦りはありましたか?

「焦りはあまりなかったかな。あと流行りを追う性分じゃなかったので、他のロックバンドと比べて足りないものが何なのか自分でわかってなかったから、何に悔しがればいいのかわからない悔しさがずっとあって」

ーー流行りを意識して曲を作るんじゃなく、自分の中で生まれるものを出していった。

「今となってはそれが良かったんだろうなと思いますけどね」

ーー曲の作り方やスタンスは今も変わらずですか?

「曲を作るのは単純に上手になりましたけど、あまり変わった感じはしないかも」

ーー水野さんご自身は自然体でやれてきた感じ?

「ウエムラに最近インタビューで"無理し慣れてるね"と言われたんです。20年やってきた中で、自分は変わってないけど強くはなったと思うんですね。それは多分、体力的にもメンタル的にも自分が少しずつ活動に適した形になってきたんだろうなって。無理してないつもりで楽しんで活動してるけど、傍から見たら無理し慣れてるらしいです(笑)」

ーー例えば小さなしんどいことが積もると、大きなモヤモヤになったりしませんか?

「メンバーもそうですけど、バンドって積もっていく嫌なことは意外と少ないと思っていて。例えば辞めたメンバーや、今は休んでいるメンバーがいるんですけど、俺は今まで全員と、どうキツいか、どうダメだったか、いっぱい話をしてきて。みんなやっぱり音楽以外のところ......自分の生活が変わって音楽できなくなるとか、そういうところがキツかったりして。"無理し慣れてるね"というのも、単純に"殴られ慣れてるね"というか(笑)。蓄積していく無理とも違うのかなと思います」

ーーなるほど。ご自分の歌に対して自信がついてきたとラジオでおっしゃっていましたが、歌への意識の変化はありましたか?

「バンドを始めた頃、自分の声がすごく嫌いだったんです。というのも、自分はあまりボーカルに適した声じゃなかったんです」

ーー元々ドラマーだったんですよね。

「そうです。"曲作ってるの俺だし歌うわ"という感じでボーカルになったんですけど、自分の声質はボーカルじゃないなとずっと思っていて。でもCDを作って、ライブの音源とか毎回聴き直して......未だに嫌いな部分は慣れたんじゃなくて嫌いだけど、"今の部分は好きだな"とか"俺、こういう声を出してる時は好きだな"みたいな部分を少しずつ集めて今を作った感じなので、それをもうちょっとみんなに聴かせたくなって。だからボーカルが聴こえやすい音源にしたり。昔から担当してくださっているエンジニアの松井さんも自分の癖や苦手を理解してくれているので、本当にめちゃくちゃ考えてもらって」

ーーお付き合いも長いんですね。

「そうです。20年やってきて1番良いなと思うのは、それこそRPGじゃないですけど、自分が好きな人、才能に惚れてる人、信頼している人、頼りにしてる人、尊敬してる人、そういう人たちだけで1つのものを作れるようになったこと。今作の『勝手』なんてまさにそう。どこを見ても自分が好きなものを作ってる。昔はまだ人と知り合ってないし、ライブでも関わってる人の名前や顔がわからないとか、知らない部分がたくさんあったんです。でも今は誰と作っているかわかってきた。それはバンドをやってきて良かったと思うことの1つかもしれない。だからロックバンドをやってる子に"長く続けて何がいいんですか?"と聞かれたら、そこをまず言いたいですね。"自分の1番好きな人やものだけで作品を作れるよ"って」

ーー今作は自信作であり、好きな人たちと作れた作品なんですね。

「今作は1番そう思ったかも。ロゴから全部作りましたからね」



『みちづれ』は、ウエムラと荒金への想いと愛を込めた楽曲



ーー今作『勝手』は全曲ウエムラさんが加入してからの作品ですか?

「全曲じゃなくて半分ぐらいですかね。『1P(2023年2月配信リリース)はまだベーシストが決まってない時に作った曲なんですけど、実はウエムラが弾いてるんです。これ意外とみんな知らない(笑)」

ーー荒金さんはレコーディングのどの辺りまで参加されていたんですか?

「『1P』までですね。『みちづれ(2023年10月配信リリース)』を作ってる途中で体調を崩しちゃったので。本当は『みちづれ』のギターソロも弾いてもらう予定だったんですけど、荒金の作ったフレーズをメンバーがコピーして弾いてます」

ーー『臨死ファンクラブ(M-2)』『埃の降る街(M-4)』『勝手にしやがる(M-6)』の新曲は、いつ頃作っていかれたんですか。

「本当は『勝手』自体、去年出す予定だったんですよ。荒金が休むということでリリースを一旦バラして、その時に作っていた『みちづれ』を先にリリースしたんです。そこから内容を変えてまたアルバムを出し直そうとなりました。だから『みちづれ』以降の曲はここ1年間で作って、それ以外の曲はその前にあったものですね」

ーー1回バラしたというのは?

「もう曲を作り直しました。『みちづれ』はちょうどウエムラが加入した時と荒金が休んだ時、両方のタイミングが重なったんですよ。最初はウエムラが加入したお祝いのつもりで書いた曲だったんです。"良い時も悪い時もお前を『みちづれ』にするよ、任せといて。最終的にはめちゃめちゃ面白いことが待ってるからね。これからよろしくな"という歌詞で、ベースを紹介する曲だったのでベースを目立たせたんです」

ーーアウトロのベースは特に印象的でした。

「そこも全部ウエムラのセンスでやってもらったんですけど、荒金が曲作りの最中で休むよとなったので、ちょっとだけ歌詞を変えさせてもらって、"どれだけ休んでても一緒にいなくても、行けるところにはちゃんと一緒に連れていきたいよ"という荒金への想いを込めました。そこからは『勝手』というアルバムタイトルに対して、"こういう勝手があるよね"という感じで作っていきました」

ーー『みちづれ』で荒金さんに向けた歌詞はどこですか?

「マジで<ちゃんとすんな>ですね(笑)。本当に真面目な子で、自分を型にはめようと頑張った末にキツくなっていたから、"ちゃんとしなくていいよ"って」

ーー<Hey Ho>はRAMONES感もありつつ。

「そうです、そうです。"Hey Ho,Let's Go"は裏テーマです」

ーーメンバーさんへの水野さんの愛情が詰まった曲なんですね。

「この曲は本当にそうかもしれないですね」





"どんなテーマで何を考えても、俺は同じように歌える"、それが誇らしい



ーー『みちづれ』と『臨死ファンクラブ』と『ボーイズハッピーエンド(M-5)』は同じテーマを歌っているということですが、意図せずですか?

「意図せずだったんですけど、"結局同じことを歌ってるんだから同じ表現になるよね"って。昔はレパートリーがないというか、"同じじゃない?"と言われるのが嫌で、同じことを歌うのを避けてたんですけど、"どういうテーマで何を考えても、俺は同じように歌えるな"と思えて、今回はそれが誇らしかった」

ーー別々に作っても、結果的に同じことを歌っていたと。

「そう。それがすごく嬉しかったですね。今作で1番古い曲はコロナ禍に作った『TV MUSIC SHOW(M-7)』なんですけど、そこから言ってることもテンションも表現の仕方も変わってないのが最高だなと思って。ほんとはあまり古い曲を入れずに、最新曲でいった方がいいかと思ったんですけど、"むしろ自分たちのウリになるよね"という話で丸々入れた感じですね」

ーー『臨死ファンクラブ』は水野さんの死生観が表れているのかなと感じました。この曲はどんなキッカケで作っていかれたんですか?

「これは、自分が注目してほしい時や、自分の何を売っていいのかわからないけど自分を見てほしい時......例えば自分が死にそうになったり、危ない目に遭ったりした時に"見てもらえるわ"って味をしめちゃう状態を歌ってます」

ーーああ、なるほど。

「例えば"これだけ辛いぜ"とか"こんな怪我しちゃったぜ"とか"俺、本当に今死にそうなんだけど"という状態にならないと、人に注目してもらえないというか。どちらかというと昔の自分がそうだったんです。死にたいわけでも消えたいわけでもないけど、"そういう瞬間はみんな見てくれるでしょ"っていう、ちょっとひねくれた思考(笑)。でももちろん、"死ぬギリギリまでおちゃらけて注目を浴びるから、最終的には一緒にいてくださいね"という、見てくれてる人に対するメッセージでもあります」

ーー<臨終前の暴動 カーテンコールの最中 手を繋いでいてね>に今のお話が詰まっているんですね。水野さんの"臨死"に対するイメージはどんなものですか。

「多分元気なうちに死ぬとしたら、死ぬ前の瞬間の自分が1番カッコ良いと思う(笑)。ロックバンド的に普通に生活してて死ぬとなったら、俺、その死ぬを使ってめちゃめちゃカッコ良くなってやろうと思っちゃうと思う。だからスピリチュアルな何かみたいなのはマジで全くなくて(笑)」

ーーイントロの<臨終前のデストロイ 臨死ファンクラブ>という掛け声とノイズギターがカッコ良くて、ロックスターの曲だなという感じはすごくしますね。

「音作りも、ガチャガチャさせる技と聴きづらい部分をすごく強調させました。本当は綺麗な音質で録ってくれたりもしたんですけど、曲のテーマ的に"尖らなくてもいい部分を尖らせる"という共通点を持たせたくて。ギターの音もわざと汚い音を出したり、いつもと違う感じを意識しました」

ーー『1P』も『臨死ファンクラブ』も、轟音だけどまとまっていますよね。

「嬉しいですね。あれだけギャンギャンな音で録って、それでもちゃんとまとまるのは、もうほんとに楽器隊のおかげです」





自分の好きな70's歌謡の要素を、素直に楽曲に入れられた



ーー『埃の降る街』も切ないグッドメロディーで好きな曲です。

「ありがとうございます。今回は結構"初期衝動感あるね"とか、"20年なのに1枚目みたいだね"と色んな方に言ってもらえるんですけど、自分の中で初期衝動みたいなルーツを入れたのが、まさにこの曲かもしれないです。僕は70's歌謡が大好きで、すごく掘ってて。これまでそこを隠してたんですよね。やっぱり歌謡って現代のノリと混ぜるには難しい部分があったりして、そこを見せすぎるとどうしてもメロウな方に引っ張られるなと、最初は悩んでて。でも長くやっていくうちに、自分の中でどう好きな部分を出せばいいかわかるようになって、最近は隠さなくなったんですよ。だったらもう一切隠さなくていいじゃんって。あまり"ロックバンドです"と前面に押し出すポーズを取らなくても、初期衝動やルーツを1回出してみたら?と言われて、"今いいかもね"と言って作ったのがこの曲です」

ーー出してみたらと言ったのは、メンバーさんですか?

「メンバーからもマネージャーからもです。俺が頑なに出さなかったので」

ーービレッジマンズストアとしての見え方を気にされたんですか?

「最初俺は、流行り廃りなく楽しんで音楽をやってて、それでうまくいかなかった悲しさもあったから、自分の中で大事で大好きなものを外に出すことを封印してたんです。だけど今出しても、好きなものが混ざり合って、自分の中でどんなふうにも完結できるように成長したのかも知れない。前のアルバム(『愛とヘイト』2021年7月)でも歌詞を引用してみたり、好きなメロディーラインをうまく入れ込んでみたり。"こういうノリ出せないからやめとこう"と思っていたものをだんだん出せるようになってきたから、"隠さなくていいか"となったのかも。何なら初期の頃は自分たちのことを"歌謡ロック"と言ってましたから。バンドの印象もあってやめたんですけど、今はすごく自然にハマるようになりました」

ーー好きなものが出せて、気持ち良かったですか?

「いや、"大丈夫?"ってみんなにめちゃくちゃ聞きました(笑)」

ーー皆さんの反応は?

「"ミニアルバムを作るにあたって、こういう曲は絶対必要だったね"とメンバーも言ってくれて、出来上がるのがめちゃくちゃ早かったです。自分の中では工夫がいらない曲だったので、2~3日で完成しましたね」

ーーデモからレコーディングまでですか?

「レコーディングに決めきるところまでですね。最初"こういうことをやりたいんだ"と言ってからがすごく早かった」

ーー哀愁を感じる名曲ですね。

「この曲は結構自分に任せてもらった曲で、自分の頭の中に浮かんでたものを形にしたい気持ちが最初からあったので、歌詞をメンバーにもギリギリまで見せてないんです。哀愁の元はよく引き合いに出すんですけど、映画『田園に死す』の最後のシーンです。言わば田舎コンプみたいな話なんですけど、それが結構自分とリンクするんです。元々田舎者だし、コンプレックスは永遠に出てくるし、人に言ってもわからないだろうと勝手に思ってる。だから、こういう曲はあまり周りに相談せずに歌詞にしちゃうことが多いですね」

ーー水野さんの出自が表れているんですね。歌詞は歌録りの時にメンバーさんに見せられたんですか?

「相談してみんなで作りたいなと思ってる時と、勝手に進めちゃう時の差が激しいというか(笑)。この曲はみんなに相談するのも野暮だなと思って、1人で書きました」

ーーライブではどんな感じになりそうでしょうか。

「まだ実感が湧いてないというか。自分たちでもライブバンドと言ってるので、もちろんライブを意識して曲作りもするんですよ。例えば"ここでこういう演出がしたいからこういうブレイクを入れよう"とか。でもこの曲はそういうのを全く意識しないで録ったので、ライブでやってみるまでは立ち位置がわからないですね」

ーーライブをやるうちに曲の立ち位置が出てくるんですね。

「"ライブ用の演出としての曲作り"と決めきってしまうと、あまりこういう曲ができなくなるんですよね。だからちゃんと頭を切り替えて、"聴かせたいもの"として作りました」



全てが完璧だった、リード曲『勝手にしやがる』



ーーリード曲の『勝手にしやがる』はゴリゴリのロックチューンですね。

「この曲はライブを意識したわけでもなく、ほんと勢いのままにできた曲です。本当はみんな『臨死ファンクラブ』が"1番耳障りも良いし、リードにいいんじゃない?"という感じだったんですけど、俺がこの曲を気に入りすぎて、完全に俺の一存というか、わがままでリードに変えたんです(笑)」

ーーどういうところを気に入られたんですか?

「メンバーと相談して決めるのも、もちろん良い決め方なんですけど、この曲は音にする前から、完成図が全て俺の頭の中にあったんです。だから例えばメンバーに"ここどうしたらいい?"と聞かれた時に、すぐ答えられるんですよ。例えばギターの音色に関して、エフェクトでショートディレイの音が反復するようなギターを使ったり、ボーカルは2回同じものを歌って、それを重ねたり。そういう音作りを最初から完全に決めきって、"こうすればこうカッコ良くなる"というのがわかった状態で作った曲で」

ーーなるほど。

「俺がどうしてこの曲を気に入ったかと言うと、曲を作った側のエゴでしかないかもしれないけど、自分のやりたいことが全部完璧にできた曲であり、かつ全てが噛み合ったというか。自分が出したいタイミングにこういう曲を作れた。レコーディングの環境が良かった。レコーディングしてくれた人の筆が乗っていた。俺の歌もめちゃくちゃ乗った。メンバーが良いノリを出してくれた。そこが全部噛み合ったんです。すごく良い音源になった。作品として知らない人にも聴かせたいという想いが強かったので、リードしました」

ーー完璧にできたって、すごいですね。

「これは自分の中で完璧でした。自分がやりたい音源って90点くらいで止まるんですよ。でも『勝手にしやがる』は、"これだったら音源にしていいですね"のレベルをちゃんと超えた。音源が完成して初めてわかったので、"この曲が良い"ってごり押ししました(笑)」

ーーMVも水中に潜って、すごく身体を張っておられて。

「めちゃくちゃ安全にやってもらったんですけど、ビシャビシャの自分を映されるのはめっちゃ恥ずかしかったですね(笑)」

ーー撮影は大変でしたか?

「でも楽しかったですね。多分うちのメンバーはみんな、"今までのMVであまり見たことないことやるぞ"と思うと、楽しくなってくる節があるので。今回は"Nirvanaの『Nevermind』のジャケットと同じように、お札を追いかけてもらいまーす"と言われた時にワクッとしちゃったから。全く同じポーズで撮ろうとかじゃなくて、それぞれテンションが上がって色んなことをできたのは良かったですね」

ーー監督は加藤マニさんですね。

「マニさん、澄ました顔でそういうことしてくれるので、めちゃくちゃ面白いんですよ」





ビレッジマンズストアの20周年はここから始まる。1年をかけて御礼参りへ



ーー今作はビレッジマンズストアにとってどんな1枚になりましたか?

「既存の曲から考えると、制作期間はすごく長かった。その中で一貫したものがちゃんとあったので、"自分たちの芯にあるものはこれなんだ"というのがはっきり見えた音源だと思います。タイトルが『勝手』というのもあって、自分たちは世の中を面白くさせる存在として、みんなが想像し得ない勝手なことをもっとたくさんやっていくべきロックバンドなんだなって。良い意味で、色んな形で期待を裏切る"勝手"をたくさんやっていくようなロックバンドになりたいんだなって。その指標になるCDになったと思いました」

ーー20年やってきて、新たなる指標ができたと。

「うち、気付きが遅いんですよね(笑)。20年経って総括する能力はついたのかな。今になってちゃんと"自分たちはこれやりたいんだな"ということがわかった。他のメンバーももちろんそう思ってると思うし」

ーー2025年1月からは、村立20周年記念ツアー『スーパー御礼参り』が始まりますね。関西でいうと、1月18日(土)は京都 livehouse nano、2月20日(木)が神戸 太陽と虎、3月23日(日)が大阪 BRONZEです。

「次のツアーは、11月17日にZepp Shinjukuで行う『正しい夜遊びの解』から始まる周年の幕開けというか。15周年で『御礼参り"聖地巡礼行脚"』という企画(お世話になった全国のライヴハウスを1年間かけて行脚するというもの)をやったんですよ。その一環で2021年に『御礼参り』という曲も出したんです。あとは2017年に『正しい夜明け(2016年11月)』のリリースツアーのファイナルで『正しい夜遊び』という公演をやって。『正しい夜遊びの解』も『スーパー御礼参り』も、"昔を上回らないといけないよ"という意味で自分たちに課したタイトルなんです。今は、当時よりも自分たちが色んな意味で"勝手に"色んなことを楽しんでる。全てが予定調和にはならないと思うんですけど、そうならないように20周年を総括できるツアーにしたいです」

ーー2025年11月22日(土) のファイナル、名古屋・DIAMOND HALLまで1年かけて廻られるんですね。

「昔やった企画を今やったらどうなるのかとか、色んな企画を考えながら、1年間かけて全国を廻ります。途中で音源リリースもあるし、来年はそれに賭けていきたいです。そして1年経った時、"次にどんなやりたいことをできるのかな"と楽しみながらやる周年だと思うから。"それまでに絶対やり残したことがないようにしような"という話をメンバーとしてて。だから"20周年、これで俺たち全部やれました"と思えるような1年にできたらなと思います」

Text by ERI KUBOTA




(2025年1月 6日更新)


Check

Release

最高の7曲が収録された4th mini Album『勝手』発売中!

1980円(税込)
414-LDKCD

配信リンクはこちら

【収録曲】
01. みちづれ
02. 臨死ファンクラブ
03. 1P
04. 埃の降る街
05. ボーイズハッピーエンド
06. 勝手にしやがる
07. TV MUSIC SHOW

Profile

ビレッジマンズストア…焦燥と劣等感をもって焦燥と劣等感をぶち壊す、名古屋が生んだロックバンド。激情的かつ優しさをはらんだ楽曲で展開される華やかド迫力の型破りロックンロールショーは一級品。2003年11月結成。2021年7月14日、2ndフルアルバム『愛とヘイト』リリース。2022年1月、『愛とヘイト』リリースツアー"愛憎超過ツアー(強)"ファイナルワンマンシリーズを恵比寿LIQUIDROOM・梅田CLUB QUATTRO・Zepp Nagoyaにて開催。2023年3月、ワンマンツアー「修羅」ファイナル公演・恵比寿LIQUIDROOM公演にて開催。同年ウエムラ(Ba.)が正式メンバー加入。2024年10月23日、4th mini Album『勝手』をリリース。11月17日にはZepp Shinjukuで村立20周年記念公演『正しい夜遊びの解』を大成功で終了。2025年1月13日からは千葉LOOKを皮切りに村立20周年記念ツアー『スーパー御礼参り』をスタートさせる。

Live

ビレッジマンズストア 村立20周年記念ツアー「スーパー御礼参り」

【千葉公演】
▼1月13日(月) 千葉LOOK
※ワンマン公演
【名古屋公演】
▼1月16日(木) R.A.D
[ゲスト]memetoour
【京都公演】
▼1月18日(土) 京都nano
[ゲスト]ガガガSP
【香川公演】
▼1月31日(金) TOONICE
[共演]ナードマグネット
【岩手公演】
▼2月8日(土) the five morioka
※ワンマン公演
【宮城公演】
▼2月9日(日) 仙台ROCKATERIA
[ゲスト]climbgrow
【石川公演】
▼2月11日(火) 金沢vanvanV4
[共演]ザ・シスターズハイ

PICK UP!!

【兵庫公演】

▼2月20日(木) 19:00
神戸 太陽と虎
オールスタンディング-4000円(整理番号付、ドリンク代別途要)
※ワンマン公演
※未就学児童は入場不可。小学生以上は有料。
※出演者が許可した場合を除き、写真撮影、録音・録画禁止。
[問]清水音泉■06-6357-3666

【福岡公演】
▼2月22日(土) 福岡Queblick
※ワンマン公演
【広島公演】
▼2月23日(日) ALMIGHTY
[ゲスト]ガガガSP
【岡山公演】
▼3月7日(金) CRAZYMAMA 2nd Room
[ゲスト]プッシュプルポット
【札幌公演】
▼3月16日(日) SUSUKINO 810
※ワンマン公演
【名古屋公演】
▼3月20日(木) RAD HALL
※ワンマン公演

PICK UP!!

【大阪公演】

▼3月23日(日) 17:30
BRONZE
オールスタンディング-4000円(整理番号付、ドリンク代別途要)
※ワンマン公演
※未就学児童は入場不可。小学生以上は有料。
※出演者が許可した場合を除き、写真撮影、録音・録画禁止。
[問]清水音泉■06-6357-3666

【東京公演】
▼3月29日(土) Spotify O-Crest
[共演]Atomic Skipper
【東京公演】
▼3月30日(日) Spotify O-Crest
※ワンマン公演

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