ホーム > インタビュー&レポート > 2024年12月21、22日の2日間にわたり、 ROTTENGRAFFTYが主催する『響都超特急2024』が 京都パルスプラザで開催した2日間の模様をレポート
【DAY1】
Photo by Yukihide"JON..."Takimoto
金閣のステージにふさわしい、煌びやかな特攻服を身にまとい、祝砲ならぬバイクのエンジン音を吹かしながら登場した氣志團。「今日一日最高にしようぜ! これから2日間、朝から晩まで戦わなきゃならない。さぁ行こうか!」とくれば、もちろん「One Night Carnival」だ。出演が叶わなかったTHE ORAL CIGARETTESや主催であるロットンの楽曲をアレンジしたりと、盛り上げ上手な5人は愛もネタも満載なステージで盛り上げてくれた。
Photo by Taka"nekoze photo"
「暴れ狂うぞ!」、7年ぶりの出演となるCrossfaithは「The Final Call」から一気にフロアの熱気を高めていく。重厚なリズムを怒涛のごとく打ち出しと、それに応えるように高速のサークルピットを生み出す観客。強靭なビートが体の正面からぶつかり、フロア一面に波打つようにヘッドバンキングが沸き起こる。
Photo by 岩渕直人
「どんなもんかな~♪」、ご機嫌にフロアを見渡すと、「君にしか」から"いつも通りにいつも以上"なパフォーマンスで観客を圧倒していくハルカミライ。真摯に音をぶつけ、内側から燃え滾るような音を鳴らす4人。一切の嘘がない、シンプルなサウンドに心掴まれ、誰もが拳を高く掲げていた。
Photo by かわどう
「Emotions」から盛大なシンガロングが沸き起こったMAN WITH A MISSION。楽曲を披露するごとに歓声が沸き起こり、フロアに何度も熱のピークを生み出していく。フェスではおなじみのキラーチューンを連発するも、そのどれもが音の進化はもちろん、圧倒的な存在感を放っていて、瞬発力はもちろん、暴発するようなエネルギーの大きさもさすが!
Photo by 岩渕直人
Photo by かわどう
銀閣ステージにはDizzy Sunfist、SIX LOUNGE、THE GELUGUGU、Jin Dogg、ENTH、SPARK!!SOUND!!SHOW!!、四星球が出演。Dizzy Sunfistは「みんなの心カツアゲしにきました♪」と「SHOOTING STAR」で、バンドはもちろん、観客さえも輝かせるようなギラついた音を鳴らし、SIX LOUNGEは新曲「My Way」など、がむしゃらなロックンロールサウンドを奏でる。6年ぶりの出演となったENTHは「SCUM DOG FART」でご機嫌に観客を躍らせると、トリの四星球は前代未聞、25周年のロットンを祝うべく30分の持ち時間で25曲を演奏するという愛溢れるパフォーマンスでイベントを盛り上げた。
Photo by かわどう
さらに金閣と銀閣ステージ、それぞれの転換時には今年も芸人ステージが登場。初日は、はるかぜに告ぐ、チャンス大城、ヨネダ2000、吉本新喜劇、中山功太が出演。キレ味抜群の笑いで観客を楽しませ、音楽と笑いで常に幸福度高めな時間を楽しむことができた。
Photo by Yukihide"JON..."Takimoto
イベント中盤とはいえ、会場のボルテージが収まる気配は一向にない。ヤバイTシャツ屋さんは「ロットンの親戚、ヤバイTシャツ屋さんです!京都府代表、やらせてもらいます!」と「無線LANばり便利」など、地元の雄たる姿をたっぷりと誇示してくれた。真冬の京都で鳴らす"タンクトップ"2連発から、「D.A.N.C.E.」のカバーまで、何度もトドメを刺すようなタフなサウンドで圧倒!
Photo by 浜野カズシ
フロアがカオスの極みに達しようとしていたのがマキシマム ザ ホルモンだ。「鬱くしき人々のうた」など、まるで鈍器のような重厚なサウンドでフロアを揺らす4人。吉本新喜劇のネタや小芝居で笑いもしっかり入れたと思いきや、サプライズで生田斗真が登場! 「殺意vs殺意(共犯:生田斗真)」でコラボするだけでなく、そのままラスト「恋のメガラバ」まで突っ走り、圧巻のパフォーマンス×イケメンで老若男女を虜にしてしまった。
Photo by Yukihide"JON..."Takimoto
誰よりもヒリついたパフォーマンスで観客を夢中にさせた04 Limited Sazabysはスタート早々に、「fiction」「monolith」と特大のサークルピットを生み出すキラーチューンを連発。トリのロットンへ"繋ぐ"のではなく、"奪い取る"ような気迫を感じるパフォーマンスに観客も呼応し、熱気はさらに上昇。ギラついた視線で歌い上げる「My HERO」など、リスペクトと闘争心剥き出しのライブに拍手喝采が沸き起こった。
Photo by Taka"nekoze photo"
「泣いても笑っても最終列車。明日が当たり前にくると思うな。輝き狂え!」、ROTTENGRAFFTYが記念すべき"ヒビキュー"初日、1曲目に選んだのは「ハレルヤ」。金閣が漆黒に染まるような、タフで重厚感たっぷりなサウンドが鳴り響く。GERUGUGUホーン隊が加わっての「D.A.N.C.E.」、THE ORAL CIGARETTESの「5150」をさらりとカバーしたり、NOBUYAとN∀OKIがフロアに突っ込んだりと、一瞬たりとも目が離せない。
Photo by かわどう
結成25周年、バンドを続けていくことの大変さ、メンバーとの絆。すべてが積み重なって今があると語り「まだまだ進む。変わり続ける。不器用なオレらでも、その先へ...。まだ観たことのない景色へ」。バンドの意志を表明するように新曲「Blown in the Reborn」を披露。最終曲「響く都」まで、全力投球のパフォーマンスで"ヒビキュー"初日を駆け抜けた。
Photo by Yukihide"JON..."Takimoto
【DAY2】
ROTTENGRAFFTY(以下、ロットン)が主催する『響都超特急2024』2日目。開演前には、おなじみのメンバー全員での"発車宣言"で「剝き出しのまま来てください!」と、この日もアーティスト、オーディエンスともに全力でぶつかり合おうと言葉を送る。
Photo by かわどう
金閣のトップバッターは同じく京都の雄である10-FEET。この日はドラムのKOUICHIが手術からの復帰が遅れ、サポートドラマーを入れてのステージに。もちろん、オリジナルメンバーでのライブこそがベストなんだけど、SHANK・早川尚希、komaki、そしてロットン・HIROSHIと三者三様なスタイルを楽しめる貴重なステージとあって、観客も大興奮。「RIVER」や「第ゼロ感」など、この日限りのスペシャルなライブセットを大満喫することができた。
Photo by 岩渕直人
「思いっきり盛り上げようぜ!」、ショートチューン連発&ご機嫌なメロコアサウンドでフロアを歓喜の渦に巻き込んだのがdustboxだ。彼らもロットンと同じく結成25周年のバンドだが、バンド初期は互いにギスギスした関係性もあったというが、今ではなくてはならない存在だと語り、ロットンや10-FEETメンバーも飛び入りしつつ、「To All My Friends」などで相思相愛ぶりを見せつけていく。
Photo by Taka"nekoze photo"
1曲目からさらりと「THIS WORLD」をカバーし、フロアの熱を急上昇させたDragon Ash。「Fantasista」をはじめ、愛おしささえ感じる壮大なミクスチャーサウンドに誰もが拳を高く突き上げ、全身で音を受け止めている。京都を代表するロットン、10-FEETが大いに盛り上げたイベント前半、「オレらも負けてらんねぇよな!」とThe BONEZ・JESSEを呼び込み、「Straight Up feat. JESSE」で鋭利なバンドサウンドでフロアを席巻。
Photo by 岩渕直人
ストイックかつ、ギラついたパンクロックサウンドが炸裂したSHANK。イベント出演のオファー時は銀閣でのステージだったものの、気付けば金閣での出演になったと語り、ロットンからの心意気に応えたいと、「Wake Up Call」「Set the fire」と攻めの姿勢を緩ませることなく突っ走っていく。もちろん、感情を焚き付けられた観客はモッシュにダイブにと全力で音に応え、フロアはライブハウスさながらの熱気と湿度に。
Photo by Taka"nekoze photo"
続くThe BONEZもサウンドチェックからメンバーの気合十分。「(ロットンには)感謝しかないから、ぶっ壊しに来ました!」と、「Love song」など激しくもピースフルなステージで魅せていく。激情と美しさの狭間を行き交うバンドサウンドはとにかく多幸感にあふれ、誰もが満面の笑みを浮かべ、モッシュにダイブにと大暴れ。「Straight Up feat. Kj」でのKjとの再びのコラボなど、さすがのひと言に尽きるパフォーマンスで楽しませてくれた。
Photo by Yukihide"JON..."Takimoto
もちろん、2日目の銀閣ステージも大盛り上がり。FOMARE、BALZAC、SHADOWS、ROWHOO、山嵐、GOOD4NOTHING、The Ravensがジャンルも経験値も飛び越え、熱量高いパフォーマンスでフロアを揺らす。この日の出演者のなかで唯一の20代バンドだったFOMAREは「半端じゃないFOMARE、観たくないですか!?」と「80%」など昂る感情をステージにぶつけていく。
音楽のパワーに煽られるようにお笑いステージも大賑わいで、にんげんっていいな、金属バット、鬼越トマホーク、吉本新喜劇、ヘッドライトが観客の笑いをかっさらい、誰もが休む暇もないほどに"ヒビキュー"を満喫。
Photo by かわどう
体の奥底まで轟く豪快なシャウトでフロアの空気を瞬時に変えたcoldrain。「THE REVELATION」から重厚なバンドサウンドが響き、波打つように観客の体が揺れ動く。「フェスは前戯、ライブが本番。次はライブハウスで!」と、ライブバンドとしての本質を見せつけ、新曲「INCOMPLETE」など強靭でいて繊細なビート、ドラマチックでいて鋭利なメロ、相反するものを組み合わせ、唯一無二のサウンドを描いていく。
Photo by 岩渕直人
HEY-SMITHは「Endless Sorrow」からとにかく破壊力が凄まじかった。一瞬の隙も見せられない、バンドとオーディエンスの本気のぶつかり合い。病気療養と妊活のため、2024年をもって活動休止するトロンボーンのかなすにとって、この日は残り少ないステージのひとつ。「不安がないのは嘘。不安だらけやけど、ベストを尽くすから追いかけて!」と、自らを鼓舞するように「You Are The Best」など、全11曲を掛け抜けた。
Photo by Yukihide"JON..."Takimoto
『響都超特急2024』の2日間、そしてバンド結成25周年イヤーを締めくくるのはもちろんROTTENGRAFFTY。「すべて放り込んで、暴れるだけ!」、「暁アイデンティティ」からまるでケンカ腰といわんばかりのタフなナンバーを投下し、観客を狂喜乱舞へと導いていく。NOBUYAは出演者からの祝福の言葉を振り返りつつ、「おめでとうって言いつつ、潰そうとしてたよね? 誰にケンカ売っとんねん! 売られたケンカは全部買いますんで、今後もよろしく!殺す気でかかってこい!」、中指を立てつつ盛大なシャウトをかます。"ロットン"と書いて一網打尽と詠んでもいいほどの、気迫と剛毅さ溢れるステージ。ライブ終盤には出演者やスタッフ、集まった観客へ「これがオレらの宝物!」と感謝の気持ちを伝え、新曲「響都グラフティー」を披露。アンコールでは仲間たちが次々にゲスト出演してのお祭騒ぎで、最後の瞬間まで美しく激しく燃えきったROTTENGRAFFTY。
Photo by Taka"nekoze photo"
饗宴が終わった直後には2025年3月にアルバム『わびさび』、映像作品『響都グラフティー』のリリース決定を告知。26年目を迎え、さらに"超特急"で加速し続けるROTTENGRAFFTYの動向を追い続けたい。
文・黒田奈保子
(2025年1月28日更新)
【宮城公演】
▼2月13日(木) 仙台Rensa
[ゲスト]ハルカミライ
【北海道公演】
▼2月15日(土) ペニーレーン24
※ワンマン
【東京公演】
▼2月18日(火) Spotify O-EAST
[ゲスト]Dragon Ash
【愛知公演】
▼2月20日(木) ダイアモンドホール
[ゲスト]有
【大阪公演】
▼2月27日(木) なんばHatch
[ゲスト]Fear,and Loathing in Las Vegas
【福岡公演】
▼3月1日(土) 福岡DRUM LOGOS
[ゲスト]有
ROTTENGRAFFTY Web Site
https://rotten-g.com/
響都超特急 Web Site
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響都超特急 Instagram
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